高市内閣総理大臣年頭記者会見

更新日:令和8年1月5日 総理の演説・記者会見など

動画が再生できない方はこちら(政府広報オンライン)

動画ファイルは

【高市総理冒頭発言】

 皆様、新年おめでとうございます。
 総理就任以来、77日がたちました。この間、物価高に立ち向かうための経済対策の策定、その裏付けとなる補正予算の編成と国会審議、「年収の壁」引上げによる所得税減税などの来年度税制改正大綱の取りまとめ、そして、来年度予算案の閣議決定。外交では、「ASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議」、「AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)首脳会合」、「日米首脳会談」、「APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議」、「G20」、「中央アジア+日本対話・首脳会合」など。目の前の課題に対し、懸命に駆け抜けた77日間でございました。
 本日、新しい年の始まりに当たり、神宮に参拝し、清冽(せいれつ)な空気に触れ、改めて身の引き締まる思いが致しました。昨年も、青森県東方沖を震源とする地震など、我が国では災害が相次ぎました。被災された皆様に改めてお見舞いを申し上げます。新しい年が全ての国民の皆様にとって、安全で幸せな1年となりますよう、お祈りを申し上げます。
 そして、長い歴史と固有の文化を誇り、美しい自然を守り、和を尊び、家族や社会が互いに助け合いながら暮らしてきたこの日本を守り、列島の隅々まで、強く豊かにして、次の世代に引き継いでいきたい。その覚悟を新たにしております。
 本年は、丙午(ひのえうま)の年です。丙(ひのえ)には、前の年からの「陽気」、いわば「エネルギー」が一段とはっきり発展する、という意味があるそうです。
 昨年は、ガソリン税及び軽油引取税の暫定税率が廃止されることが決まりました。半世紀以上にわたって続いてきた暫定税率をなくすことができた。やれば、できる。やれば、できるんです。昨年生まれたこの前向きな改革へのエネルギーを、本年、もっともっと力強いものとし、いかに困難な改革にも果敢に挑戦したいと考えています。
 昨年は、私自身、様々な機会で、日本人の底力、エネルギーに触れてきました。
 能登では、珠洲(すず)市立大谷小中学校の皆様とお話をする機会がありました。キーホルダーやステッカーなどを企画・制作し、その収益を被災地に寄附する活動に取り組んでいらっしゃいます。「いつもがんばっててすごい、私も、あなたも!」。これはそのステッカーに書かれているメッセージの一つです。およそ1年にわたる避難所生活を経て、現在は応急仮設住宅で暮らしながら、それでも他の人を励まそうとする強さに、激励に伺ったはずの私が逆に励まされました。
 また、日本の優れたコンテンツを生み出すアーティスト・クリエイターの方々ともお話をさせていただく機会を持ちました。一流の皆様のエネルギーをビンビンと感じながら、日本人は必ずや世界の市場で戦えるとの確信を深めました。
 また、午(うま)には、午前と午後を分ける境目という意味もあり、丙午は、エネルギーに満ちた状態から、次なる時代への移行に備えるべきタイミング、すなわち「分水嶺(ぶんすいれい)」とも捉えられます。本年も、我が国にとって大きな「分水嶺」になるかもしれません。
 日本を取り巻く国際情勢が大きく変化する中で、大局観を失うことなく、我が国がどのような次の時代を切り拓(ひら)いていくかを見据え、この1年、政権運営に当たっていかなければならない。そう強く感じています。
 「日本列島を、強く豊かに」。やるべきことは明確です。まず現役世代が、「今日よりも明日は良くなる」、そうした実感を持てる日本でなければなりません。昨年末、国民民主党の皆様の御協力も得て、いわゆる「年収の壁」引上げに当たり、中間層も含めた幅広い現役世代を対象に、所得税負担の軽減を行うこととしました。さらに、日本維新の会との連立合意に基づき、いわゆる「教育無償化」もこの4月から実施します。
 令和8年度予算には、このような未来を見据えた「大胆な投資」をたくさん盛り込みました。こうした投資を、我が国の力強い経済成長につなげ、税収の増加を通じて、更なる投資を可能とする「投資と成長の好循環」を生み出してまいります。
