「中央アジア+日本」対話・首脳会合についての会見
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(記者)
幹事社のテレビ朝日・吉野です。「中央アジア+日本」対話の枠組みで、初の首脳会合を行いました。その成果を伺います。また、5か国は、ロシア・中国と、安全保障、経済面で強いつながりがあり、首脳会合も日本より先に開催しました。今後、どのように中央アジア5か国と関係構築を進めていく考えか、石油やレアメタルの輸入に向けた戦略も含めて伺います。あわせて、中国は、中央アジアの国々に対しても、台湾有事をめぐる総理の発言への批判を伝えていますが、総理から、中国の主張について訂正や反論を行ったのかも伺います。
(高市総理)
はい、ありがとうございます。先ほど、中央アジア5か国の大統領出席の下、我が国が、2004年に、他国に先駆けて立ち上げた「中央アジア+日本」対話の初めての首脳会合を開催しました。中央アジアは、地政学上の重要性、経済安全保障上の重要性、また、互恵的なビジネスチャンスという観点から大きな戦略的意義と潜在性を有しております。今般の首脳会合の機会に、官民合わせて150件以上の文書が署名・披露されたということを喜んでおります。中央アジア5か国の持つ、このような高い潜在性をいかして、産業高度化を後押しして、日本との互恵的な協力関係を一層引き上げるべく、私から「CA+JAD(Central Asia plus JApan Dialogue)東京イニシアティブ」の立ち上げを宣言しました。また、5か国首脳との共同宣言であります「東京宣言」を採択しました。グリーン・強靱(きょうじん)化、コネクティビティ、人づくりの3分野を中心に、互恵的なプロジェクトを推進してまいります。特に、今回、カスピ海ルートを含むグローバル・サプライチェーンの円滑化支援や、「日本・中央アジアAI(人工知能)協力パートナーシップ」を通じたAI分野での連携を表明しました。また、中央アジアは、エネルギー・鉱物資源を有する地域でもあります。特に、重要鉱物関連では、供給源の多角化を通じ、グローバルなサプライチェーンの強靱化に向けた連携を強化してまいります。さらに、今後の経済関係への高い期待を踏まえまして、これから5年間で、総額3兆円規模の民間プロジェクト実施の目標を設定しました。
今、御質問にありました、一連の中国側の動向については承知しております。外交上のやり取りについては、詳細を公にすることは差し控えますが、一般論として、日本政府の立場として、各国の理解を得ることは極めて重要でございますので、これまでも各国に対して、様々な機会を捉えて、我が国の立場を説明してきております。
中央アジア5か国首脳との対話を通じ、シルクロードを通じた交流の歴史に基づく絆(きずな)と、日本に対する強い信頼と大きな期待を感じました。今回の首脳会合及び各国との首脳会談を機に、中央アジアとの関係を更に強化していく考えでございます。私からは以上でございます。