VII その他


第1 政策評価に関する大綱

 政策評価機能の充実強化を図るため、各府省に評価部門を確立するとともに、総務省が府省の枠を超えて政策評価を行う機能を担うために必要な法制上の措置を検討する。

  1. 各府省の政策評価

     各府省は、所管の政策について、その性質に応じ、主としてその必要性、優先性、有 効性等の観点から改廃等の評価を行うこととする。
     評価の実施に当たっては、評価の実施体制、業務量、緊急性等を勘案しつつ、各年度 ごとに次のような対象の中から実施するなど、重点的に行うものとする。

    (1)新規に開始しようとするもの(事前の評価)

    (2)一定期間経過して事業等が未着手又は未了のもの

    (3)新規に開始した制度等で一定期間を経過したもの

    (4)社会的状況の急激な変化等により見直しが必要とされるもの

     また、評価の実施に当たっては、計画的に行うものとし、中期的な計画に基づき実施 するなど、効果的・効率的に実施していくこととする。ただし、急激な社会経済情勢の 変化等により緊急に政策評価を実施する必要が生じた場合には、機動的に対応するもの とする。

  2. 各府省の政策の評価手法

     各府省は、政策評価の客観性を確保するため、評価の対象とする政策の性質等に応じ た合理的な評価手法により評価を行うこととする。このため、評価指標の体系化や評価 の数値化・計量化など合理的で的確な評価手法の開発を進めることとする。
     また、政策の性質等により、具体的な指標・数値による定量的な評価手法を用いるこ とが困難なものがある場合には、定性的な評価手法をも取り入れるなど、その具体的方 策等について調査研究を進めていくこととする。

  3. 各府省の政策評価結果の政策への反映

     各府省は、政策評価の結果が予算要求等の企画立案作業に反映されるようにすること とする。このため、所管の政策の性質等を踏まえつつ、例えば、政策評価担当組織によ る政策評価結果の取りまとめ、当該政策の企画立案部門への通知、政策への反映状況に 関する報告の徴収などの措置を講ずるものとする。

  4. 各府省の政策評価の組織・方法

    (1)各府省の内部部局に、政策評価を担当する明確な名称と位置付けを持った組織を置くこととし、当該組織については、原則として課と同等クラス以上となるよう検討する。また、必要に応じ、所管部局等に政策評価担当組織を置くことを検討する。

    (2)各府省の政策評価は、内部部局に置かれる政策評価担当組織、又はその総括の下に所管部局等の政策評価担当組織若しくは当該所管部局等が実施する。また、高度の専門性が必要な場合、実践的な知見が必要な場合等は、学識経験者、民間等を活用することができることとする。

  5. 各府省の政策評価に係る実施要領等

     各府省は、体系的に継続して政策評価を実施していくため、所管の政策の性質等を踏 まえつつ、政策評価の方針及び実施、政策評価結果の処理、政策評価に関する情報の公表などの事項を盛り込んだ政策評価の実施要領等をあらかじめ策定して、これに従って実施するものとする。

  6. 総務省の政策評価

     総務省においては、次の政策について、その性質に応じ、主としてその必要性、優先 性、有効性等の観点から改廃等の評価を行うこととし、その運用に当たっては、民間有 識者などを加えた第三者的評価を可能とする仕組みの活用を図ることとする。

    (1)全政府的見地から府省横断的に評価を行う必要があるもの

    (2)複数の府省にまたがる政策で総合的に推進するために評価する必要があるもの

    (3)府省の評価状況を踏まえ、一層厳格な客観性を担保するために評価する必要があるもの

    (4)その他、政策を所管する府省からの要請に基づき、当該府省と連携して評価を行う必要があるもの

     評価の実施に当たっては、評価の実施体制、業務量、緊急性等を勘案しつつ、上記の (1)から(4)までに該当する政策の中から各年度ごとに評価対象を重点化するなど、計画的に実施するものとする。その際、府省の実施状況に留意するものとする。
     また、評価の実施に当たっては、評価の実施に関する中期的な計画に基づき実施するなど、効果的・効率的に実施していくこととする。ただし、急激な社会経済情勢の変化 等により緊急に政策評価を実施する必要が生じた場合には、機動的に対応するものとする。

  7. 総務省の政策評価結果の政策への反映

     総務省が行う政策評価の結果が政策に適時・的確に反映されるようにするため、次のような措置を講ずることができるようにする等の法制上の措置の必要性について検討する。

    (1)政策評価の終了後、速やかに、評価した政策の概要、評価結果を取りまとめ、関係する府省に通知するとともに、公表するものとする。その際、必要があると認められる場合には総務大臣から関係する府省の大臣に勧告することができるものとする。