 同時に、8年度予算における公債依存度は、7年度当初予算を下回るレベルに抑えました。「政府債務残高の対GDP(国内総生産)比」を着実に低下させてまいります。「財政の持続可能性」を確保しながら、投資すべき分野には大胆に投資していく。これこそが、「責任ある積極財政」です。
 本年の経済状況には、明るい見通しが出てきています。「政府経済見通し」では、物価上昇率について、24年実績がプラス3パーセントだったのに対し、26年はプラス1.9パーセントと、物価安定目標であるプラス2パーセントに近い数字となっています。特に、いわゆる「教育無償化」はマイナス0.3パーセントの寄与となります。そして、ガソリン・軽油の「暫定税率廃止」の影響もあり、エネルギー価格は、24年のプラス0.6パーセントから、26年はマイナス0.1パーセントの見込みとなります。
 本年の名目GDP成長率は3.4パーセント。実質賃金も1.3パーセントの伸びを見込んでいます。特に、実質賃金がプラス1パーセントを超えるのは、コロナ禍期間中の特殊要因があったと考えられる2021年を除けば、2005年以来21年ぶりになります。こうした明るい動きを政策の力で、更に力強いうねりにしてまいります。
 「責任ある積極財政」を通じて、「強い経済」を構築する成長の肝は「危機管理投資」です。「危機管理投資」とは、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー・資源安全保障、健康医療安全保障、国土強靱(きょうじん)化対策、サイバーセキュリティなどの様々なリスクや社会課題に対し、官民が手を携え、先手を打って行う戦略的な投資です。世界共通の課題解決に資する製品・サービス・インフラを国内外の市場に展開できれば、更なる日本の経済成長につながります。
 例えば、半導体のサプライチェーンの強靱化。数年前、コロナ禍に伴う半導体不足により、我が国の基幹産業である自動車の生産がストップしたことに加え、給湯器の故障が直せないなど、生活に支障が生じたことを覚えておられる方も多いと思います。「経済安全保障」への投資とは、こうした事態を防ぐことです。
 また、「半導体大国 日本」の復活をかけた国家的プロジェクトである「ラピダス・プロジェクト」。2ナノの最先端半導体を、国内生産を可能とするプロジェクトです。これが成功すれば、AI(人工知能)ロボティクスや自動運転など、我々の暮らしを左右する技術を他国に依存するリスクが低減するとともに、海外にも輸出を拡大させていくことで、日本の「戦略的ポジション」を高めていくことができます。
 ハードウェアである半導体の上で動くソフトウェアとして最も重要なのがAIです。AIは、どのようなデータを学習させるかで性能が大きく変わりますが、現在、世界をリードしている米国や中国が学習させているのは、主に言語や画像、動画です。
 日本には、産業や医療、物流といった官民の「現場データ」が豊富にあります。特に、我が国が強みを有する製造業やサービス業が積み重ねてきた質の高いデータを集積し、学習させることで、ロボットが自律的に人間を支援する、精密なものづくりを行う工場が無人で制御される、といったことが可能となる「フィジカルAI」が実現できます。日本はこれで世界に打って出ます。
 AI・半導体産業基盤フレームによる10兆円以上の公的支援などを活用し、予見可能性を高めることで、50兆円を超える官民投資を促し、約160兆円の経済波及効果を実現します。
 次に、宇宙関連技術。能登半島地震の際は、発災時刻が日没近かったことや、道路・通信の寸断などにより、被害状況の把握が困難でした。我が国のスタートアップが世界に伍(ご)する技術を有している「合成開口レーダー衛星」、いわゆる「SAR衛星」であれば、夜間でも、天気が悪くても、広い範囲で高解像の画像を得ることができるため、被害状況の把握に役に立ちます。
 さらには、「SAR衛星」と気象衛星を用いることで、水道管の漏水リスクを効率的に把握することが可能であり、老朽化したインフラの予防保全など、国土強靱化にもつながります。
 そのほか、世界最高レベルの測位精度を誇る衛星「みちびき」や衛星データとAIを組み合わせた分析により、防衛・防災分野のみならず、農作物の生育モニタリング、ドローンによる種もみ直播(ちょくはん)、漁業での効率的な漁獲法や漁場の助言など、食料安全保障の確保にもつながるような、様々なユースケースが期待されます。
