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平成15年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について

平成14年8月7日
閣 議 了 解

 平成15年度予算については、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(平成14年6月25日閣議決定。以下「基本方針2002」という。)を踏まえ、平成14年度に続き歳出改革の一層の推進を図ることとし、一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に平成14年度の水準以下に抑制することを目標に、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と所管を越えた予算配分の重点化・効率化を実施する。また、平成14年度の「国債発行30兆円以下」の基本精神を受け継いで、国債発行額の30兆円からの乖離をできる限り小さくするよう努める。
 平成15年度予算の概算要求については、以上のような基本的考え方を踏まえ、具体的には下記により行うものとする。
 なお、平成14年度予算の執行に当たっても、行政経費等既定経費の一部について、その執行を留保するものとする。


1.  各省庁は、各所管ごとに、以下の(1)[1]及び(2)[2]に規定する要望の上限額並びに(2)[1]イに規定する額の範囲内において、適正に積算を行い、要求・要望を行うものとする。
(1) 公共投資関係費
[1]  公共事業関係費及びその他施設費(以下「公共投資関係費」という。)については、その総額を前年度当初予算における公共投資関係費に相当する額に100分の97を乗じた額の範囲内に抑制するとともに、「基本方針2002」において重点的に推進すべきとされている分野(以下「新重点4分野」という。)への予算配分の重点化及び施策の効率化を図るため、平成14年度に続き、その全体について「公共投資重点化措置」を講ずる。
 この措置に係る各省庁の要望については、各所管ごとに、前年度当初予算における公共投資関係費に相当する額に100分の97を乗じた額(以下(1)[1]において「要望基礎額」という。)を算出した上で、当該要望基礎額に100分の120を乗じた額を上限とする。要望に当たっては、「基本方針2002」を踏まえ、真に「新重点4分野」にふさわしい施策・事業に重点を置くこととする。

(注)  「基本方針2002」においては、「基本方針2002」の第2部「経済活性化戦略」を重視しつつ、その考え方に沿って、以下に掲げる分野への施策の集中を図るとともに、その際、政策効果が最大限発現するよう施策の重点化・効率化を行うこととされている。
1. 人間力の向上・発揮 − 教育・文化、科学技術、IT
2. 魅力ある都市・個性と工夫に満ちた地域社会
3. 公平で安心な高齢化社会・少子化対策
4. 循環型社会の構築・地球環境問題への対応

[2]  なお、公共投資全般について、予算編成過程等において、
 費用対効果分析等の客観的な評価に基づく採択の必要性の検証、再評価による継続事業の見直し等を一層徹底することにより、事業の厳格な選択を行う。
 既存ストックの有効活用、事業間の連携の強化、民間委託や民間資金等活用事業(PFI)の積極的活用、執行段階における競争促進や単価の適正化、電子入札の拡大、集中投資による事業期間の短縮化等を図ることにより、事業の透明性を十分確保しつつ、コストの縮減を推進し、財政資金の一層効率的な使用による事業量の確保に努める。
 国と地方の役割分担の明確化等の観点から、引き続き直轄事業及び補助事業の見直しを行う。
 道路等の特定財源について、長期計画の在り方等を踏まえ、その在り方を見直す。
 政策目的に照らし、公共事業から公共事業以外のより適切な政策手段へのシフトを図るなど、公共事業及び非公共事業の区分にとらわれない配分を行う。
 地域間の予算配分が合理的なものとなるよう、社会資本の整備状況を踏まえて弾力的な配分を行う。
 公共事業関係の長期計画について、計画策定の必要性そのものを十分に精査し、策定を要する計画についても、その重点を「事業量」から事業による「成果」へと転換するなどの見直しを行う。

