安倍内閣総理大臣記者会見

令和2年8月28日
 
テロップ版手話版(政府広報オンライン)

【安倍総理冒頭発言】

 猛暑が続く中、国民の皆様にはコロナウイルス対策、そして熱中症対策、ダブルの対策に万全を期していただいておりますこと、国や地方自治体から様々な要請に対して、自治体の様々な要請に対して御協力を頂いておりますことに心から感謝申し上げます。
 コロナウイルス対策につきましては、今年の1月から正体不明の敵と悪戦苦闘する中、少しでも感染を抑え、極力重症化を防ぎ、そして国民の命を守るため、その時々の知見の中で最善の努力を重ねてきたつもりであります。それでも、残念ながら多くの方々が新型コロナウイルスにより命を落とされました。お亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
 今この瞬間も患者の治療に全力を尽くしてくださっている医療従事者の皆様にも、重ねて御礼申し上げます。
 本日、夏から秋、そして冬の到来を見据えた今後のコロナ対策を決定いたしました。この半年で多くのことが分かってきました。3密を徹底的に回避するといった予防策により、社会経済活動との両立は十分に可能であります。レムデシビルなど、症状に応じた治療法も進歩し、今、40代以下の若い世代の致死率は0.1パーセントを下回ります。他方、お亡くなりになった方の半分以上は80代以上の世代です。重症化リスクが高いのは高齢者や基礎疾患のある方々であり、一人でも多くの命を守るためには、こうした皆さんへの対策が最大の鍵となります。
 冬に向けてはコロナに加え、インフルエンザなどの流行で発熱患者の増加が予想されます。医療の負担軽減のため、重症化リスクの高い方々に重点を置いた対策へ今から転換する必要があります。まずは検査能力を抜本的に拡充することです。冬までにインフルエンザとの同時検査が可能となるよう、1日20万件の検査体制を目指します。特に重症化リスクの高い方がおられる高齢者施設や病院では、地域の感染状況などを考慮し、職員の皆さんに対して定期的に一斉検査を行うようにし、高齢者や基礎疾患のある方々への集団感染を防止します。医療支援も高齢者の方々など、重症化リスクの高い皆さんに重点化する方針です。
 新型コロナウイルス感染症については、感染症法上、結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)といった2類感染症以上の扱いをしてまいりました。これまでの知見を踏まえ、今後は政令改正を含め、運用を見直します。軽症者や無症状者は宿泊施設や自宅での療養を徹底し、保健所や医療機関の負担軽減を図ってまいります。コロナ患者を受け入れている医療機関、大学病院などでは大幅な減収となっており、国民のために日夜御尽力いただいているにもかかわらず、大変な経営上の御苦労をおかけしております。経営上の懸念を払拭する万全の支援を行います。インフルエンザ流行期にも十分な医療提供体制を必ず確保いたします。以上の対策について順次、予備費によって措置を行い、直ちに実行に移してまいります。
 コロナ対策と並んで一時の空白も許されないのが、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境への対応であります。北朝鮮は弾道ミサイル能力を大きく向上させています。これに対し、迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことができるのか。一昨日の国家安全保障会議では、現下の厳しい安全保障環境を踏まえ、ミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針を協議いたしました。今後速やかに与党調整に入り、その具体化を進めます。
 以上、2つのことを国民の皆様に御報告させていただいた上で、私自身の健康上の問題についてお話をさせていただきたいと思います。
 13年前、私の持病である潰瘍性大腸炎が悪化をし、僅か1年で突然、総理の職を辞することとなり、国民の皆様には大変な御迷惑をおかけいたしました。その後幸い新しい薬が効いて、体調は万全となり、そして国民の皆様から御支持を頂き、再び総理大臣の重責を担うこととなりました。この8年近くの間、しっかりと持病をコントロールしながら、何ら支障なく総理大臣の仕事に毎日、日々、全力投球することができました。
 しかし、本年6月の定期検診で再発の兆候が見られると指摘を受けました。その後も薬を使いながら全力で職務に当たってまいりましたが、先月中頃から体調に異変が生じ、体力をかなり消耗する状況となりました。そして、8月上旬には潰瘍性大腸炎の再発が確認されました。今後の治療として、現在の薬に加えまして更に新しい薬の投与を行うことといたしました。今週初めの再検診においては、投薬の効果があるということは確認されたものの、この投薬はある程度継続的な処方が必要であり、予断は許しません。
 政治においては、最も重要なことは結果を出すことである。私は、政権発足以来、そう申し上げ、この7年8か月、結果を出すために全身全霊を傾けてまいりました。病気と治療を抱え、体力が万全でないという苦痛の中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはなりません。国民の皆様の負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断いたしました。
 総理大臣の職を辞することといたします。
 現下の最大の課題であるコロナ対応に障害が生じるようなことはできる限り避けなければならない。この1か月程度、その一心でありました。悩みに悩みましたが、この足元において、7月以降の感染拡大が減少傾向へと転じたこと、そして、冬を見据えて実施すべき対応策を取りまとめることができたことから、新体制に移行するのであればこのタイミングしかないと判断いたしました。
 この7年8か月、様々な課題にチャレンジしてまいりました。残された課題も残念ながら多々ありますが、同時に、様々な課題に挑戦する中で、達成できたこと、実現できたこともあります。全ては国政選挙の度に力強い信任を与えてくださった、背中を押していただいた国民の皆様のおかげであります。本当にありがとうございました。
 そうした御支援を頂いたにもかかわらず、任期をあと1年、まだ1年を残し、他の様々な政策が実現途上にある中、コロナ禍の中、職を辞することとなったことについて、国民の皆様に心よりお詫(わ)びを申し上げます。
 拉致問題をこの手で解決できなかったことは痛恨の極みであります。ロシアとの平和条約、また、憲法改正、志半ばで職を去ることは断腸の思いであります。しかし、いずれも自民党として国民の皆様にお約束をした政策であり、新たな強力な体制の下、更なる政策推進力を得て、実現に向けて進んでいくものと確信しております。もとより、次の総理が任命されるまでの間、最後までしっかりとその責任を果たしてまいります。そして、治療によって何とか体調を万全とし、新体制を一議員として支えてまいりたいと考えております。
 国民の皆様、8年近くにわたりまして、本当にありがとうございました。