 こうした宇宙分野への投資を1兆円規模の「宇宙戦略基金」のみならず、法改正によるルール整備も含めて後押ししていきます。
 食料安全保障に向けては、全ての田畑をフル活用できる環境作りを進め、日本の農作物や食品の輸出先を開拓し、需要と供給の両方を強化します。
 例えば、日本には、「グルテンフリー」ではなく、「ノングルテン」という、より厳しい基準を満たす米粉を作る技術があります。欧米でも小麦アレルギーの方が多い中、パスタやピザ生地など、米粉加工食品を世界市場に展開していきます。
 そして、フードテックもアグリテックも重要です。日本が誇る「完全閉鎖型植物工場」や「陸上養殖施設」などへの投資を促進します。
 こうしたテクノロジーを活用することで、自然災害の頻発化や高温などの自然環境の変化にあっても、農水産品の安定的な生産が可能となります。
 まだまだ語りきれないほど日本には未来を切り拓くすばらしい技術・産業がたくさんあります。日本の学術機関から生まれたペロブスカイト太陽電池や省エネ型のデータセンターの普及、日本企業が基幹技術を保持するフュージョンエネルギー、さらには量子、バイオ、サイバーセキュリティなど、戦略分野に投資を行っていくことで、安心で希望に満ちた社会を構築してまいります。
 国力の基盤となるのは「人材力」です。高市内閣では、「人材力」を強化していきます。
 人づくりの礎は教育です。指導体制や学習内容の充実を図り、教育の質を向上させていきます。あわせて、公教育改革、高校教育改革を進めます。
 そして、日本人の底力を解き放つためには、国民の皆様お一人お一人がいきいきと活躍されることが重要です。日本人の誰もが日本国の主役でなければなりません。性別、障害の有無、生まれた年代、地域、家族の状況によって不公平がない社会を目指します。
 また、育児・こどもの不登校、介護が原因の離職を減らすため、ベビーシッターや家事支援サービスの利用促進に向けた負担軽減に取り組みます。また、標準的な出産費用の自己負担の無償化など、妊娠・出産に伴う経済的負担を軽減するための法案を通常国会に提出します。3.6兆円規模の「こども未来戦略」の「加速化プラン」に基づき、「こども誰でも通園制度」の本格実施などの取組を進めてまいります。また、企業の活力をいかした「子ども・子育て支援」も推進します。
 そして、税・社会保険料負担で苦しむ中・低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えるようにします。そのためにも、野党の皆様にも参加を呼びかけ、今月、「国民会議」を立ち上げます。「給付付き税額控除」の制度設計を含め、「社会保障と税の一体改革」について、与野党の垣根を越え、有識者の英知も集めて議論し、結論を得ていきたいと思います。
 通常国会では、こうした改革を可能とする令和8年度予算、そして、税制改正を始めとする各種法案の成立を目指してまいります。特に、予算関連法案の成立によって、昨年末に成立した令和7年度補正予算と一体となった力強い経済運営が可能となります。
 「政治の安定」なくして、力強い経済政策も、力強い外交・安全保障も推進できません。日本維新の会との連立合意を基礎としつつ、国民民主党を始めとする野党の皆様にも協力を呼びかけてまいります。
 さらには、皇室典範や憲法の改正。今、やらなければならない課題が山積しているときに、立ち止まっている暇はありません。本年は政治のリーダーシップをしっかりと発揮していく年にしなければなりません。「分水嶺」となるかもしれない丙午の年頭に当たって、そう強く感じています。
 さて、ここ伊勢では、次の式年遷宮に向けて、本年、御木曳初(おきひきぞめ)が行われます。神宮は、20年ごとに新しく造り替えながら、1300年にわたる歴史を紡いできました。新しくするからこそ、永遠となる。守るためにこそ、チャレンジを恐れてはならない。国民の皆様の暮らしと命を守り、日本の誇るべき国柄を未来を担う次の世代へとしっかりと引き継いでいくために、本年も果敢にチャレンジしてまいります。神宮のあるこの伊勢の地で、そう強く決意しております。
 本年が、国民の皆様にとりまして「希望の年」となるよう、全力を尽くしてまいります。私からは以上でございます。本年もよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

