経済財政諮問会議
令和7年3月10日、石破総理は、総理大臣官邸で令和7年第2回経済財政諮問会議を開催しました。
会議では、マクロ経済運営(金融政策、物価等に関する集中審議)に関する議論、また、第2回賃金向上に関する特別セッションが行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、マクロ経済運営に関する議論を行い、また、第2回の賃金向上に関する特別セッションを開催いたしました。
日本経済は、成長型経済への移行に向けた歩みを続けておりますが、現在、物価上昇率が高まり、長期金利も徐々に上昇しています。
先月、2月4日の閣僚懇談会では、私から関係閣僚に対しまして、重点支援地方交付金など地域の実情に応じた物価高対策、政府備蓄米の活用など、物価高に対応するための施策の迅速かつ効果的な実施を指示いたしました。引き続き、物価動向やその上昇が家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いつつ、これらの施策を最大限いかすことによって、物価高から国民生活・事業活動を守り抜くことといたします。
その上で、長期金利の急激な上昇や世界経済の不確実性の高まりなどへの備えを万全にしつつ、潜在成長率の引上げに重点を置いた政策対応を進めてまいります。
賃金向上に関する特別セッションでは、日本の物価・賃金は、長きにわたり動きが乏しい状態にあったが、消費者のインフレ予想の上昇や人手不足を背景にした賃上げなどにより、この3年間で、物価と賃金が共に上がる好循環が動き始めていること、この好循環を定着させるため、3年目となる今年の春季労使交渉が重要であること、そして、政府が、最低賃金の引上げについて予見可能性を高めることは、賃上げ全体の後押しとなること、物価・賃金・金利の価格メカニズムが働くようになれば、市場で効率的な資源配分が進み、生産性向上にもつながることなどの御意見を頂戴をいたしました。
政権は、『賃上げこそ成長戦略の要』との考え方の下、力強いモメンタムを定着させ、国内投資を拡大する。そして、長年にわたり染みついたデフレマインドを払拭し、国民の皆様方の所得と経済全体の生産性向上を図ってまいります。
このため、本年の春季労使交渉につきましては、ベースアップを念頭に、33年ぶりの高水準となった昨年の勢いで、大幅な賃上げへの御協力を労使の皆様方にお願い申し上げます。また、最低賃金につきましては、政府として、その引上げに向けた対応策を取りまとめてまいります。
賃上げを起点に経済のダイナミズムを回復させるためには、生産性向上や労働市場改革の取組も重要です。これらの課題につきましても、今年の骨太方針に向け、引き続き議論を深めてまいります。以上でございます。」