新しい地方経済・生活環境創生会議
令和7年6月3日、石破総理は、総理大臣官邸で第10回新しい地方経済・生活環境創生会議に出席しました。
会議では、地方創生2.0基本構想(案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「これまで、4回の地方開催を含め、計10回、基本構想の取りまとめに向け、大変有益な御議論をいただき、改めて感謝を申し上げます。
私も、3月に長野県伊那市での会合に出席し、オンライン診療を行える『幸せの青い車』なるものを拝見し、こうした取組を全国に広げていきたいと、このような思いを強くしたところでございます。
『地方創生2.0』では、AI(人工知能)・ロボット・ドローンなどの新技術を地方の課題解決に最大限活用し、『1.0』では考えられなかった対応策・選択肢を増やしていくことが極めて重要であります。
『2.0』は、10年前の『1.0』ではなく、これを全く新しいものにすると、そういうような意味を込めて名付けております。人口減少が急激に進む中、かつて増加期に作り上げられた経済社会システムを検証し、中長期的に信頼される持続可能なシステムへと転換していくことが求められております。
今回の基本構想では、当面の人口減少を正面から受け止めた上で、社会課題解決に挑戦する意欲と力のある『民』の力を最大限にいかすこと、こうした官民連携を強化していくことを前面に打ち出しております。『若者・女性にも選ばれる地方』の実現に向け、アンコンシャスバイアスの解消など、意識改革を着実に実施していくことに加え、AI・データセンターや脱炭素エネルギーをつなぐ『新時代のインフラ整備』を加速し、農林水産業のスマート化や中小企業の生産性向上・輸出促進など、『稼げる地方』をつくってまいります。
それぞれの地域の多様な食や伝統産業、自然環境や文化芸術の豊かさといったポテンシャルをいかし、観光業やサービス産業、コンテンツ産業等の高付加価値化を図るととともに、大学や高等専門学校と産業界等の連携強化や、スタートアップを生み出すエコシステムの形成、イノベーション拠点の整備を進め、『地方イノベーション創生構想』を加速いたします。
人や企業の地方分散も進めます。隗(かい)より始めよ、で、政府関係機関の移転に向け、地方からの提案を募集します。(注)地方移住の促進に向け、『ふるさと住民登録制度』を創設し、『関係人口』をいかした都市と地方の支え合いを進めていきます。複数の都道府県と経済団体等の多様な主体が一つになって、複数のプロジェクトに連携して取り組むことを宣言する『広域リージョン』の枠組みを創設し、省庁横断的に支援を行います。
こうした『地方創生2.0』の実現に向けた取組を、『令和の日本列島改造』として、強力に進めてまいります。
伊東良孝大臣におかれましては、本日いただいた御意見も踏まえ、関係省庁との更なる議論、与党との対話を進めてください。その上で、基本構想を、新地方創生の閣僚本部で取りまとめ、閣議決定してまいります。
基本構想は、今後10年間取り組む指針となるものですが、国・地方双方において、速やかに実行していくことが重要であります。有識者の皆様には、引き続き御協力を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。以上でございます。」
(注)「募集しております。」と発言しましたが、正しくは「募集します。」です。