【質疑応答】

(内閣広報官)
 それでは、これから皆様から御質問を頂きます。
 最初は、慣例に従いまして、幹事社2社から御質問を頂きますので、指名を受けられました方は近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにしていただいた上で御質問をお願いいたします。
 幹事社の方、どうぞ。

(記者)
 幹事社、日本テレビの菅原(すがわら)です。よろしくお願いいたします。
 辞意を表明されましたけれども、今、御説明にあったように、継続的な薬の投与をしながら、治療を続けながら執務に当たると、続行すると、そういった選択肢はなかったのでしょうか。それだけ健康状態が厳しいということなのか、今後、次の総理が決まるまでは安倍総理が任に当たるということだと思いますが、再び病院に通うような必要性というのがあるのでしょうか。
 また、辞任を決意されたのは具体的にいつ頃だったのかということを教えていただきたいのと、それから、1次政権に続いて任期途中での辞任ということになります。コロナ禍にあって、政権投げ出しという批判もあるかと思いますが、こうした批判に対してはどのように説明なさいますでしょうか。
 また、政治的な空白が許されない中での今後の後継者の決め方ですけれども、自民党総裁選は党員投票も行う正式な形で行われるべきとお考えなのか、それとも緊急性に鑑みて両院議員総会とすべきとお考えなのか、お考えをお聞かせいただきたいのと、最後に意中の後継者というのがいましたら教えてください。

(安倍総理)
 まず、治療との関係でございますが、先般、今まで使っている薬に併せまして、点滴での処方となるわけでありますが、その新しいお薬を使いまして、2回、今まで使っているのですが、2回目のときに検査も行ったのですが、効果は出ているということでございました。そこで、もちろんこのままそうした治療を続けながらということをもちろん考えるわけでありますが、そういうこともずっと考えながら今までやってきたところで。この6月以降ですね。
 ただ、しかし、これから9月に人事があり、そして、国会を開会していくという中において、これが継続的にずっと間違いなく善くなっていくという保証はない中において、ある程度、この投薬が終了して、大丈夫ですとなれば別なのですが、その過程にあるという中において、正にコロナ禍の中において、政治的空白を生み出さないようにする上においては、このタイミングで辞任するしかないという判断をいたしました。そして、それは先週と今週、検査を受けまして、今週の診察を受けた際に判断をしたところであります。月曜日にですね。
 また、御批判は、これは正に任期途中でございますから、甘んじて受けなければならないと、こう思っておりますが、冒頭申し上げましたように、秋から冬にかけて、また、インフルエンザの流行に備えて対策を取りまとめることができましたし、本日取りまとめることができたということと、直ちに実行に移していくめどが立った。そしてまた、拡大傾向から減少傾向に転じたということもあり、このタイミングで判断をさせていただきました。
 総裁選、次の総裁が決まるまでの任期等々を考えると、影響を与えないのはこのタイミングしかないと、そう判断をしたところでございます。
 もちろん、この任にある限り、コロナ対策、責任を持って全力を挙げていきたいと。幸い、今、新しい薬が効いておりますので、しっかりと努めていきたいと、こう思っております。
 そして、次の自民党総裁をどのように選出をしていくかということは、これはもう執行部等にお任せをしておりますので、私が申し上げることではないと思いますし、誰がということも、私が申し上げることではないだろうと、こう思っております。

