※速報版
【高市総理冒頭発言】
皆様お疲れ様でございます。「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」につきまして、今後の対応に関して、説明いたします。スライド1を御覧ください。
国民の皆様が直面されている「物価高」への対応は、昨年10月の高市内閣発足以来の最優先課題でございます。
そうした中、今年2月末から中東情勢が不安定化し、原油価格が高騰したことから、3月19日から「緊急的激変緩和措置」による、ガソリン価格を全国平均で170円/ℓ程度に抑えるための補助を行ってまいりました。ちなみに、この措置開始前の3月16日には、約190円/ℓでございました。今でも、この措置がなければ、最新の8月17日時点の調査では、約187円/ℓでございます。
高市内閣の措置によりまして、ガソリン価格は、同じ日、8月17日時点で169.8円と、日米欧の中で日本が一番安価な状況となっております。

また、軽油・重油・灯油にも同様の補助を行っております。これらの価格につきまして、補助前と補助後を比較したものを、スライド2に示しておりますが、こうした取組によりまして、公共交通や農林水産業などを力強く支援してきたということについて、お分かりいただけると思います。
他方で、中東情勢は依然として不透明であり、原油価格の見通しは困難な状況でございます。
そのため、「国民の皆様の命と暮らし」を守り、「経済活動」に支障を生じさせないよう、「中東情勢等対応予備費」を活用して、ガソリン価格を、引き続き、全国平均170円/ℓ程度に抑制していくことといたしました。
この対応に必要な「基金規模」を確保するため、先ほど経済産業大臣に対しまして、財務大臣と所要の調整を進めるよう、指示いたしましたので、皆様に報告をいたします。

次に、この機会ですので、高市内閣が講じている「物価高対策」の全体像についても、併せて説明いたします。スライド3を御覧ください。
これまで講じてきた「物価高対策」の政策効果もありまして、現在、
・G7で最も低いインフレ率
・G7で最も高い実質賃金上昇率
を実現することができております。

「物価の伸びを上回る賃金の上昇分」を示す「実質賃金上昇率」については、7か月連続のプラスとなっております。施策の具体例につきまして、スライド4を御覧ください。
まず、昨年末に国会でお認めいただきました令和7年度補正予算による物価高対策は、今も、順次執行中でございます。
①「物価高対応子育て応援手当」、つまり子どもさん一人当たり2万円の給付でございますが、ようやく、全ての市区町村で今年の7月末までに支給開始済み、支給が始まったと、いう状況になったばかりでございます。順次多くの方々のお手元に届いているところだと思います。
②また、「重点支援地方交付金」は、各自治体が行う、
・御家庭への給付や、
・LPガス代への補助、
・赤字中小企業・小規模事業者への支援などの事業への原資として活用をされますけれども、
今年の6月に全ての自治体で「一部事業開始」になったばかりでございますので、これもこれから順次、皆様のお手元に届いていくことになります。
次に、「令和8年度補正予算」で積み増した1,000億円の「重点支援地方交付金」につきましては、本日が、「初回の交付決定日」でございます。これから各自治体に交付されていきます。
また、「令和8年度当初予算」におきましては
①診療報酬などの公定価格に経済・物価動向等を反映させました。
②いわゆる「教育無償化」として、
・収入要件を撤廃し、私立の全日制高校で45万7,200円まで助成する「高校の就学支援金拡充」を行いました。
・公立小学校の給食費について、一人当たり5,200円程度を補助する「学校給食費の抜本的負担軽減」
といった施策も計上して、既に実施をいたしております。
さらに、他国と比較して顕著な取組としては、冒頭で説明をいたしましたとおり、ガソリン・軽油・重油・灯油への補助の継続でございます。

次に、スライド5を御覧ください。
足元から今後に向けての取組としましては、
①この夏(7~9月)、標準的な御家庭では、3か月で5,000円程度の負担軽減となる「電気・ガス料金支援」を実施しております。
②また、先月までの国会で成立した『改正所得税法』などに基づきまして、今年12月の年末調整で、納税者お一人当たり3万円から6万円の所得税負担が軽減されます。
③「年金」につきましては今年6月振込分から増額となっております。具体的には、昨年度と比べて、
・国民年金が1.9パーセントの引上げ、
・厚生年金が2.0パーセントの引上げ
となっています。
今後とも、中東情勢が物価動向ですとか、経済に与える影響をしっかり注視しつつ、必要な時にはタイミングを逸することなく、「中東情勢等対応予備費」も活用して、国民の皆様の暮らしや経済活動に支障が出ないよう、臨機応変に、必要な対応を実施してまいります。私からは冒頭以上でございます。