【質疑応答】

(内閣広報官)
 それでは、これから皆様より御質問をいただきます。御質問をされる方は、社名とお名前をおっしゃった上で御質問願います。まず、内閣記者会の代表の方から御質問をお願いします。

(記者)
 内閣記者会幹事社の共同通信・丹伊田と申します。よろしくお願いします。着座のまま失礼いたします。
 高市政権が発足して2か月余りがたちました。先の臨時国会では、最優先課題に掲げていた物価高対策を柱とした補正予算を成立させましたが、来る通常国会ではどのような政策を優先課題に掲げて臨まれるのかお伺いします。
 臨時国会で成立を見送った衆院議員の定数削減法案については、日本維新の会との間で通常国会での実現を目指すことになっています。どのように野党側の理解を得ていくお考えでしょうか。
 あわせて、内閣支持率が高い水準で推移しています。通常国会での衆議院解散は選択肢としてお考えか伺います。
 また、参拝の御移動中、安倍元総理の遺影をお持ちになっていたように見えました。お間違いないか確認させてください。また、もしそうであれば、お持ちになった理由、込められたお気持ちをお伺いいたします。お願いします。

(高市総理)
 ありがとうございます。
 まず、昨年の臨時国会では、国民の皆様が直面している物価高への対応を最優先に働いてまいりました。生活の安全保障につきましては、まずは補正予算の成立という形で国民の皆様とのお約束を果たすことができましたけれども、まだまだ取り組まなければならないことは多うございます。先ほど申し上げたような改革が残っております。
 特に、今と未来を生きる国民の皆様のために国力を徹底的に強くする。すなわち、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、そして人材力です。そのために、あくまでもどこまでも経済成長を追い求めてまいります。
 昨年中に政権として一定の方向性を出すことはできたと考えているのですが、今後これを更に加速させていきたいと考えています。
 いずれにしましても、まだ2か月半です。高市内閣は始動したばかりであり、ここからは更にギアを上げて、自民党総裁選で掲げた政策及び日本維新の会との連立合意に掲げた政策をどんどん具体化させ、実現していく。今年はそれに励んでまいります。
 そして、議員定数削減法案につきましてですが、改めて通常国会において成立に向けて取り組むことになるのですが、議員定数の在り方は、民主主義の根幹に関わる問題ですから、各党、各会派においてしっかりと議論を重ねていただくことが重要でございます。もちろんできるだけ早く議論が進められることを期待しておりますけれども、各党、各会派で行われるべき議論の進め方や制度の在り方について、内閣総理大臣である私の立場で具体的に申し上げることは控えたいと思っております。
 そして、解散についてのお尋ねでございますが、令和7年度補正予算の早期執行を、今日も同行してくれていますが、各大臣に指示をいたしております。国民の皆様に高市内閣の物価高対策、経済対策の効果を実感いただくということが大切です。こうした目の前の課題に懸命に取り組んでいるところでございます。
 そして、安倍総理のお写真についての御質問がありました。少し広げて、橋の上で広げて両岸を見ていただいたのですけれども、安倍総理をもう一度伊勢神宮に連れてきてあげたかったなと思いました。内閣総理大臣としての新年の参拝は9回されていると思います。そのほかにも伊勢志摩サミットがございました。あの時にG7の各国首脳と共に伊勢神宮を参拝された、その時のお写真、そして、遺影にお使いになっていたお写真を持ってまいりました。ただそれだけのことでございますけれども、伊勢神宮に参りましたよ、再び安倍総理も一緒に来られましたよ、そういう気持ちをお伝えしたかった、感謝の心とともにお伝えしたかったということでございます。

(内閣広報官)
 続きまして、三重県政記者クラブの代表の方から御質問をお願いします。

(記者)
 三重県政記者クラブの幹事社のCBCテレビの中道と申します。着座にてよろしくお願いいたします。
 ここ三重県を始めとした東海地方では、南海トラフ巨大地震で甚大な被害が予想されています。そこで、今年設置予定の防災庁について、地方に拠点を置くことで、どう現場の救助・復旧を加速させるのか、その実効性を伺いたいです。また、三重県内でも複数の自治体が地方拠点の候補地として名乗りを上げていますが、総理自身はどのような自治体への設置が適切と考えておりますでしょうか。伺いたいです。

(高市総理)
 ありがとうございます。
 今年中の設置を目指している防災庁でございますが、これは南海トラフ地震等の大規模災害に備えて徹底した事前防災と、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔としての機能を担うこととしております。防災庁の地方拠点につきましては、三重県も含め、様々な地域からの声が届いているということは承知しておりますが、これは日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震や南海トラフ地震に対して、まず地域における事前防災を推進することや、そして、迅速な被災地支援体制を構築するなどの観点から、その機能や適地について具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

(内閣広報官)
 それでは、再び内閣記者会の代表の方から御質問をお願いいたします。

(記者)
 内閣記者会の幹事社の東京新聞の長崎と申します。着座にて失礼します。

(記者)
 外交・安全保障について伺います。政権発足以降、米国のトランプ大統領とは親密な関係を構築する一方、中国とは冷え込んだ状況が続いています。トランプ大統領は4月に訪中する考えを示し、高市総理はそのトランプ大統領との早期の会談に意欲を示していますが、現時点での会談の日程感について伺わせてください。
 また、米国については、3日、ベネズエラを軍事攻撃し、マドゥーロ大統領を拘束しました。国際社会からは米国の行為を非難する声も上がっていますが、これを政府としてどのように評価するかも教えてください。
 また、今年秋にAPEC首脳会議が中国で開かれますが、中国との関係についても伺います。
 さらに、総理は今年中の安全保障三文書の改定を目指していますが、有識者会議の設置など、どのように政府・与党内の議論を進めるお考えかお伺いします。お願いします。

