拉致被害者御家族等との面会
令和7年2月20日、石破総理は、総理大臣官邸で拉致被害者御家族等と面会しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「御多忙の中お出かけいただきましてありがとうございます。先日、有本明弘さんが御逝去になりました。私がお話をさせていただいたのが去年の11月でしたか、そして直前にもお電話でお話しをさせていただきました。信じられない思いもいたしますが、誠に残念至極であります。心から哀悼の意を表する次第であります。御家族の皆様方にもお悔やみを申し上げたいと存じます。
先ほど運動方針を頂戴をいたしました。内容につきましては、被害者の皆様の即時御帰国に向けた御家族、そしてまた救う会の皆様方の極めて切迫した思いを真摯に受け止める次第でございます。いまだに御帰国が実現していないことは、政府として極めて申し訳ないことであります。
先般、トランプ大統領と会談を行いました。その際に、大統領から拉致問題の解決に向けた全面的な支持を得たところであります。私から横田早紀江さん、また有本明弘さんを始めとする年齢を重ねられた御家族の皆様を念頭に、以前、トランプ大統領と面会をされた際の写真を示しながら現状説明をいたしました。大統領からは御家族はどうしておられるのかというお話もございました。今後、米朝間の交渉ということの可能性がございます。大統領にはその強い思いがあるというふうに拝察をした次第でございます。その際に必ずこの問題を提起するということで合意をした次第でございます。
私がこの職に就きましてから、5か月が経過をしておるわけでございますが、もう時間もそんなに猶予があるわけではございません。そのことはよく承知をいたしております。小泉総理が訪朝から帰られたときに、私は拉致議連の会長でございまして、その席にも同席をいたしました。横田早紀江さんが「めぐみは生きている」というふうに叫ばれたのを、私は一生忘れることはございません。
私自身、この問題はトップ同士が会談をし、解決へ導かねばならないということはよく承知をいたしておるところでございます。その強い決意をもって、この問題はよく申し上げることでございますが、単なる誘拐事件ではないのであって、国家によって同胞が拉致されていまだ帰ってこないということは、国家主権の侵害であるというふうに強く思っております。それは総理大臣になる前からずっと申し上げておることでございます。事が国家主権の侵害である以上、国家として政府としてあらゆる可能性は模索をしていかなければならないところでございます。御家族の思いというものを考えましたときに、安倍総理、そしてその前の小泉総理、そして菅総理、岸田総理、歴代政権が持ってまいりましたその思いを私も共有しながら、繰り返しますが、あらゆる手段をもってこの解決に力を尽くしてまいります。相手が北朝鮮でございますし、そしてまた、トランプ大統領とのかつての会談を思い起こしまして、あの体制の保証ということを向こうは求めて、それがどんなに我が国にとって困難なことであるのかということであります。
拉致問題を解決するということと、あのような体制をどうして我が国はこれから先やっていくのかということをあわせて考えていかなくてはならないところであります。そして、トランプ大統領の全面的な支持を得ておりますので、これは我が国の問題でございます。我が国として解決をしていかねばならないのであります。他国によって解決をされるものではございません。この問題にかかりましたときに拉致議連としてこの問題を、英語はもちろんでございますが、中国語、ドイツ語、フランス語、いろいろな国の言葉に訳して、世界に出張する我が党あるいは友党、その国会議員が必ずそれをもってこの問題提起をするということをいたしてまいりました。
国民世論の支持も併せて必要でございますが、時間が経過しますとともに、この言葉は私はあまり好きではないのですが、この問題が風化するということがあってはなりません。時間の経過とともに、というかそれと反比例する形で、私どもは更に国民に対する啓発ということをやっていかねばと強く思っているところでございます。
本日はいろいろなお話を承りながら、私どもの今後の糧といたしてまいりたいと思います。何としても、この問題を解決するために、政府として力を尽くしてまいります。よろしくお願い申し上げます。以上でございます。」