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日本の車椅子メーカーが作る「勝利を呼ぶ車椅子」(2017年春夏号)

石井勝之

1980年、千葉県生まれ。趣味は自転車。2002年4月にオーエックスエンジニアリング入社。国内直営店舗で車椅子販売などを担当したのち、2012年にオーエックスエンジニアリング取締役に就任。その後、創業者である父の跡を継いで2013年1月に代表取締役社長に就任。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が近づくにつれ注目が集まる障がい者スポーツ。テニスや陸上競技などのパラリンピック競技の成績を左右する競技用車椅子は、選手たちに欠かせない道具だ。日本の車椅子メーカー、オーエックスエンジニアリング(OX社)は、競技用車椅子の製造及びパラアスリートのサポートを20年以上にわたって続けてきた。

 OX社が車椅子事業を始めたのは1992年。オートバイの販売店を営んでいた創業者は、市販のオートバイを独自に改良してバイクレースに参戦するほど高い技術力を持っていた。その創業者がオートバイ試乗中の事故で障がいを負ったことをきっかけに、車椅子という異業種に参入することになった。創業者の息子でOX社を継いだ2代目の石井勝之社長は言う「チャレンジ精神旺盛な技術者だった父は、顧客の要望に合わせたデザインと機能性を持つバイクを作り続け、車椅子の開発にあたっても自分が乗りたいと感じる理想の車椅子を追求しました。スポーティな見た目や軽さ、丈夫さ、フィット感へのこだわりが、OXのものづくりの原点です」

「競技用車椅子で世界中のパラアスリートをサポート」

 OX社がパラアスリートのサポートを開始したのは、1996年のアトランタ大会からだ。以来、選手らと共に地道な改良を続け、いつしか「勝利を呼ぶ車椅子」と呼ばれるまでになった。「トップ選手たちからの要望は、数ミリや数グラム単位での調整を必要とする難度の高いものであり、正直に言えば手間もコストもかかります。しかし我々には、選手たちの競技への情熱を受け止め、生き生きと力を発揮できる環境づくりを最大限にサポートしたいという強い思いがあります。障がい者も健常者と同じようにスポーツを楽しめるようにしたい。その一心で競技用車椅子の開発に取り組んでいます」

 こうした取り組みは実を結び、OX社がサポートする国内外の選手たちが獲得したメダルの数は、アトランタ大会以来、8大会で通算122個(金34個、銀44個、銅44個)にのぼる。

 障がい者スポーツ界では現在、競技人口の減少と高齢化が課題となっている。OX社は、若年層の競技者育成の一環として子ども向けの競技用車椅子を開発した。「一人でも多くの子どもたちが車椅子スポーツに触れ、競技を楽しむことで、将来の日本を代表するような選手が誕生することを期待しています。2020年東京大会に向けても、引き続き、情熱を持ってできる限りのサポートをしていきたいと考えています」

卓越した日本の技術で勝利に向かって走る

スイスの車椅子陸上競技マルセル・フグ選手。パラリンピックの金メダリストであり、世界タイトルの保持者でもあるパラアスリート。2017年2月に日本を訪れ、東京マラソンに参加した。

 私は10歳の時に車椅子陸上競技の世界に入りました。今回、東京マラソンへの出場のため初めて東京を訪れました。長年、日本の競技用車椅子のメーカー、OX社が持つ高い技術力に支えられて、ゴールラインまで走ってきました。

 OX社の製品は非常に高品質です。競技用車椅子を一貫して開発し続け、毎年新しい製品を生み出しています。何年も同じスタイル、同じデザインのブランドもありますが、OX社は違います。常に新しいもの、たとえば新しい素材を使って軽量化を図り、しかも安定した競技用車椅子を作り出そうとしています。

 私にとってレースは特別なもので、強い思い入れがあります。競技を始めた頃から大きな目標を立て、パラリンピックで金メダルを取ることを夢見ていました。私は車椅子陸上競技が好きです。いや、愛しています。あのスピード感がたまらないのです。躍動感にあふれ、力強さに満ちています。また、この競技では戦術が大切なところも魅力です。レースを戦うには知力も必要なのです。

 まだ2020東京大会まで3年半ありますが、すでにオリンピックとパラリンピックが宣伝されているのを見ると、うれしくなります。東京ではポスターをいたる所で目にします。ポスターにはパラリンピックとオリンピックのどちらのロゴも描かれていて、それを見るとうれしさでいっぱいになります。オリンピックにパラリンピックが付け足されているのではありません。これは特別なことだと思います。どちらも平等に扱われているのは、すばらしいことです。

子供向けの競技用車椅子「WeeGO」は、本体サイズを2種類に限定し、激しい競技使用に耐える頑丈さとスタイリッシュさを両立する工夫をしている。開発は、車椅子テニス金メダリストの国枝慎吾選手が監修している。

OX社がサポートするパラアスリートが獲得したメダルの数

OX社は、国枝選手や陸上のマルセル・フグ選手など、国内外のトップ選手をサポート。1996年のアトランタ大会以来、夏季・冬季ともにパラリンピックでアスリートたちに車椅子を提供してきた。

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