    (2)通知等の後、関係する府省に対し、政策評価の結果の政策への反映状況(講じた措置の内容、時期等又は措置を講じなかった場合その理由と今後の予定等)について適期に報告を求めるものとする。

    (3)政策評価の結果、勧告事項のうち特に必要があると認められる場合には、内閣総理大臣に対し、意見を具申することができるものとする。

  8. 総務省の政策評価の組織・方法

     現在の総務庁行政監察局を、府省の枠を超えた政策評価機能を含め行政評価・監視機能を担う部局として改組する。同部局は、府省と連携しつつ、府省が政策評価の実施要領、評価基準等を策定するための標準的ガイドラインを策定し、各府省に対し提示するものとする。
     また、総務省に、第三者的評価を可能にする仕組みを整備することを検討することとし、その際、独立行政法人に関し総務省に置かれる評価委員会と統合すること、6.及び7.に基づき総務省が行う政策評価の計画、実施状況、主要な勧告等を対象とすることについて検討する。

  9. 政策評価の結果等の公表

     各府省及び総務省において、次のような情報について、公表を進める。

    (1)政策評価の実施に関する計画

    (2)政策評価の実施要領、評価基準等

    (3)政策評価の結果

    (4)政策評価の結果の政策への反映状況

     また、総務省においては、政府全体の評価結果及び政策への反映状況について、白書等により公表する。

  10. 現在の行政監察の機能強化・重点化

     現在の行政監察の機能は、総務省に引き継ぎ、各行政機関の業務の実施状況について、主として合規性、適正性、効率性等の観点から監察し、改善を推進することとする。その際、特に、国民からの苦情、事故・災害、不祥事件等を契機として、早急に改善を要するものについて機動的に行うものとする。
     また、調査対象の拡充については、認可法人、指定法人等の性格、国費の使用状況、国の行政機関の業務との関係の度合い等を勘案して、その範囲を検討する。調査権限の明確化についても検討する。

  11. その他

     総務省は、政策評価等の実施に当たり、効率的な運営に留意するとともに、次のような措置を講ずることにより、各府省等の関係部門との連携強化を図るものとする。

    (1)政策評価担当組織相互間の連携を密にし、政策評価制度の円滑かつ効率的な実施を図るため、例えば次の事項について連絡・協議することを目的として、政策評価担当組織の長により構成される「政策評価関係機関連絡会議(仮称)」を開催する。

    @ 政策評価の実施に係る調査研究

    A 政策評価の実施要領、評価基準等の標準的ガイドラインの作成

    B 政策評価を実施するに当たって参考となる情報の提供・交換

    (2)各府省の協力を得て、各府省及び総務省の政策評価を担当する職員に対する研修、人事交流等の推進について検討する。

第2 国家公務員制度の改革等に関する大綱

  1. 国家公務員制度の改革

     中央省庁等改革に併せて、次のとおり国家公務員制度の改革を行うこととし、必要な法制上の措置を検討する。

    (1)新たな人材の一括管理システムの導入

     行政の総合性を確保し、高い視点と広い視野からの政策立案能力と資質を備えた人材の確保を図るため、公務員制度調査会の意見(平成9年11月11日)を踏まえ、次のような新たな人材の一括管理システムを導入する。

    @ 新たな府省内における人材管理の一括化
     中央省庁等改革の趣旨を徹底するため、新たな府省内において、適材適所の人事管理を基本としつつ、一体性を確保した適正な人事管理を行うよう努める。

    A 人材情報の総合的管理
     本府省課長級以上の幹部職員及び課長に準ずる幹部要員の人材情報についての総合的な管理システムである人材情報データベースを構築し、内閣官房及び各府省における人材登用、府省間人事交流の推進などに活用する。
     その際、登録される人材情報の内容、利用の在り方、個人情報保護の在り方等について十分検討する。

    B 幹部職員昇任等に関する政府における総合調整
     各府省は幹部職員への昇任等を行うに当たっては、行政改革等政府全体の方針を踏まえた的確な人材評価を行うものとする。また、上記人材情報データベースを、幹部職員の人事交流の推進など各府省において一体的な運用が図られるべき事項について、政府全体としての統一的方針等に関する総合調整に活用する。