(2) その他の経費
[1]  義務的経費
 以下の(i)ないし(v)及び(注)に掲げる経費(以下「義務的経費」という。)については、各所管ごとに、前年度当初予算における各経費の合計額に相当する額の範囲内において、要求するものとする。
 ただし、人件費に係る平年度化等の増については、上記の額に加算することができる。
 また、補充費途として指定されている経費等(年金、医療等に係る経費に限る。)については、高齢化等に伴う増加等から各般にわたる制度・施策の見直しによる削減・合理化を図ることとし、その増(各所管計6,900億円)の範囲内において、上記の額に加算することができる。
 なお、年金及び諸手当の物価スライドの特例措置(1.7%相当分)に要する経費の平成15年度における所要額の取扱いについては、物価、賃金、公務員給与の状況、年金制度の現状及び基本的考え方、社会保障全般における給付と負担の状況等を総合的に勘案し、予算編成過程で検討するものとする。
(i) 補充費途として指定されている経費
(ii) 人件費
(iii) 法令等により支出義務が定められた経費等の補充費途に準ずる経費
(iv) 国家機関費(一般行政費を除く。)及び防衛関係費に係る国庫債務負担行為等予算額
(v) 予備費及び産業投資特別会計へ繰入れに要する経費
(注) 造幣局特別会計の廃止に伴う貨幣の製造等に要する経費等の増減については、上記の金額に加減算する。

 義務的経費については、制度の根元にまで踏み込んだ抜本的見直しを行い、歳出の抑制を図ることとする。

[2]  裁量的経費
 その他の経費のうち、義務的経費を除く経費(以下「裁量的経費」という。)についても、施策の抜本的見直し等による歳出の縮減を図るとともに、「新重点4分野」への予算配分の重点化及び施策の効率化を図るため、「裁量的経費重点化措置」を講ずる。
 この措置に係る予算措置の総額については、前年度当初予算における裁量的経費に相当する額(科学技術振興費に相当する額を除く。)に100分の98を乗じた額に、前年度当初予算における裁量的経費に相当する額のうち科学技術振興費に相当する額を加算した額を上限として縮減を図る。
 なお、政府開発援助に必要な経費については、援助対象分野等の更なる戦略化・効率化、執行の透明性向上等を図り、国際情勢を踏まえて我が国の国際的責任の十全かつ適切な遂行に努めつつ、予算規模を見直すこととする。
 「裁量的経費重点化措置」に係る各省庁の要望については、各所管ごとに、前年度当初予算における裁量的経費に相当する額(科学技術振興費に相当する額を除く。)に100分の98を乗じた額に、前年度当初予算における裁量的経費に相当する額のうち科学技術振興費に相当する額を加算した額(以下(2)Aにおいて「要望基礎額」という。)を算出した上で、当該要望基礎額に100分の120を乗じた額を上限とする。要望に当たっては、「基本方針2002」を踏まえ、真に「新重点4分野」にふさわしい施策・事業に重点を置くこととする。