(内閣広報官)
 それでは、幹事社の方、もう1社、どうぞ。

(記者)
 読売新聞の今井です。
 先ほど総理は、結果を出すことに全身全霊を挙げてきたとおっしゃいましたが、歴代最長となった在任中に成し遂げたことの中で、御自身、これは政権のレガシーだと思われるものがありましたら、挙げていただけないでしょうか。
 また、先ほどやり残したこととして憲法改正、北方領土問題、拉致問題を挙げられましたが、後継の首相に期待したいこと、託したいこと、ありましたら、併せてお願いします。よろしくお願いします。

(安倍総理)
 まず、レガシーというお尋ねでございますが、正にこれは国民の皆様が御判断いただけるのかなと、また歴史が判断していくのかなと、こう思いますが、7年8か月前、政権が発足した際には、あのときはまず、東北の復興なくして日本の再生なし、東北の復興に全力を挙げるということを申し上げて、取り組んでまいりました。
 また、経済においては、働きたい人が働くことができると、働く場をつくる、それを大きな政策課題として掲げ、20年続いたデフレに3本の矢で挑み、400万人を超える雇用をつくり出すことができました。成長の果実をいかしまして、保育の拡充、また、幼児教育、保育の無償化等を行いました。高等教育の無償化も含めてですね。そして、働き方改革や一億総活躍社会に向けて大きく一歩を踏み出すことができたと思っています。
 また、外交、安全保障におきましては、集団的自衛権に係る平和安全法制を制定いたしました。助け合うことができる同盟は強固なものとなったと思います。米国の大統領の広島訪問がその中で実現できたのでございますが、こうした日米同盟を基軸として、地球儀を俯瞰(ふかん)する外交を展開する中において、例えばTPP(環太平洋パートナーシップ協定)、あるいは日EU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)、日米の貿易交渉もそうですが、日本が中心となって、自由で公正な経済圏をつくり出すことができたと思っております。これも全て、国政選挙の度に力強い信任を与えていただいた国民の皆様のおかげでございまして、心から感謝申し上げたいと思います。
 同時に、今、御質問いただいた拉致問題、あるいは日露平和条約の問題、そして憲法改正、どれも大変大きな課題であります。歴代の政権が挑んできた課題であります。残念ながら、それぞれの課題が残った。痛恨の極みでありますが、どれも自由民主党として全力で取り組んでいくということをお約束している課題。政権としてだけではなくて、党としてもお約束をしている課題でございますから、次の新たな強力な体制でしっかりと取り組んでいただくことを期待しています。

(内閣広報官)
 それでは、これから幹事社以外の皆様から御質問を頂戴します。
 御希望される方、御希望の意思表示は発声ではなくて挙手でお願いいたします。私が指名いたしますので、近くのマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにした上で質問をお願いいたします。希望される方が多いと思いますので、幹事社の場合と違いまして、お一方1問でお願いいたします。
 それでは、どうぞ、御質問される方は挙手をお願いします。
 では、星野さん。

(記者)
 朝日新聞の星野です。よろしくお願いします。
 首相にお伺いしますが、次期政権に望むこと、具体的に教えてください。そしてですね、後継候補と言われている方々の名前が挙がっていますが、例えば岸田政調会長、石破元幹事長、菅官房長官ら、それぞれ御評価があればお聞かせください。

(安倍総理)
 辞めていく私があまり注文をするべきではないと思いますが、次の方も、まず何といっても今の現状のコロナ対策に全力を尽くされることと思います。ウィズコロナ、そしてポストコロナの時代に向けて、我々も今、そのビジョンを示しているわけでございますが、そうしたものを共有していただきながら、成果を出していただきたいと。新しい日常をつくり出す中において、その中で、それぞれの方々が未来を見据えて進んでいくことができる日本社会をつくっていっていただきたいと思っています。
 そして、それぞれ個別具体的な名前はあえて挙げませんが、名前の出ておられる方々は、それぞれ有望な方々でありますし、私も一緒に内閣において、あるいは党において一緒に働いたことがある方ばかりでございますので、それぞれ政策を競い合う中で、恐らくすばらしい方が決まっていくのだろうと期待しております。

(内閣広報官)
 それでは、次の方はいかがでしょうか。
 それでは、吉浦さん。

(記者)
 共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。
 外交問題についてお伺いします。今し方、総理も北朝鮮による拉致問題、日露平和条約交渉、結果を出せなかったことは痛恨の極みだとおっしゃいましたけれども、第1次内閣合わせて8年8か月の間に解決できなかったことについて、これまでのやり方で何か振り返って反省すべき点はなかったでしょうか。また、次の政権に向けてこうしたアプローチが望ましいですとか、期待することについて改めてお伺いします。
 もう一点、今日の会見で、いつも使われているプロンプターを使用されていないですけれども、これはどういったお気持ちでこういった形で会見に臨まれたのでしょうか。よろしくお願いいたします。

