北朝鮮に拉致された日本人を救う福井の会及び地村保志氏との面会

更新日:令和7年3月19日 総理の一日

 令和7年3月19日、石破総理は、総理大臣官邸で北朝鮮に拉致された日本人を救う福井の会及び拉致被害者の地村保志(やすし)氏と面会しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「大変に天候が悪い中、お出かけをいただきました、遠路誠に御苦労様でございます。
 もう23年になります。私はあの頃拉致議連の会長をいたしておりました。この官邸で小泉総理がお帰りになっていて、そして拉致被害者の状況の御説明が、福田長官からであったかもしれませんが、そのときに横田早紀江さんが、『そんなこと私は信じない、めぐみは生きているんだ』というふうにおっしゃったこと、今でもありありと覚えておるところでございます。
 あれからもう23年たって地村さん御指摘のように、もうこの署名簿には有本明弘さんのことが書いてあります。もうお亡くなりになられましたし、本当に早紀江さんだけになられました。おっしゃるように、被害者の方も高齢化になっているということですから、これほどもう時間が経過するということがあってはならないということは、私自身強く認識をしておるところでございます。
 先般、トランプ大統領との会談におきまして、この問題、日本国としては国家主権の侵害であるということと考えておる。合衆国においても、北朝鮮と交渉の際、この問題を必ず言及していただきたいということは申し上げましたが、それはアメリカ頼みでやるということを全く意味することではございません。
 これは我が国として、解決をしなければならない問題でありますし、これは直接交渉ということになるというふうに思っております。どういう形が一番効果的なのか、一番望ましいのか、ということをよく考えて、というのはいくら時間かかってもいいということではございませんので、どういう形で北朝鮮という国はこの23年間、ミサイルの技術も非常に高度化されて、今はロシアと共にウクライナ戦争で戦っているような状況であります。我々の想像をはるかに超えた国家体制を持っている国ですので、我が国として生半可なつもりで、これに臨んでいいとは全く思っておりません。
 国家主権の侵害であります以上、我が国の政府を挙げて取り組むべきことでございますし、もう一つ我々が気をつけなければならないのは、この拉致問題が風化しつつあるということでございます。それはもう長い年月がたちました。もちろん地村さんが講演活動、啓発活動をしていただいてありがたいことでございますが、この問題を風化させないということ、私の選挙区の鳥取県にも松本京子さんという方がいらっしゃいます。やはり拉致被害者というのが日本海側に集中しており、そしてまた、原発やあるいは自衛隊の基地やあるいはそういう駐屯地、レーダーや、そういうのがあるところの近傍で発生しておるということもあるのかもしれません。
 この問題、我が国の誘拐事件ではなくて、国家主権の侵害だという認識の下に、時間がないということをよく認識しながら、担当大臣と共に政府として全力を挙げて立ち向かってまいります。本日はお出かけいただきまして、恐縮でございました。また、福井救う会の皆様、御苦労様でございました。」

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