ノロウイルス(感染性胃腸炎・食中毒)対策

 

ノロウイルスによる感染性胃腸炎・食中毒とはどのような病気ですか?

 年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスによるものですが、うち約7割は11月~2月に発生しており、この時期の感染性胃腸炎の集団発生例の多くはノロウイルスによると考えられます。
 ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛、微熱などを起こします。ノロウイルスは、感染力が強く、大規模な食中毒など集団発生を起こしやすいため、注意が必要です。
 特に子どもや高齢者は重篤化することがありますので特にご注意ください。
 また、ノロウイルスにはワクチンがなく、治療は輸液などの対症療法に限られるので、予防対策を徹底しましょう。

ノロウイルスはどのような場合に感染するのですか?

 感染経路には、主に①人からの感染と、②食品からの感染があります。

①人からの感染
 患者の便やおう吐物から人の手などを介して二次感染する場合 家庭や施設内などでの飛沫などにより感染する場合など

②食品からの感染
 感染した人が調理などをして汚染された食品を食べた場合ウイルスの蓄積した、加熱不十分な二枚貝などを食べた場合など

 

 過去のノロウイルス食中毒の事例では、約7割で原因食品が特定できていませんが、ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されたことが原因となっているケースも多いと考えられています。
 なお、食品が特定されている中で多い原因としては、ノロウイルスに汚染された二枚貝があります。ノロウイルスに汚染された二枚貝を、生や加熱不足のまま食べることで食中毒が発生しております。

感染した場合にはどのような症状になりますか?

 感染した場合、約24~48時間で吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱などの症状が出てきます。
 通常、これらの症状が1~2日間続いた後に治癒し、後遺症もありません。 また、健康で体力のある方は、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。
 ただし、子どもやお年寄りなどでは重症化することがありますので、特にご注意ください。

 

ノロウイルスの予防

 ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。
 従って、皆様の周りの方々と一緒に、ご家庭などでできる予防対策、3つのポイントを徹底しましょう!

 

①「 手洗い」をしっかりと!

 特に食事前、トイレの後、調理前後は、石けんでよく洗い、流水で十分に流しましょう。

※消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。



 

②「 人からの感染」を防ぐ!

 家庭内や集団で生活している施設でノロウイルスが発生した場合、感染した人の便やおう吐物からの二次感染や、飛沫感染を予防する必要があります。
 ノロウイルスが流行する冬期は、乳幼児や高齢者の下痢便やおう吐物に大量のノロウイルスが含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。具体的な方法はこちら「Q19~22」( 厚生労働省)別ウィンドウで開くをご覧ください。



 

③「 食品からの感染」を防ぐ!

  1. 加熱して食べる食材は中心部までしっかりと火を通しましょう
    二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合、ウイルスを失活させるには、中心部が85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要とされています。
  2. 調理器具や調理台は「消毒」して、いつも清潔に
    まな板、包丁、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗いましょう。
    熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱消毒が有効です。詳しくはこちら(内閣府)別ウィンドウで開く
 

ノロウイルスに感染してしまったら

 現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。このため、通常、対症療法が行われます。特に体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。感染が疑われる場合は、最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい。また、保育園、学校や高齢者の施設等で発生したときは早く診断を確定し、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染の拡大を防ぐことが重要ですので、速やかに最寄りの保健所にご相談下さい。