高度情報通信社会推進本部

資料4A

個人情報に対する取組状況と個人情報保護検討部会中間報告に対する意見について

平成12年3月17日
全国銀行協会
全国銀行個人信用情報センター

1.個人情報に対する取組状況

(1) 当センターの現状

@ 全国銀行個人信用情報センター(以下「センター」という。)は、消費者金融の円滑化を図るため、全国銀行協会が設置・運営している個人信用情報機関で、消費者ローンなどの利用に関する情報を登録しておき、会員の取引上の参考資料として提供している。

【会員】
 ・金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合など)
 ・政府金融機関(住宅金融公庫、国民生活金融公庫など)
 ・クレジットカード会社
 ・信用保証協会、保証会社など
  *会員数:1,810会員〔平成11年末現在〕

【登録されている情報】
 ・顧客識別のための情報(氏名、生年月日、住所など)
 ・取引の内容(借入日、借入金額、借入残高、最終返済日など)
 ・事故情報の内容(延滞、強制回収など)
 ・照会記録情報(会員がセンターに照会した日付など)
 ・苦情受付コード(顧客からの苦情を受け付けていることを示す)
  *保有する情報は全て当センターにおいて集中的に自動処理されている。
  *保有情報量:6,764万件(うち事故情報の比率1.6%)〔平成11年末現在〕
  *照会件数:1,856万件〔平成11年中〕
  *情報の登録期間:5年間(ただし、第1回目不渡情報は6か月間、照会記録情報は1年間)

A 個人信用情報機関の社会的役割・責務を認識し、大蔵省通達(昭和61年発出:平成10年廃止)に沿って自主ルール(センター規則、事務取扱要領等)を定め、適正かつ問題なく運営している。

【自主ルールの主な内容】
 ・データの正確性・最新性の維持
 ・目的外利用の禁止
 ・秘密の保持
 ・情報の登録・利用に関する本人の事前同意の取得
 ・本人への登録通知(事故情報登録の場合)
 ・本人に対する登録情報の開示(全国50か所の銀行協会で受付。平成11年中の開示件数25,283件)
 ・誤情報の訂正・削除
 ・罰則
  資料Cをご参照。

B 個人信用情報保護の重要性を認識し、センター職員・会員職員に対する研修を実施するとともに、一般消費者、高校生などに対する広報活動を実施している。
  資料D、E、Fをご参照。

(2) 三者協議会の現状

@ 多重債務防止・適正与信の観点から、昭和62年3月に全国信用情報センター連合会、(株)シー・アイ・シーとの間で情報交流(CRIN)を実施(ネガティブ情報に限定)し、これまで円滑に運営している。
 さらに、消費者保護の観点から、平成12年10月には本人申告コメント(運転免許証等の紛失・盗難、同名異人)についても交流を予定している。

A 平成11年3月に「信用情報機関における個人信用情報の保護に関する指針」を策定している。
  資料C、資料Gの5〜7ページをご参照。

B 個人信用情報保護の重要性を認識し、各機関およびその会員の職員に対する研修を実施するとともに、消費者懇談会(消費生活センターの相談員などを対象)を開催している。
  資料Gの2〜4ページ、資料Hをご参照。

(3) 現状の問題点・課題

@ センターでは、従来より、情報の正確性向上、消費者保護、セキュリティ強化等に努めてきているが、さらに次の機能を追加した次期システムを平成12年10月に稼働する予定。

【次期システムの主な追加機能】
 ・漢字システムの導入(氏名・住所等を漢字で登録することを可能にするとともに、漢字によって検索することを可能とする)
 ・登録情報項目の追加(氏名・住所等の漢字情報、性別・電話番号・勤務先等の顧客識別のための情報、返済・請求・未決済履歴、担保の有無)
 ・本人申告コメントの表示
 ・照会目的表示の細分化
 ・データの暗号化、端末認証

A 個人信用情報保護の重要性の観点から、センター職員・会員職員に対する教育活動の継続実施・徹底

B 個人信用情報機関の大きな役割は多重債務防止・適正与信への寄与であり、この観点から、情報交流の拡大が必要。

2.個人情報保護検討部会中間報告に対する意見

(1) 基本的な考え方

@ 利用面等の有用性とのバランス
 中間報告では「個人情報を保護するに当たって考慮すべき視点」の第一に「保護の必要性と利用面等の有用性のバランス」を掲げ、「保護の観点から個人情報の自由な流通を一方的に否定することは適切とはいえない」としたうえで、「個人情報の利用の形態やその程度は分野等によって様々であることから、当該分野における保護と利用のバランスの取り方、すなわち、その分野でどのような内容、水準の保護措置を具体的に講じるべきかについては、当該個別分野の特性に応じて検討されるべき」としている。
 消費者が高度情報通信社会のメリットを生かした利便性の高い良質なサービスの提供を受けるためには、個人情報の保護とのバランスに配慮した高度な利用が不可欠であり、かかる視点から保護と利用のバランスに配慮した個人情報保護システムを構築することが極めて重要と考える。