(内閣広報官)
 吉浦さん、すみません、多くの人が待っていますので。どの質問を総理にお伺いしたいのですか。

(安倍総理)
 いいです、いいです。
 プロンプターは世界でいろいろな指導者が使っているものでありまして、私も使ってまいりましたが、今日はぎりぎりまで原稿が決まっていなかったということもあり、私も推敲(すいこう)しておりましたので、こうした形になりました。
 そして、拉致問題について別のやり方があったのではないかという御質問ですね。この問題は私はずっと取り組んできました。もちろんそう簡単な問題ではないから今でも残っているわけであります。ありとあらゆる可能性、様々なアプローチ、私も全力を尽くしてきたつもりであります。その中で、例えばかつては日本しかこれは主張していませんでした。でも、国際的にこれは認識されるようになりました。たくさん努力をしてきた。アメリカの大統領が北朝鮮の首脳と、金正恩(キム・ジョンウン)委員長とですね、一対一のテタテの場面でもこの問題について言及し、また習近平主席も言及し、そして文在寅(ムン・ジェイン)大統領も言及する。これは今までになかったことであります。
 ただ、もちろんそれによって結果が出ていない。でも、私は最善の努力をしてきた。ただ、ただですね、申し上げましても、御家族の皆様にとっては結果が出ておられない中において、お一人お一人とお亡くなりになっていく。私にとっても本当に痛恨の極みであります。常に私は何か他に方法があるのではないかと思いながら、あらゆる、これは何をやっているかということを残念ながら、外交においてはそうなのですが、特にこういう外交はそうなのですが、御説明できませんが、言わば考え得るあらゆる手段を採ってきているということは申し上げたいと思います。

(内閣広報官)
 それでは、次の方。
 では、清水さん。

(記者)
 東京新聞の清水と申します。
 通算でも連続でも歴代最長政権となり、安倍一強の政治状況が続きました。様々な成果があろうかと思いますけれども、総理は先ほど、レガシーは歴史が判断することだとおっしゃいました。この間、官僚の忖度(そんたく)や公文書の廃棄、改ざんなど、負の側面も問われたかと思います。公文書の改ざんを迫られ自殺した財務省職員の御遺族は今も再調査を求め、政権の説明責任を問うています。この間、国民に疑問を持たれた様々な問題に、歴史が判断する材料としての公文書管理及び政治家の説明などで十分な説明責任を果たせたとお考えでしょうか。御所感をお願いいたします。

(安倍総理)
 公文書管理については、安倍政権において、更なるルールにおいて徹底していくということにしております。また、国会においては、相当長時間にわたって、今挙げられた問題について私も答弁をさせていただいているところでございます。十分かどうかということについては、これは国民の皆様が御判断されるのだろうなと、そう思っております。

(内閣広報官)
 それでは、次の御質問をどうぞ。
 では、重田さん。

(記者)
 日本経済新聞の重田です。
 総理は自民党総裁であると同時に、党内最大派閥の清和会の実質的なリーダーであると思います。今後の党総裁選では総理の影響力が少なからず働くと思われますが、後任総裁選びはどういった姿勢で臨まれますでしょうか。どなたかを支援して一票を投じられるのか、もしくは退陣される首相として静観されるお考えなのか。また、総理が取り組んできた憲法改正、これは支援の条件となるのでしょうか。お考えを下さい。

(安倍総理)
 まず、清和会でございますが、清和会は細田派でありまして、細田さんが会長でございまして、細田会長の下、皆さんでどう臨まれるかということは、政策グループとして恐らく議論するかもしれないと思っておりますが、私は総裁を辞めていく立場であり、私が何か次の総裁選に影響力を行使しようということは、これは全く考えておりませんし、そうすべきでもないだろうと思っております。
 そして、憲法については、そもそも憲法改正、また4項目のイメージ案については、これは党で決めたことでございますので、誰が総裁になられてもですね、当然党として約束をしていることであり、取り組んでいかれるのだろうなと思っています。

(内閣広報官)
 それでは、次、吉野さん。

(記者)
 テレビ朝日の吉野と申します。
 総理が途中でお辞めになるということで、体調が悪いのかなと推察いたしますが、今後の政治との関わりについてお伺いしたいと思います。先ほど一議員として関わるというふうにおっしゃっていましたけれども、例えば元総理としてできること、例えばこれまでしかかったロシア外交とか対中外交というものに、今後取り組まれる意欲はありますでしょうか。
 それと、次の衆議院選挙、1年ぐらいで任期が迫っておりますけれども、そちらに対する身の振り方はいかがお考えでしょうか。

(安倍総理)
 今後についてでございますが、何とか体調を回復する中において、一議員として活動を続けていきたい。その中で様々な政策課題の実現に微力を尽くしていきたいと思いますし、次なる政権に対しても、協力、当然のことなのですが、一議員として協力していきたい、支えていきたいと思います。どのようなことをやるのかという点については、これは言わばこれからまだ先のことでありますが、今までの経験もいかしながら、議員としてできることがあれば取り組んでいきたいと思います。
 まだ次の衆議院選挙については、これは正に有権者の皆様も判断することでもございますが、私としては、基本的には一議員として仕事をしていきたいと思っております。

