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「シリコンバレーから世界へ」女性起業家の夢の実現を支援する ~CNN「10人のビジョナリーウーマン」に選ばれた女性実業家~(2017年夏号)

堀江愛利

Women’s Startup Lab 代表取締役。1997年にカリフォルニア州立大を卒業。2013年、米シリコンバレーでWomen’s Startup Labを創業し、女性起業家向けに合宿型の育成プログラムを開始する。CNN「10 Visionary Women(10人のビジョナリーウーマン)」、マリ・クレール誌「20 Women Who Are Changing the Ratio(男女比を変える20人の女性)」に選出される。

 起業家を支援する「アクセラレーター」は世に数多くあるが、堀江愛利氏がシリコンバレーで運営するアクセラレーター「Women’s Startup Lab」は他と少し異なる。その名の通り、堀江氏の会社は女性起業家の育成に特化しており、女性起業家が成功するための合宿型トレーニングとサポートプログラムを提供している。しかし、なぜ彼女は女性に特化することを思い付いたのだろうか。

自ら起業した会社を次のステップへと導きたい女性たちが、アメリカ、日本、中国、インドネシア、カナダなどからWomen’s Startup Labを訪れる。トレーニングを修了した起業家は2017年4月時点で90名。そのうち3名が、イグジット(株式市場または企業に自社株を売却し、投資した資金を回収すること)に成功している。

 堀江氏によると、産後、母親になるという一大転機がきっかけだったという。18歳でアメリカへ単身留学し、大学卒業後、米IBMに就職。シリコンバレーでグローバルマーケティング担当として活躍し、その後、シリコンバレーのスタートアップ(ベンチャー企業)を何社か渡り歩いた堀江氏は、2003年に出産と育児を経験。ところが、そこで、彼女は思いもよらなかった現実に直面する。「シリコンバレーで生活していたのに、育児を始めた途端、おむつ替えから学校の連絡に至るまで、すべてがローテクの世界になってしまった。そこはITとは隔絶された世界。一日中、紙とペンと電話を片手に走り回っていた」。その時に初めて、育児や介護など、男性が関わることが比較的少ない分野では、まだまだテクノロジーが活用されていないことに気付いたという。

 その後、2011年に教育に関連するスタートアップを起業した堀江氏は、女性起業家が直面する3つの壁にぶつかった。「一つ目の問題は、投資家はたいてい男性で、彼らは女性の視点から考えた育児・介護などのビジネスモデルに共感してくれるような体験がなかったこと。二つ目が、シリコンバレーの起業家やエンジニアは若い男性が圧倒的に多く、少数派の女性はそのネットワークになかなか入れないという現実。そして三つ目が、女性が日々直面する『仕事と家族の両立』という問題で、起業した会社の経営になかなか集中できない状況があった」

Women’s Startup Labに参加した起業家たちと堀江氏。

シリコンバレーにあるWomen’s Startup Labの合宿所。1回のプログラムに5~15人が参加し、この合宿所で2週間、寝食を共にする。

 そこで堀江氏は、この男性中心の世界に新しい風を吹き込み、より良い方向に変えていくには、社会により多くの女性のビジネスリーダーが必要という信念のもと、2013年にWomen’s Startup Labを設立。自分自身が起業時に直面した問題を振り返りつつ、業界の専門家や影響力のある人々のサポートを活用して、女性起業家の成功を支援する独自のプログラムを作り出していった。Women’s Startup Labでは、アメリカ、日本、中国、インドネシア、カナダなどから起業を志す女性が集まり、合宿所で2週間、堀江氏やスタッフと寝食を共にしてワークショップやディスカッションに参加する。「Women’s Startup Labのプログラムが既存のアクセラレーターと決定的に違う点は、起業した会社に焦点を当てるのではなく、起業家を人として『育成』することに重点を置いていること」と堀江氏は語る。トレーニングプログラムは、起業家が自身の目標を見直し、起業家としての考え方や姿勢を学び、恐怖心や不安を克服していく内容で構成されている。カリキュラムは、Evernoteの創業者であるフィリップ・リービン氏をはじめ、著名な起業家、投資家を講師として招き、スタートアップ企業の経営、リーダースキルの向上、「心技体」の鍛え方などについて、講師と受講生とのやり取りを通してアドバイスを受けるといった内容で、特に女性を意識したものになっている。

 「『人』という漢字は、ふたりの人が支えあっている形。Women’s Startup Lab では、人が集まって『1+1が5になる』ような相乗効果を『ヒト(人)ロジー』と呼んでいる。リーダーを育て、ふさわしいアドバイザーとの出会いを用意し、今後必要となる専門知識を持ったキーパーソンを紹介することで、2週間の合宿プログラムが終わった後も、挑戦を続けていく中で一生涯続く人間関係を形成することも目的の一つ」と堀江氏は語る。

 堀江氏は「起業とは、自分のアイデアに夢中になるのではなく、お客様の問題を解決すること、お客様に愛されるものを作ることに夢中になるという点が最も重要。時には、自分が大事にしているアイデアをすべて捨て去ることも必要となる。その覚悟を持って課題に取り組み続ければ、結果的に必ず良いビジネスへとつながっていく」と、女性起業家に向けてアドバイスを行っている。Women’s Startup Labは、これからも女性起業家の育成と、それを通じた「ヒトロジー」によって彼女たちの成功を支え、未来を変える挑戦を続けていく。

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