(記者)
NHK、吉原です。総理、よろしくお願いします。今回、ガソリンなどへの支援を継続する狙いと、与党からは、支援策はあくまで激変緩和措置であり、ガソリン1リットル当たり170円の水準の引上げを求める意見もありました。この水準にする理由について伺います。
また、財政負担の観点から出口戦略をどう考えているか教えてください。秋には食料品を中心に値上げが相次ぐ見通しとなっております。追加の物価高対策は検討しないのかお聞きします。よろしくお願いします。
(高市総理)
はい、ありがとうございます。まず170円に抑制する理由でございますが、先の国会でも、与党だけではなく、野党の皆様からも、これを少し引上げてはどうか、というご意見をいただきましたけれども、やはり今、国民生活と経済活動への影響というものを考えますと、これを最小限に抑えるべく、引き続きガソリン小売価格は全国平均170円程度に抑制していくことといたしました。
それから出口戦略についてですが、中東情勢が不透明な中でございますので、原油価格や、使用額というものを見通すのは困難ですが、本措置はあくまでも激変緩和措置でございます。
中東情勢が今後の物価動向や経済に与える影響というものを注視しながら、支援単価、それから措置の出口を含め、支援の存り方については柔軟に検討をしてまいります。
それから追加の物価高対策ということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、これからお手元に届いていく支援もございます。そんな中でもタイミングを逸することなく、必要に応じて、「中東情勢等対応予備費」をお認めいただいたわけですから、これも活用して、国民の皆様の暮らしや、経済活動に支障が出ないように対応をしてまいります。
(記者)
中日新聞・東京新聞の妹尾と申します。よろしくお願いします。中東情勢の関連でお伺いします。イスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を発行している国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らを米国が制裁対象としたことについて、日本政府、また、総理が大変残念との認識を示したことに対し、各方面から弱腰であるとの批判がなされています。こうした批判に対する受け止めとまた赤根所長を今後どのように守っていくのかについて具体的にお聞かせください。
(高市総理)
弱腰との御批判は当たらないと思っております。
赤根所長とは今年の1月にお会いをしました。その際にも申し上げましたけれども、赤根所長とは、政府として緊密に意思疎通を行い、また必要な支援を行ってまいりました。それだけに大変残念だと私が申し上げたわけでございます。
例えば、米国に対しましては、赤根所長を制裁対象にしないよう、累次にわたって様々なレベルで、ぎりぎりまで働きかけを続けてまいりました。
そして、仮にですね、制裁対象になった場合に備えて、赤根所長が送金など金融取引にもお困りにならないように、アドバイスを行った上で、手続も後押しするなど、親身に対応してまいりました。これは1月においでになった時にも、私から急いで最悪の事態を想定して、こういうことをしておいた方がいいということをお話し申し上げました。
現在、赤根所長が直面する危機感、そして懸念、これは私も共有をしております。引き続き必要な支援を行ってまいります。
また、日本は国際社会における法の支配を一貫して重視してきております。今回の措置は日本の立場と相容れるものではなく、大変深刻に受け止めております。日本は法の支配の徹底のため、ICCを一貫して支持してきております。関係国と連携しながら、国際社会における法の支配の強化に、今後も取り組んでいく考えでございます。
(記者)
(東京新聞・妹尾記者)総理、今、日本の立場と相容れないということでしたけれども、今後、米国に対する抗議のレベルを引上げたり、あるいは制裁の撤回を求めたりということはなさらないのでしょうか。また、他国の制裁から自国民を守るブロッキング規則を導入するお考えはないでしょうか。
(高市総理)
米国に対してはこれまでも累次にわたって、それこそ、措置を発表されるぎりぎりまで、様々なレベルで働きかけを行ってまいりました。その上で、全て米国の高官ですね、一致という形でこのような制裁を発表されたということは大変残念でございます。
ただ、これからも、私たちは邦人保護という意味では、赤ゆう所長を守らなければなりませんし、それから、やはりICCの最大の資金拠出国として、大切な組織も守っていかなければなりませんので、さらに何らかの措置がなされるのかどうかも含めてですね、しっかりと重視しながら必要なタイミングで、必要な働きかけを行ってまいります。
あまり今の時点でですね、これをやりますとか、こういった懸念事項がありますということは手の内を見せることになります。赤根所長がさらに困難な状況になられることを懸念して、外交の細かいやり取りは申し上げませんが、引き続きしっかりと支援をしていくということです。
ブロッキング規制についてもお話しございました。私も承知をいたしておりますけれども、例えば、事業者、EUでしたら、EU域内の事業者がですね、どうしても相手国と取引をしたいというような時に、例外的な措置を求めたりするような場合もあってですね、全てを対象にしたものではございません。
また、EUという、日本という一つの主権国家とは違うEUというグループの中での話でもございますので、同じような形をとって、実効性があるかどうかということも含めて、それは検討をしていくべきことでございます。ここで法整備をしますとか、しませんということを決め打ちで申し上げるつもりはありません。あくまでも実効性がなければならないと私は考えております。