(内閣広報官)
 それでは、次。
 では、杉本さん。

(記者)
 産経新聞の杉本と申します。よろしくお願いします。
 総理、先ほど何回も質問がありましたけれども、自民党総裁選で次の意中の候補というのはおっしゃっておりませんけれども、総理は連続在職日数も通算在職日数も最長を達成されました。その中で、あるべき総理大臣の姿というのは日々お考えになられていらっしゃったと思うのですけれども、総理が考える総理総裁に必要な資質、これはどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

(安倍総理)
 これは、今までもよく申し上げてきたことでございますが、言わばしっかりとしたビジョンを持って、責任感とそして情熱を持った方だろうと思いますが、今まで名前が出ている方は、それぞれそうした資質を持っておられるのだろうなと。私が持っているかどうかというのはこれまた別の問題でありますが、それとやはり総理大臣というのは独りでできる仕事ではなくて、私がここまで来られたのも、至らない私を支えていただいた多くのスタッフの皆さんや多くの議員の皆さんや、そういう方々がいて何とかここまで来ることができました。ですから、そういうやはりチーム力ということも大変重要ではないかと思います。

(内閣広報官)
 それでは、次の方。御質問される方。
 後藤さん。

(記者)
 TBSの後藤と申します。
 総理、お尋ねします。今年は、政府はコロナ対応に終始している年だと思います。そして、未知なる脅威との闘いということもありまして、なかなか当初、後手後手だったのではないかなというふうな印象を受けています。実際、総理も国会の答弁で、例えばPCR検査がなかなか普及しないことについて、何らかの目詰まりを起こしているのではないかとか、政府が配布を決めたマスクもなかなか、特に都市部から地方の方に行き渡らなかった。そういうふうな指摘もありました。そこで、一つ振り返るということ、そういうふうな観点から、これまでの政府対応で成果を上げたと思われる点、あるいは反省する点、それぞれ御指摘願いたいと思います。

(安倍総理)
 正に今回のコロナウイルス感染症との闘いは、まずは武漢で発生し、武漢の邦人の救出オペレーションからスタートしました。その後は、ダイヤモンド・プリンセス号の問題もあった。それぞれ初めての経験でありました。ですから、正に今までの知見がない中において、その時々の知見をいかしながら、我々としては最善を尽くしてきたつもりでございます。
 マスクについても、様々な御批判も頂きましたが、このマスクの配布を始めることによって、需要と供給の関係から、相当供給も出てきたということもあります。いろいろなネット等での価格も大きく変わってきたということもあったと思います。ただ、国民の皆様から厳しい御批判もありました。そうしたものは、私も受け止めなければならないと、こう思っております。
 各国との比較の中においてですね。何とか、亡くなられた方々がおられますが、死者の数あるいは重症者の数等々においても、諸外国と比べて何とか、低く抑えることもできたと考えております。また、経済への影響、これは大きな影響がございますが、種々の経済対策によって、他の先進国等々と比べれば何とか抑えることができていると思いますが、まだまだそれは不十分な点もありますし、反省するべき点は、これはもちろん多々あるということは申し上げなければいけないと思います。

(内閣広報官)
 それでは、次の方。
 鹿嶋(かしま)さん。

(記者)
 フジテレビの鹿嶋です。
 総理、冒頭、体調の変化が起きてから、検査の結果を聞いてという一連の経緯をお話しになりましたけれども、6月の検診で再発の兆候が見られ、先月の中旬頃から体調に異変が生じたということなのですけれども、今回の辞任という決断に至るまで、総理はほぼ土日も休みがなく、ほとんど公務に当たられていた時間、頭の中でもそういうふうに考えられていた時間が多かったと思うのですけれども、最近総理に面会した多くの方々が、しっかり休んでほしいと。疲れがたまっていると。でも、やはり総理はなかなか休みたがらないのだという話も聞きました。今思えば、総理はもう少し、こういった決断をされる前にしっかり休んでおけばよかったとか、もうちょっとめり張りをつけておけばよかったとか、そういった後悔はありますでしょうか。

(安倍総理)
 自分自身の健康管理もこれは総理大臣としての責任だろうと思います。それが私自身、十分にできなかったという反省はあります。同時に、正に見えない敵と悪戦苦闘する中において、全力も尽くさなければいけないという気持ちの中で仕事をしてきたつもりでございます。
 ただ、やはり一国のリーダーとしては、しっかりとそうした健康管理はしなければならないなということは痛感をしているところであります。

(内閣広報官)
 それでは、次の方。
 佐藤さん。

(記者)
 北海道新聞の佐藤といいます。
 憲法改正について伺います。憲法改正ですが、最長政権を樹立されても、結果的には実現できなかった。機運が高まらなかった理由、機が熟さなかった理由ということを今、この時点でどのように捉えられているかということと、今後実現というのは可能かということをお聞きしたいと思います。