    C 幹部職員等の計画的育成
     行政の総合性の確保の観点から、幹部職員及び課長に準ずる幹部要員の育成を計画的、一体的に推進することとし、内閣総理大臣は、これらの職員に対し、内閣の重点政策等に関する必要な研修を行う。

    D 移籍に関する仕組みの整備
     政府全体として職員の希望等を踏まえた適正な人事配置を推進する観点から、他府省への移籍(転籍)を可能とする仕組みを整備する。なお、その運用に当たっては、各府省人事担当部局による連絡協議の場を設ける。

    E 人事交流の一層の推進
     幹部職員の府省間人事交流の一層の推進を図ることとし、その際、適材適所の観点を踏まえつつ、交流ポストの固定化をできる限り排除するよう努める。また、官民人事交流の促進については、可能な限り早期に必要な法案を提出する。

    F 退職後の人材活用システム
     国民の理解が得られるような退職公務員の適正かつ効果的な人材活用を図り、退職公務員の能力、経験、適性や民間企業等の要望等に応じた再就職のあっせん等を円滑に行うことができるよう、公務員の退職後の生活を含むライフ・サイクル全般を視野に入れて検討することとし、一つの方策として、人材情報データベースを活用した人材バンク等の整備について検討する。

    (2)新たな任期付任用制度の整備

     内閣官房及び各府省に行政の外部から特定の専門的知識を有する人材を任期を限って採用し、給与等の適切な処遇を行うことができるようにするため、新たな任期付任用制度の整備を図る。

    (3)政策の企画立案機能と実施機能の特性に応じた人事管理、多様な人材確保と能力、実績等に応じた処遇の徹底、退職管理の適正化等

     以上のほか、政策の企画立案機能と実施機能の特性に応じた人事管理、多様な人材確保と能力、実績等に応じた処遇の徹底、退職管理の適正化等に係る国家公務員制度及び運用の見直しについては、平成9年12月3日の行政改革会議最終報告に示された基本的課題と方向に基づくとともに、平成10年度内に予定されている公務員制度調査会の基本答申を踏まえ、その確実な推進のために、法制上の措置を含め、必要な措置を講ずる。

  2. 中央人事行政機関の機能分担の見直し

     中央省庁等改革基本法及び公務員制度調査会の意見(平成9年11月11日)等を踏 まえ、次のとおり見直しを行う。

    (1)人事管理に関する計画の策定など総合的・計画的な人事管理等の推進

     中央人事行政機関としての内閣総理大臣について、総合的かつ計画的な人事管理、政府全体について整合性のとれた人事行政等を推進するため、公務員制度調査会基本答申等を踏まえ、政府全体を通ずる人事管理に関する計画を策定する等により、その統一保持上必要な総合調整機能の充実を図る。

    (2)研修の実施

     研修の実施については、内閣総理大臣、人事院、任命権者の所管とし、その間で適正な役割分担を行うこととし、必要な法制面の措置について検討する。

    (3)指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸格付け

     社会経済情勢の変化に対応した適切な首脳部の構成と柔軟な人事配置への機動的な対応を図る観点から、内閣官房及び新たな府省においては、指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸について任命権者が責任をもって決定できるよう、人事院に見直しを要請する。

    (4)規制の緩和

     各任命権者の人事管理に関する責任の明確化及び行政運営に即した機動的かつ弾力的な人事管理の実現並びに人事行政の簡素効率化の観点から、

    @ 公務員制度調査会意見に基づき、行政職俸給表(一)9級以上への昇格については、特別の事例を除き、人事院は一般的な基準を設定し、具体的な運用は任命権者が実施すること

    A その他各種協議事項の縮小、包括承認の拡大等により給与事務の簡素化を進めること

    など、人事院に規制の緩和を要請する。

  3. その他

     地方公共団体への出向の在り方など、最終報告で指摘されているその他の人事関連事項についても、検討を進める。


第3 その他
  1. 行政情報の公開

     現在国会に提出中の「行政機関の保有する情報の公開に関する法律案」の成立を待って、その適切な施行を図る。

  2. 意見照会手続(仮称)[いわゆるパブリック・コメント手続]

     意見照会手続(仮称)[いわゆるパブリック・コメント手続]制度の導入を図ること とし、当面、行政上の措置としての「規制の設定又は改廃に係る意見照会手続(仮称)」[いわゆるパブリック・コメント手続]について検討を進める。

  3. 地方行財政制度の改革

     地方分権の推進について、地方分権推進委員会の勧告を尊重するとともに、地方行財政制度の改革について更に本格的な検討を進める。


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