(高市総理)
 米国との間では平素より、先般の、あれは2日でしたか、電話会談のように、私自身とトランプ大統領の間を含めて、様々なレベルで緊密に意思疎通を行っております。米国政府からは、累次の機会に様々なレベルに対して日米同盟に対する揺るぎないコミットメントが示されてきております。その上で、先般の電話会談では、トランプ大統領から私に対しまして、訪米の御招待を改めていただきました。今年春の訪問に向けて、具体的にきっちりと調整していくということで一致をしました。
 また、ベネズエラでの事案を受けまして、日本政府としては、私の指示の下、まずは邦人の安全確保、これを最優先としつつ、関係国と緊密に連携して対応に当たっております。ベネズエラ情勢につきましては、日本政府としまして、これまでも一刻も早くベネズエラにおける民主主義が回復されることの重要性を訴えてまいりました。我が国は、従来から自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してまいりました。日本政府は、こうした一貫した我が国の立場に基づいて、G7や地域・諸国を含む関係国と緊密に連携しながら、引き続き邦人保護には万全を期するとともに、ベネズエラにおける民主主義の回復及び情勢の安定化に向けた外交努力を進めてまいります。
 中国でございますが、中国との間では戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築していくという方針は、私の総理就任以来一貫しております。その上で、日中間に、これまでもでしたけれども、様々な懸案と課題があるからこそ意思疎通が重要です。我が国としては、中国との様々な対話についてオープンでございます。扉を閉ざすようなことはしておりません。このような姿勢の下で、中国側と意思疎通を継続しながら、今後も国益の観点から適切に対応を行ってまいります。
 それから、前回、三文書を改定した2022年と比べ、随分大きな変化が起きています。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増しているということとともに、インド太平洋では、中国、北朝鮮の更なる軍事力の増強、そして、中国・ロシア、ロシア・北朝鮮の連携強化などが見られております。また、各国は、ロシアによるウクライナ侵略を教訓にして、無人機の対応、大量運用ですね。これを含む新しい戦い方や長期戦への備えを急いでおります。
 つまり、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じています。こうした急速な変化に適切に対応し、強い覚悟を持って我が国の独立と平和、国民の皆様の命と暮らしを守り抜くということのために、三文書の本年中の改定を目指し、検討を進めてまいります。
 検討の進め方でございますが、有識者会議等について現時点で決まっていることはないのですが、三文書の具体的な内容について、政府部内における議論は既に始めております。安全保障環境を踏まえて、具体的かつ現実的な議論を積み上げてまいります。

(内閣広報官)
 それでは、最後に、三重県政記者クラブの代表の方から御質問をお受けいたします。

(記者)
 三重県政記者クラブ幹事社の伊勢新聞の海住と申します。
 リニア中央新幹線についてお尋ねします。JR東海は昨年、品川-名古屋間の総工費が7兆円から11兆円に増えると発表しました。2037年の全線開業を目指す政府として更なる支援の見通しはありますか。
 また、名古屋-大阪間について、JR東海は具体的な開業時期を明示していません。総理の御地元である奈良県、それからここ三重県、名古屋以西のルートとして想定されております。名古屋以西の開業に向けた方針や期待についてお尋ねします。

(高市総理)
 ありがとうございます。
 リニア中央新幹線は東京、名古屋、大阪の三大都市圏を一つの圏域とする日本中央回廊を形成して、日本経済をけん引するということとともに、東海道新幹線とのダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図る国家的見地に立ったプロジェクトでございます。一日も早い全線開業に向けて、まずはJR東海にあらゆる努力をお願いいたします。
 そして、政府としましても、課題となっている静岡工区の早期着工に向けまして、モニタリング会議を通じて状況を継続的に確認するということともに、名古屋-大阪間につきましては、国・三府県・JR東海による連携会議におきまして、駅ルートの早期の選定と駅周辺のまちづくりに向けた議論も加速させております。リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整えて、一日も早い全線開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携してしっかりと取り組んでまいります。

(内閣広報官)
 以上をもちまして、高市内閣総理大臣の令和8年年頭記者会見を終了させていただきます。御協力ありがとうございました。

(高市総理)
 ありがとうございました。お健やかにお過ごしくださいませ。

関連リンク

歴代の総理の演説・記者会見など