米の安定供給等実現関係閣僚会議
令和7年8月5日、石破総理は、総理大臣官邸で第3回米の安定供給等実現関係閣僚会議を開催しました。
会議では、今般の米の価格高騰の要因と対応の検証等について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、今般の米価格の高騰要因と対応についての分析、それを踏まえた今後の政策転換に向けた議論を行いました。
価格高騰要因と対応の分析について、小泉農林水産大臣から、1つ目に、米の需要量を見通すに当たっては、足下の家計の動向などに立ち返った把握ができていなかったことやインバウンド観光客の影響の観点がなかったこと、2つ目に、供給量を見通すに当たっても、玄米ベースのみで精米ベースの観点がなかったこと、3つ目に、こうした点が不十分であるにもかかわらず、生産量が足りていると判断をしていたこと、4つ目に、既に売り先が決まっている民間在庫が大半であり、需給の変動を受け止めるだけの柔軟性が流通段階で備わっていない中で、その後の備蓄米の放出のタイミングや方法などが適切でなかったことが示されました。
更なる検証が必要な部分は残りますが、こうしたことが価格高騰を招いてしまったと、このように考えざるを得ません。
今後、需要と供給を結びつける流通の透明性の確保と適正化を通じ、消費者・生産者の皆様方がお互いに納得できる価格に落ち着いていくことが重要であります。
現時点では、生産量に不足があったことを真摯に受け止め、今後の需給ひっ迫に柔軟かつ総合的に対応できるよう、今後の政策の方向性を次のように明確にいたします。
1つ目に、増産に舵(かじ)を切ること、2つ目に、耕作放棄地の拡大を食い止め、これからも農地を次世代につないでいくこと、3つ目に、今回の米国の新たな関税措置をものともしない輸出の抜本的拡大に全力を傾けること、以上に取り組んでまいります。
これらを進めるためにも、農業経営の大規模化・法人化やスマート化の推進などを通じた生産性の向上、消費者ニーズに応じた付加価値の向上に取り組みます。令和9年度の水田政策の見直しに当たりましては、『米を作るな』ではなく、生産性向上に取り組む農業者の皆様方が、増産に前向きに取り組める支援に転換をいたします。
最後に、中山間地域などを守ることも極めて重要であります。環境に配慮した取組を支援する新たな仕組みの創設にも取り組んでまいります。
このほか、現下の渇水・高温による水稲の生育等への影響が懸念されておりますが、これらに対しまして、農林水産省と国土交通省におかれましては、引き続き、相互に連携をして、渇水・高温被害の軽減に全力で対応をしてくださいますようにお願いをいたします。以上です。」