第3回個人情報保護法制化専門委員会議事要旨

資料1−1

個人信用情報保護・利用に関する検討状況について

− 個人情報保護法制化専門委員会説明用資料 −

平成12年2月16日

大   蔵   省
通 商 産 業 省
金 融 監 督 庁

T.個人信用情報とは

○ 金融機関や信販・クレジット業者などの与信業者が、与信に当たって顧客の返済能力・支払能力を判断するための情報。

○ 与信業者は、個人信用情報を収集、蓄積し、利用するとともに、このような情報を、信用情報機関を通じて共同で利用している。

○ この結果、顧客にとっては、適正な与信が行われる一方、秘匿性が高い個人情報が与信業者間で共同で利用されることとなっているため、個人情報保護と適正与信の両立がかねてから課題となっている。

U.個人信用情報保護・利用に関するこれまでの取組み

1.法律上の措置
 信用情報機関が保有する個人信用情報の取扱いについては、貸金業規制法及び割賦販売法において法的手当がなされているが、これらの規定は訓示規定である。

貸金業規制法
第30条 協会は、信用情報に関する機関(資金需要者の借入金返済能力に関する情報の収集及び貸金業者に対する当該情報の提供を行うものをいう。以下この項において「信用情報機関」という。)を設け、又は他の信用情報機関を指定し会員のこれらの機関を利用させること等の方法により、資金需要者等の返済能力を超えると認められる貸付けの契約を締結しないよう指導しなければならない。
2 会員は、前項に規定する情報を資金需要者の返済能力の調査以外の目的のために利用してはならない。

割賦販売法
第42条の3 割賦販売業者、ローン提携販売業者及び割賦購入あっせん業者(以下「割賦販売業者等」という。)は、共同して設立した信用情報機関(購入者の支払能力に関する情報(以下「信用情報」という。)の収集並びに割賦販売業者等に対する信用情報の提供を業とする者をいう。以下同じ。)を利用すること等により得た正確な信用情報に基づき、それにより購入者が支払うこととなる賦払金等が当該購入者の支払能力を超えると認められる割賦販売、ローン提携販売又は割賦購入あつせんを行わないよう努めなければならない。
第42条の4 割賦販売業者及び信用情報機関は、信用情報を購入者の支払能力の調査以外の目的のために使用してはならない。
2 信用情報機関は、正確な信用情報を割賦販売業者等に提供するよう努めなければならない。

2.関係各業界の自主的取組み
 各業界は、以下のように、ガイドライン等の自主的取組みにより個人情報の保護を図っている。ただし、これらはあくまで自主規制であり、外部のものの侵害行為には対応できないなど一定の限界がある。

(1) 金融機関
○ 金融機関等における個人データ保護のための取扱指針<金融情報システムセンター、平成11年4月>
(2) 貸金業者
○ 貸金業に係る個人データ保護のためのガイドライン<全国貸金業協会連合会、平成11年1月>
(3) 信販・クレジット業者
○ 信販業界における個人信用情報保護のためのガイドライン<(社)全国信販協会、平成10年11月>
○ 販売信用取引における電子計算機処理に係る個人情報保護のためのガイドライン<(社)日本クレジット産業協会、平成10年11月>
○ この他、現在業界において、個人信用情報保護・利用に関する自主ルールを検討中。
(4) 信用情報機関
○ 信用情報機関における個人信用情報の保護に関する指針 <三者協議会、平成11年3月>

3.個人信用情報保護・利用の在り方に関する検討
 大蔵省と通商産業省は、平成9年以降、個人信用情報保護・利用の在り方について、共同で検討を行ってきている。

(1) 個人信用情報保護・利用の在り方に関する懇談会(座長:堀部政男中央大教授)
 − 我が国の個人信用情報保護・利用の在り方について検討するため、学識経験者で構成する、大蔵省銀行局長及び通商産業省商務流通審議官共同の私的懇談会として平成9年4月に設置した。約1年間の検討を経て、平成10年6月に報告書を取り纏めた。

(2) 個人信用情報保護・利用の在り方に関する作業部会(座長:堀部政男中央大教授)
 − 上記懇談会の提言を受け、個人信用情報保護・利用に関する制度整備の在り方について更に具体的な検討を行うため、大蔵省・金融審議会、通商産業省・産業構造審議会、割賦販売審議会合同の作業部会として、昨年1月に設置。学識経験者に加え、銀行業界、貸金業界、クレジット業界、弁護士、消費者団体等幅広い層から構成されている。
 − これまで6回にわたり、上記懇談会の提言を踏まえて法的措置を含めた具体的な制度整備の在り方について審議を行い、昨年7月に、これまでの議論を中間的に整理した「個人信用情報保護・利用の在り方に関する論点・意見の中間的な整理」が公表された。

V.作業部会で指摘された主な論点(「論点・意見の中間的な整理」より)

1.個人情報保護一般論との関係
 個人信用情報保護の法制化を視野に置いた議論を進めていく必要があるとの意見が多く出された一方、民間部門の個人情報全般を規制対象とする個人情報一般を保護する法律を立案することが先決である、との意見もあった。

2.保護すべき個人信用情報の具体的範囲
 保護対象については、与信業者が保有する個人情報との判別が実務上困難であることから信用情報機関へ登録すべき情報に限定すべきとの意見が出された一方で、消費者のプライバシーに配慮し与信判断に利用する情報以外も広く対象とすべきとの意見が出された。

3.個人信用情報の利用の在り方
 情報の利用については、多重債務問題解決のため信用情報機関相互間の情報交流を推進すべきとの意見が出された一方で、消費者保護の立場から情報交流を慎重にすべきとの意見が出された。

W.専門委員会での検討に当たり考慮頂きたい事項

 我が国の「個人情報保護システム」を構築する場合、基本法及び各個別法間の整合性を図ることが必要。このような観点から、

@ 個別分野毎の保護水準の整合性を確保するための指針となるような、個人情報保護に関する基本的理念について、十分に検討していただきたい。
A 基本法や各個別法に共通する、罰則等の保護の実効性を担保する措置の考え方について、基本法における罰則の適用も含めて検討していただきたい。
B 各個別法に盛り込むべき基本的な原則をお示しいただきたい。