(安倍総理)
 憲法改正については、まずは党において4項目に絞り込んだ、何とか改正案のイメージをしっかりと党で決定することができたと、こう思っております。ただ、残念ながらまだ国民的な世論が十分に盛り上がらなかったのは事実であり、それなしには進めることができないのだろうということを改めて痛感をしているところでございます。しかし、それぞれの国会議員の皆さんも国会でお互いに案をぶつけ合って、議論をしなければどうしても国民的な議論は広がらないわけでありまして、国会議員としてその責を果たすように、私も一議員としてこれから頑張っていきたいと思います。

(内閣広報官)
 西垣さん。

(記者)
 時事通信、西垣です。
 総理、1次政権を辞められたときには、政権を投げ出すという批判を受けることになったわけなのですけれども、総理自身も身の引き方ということを悔やんでこられた面があったと思います。今回、1次政権のときの身の引き方と比べて、それとは違った身の引き方ができたというふうにお考えか。政権を投げ出すという批判がないような身の引き方ができたというふうにお考えなのかということをお聞かせください。

(安倍総理)
 任期途中での辞任でございますから、様々な御批判があるのは当然だろうと、甘んじて受けなければならないと、こう思っております。
 ただ、今回、何とかこのコロナ対策に空白を生まないようにということに腐心をしてまいりました。そこで、拡大傾向から減少傾向に転じたとき、さらには秋から冬に向けて、インフルエンザの流行に向けて対策を取りまとめることができて、その実施についてもめどが立ったというときを選んだのでありますが、前回は正に内閣の改造を行って、そして国会の召集を行い、所信表明をした後の辞任ということであったわけでありますが、今回はとにかく人事、そして国会の前に私は判断をしなければいけない。ですから、それはずっとそのことを悩みに悩んだのでございますが、そうするとこのタイミングで、もちろんもう少しできないかという気持ち、葛藤がなかったわけではもちろんないのですが、しかし、万が一にも同じようなことをしてはならないという判断をしたということであります。

(内閣広報官)
 次の質問をどうぞ。

(記者)
 京都新聞、国貞と申します。
 地方、地域の視点からお伺いします。安倍総理、地方創生、東京一極集中を打破するという部分で強調しておっしゃられてきて、地方の立場からすると、そこに対してかなり期待を持って見ていました。中央省庁の移転でいうと、京都に文化庁の移転、これが来るわけですけれども、とはいえ、大きなパラダイムシフトには至っていないと思うのですが、地方創生に関しての総理自身の御自身での御評価、採点といいますか、それをよろしくお願いします。

(安倍総理)
 確かにパラダイムシフトが起こるというところまでは来ていないわけであります。景気回復期にはどうしても東京に人口が集中するという傾向にあったわけでございますが、今回、安倍政権の期間における景気回復期においてももちろん増えてはいる。東京への集中というのは歯止めがかかってはいないのですが、そのスピードは相当鈍らせることができたのかなとは思っています。
 それと、東京から地方に移住したいという方の相談を受けるところにおいては、今までは大体、60代以上の方が中心だったのですね。一線を退いてから、年金生活に入るときに元のふるさとに戻ってみようという方が多かったのですが、今は現役世代、50代以下の方が相当多くなってきました。つまり、地方にチャンスがあるというふうに思う方が出てきたのかなと思います。
 そして、パラダイムシフトが起こるとすると、今正に3つの密を避けるという中において、テレワークが進むということと同時に、地方の魅力が今、見直されているのだろうと思いますし、また、足元で20代の若者の地方への転職希望が大幅に増加をしているという調査もあります。今後、日本列島の姿、国土の在り方を今回の感染症は根本的に変えていく可能性もあるのだろうと、こう思います。ですから、正にポストコロナの在り方、社会像を見据えて、現在、未来投資会議で既に議論をスタートしておりますが、こうした大きな変化をいかしていきたいと、こう思っています。

(内閣広報官)
 それでは、下久保さん。

(記者)
 中国新聞社の下久保です。
 総理、お疲れさまでした。先ほどの御挨拶の中でお伺いしたいことがありました。レガシーの中でオバマ大統領の広島訪問を挙げられたと思うのですけれども、この中でちょっとお伺いしたいのが、今年は被爆75年、終戦75年で、改めて国民の多くが平和の大切さを噛(か)み締めた1年であります。総理は多くの被爆者の方々と会い、また戦争で家族が亡くなった方々の声に耳を傾けてこられました。その言葉はどのように総理の胸に響きましたか。任期中には、平和安全法制、安全保障関連法などで国民の世論を二分するところもありましたが、改めて御自身がどのように平和問題と向き合ってきたか。また、次の政権に、平和であったり、反戦であったり、核兵器廃絶であったり、託していくような使命があれば、どのようにお考えか教えてください。

