基本方針

更新日:令和4年8月10日 閣議決定

令和4年8月10日
閣議決定

 我が国は、内政も外交も幾重にも重なり合う多くの課題に直面している。この難局を乗り越えていくためには、国民の声を丁寧に聞きながら、国民の「信頼と共感」を得る政治を行わなければならない。
 このことを肝に銘じながら、二度にわたる国政選挙において国民から頂いた信任を力に変え、「難局突破」と「政策断行」に邁進していく。
 特に、以下の6点に力を入れる。

1.新型コロナウイルス対策・感染症危機対応
 病床の確保、高齢者施設における療養体制の支援、検査体制の強化、治療薬の確保など、医療体制を維持・強化しながら、ワクチン接種を更に促進し、引き続き最大限の警戒を保ちつつ、社会経済活動の回復に向けた取組を進める。
 平時から必要な医療提供体制を確保し、有事に確実に機能することを担保するとともに、ウイルスの特性を踏まえた感染拡大防止策や医療保健体制の見直しを進める。
 次の感染症危機に備え、感染の初期段階から、より迅速かつ効果的に対策を講じるため、司令塔機能や医療保健体制を強化する。

2.世界的な物価高騰などのリスクへの対応
 世界的な物価高騰に対しては、地域の実情に応じたきめ細かな支援や、物価上昇のほとんどを占めるエネルギーや食料に集中した対策などを切れ目なく講じるとともに、エネルギー安定供給や、懸念される世界的景気減速などのリスクに対し、機動的に対応できるよう万全の構えで臨み、国民生活や事業活動を守り抜く。

3.新しい資本主義の実現
 人への投資、科学技術・イノベーション、スタートアップ、脱炭素、デジタル化などの社会的課題に官民の投資を集め、力強い成長を実現させるとともに、持続的な賃上げや全世代型社会保障制度の実現を図ることで、成長と分配の好循環を実現し、持続可能で包摂的な経済社会を創り上げる。

4.国民を守り抜く、外交・安全保障
 「力」により現実が決まるという状況を断固として拒否し、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜き、ロシアによるウクライナ侵略により終わりを告げたポスト冷戦期の次の時代の国際秩序を作り上げるために貢献していく。
 そのために、日米同盟を基軸とし、「自由で開かれたインド太平洋」を強力に推進するなど、同盟国・同志国との関係強化や、大国間の競争から距離を置こうとする国々との関係強化などに取り組む。
 また、グローバルガバナンスについて、安保理改革を含む国連の機能強化や、「核兵器のない世界」に向けた現実的なアプローチを推進する。
 同時に、一段と厳しさを増す我が国の安全保障環境に対応するため、新たな国家安全保障戦略等の検討を加速し、防衛力を抜本的に強化する。
 「すべての拉致被害者を必ず取り戻す」との決意の下、拉致問題の完全解決に向けて、政府一体となって、総合的に取り組む。

5.危機管理の徹底
 万一、大規模な自然災害やテロなど、国家的な危機が生じた場合、国民の生命と財産を守ることを第一に、政府一体となって、機動的かつ柔軟に全力で対処する。
 そのために、「常に最悪を想定し」平素から準備に万全を期す。

6.東日本大震災からの復興・国土強靱化、「強い沖縄経済」の実現
 東北の復興なくして日本の再生なしとの強い思いの下、被災者に寄り添い、被災者支援、農業・生業の再生、福島の復興・再生に全力を尽くすとともに、災害に強い地域づくり・国土強靱化を一層推進する。また、本土復帰から50年を迎えた沖縄について、「強い沖縄経済」の実現に向け、振興策を総合的・積極的に推進する。