VIVATECH2024開会式 岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和6年5月24日 総理の指示・談話など

 日本の内閣総理大臣の岸田文雄です。VIVATECH(VIVA TECHNOLOGY)に、日本が「Country of the Year」として参加できることを、うれしく思います。
 私は、就任以来、気候変動等の社会課題を、成長のエンジンへ転換する「新しい資本主義」という考え方で、政策を進めてきました。株価、賃上げ、投資などが大きく上向き、日本経済は30年ぶりに「変革の時」を迎えつつあります。
 社会課題に果敢に挑むスタートアップは、正に「新しい資本主義」の象徴です。私は、スタートアップを応援しています。日本でのスタートアップへの投資額は、足元の10年間で10倍と大きく伸びていますが、これを「今後の5年間で更に10倍」にしていきます。
 皆さんは、日本が「CVC(corporate venture capital)」で世界の中心になりつつあることを御存知ですか。最近の実績では、世界のCVCの投資件数上位3位は、日本の銀行が独占しています。
 日本の起業家も意欲的に活動しています。
 例えば、「ヘラルボニー」社。今回のVIVATECHでも、LVMH(エル・ヴィ・エム・アッシュ)社のブースに出展しています。創業者は、双子の松田兄弟です。
 この双子の起業家には、知的障害のあるお兄さんがいらっしゃいます。
 お兄さんが、人から「かわいそう」と言われることに違和感を持ち、「障害」のイメージを変えていくため、知的障害のある作家のアート作品をライセンス化し、事業を立ち上げました。
 福祉を起点に新たな文化を作り出す。日本を代表する起業家は、今や、LVMH社のアワードでも高い評価を得て、世界に羽ばたいています。
 今回のVIVATECHが、こうした日本の投資家や起業家と、フランス、そして世界の皆様との接点の場となり、社会課題の解決が加速していくことを期待しています。
 このVIVATECHの後にも、パリ・オリンピック・パラリンピック、そして来年の大阪・関西万博など、日仏のコラボレーションの機会は続きます。今日ここで生まれるイノベーションの種が、大阪で花開く。こうしたことも楽しみにしています。ありがとうございました。