A 柔軟なシステムの構築
 個人情報保護システムの実効性を確保するためには、個人情報の利用の形態や程度等の違いを反映させることができるような民間事業者の実務的側面に配慮した柔軟なシステムを構築する必要がある。そのためには、従来から自主的に個人情報保護に取組んできた民間事業者等の努力を積極的に評価したうえで、法規制と自主規制の重層的な整備を前提として考えるべきである。

(注)各銀行では、従来よりFISC(財団法人金融情報システムセンター)が昭和62年3月に策定した「金融機関等における個人データ保護のための取扱指針」の内容を踏まえて個人情報保護の体制整備に努めてきているが、同指針が昨今の世界的潮流等も踏まえ平成11年4月に改正されたことを受けて、改正後の同指針の内容を踏まえた個人情報保護のための体制整備に向けた検討を進めている。

 また、中間報告が指摘するとおり「今後における個人情報利用の分野の拡大及び高度化など、今後起こり得る様々な状況の変化に対して、これらに的確に対応し得るような全体として柔軟なシステムの構築を目指す必要がある」と考える。

B 国際協調
 中間報告が指摘するとおり、「近年におけるインターネットの急速な普及、企業活動のグローバル化の進展等を契機として、国境を超えた個人情報の流通が進んできていること」に加え、企業競争上の不均衡を回避する観点からも、個人情報保護について、EU、米国等の動向を注視し国際協調を図っていくことが重要と考える。

(2) 保護すべき個人情報の範囲について

@ 現下の喫緊の課題は、急速に進展しているネットワーク社会のメリットを国民が安心して享受できる個人情報保護システムを構築することであり、焦点を明確にしたうえでの検討が必要である。

A 中間報告が指摘するように、「民間事業者の事業活動等に不安を与えないよう、個人情報保護システムの目的や確立すべき原則の法的効果とのバランス等を踏まえる」とともに、法の実効性を確保するためにも、民間事業者が容易に判断しうる明確な定義が必要である。

B 特に中間報告の(個人情報保有者の責務)の「(4)本人情報の開示等」は、民間事業者の規模、情報の保有・管理形態等によってその運用の難易度が著しく異なり実効性を確保できない懸念がある。したがって、基本法に定める基本原則の内容によっては、民間事業者については自動処理情報に限定することをも視野に入れた検討が必要である。

(3) 個人情報保有者の責務について

@ 中間報告で目指している我が国の個人情報保護システムは、基本法、個別法、自主規制の組み合わせによる重層的かつ柔軟な体系である。中間報告の(個人情報保有者の責務)の(1)から(5)の原則にある多数の細則(「収集目的の本人による確認」等の14項目)を基本法に規定することは、個別法や自主規制の検討にあたり、業態・事業分野毎の実態や特性を考慮する余地を狭め、中間報告に示された趣旨を実現しえない懸念がある。
 特に、「(1)個人情報の収集」及び「(4)本人情報の開示等」については、法の実効性を確保する観点からも、民間事業者の実務面への十分な配慮が不可欠である。

(注)現在の段階で、実務上問題になると考えられる事項について資料Bのとおり取りまとめましたのでご参照ください。

A 中間報告においては、(個人情報保有者の責務)の(1)から(5)の原則の適用除外となる場合についても検討することとされているが、適用除外とすべき様々なケースを現段階で想定して列挙することには限界があることから、その検討にあたっては、技術進歩や事業形態の変化にも機敏かつ柔軟に対応しうる個人情報保護システムの実現を阻害しないような配慮が必要である。

(4) 個別法・自主規制の在り方について

@ 個別法の具体的な在り方を検討するに際しては、中間報告が指摘するように、「保護の必要性と利用面等の有用性のバランスに配慮する必要があるほか、技術革新の進展等による個人情報利用の分野の拡大及び高度化、国際的な議論との整合性なども考慮する必要がある」との考え方を重視すべきである。特に、個人信用情報については、多重債務防止・適正与信の確保の観点から、ポジティブ情報の交流を含めたより一層の利用が不可欠であり、保護と利用のバランスに配慮した検討が必要である。

A 公平性確保の観点及び規制の多重化により民間事業者の正当な事業活動が阻害されることを回避する観点から、基本法及び各個別法間の整合性を十分に図ることが必要である。

B 自主規制には、中間報告が指摘するように、「当該分野の業態や特殊性等も考慮したきめ細かな、又は、高水準の対応が可能であり」、「法規制の場合に比べ、機敏かつ柔軟な対応が可能であること」等のメリットがあることから、個別法を制定する場合においても、従来から自主的に個人情報保護に取組んできた民間事業者等の努力を積極的に評価したうえで、法規制と自主規制の重層的な整備を前提として考えるべきである。

以  上