2.  上記による要求・要望に当たっては、行政の効率化・簡素化を進め、財源を最大限有効に活用するとの観点から、近年の物価水準の動向、規格・仕様の見直しによる単価の縮減、予算執行の状況等を適切に反映するなど積算を適正に行うとともに、所管の予算を聖域なく抜本的に見直すこととする。このため、
(1)  要求・要望に当たっては、予算の目的、効果等を分かりやすく示すため、同種事業の事後評価の結果の事前評価への適切な反映等、政策評価の精度の向上を図りつつ、その評価結果を概算要求に適切に反映するとの観点から、施策等の意図・目的、必要性、効率性、有効性等を明らかにすることとする。特に、「新重点4分野」に係る要求・要望については、活力ある社会・経済の実現に向けて政策効果が最大限発現するよう、各重点分野の中において、どのように施策の絞込み(重点化・効率化)を図ったかについて明らかにすることとする。
(2)  定員及び機構については、「負担に値する質の高い小さな政府」を実現するとの考え方の下、時代の要請に即応して行政の役割を見直すとともに、簡素にして効率的な行政の実現を図るとの基本的考え方に立ち、「中央省庁等改革基本法」(平成10年法律第103号)、「行政改革大綱」(平成12年12月1日閣議決定)等を踏まえ、政府全体として、効率的な定員配置と定員の縮減をはじめ、行政組織の減量・効率化の一層の推進を図るため、その要求は従来にも増して厳選したものとする。
   なお、独立行政法人及び特殊法人等の新設・改廃に係る要求については、「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定)及び「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」(平成14年3月29日閣議決定)に係る措置を確実に要求に反映させることとする。
(3)  特殊法人等向け財政支出については、更に一層の縮減・合理化を進めることとし、「特殊法人等整理合理化計画」に係る措置を着実に実施するとともに、同計画を踏まえ、改めて特殊法人等向け財政支出を根底から厳しく洗い直し、その結果を、平成15年度予算の要求・要望に反映させることとする。なお、その具体的な反映の状況を要求・要望に併せて示すこととする。
 また、公益法人への補助金・委託費等については、「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」に係る措置を、平成15年度予算の要求・要望に確実に反映させるとともに、独立行政法人への運営費交付金等については、平成13年度の業務実績の厳格な評価を、平成15年度予算の要求・要望に反映させることとする。
(4)  補助金等については、国と地方及び官と民の役割分担の在り方等の観点から、制度改正を含め既存の施策や事業そのものを見直すことをはじめとして、聖域なく見直しを行い、その整理合理化を積極的に推進することとする。特に、地方公共団体に対し交付される補助金等については、地方分権改革推進会議の調査審議を踏まえ、「基本方針2002」に基づく抜本的な改革案の検討を見据えつつ、国・地方を通じた行政のスリム化を実現する観点から廃止・縮減を目指す。このため、
[1]  各省庁は、地方公共団体に対し交付される補助金等のうち、国庫補助金であって義務的経費に区分されるもの及び国庫負担金については、「基本方針2002」を踏まえた抜本的な見直しの検討を進め、可能なものについては平成15年度予算の要求・要望に反映させることとする。また、各省庁は、これらの補助金等に係る「構造改革と経済財政の中期展望」(平成14年1月25日閣議決定)の期間中における抜本的な見直しの方針を要求・要望に併せて示すこととする。
[2]  地方公共団体に対し交付される補助金等のうち国庫補助金であって公共投資関係費又は裁量的経費に区分されるものについては、予算編成過程において、前年度当初予算における額に対し、その100分の5に相当する額の削減を目指す。このため、各省庁の要望に当たっては、新規の補助金は厳に抑制するとともに、既存の補助金についても聖域なく見直しを行うこととし、前年度当初予算における額に相当する額を上回るものにあっては、その理由を示すこととする。
[3]  各省庁は、「第2次地方分権推進計画」(平成11年3月26日閣議決定)等を踏まえ、地方の裁量を高める観点から、統合補助金の対象事業の一層の拡充を図ることとする。
[4]  各省庁は、民間団体等に対し交付される補助金等については、官と民の役割分担の見直しによりその整理合理化を行うとともに、このうちいわゆる「その他補助金等」については、各所管ごとにその1割に相当する額を削減することとする。
(5)  地方公共団体の自主性を尊重し、地方公共団体が実施する事務・事業に対する国の関与を見直し、その廃止・縮減を図ることなどにより、財政資金の効率的使用を図る。また、地方公共団体の職員数の増加を伴う施策については、厳にこれを抑制する。

3.  地方財政については、「基本方針2002」を踏まえ、国・地方関係の抜本的見直しを見据えながら、歳出を徹底して見直し改革を加速するという国の方針と歩調を合わせつつ、平成15年度の地方財政計画について所要の地方財政措置を講ずるに当たり、地方歳出を徹底して見直し、地方財政計画の規模の抑制に努めることとする。

4.  なお、「沖縄に関する特別行動委員会の最終報告に盛り込まれた措置の実施の促進について」(平成8年12月3日閣議決定)に基づく沖縄関連の措置に係る経費、「平成10年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律」(平成10年法律第35号)等に基づく厚生年金保険事業に係る国庫負担等、「肉用子牛生産安定等特別措置法」(昭和63年法律第98号)に基づく交付金等及び「電波法」(昭和25年法律第131号)に基づく電波利用共益費用の平成15年度における取扱いについては、予算編成過程において検討するものとする。

5.  上記による要求・要望に当たっては、8月末日の期限を厳守するものとする。
 なお、特別の事情により、この期限後に追加要求を提出せざるを得ない場合であっても、上記に従って算出される額の範囲内とする。