次官連絡会議

更新日:令和7年1月17日 総理の一日

 令和7年1月17日、石破総理は、総理大臣官邸で次官連絡会議に出席しました。

 総理は、訓示で次のように述べました。

「次官各位におかれましては、日頃より大臣、副大臣、政務官をお支えをいただき、厚く御礼を申し上げる次第であります。御苦労様であります。
 私どもの政権におきましては『令和の日本列島改造』ということを掲げております。『地方創生2.0』ということを強力に推し進めてまいりたいと思っております。年初以来、申し上げていることでございますが、日本は明治維新以降、『強い日本』というのを目指して、富国強兵なんて習いましたね、富国も目指したんだが、強兵ということに非常に力を入れ、日清戦争、日露戦争、あるいは第1次世界大戦を経て、世界5大国と言われる、そういうような強い国ということになり、それを目指してきて達成をされたということだと思います。
 今年は戦後80年ということになりますが、敗戦で我々は違う価値観を目指そうということで目指したのは『豊かな日本』ということでありました。強い日本は国家が主導したものであり、豊かな日本は経済界が主導したものだと思っております。
 私は堺屋太一先生が好きで、御存命中から何度も御指導をいただいてまいりましたが、5年前に逝去される直前に最後の著書となられる『三度目の日本』という本を著されまして、私は御恵贈いただいたのであります。さっと読める本なのですが、『三度目の日本』というのはどういう意味か、国家が主導した強い日本、経済界が主導した豊かな日本、じゃあ三度目の日本は何なのかというと、最初違和感を持って読んだんですが、『楽しい日本』ということでありました。それって一体何なんだろうということに、私は毎日いろんなことを考えているのですが、国家でもなく、あるいは経済界でもなく一人一人の人たちが、安全・安心を前提とした上で自己実現が図れる、毎日がわくわくして楽しいなと、逆に申し上げれば今の日本は楽しいかい、ということだと思っております。
 次官各位御案内のことかと思いますが、日本の経済がピークだったのは多分1994年だと思っております。日本のGDP(国内総生産)は世界の中で17.8パーセントのシェアを持っておりました。1964年といったら、昭和39年で東京オリンピックがあった年ですが、その年に日本のGDPの世界シェアというのは4.5パーセントだったそうです。今4パーセントを切っております。多分3.5パーセントということであります。私はGDPは全てだとは言わないけれども、付加価値の総和がGDPであり、このお金を出してもこの商品買いたいな、このお金を出してもこのサービスを受けたいなと、このお金を出してもというのが付加価値の本質だと思っております。そして、それが楽しさにつながっていくんだろうと思っておる次第でございます。そういうものを目指してまいりたいと思い、『地方創生2.0』というものは『令和の日本列島改造』と申し上げました。私の師であります田中角栄先生が日本列島改造論を唱えられた。昭和47年のことであります。高速道路を整備し、新幹線を整備し、ということで、角栄先生ならではの大胆な発想であったと思います。その後、狂乱物価、オイルショックというのがあって、それは完全な形での実現を見なかったのだけれども、令和の日本列島改造というのは、そういうような考え方に基づきながら、先人が安全で安心で強い日本というかどうか、いろいろな考え方があるんだと思いますが、豊かな日本というものは実現をされてきたのだけれども、これもまた次官各位ご存じのとおり、一人当たりのGDPって今、日本は世界第39位ということでございます。韓国にも台湾にも抜かれたということであります。
 地方創生2.0というものは、昨年、基本的な考え方を取りまとめたところであります。皆様お読みいただいたと思いますが、地方創生に関係します部局のみならず、全省庁が一体自分のところで何ができるんだろうかと国民の皆様方と共に何ができるかということを御提案を積極的に頂きたいと思っております。
 それは地方創生担当部局がやることさ、ということではなくてですね、それぞれの省庁におきまして、国民の皆様と共にどうやったらそういうような付加価値を創出するような日本をつくることができるかということを積極的にお考えいただき、御提案を頂きたいというふうに思っておるところでございます。
 いわゆる『コストカット型の経済』から『付加価値創出型の経済』ということも唱えておるところでございますが、口で100回言っても1,000回言っても実現をするものではございません。本当に何ができるかということ、そしてデフレから完全に脱却するということを目指して、新しい国をつくってまいりたいと思っております。
 重ねまして、皆様方の御努力、心からお願いをし、皆で共に力を合わせて、もう一度安全で安心で豊かな、かつ一人一人が幸せを実感できる。そういうような日本を目指してまいりたいと思っております。お力を賜りますよう心からお願いを申し上げます。以上であります。」

これまでの総理の一日