(安倍総理)
 まず、核兵器の廃絶、これは私の信念であり、日本の揺るぎない方針でもあります。当然この方針は次の政権でも引き継がれていくものだろうと、こう思います。
 平和問題であります。残念ながら世界ではまだ様々な地域で戦闘が起こり、戦闘に巻き込まれる方、子供たちもいます。それをいかになくしていくかという問題でありますが、正に世界が協力をしながら平和をつくり出していくという努力をしなければいけませんし、平和を維持していくという努力もしなければいけません。
 同時に、残念ながら我が国の正に近くに、核兵器、核開発を進め、日本を射程に収めるミサイルの開発を進めている、北朝鮮もそうです、そうした国からしっかりと日本を守り抜いていかなければなりません。そのためにこそ正に日米同盟はあるわけでありまして、同盟の絆(きずな)を強くすることによって日本を攻撃しようという気持ちには相手をさせないということにつながっていく、つまり、抑止力になっていくわけでありまして、言わば抑止力というのは、これは戦争をするためのものではなくて、戦争を防ぐためのものでもあります。そうした努力もしながら、また、核の廃絶についてもですね、核兵器国と非核兵器国の橋渡し役を日本が行いながら、唯一の戦争被爆国として、核の廃絶に向けた努力を重ねていかなければならないと思っています。

(内閣広報官)
 次の御質問。
 はい、笈田(おいた)さん。

(記者)
 毎日新聞の笈田と申します。
 先ほど総理、お話の中で、今週の月曜日の検査を受けて、その後、辞任を決断されたというお話でしたけれども、その月曜日からこの金曜日までの間で、最終的に具体的に御判断されたのはいつなのかということと、あと、その判断に当たってどなたかに御相談はされましたでしょうか。

(安倍総理)
 月曜日にそういう判断をしました。その中で、この秋から冬に向けてのコロナ対策の取りまとめをしなければならない。この取りまとめをしっかりとする。そしてその実行のめどを立てる。それが今日の日となったということであります。この間に相談したのかということでありますが、これは私自身、自分一人で判断をしたということであります。

(内閣広報官)
 内閣記者会常勤幹事社の皆さんから御質問いただきましたので、そうでない方から若干頂きます。
 では、江川さん。

(記者)
 フリーランスの江川紹子と申します。よろしくお願いします。
 新型コロナの感染者情報を集約するデータベースで発症日とか職業などのデータを把握できないというようなことが起きているというニュースがありました。こうしたデータは対策の基本だと思います。そしてこの問題に限りません。10万円の給付金のときにもオンライン申請を受け付けながら、結局は自治体の公務員が手作業で作業をやるというような状況もあって、このコロナ禍で日本がいかにIT後進国であるかということが露呈してしまったわけです。
 安倍政権では、2013年に新IT戦略を立てられて、今年までに、2020年までに世界最高水準のIT活用社会を実現するということを目標にして、首相自身も世界の後塵(こうじん)を拝してはならないと宣言されました。ところが、今、正に世界の後塵を拝しているのは明らかで、安倍さんも本当に非常に不本意だというふうには思うのですけれども、こうなってしまった原因はどこにあると考えておられるかということを伺いたいと思います。そして、後任には今後こういうところをしっかりやってほしいというふうに期待されるのか、どういう申し送りをしたいのかということも併せてお願いします。

(安倍総理)
 今、江川さんが御指摘になったように、日本の今の状況、IT分野における状況、問題点、課題というのは明らかになったわけでありまして、反省点でございます。
 様々な課題があるのですが、まず、官の側に立てば、役所ごとにシステムが違うという問題もございますし、自治体ごとに違っているという、そういう課題もあります。今回、そういう課題が明らかになってまいりましたので、高市大臣を中心に一気に進めていくということにしているところでございます。
 もう一つは、個人情報に対する保護、この対応が自治体ごとに違うという課題もあります。しかし、今回そういう課題を乗り越えていく必要性というのは相当これは共有できたのではないかと思いますので、これは、私は辞めていくことになるわけでありますが、残りの期間、また次のリーダーも当然取り組んでいかれると思いますが、私も残余の期間、しっかりと頑張っていきたいと思っております。

(内閣広報官)
 それでは、タケナカさん。

(記者)
 ロイター通信のタケナカです。
 後任の総裁については党の執行部の方にお任せになっているということ、先ほどお伺いしたことを改めてその上でのお話なのですが、空白はつくれない、総理の御体調のこともあるということで、時間軸を考えたらいつまでもということはないと思うのですが、残余の時間とおっしゃいましたが、これは総理としてはどれくらいの時間軸をお考えになっている、あるいは希望していらっしゃる、お望みになっていらっしゃるのでしょうか。

(安倍総理)
 次の総裁が決まるまでどれぐらいかかるかということなのですが、執行部の方では案を今具体的に考えておられるというふうに先ほど情報としては入ったのですが、私の体調の方は基本的にはその間は絶対大丈夫だと思っております。それほど長期ではないけれども、しっかりと選んでいただける、政策論争ができる時間は取られるのだろうと。今、私が具体的なことを申し上げることは控えた方がいいと思っています。

(内閣広報官)
 あと、それでは数問になりますので、はい、神保さん。

(記者)
 ありがとうございます。ビデオニュースの神保といいます。
 総理、お疲れのところ申し訳ありません。総理の在任期間に是非どうしても伺いたいと思っていたことですので、ちょっと立ち入ったことになりますが、総理、安倍政権は、これまでの政権に比べて非常に徹底したメディア対策というものをなされた政権だというふうに思っております。例えば今まで輪番で出ていたものを個別のメディアに一本釣りのような形で出演されるとか、あるいは質問を事前に取りまとめて、それを出した社にしか記者会見で質問を当てないとか、かなり徹底したメディア対策というのをされた。
 それ自体が悪いと言っているわけではないのですが、それは総理御自身の指示によるものだったのでしょうか。それとも、ワーキングレベルで行われたものが、総理は知らずにやっていたものなのか。あるいは、総理が仮に知らなかったとしたら、総理は記者会見でですね、質疑の場面なのに、なぜか質問と答えが目の前のメモに書いてあるという状況を御覧になって、何か違和感を覚えられなかったのか。また、そのような関係がですね、メディアと政治という関係において、民主主義において、総理はどのようにお考えになっているのか、そこのお考えをお聞かせください。お願いします。

(安倍総理)
 まず、安倍政権が、例えば幹事社から質問を受けるというのが安倍政権の特徴ではなくて、ずっと、恐らく前の政権もずっとそれは同じだったと思います。安倍政権の特徴ではないということは、まずはっきりと。

(記者)
 幹事社に限らず。

(内閣広報官)
 すみません。総理のお答えを最後まで聞いていただいて。

(安倍総理)
 それは、幹事社からの質問については最初に受けるということは、これは今までの各政権が皆、そうだったのだろうと思います。
 また、当然、正確性を、総理大臣の発言ですから、これは正確な答弁をしなければいけないわけでありまして、どういう質問が出るかということは想定でつくっているということでありまして、これは必ずしも、あらかじめ、今日だって全部、私はこうやってお答えをさせていただいておりますが、それぞれ前もって頂いた質問ではないわけでございまして。
 それと、メディアにそれぞれどうやって出演するかどうかということについては、それはその時々の政権が判断するのだろうと思います。いいか悪いかというのは、また、それはそれぞれの判断だろうと思いますし。

(内閣広報官)
 それでは、あと2問ほどで結ばせてもらいます。
 どうぞ。

(記者)
 西日本新聞社の川口と申します。
 歴代最長の政権の中で多くの成果を残された一方で、森友学園問題や加計学園問題、桜を見る会の問題など、国民から厳しい批判にさらされたこともあったと思います。コロナ対策でも、政権に対する批判が厳しいと感じられることも多かったと思うのですが、こうしたことに共通するのは、政権の私物化という批判ではないかと思います。こうした指摘は国民側の誤解なのでしょうか。それについて総理がどう考えられるか、これまで御自身が振り返って、もし反省すべき点があったとしたら、それを教えてください。

(安倍総理)
 政権の私物化は、あってはならないことでありますし、私は、政権を私物化したというつもりは全くありませんし、私物化もしておりません。正に国家国民のために全力を尽くしてきたつもりでございます。
 その中で、様々な御批判も頂きました。また、御説明もさせていただきました。その説明ぶり等については反省すべき点もあるかもしれないし、そういう誤解を受けたのであれば、そのことについても反省しなければいけないと思いますが、私物化したことはないということは申し上げたいと思います。

(内閣広報官)
 それでは、最後の質問にさせてもらいます。
 後列真ん中の女性の方。

(記者)
 報知新聞社の奥津です。
 東京五輪、パラリンピックの開催の影響についてお伺いいたします。総理は、新型コロナウイルスの感染拡大後も、来夏の大会開催に強い意欲を示してこられましたが、このタイミングでの御自身の辞任による開催判断、可否への影響や、また、来年の夏に予定どおり大会が開催された場合、首相として五輪を迎えることができないことへの率直な思いをお聞かせください。

(安倍総理)
 世界のアスリートが万全のコンディションでプレーを行い、そして、観客の皆さんにも安全で安心な大会を目指していきたいと思います。IOC(国際オリンピック委員会)や大会組織委員会、また東京都とも緊密に連携をしながら、先般策定をされましたロードマップに示されたスケジュールに沿ってしっかりと準備を進め、開催国としての責任を果たしていかなければならないと、こう思っておりますし、私の次のリーダーも、当然その考え方の下に目指していくのだろうと思います。もちろんそのために様々なやらなければいけないこともあるのだろうと思っております。

(内閣広報官)
 それでは、以上をもちまして、本日の総理記者会見を結ばせていただきます。
 皆様、御協力ありがとうございました。

(安倍総理)
 どうもありがとうございました。

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