官報資料版 平成15年5月14日




                  ▽平成十四年賃金構造基本統計調査(全国結果)の概況………厚生労働省

                  ▽家計収支(二月)…………………………………………………総 務 省











平成14年


賃金構造基本統計調査(全国結果)の概況


厚生労働省


T 調査の概要

 この調査は、我が国の賃金構造の実態を明らかにするため、毎年六月分の賃金について実施しているものであり、調査対象は、日本標準産業分類に基づく九大産業[鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業、サービス業(家事サービス業及び外国公務を除く)]に属する五人以上の常用労働者を雇用する民営事業所及び十人以上の常用労働者を雇用する公営事業所から都道府県、産業及び事業所規模別に一定の方法で抽出した約七万一千事業所である。
 今回の概況については、そのうち十人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(約五万五千事業所)を対象とし、有効回答を得た事業所(約四万二千事業所)の集計結果をとりまとめた。

U 調査結果の概要

一 一般労働者の賃金

(1) 賃金、対前年比
 平成十四年の賃金(六月分の所定内給与額。以下同じ)は、男女計で三十万二千六百円(平均四〇・一歳、一二・一年勤続)、対前年増減率は一・〇%減となり、調査開始以来、初めての減少となっている。
 これを男女別にみると、男では三十三万六千二百円(平均四一・一歳、一三・五年勤続)、対前年増減率一・三%減、女では二十二万三千六百円(同三七・九歳、八・八年勤続)、同〇・五%増となっている(第1表第1図参照)。
(2) 年齢階級別にみた賃金
 年齢階級別に賃金をみると、男では、賃金のピークは五十〜五十四歳で四十一万八千九百円(平均二一・九年勤続)となり各年齢階級とも前年を下回っている。また、五年前と比較しても四十〜四十四歳を除き下回っている。
 女では、賃金のピークは三十五〜三十九歳で二十四万九千三百円(平均九・七年勤続)となり、年齢階級別には、三十歳代、四十五〜四十九歳、六十〜六十四歳を除き前年を上回っている。また、五年前と比較すると各年齢階級とも上回っている(第2表第2図参照)。
(3) 学歴別にみた賃金
 学歴別の賃金をみると、年齢計では、男は大卒四十万三千百円(平均三九・五歳、一二・四年勤続)、高専・短大卒三十万五千七百円(同三六・〇歳、一〇・五年勤続)、高卒三十万五千六百円(同四一・三歳、一三・九年勤続)、中卒二十九万九百円(同五〇・五歳、一八・四年勤続)となっている。
 女は、大卒二十七万六千円(平均三二・〇歳、六・一年勤続)、高専・短大卒二十三万八千円(同三三・四歳、七・四年勤続)、高卒二十万五千六百円(同四〇・三歳、九・八年勤続)、中卒十八万千四百円(同五二・九歳、一三・七年勤続)となっている。
 また、男女各学歴の年齢計について前年と比較すると、女の高専・短大卒を除き男女とも前年を下回っている。
 これを年齢階級別にみると、男は大卒を除き各学歴において五十〜五十四歳、女は中卒が五十〜五十四歳、高卒と高専・短大卒で五十五〜五十九歳がピークとなっている。また、男女とも大卒では、他の学歴より高い年齢で賃金が最高となっている(第3表第3図参照)。
 学歴別に年齢階級間の賃金格差(二十〜二十四歳の賃金=一〇〇)をみると、男では大卒の賃金が五十五〜五十九歳で二六一、高専・短大卒及び高卒は五十〜五十四歳でそれぞれ二二六、一九六となっている。女では大卒は二〇〇を超えている年齢階級があるが、それ以外の学歴では年齢階級間の格差が小さい(第4表参照)。
(4) 企業規模別にみた賃金
 企業規模別に賃金をみると、年齢計では、男は大企業で三十九万千二百円(平均四〇・五歳、一六・七年勤続)、対前年増減率は一・六%減、中企業で三十二万八千八百円(同四〇・六歳、一三・一年勤続)、同〇・二%減、小企業で二十九万二千八百円(同四二・一歳、一〇・九年勤続)、同二・一%減となっており、各企業規模ともに前年を下回っている。
 女は、大企業で二十五万千五百円(平均三五・六歳、一〇・〇年勤続)、対前年増減率は〇・一%増、中企業で二十二万五千百円(同三七・二歳、八・四年勤続)、同一・一%増、小企業で二十万二千六百円(同四〇・二歳、八・五年勤続)、同〇・四%減となっており、小企業を除き前年を上回っている。
 これを年齢階級別にみると、男の賃金がピークとなるのは、大企業及び中企業で五十〜五十四歳で、それぞれ五十万七千円、四十一万四千五百円、小企業は四十五〜四十九歳で三十四万千円となっている。女では各企業規模とも賃金のピークが二十万円台となっており、年齢階級間格差が小さい(第5表第4図参照)。
 企業規模間の賃金格差(大企業の賃金=一〇〇)をみると、年齢計では、男は中企業八四、小企業七五となっており、女は中企業九〇、小企業八一となっている(第6表参照)。
(5) 産業別にみた賃金
 産業別に賃金をみると、年齢計では、男は金融・保険業(四十五万八千七百円)が高く、運輸・通信業(三十万千五百円)が低くなっている。
 女は電気・ガス・熱供給・水道業(二十八万千三百円)が高く、製造業(十九万五千六百円)が低くなっている(第7表第5図第6図参照)。
 これを年齢階級別にみると、男の賃金がピークとなるのは、電気・ガス・熱供給・水道業の五十五〜五十九歳、運輸・通信業の四十五〜四十九歳を除き、他の産業は五十〜五十四歳となっている。
 女の賃金がピークとなるのは産業によって異なり、建設業、電気・ガス・熱供給・水道業、金融・保険業は五十五〜五十九歳、運輸・通信業、不動産業、サービス業は四十五〜四十九歳、製造業、卸売・小売業,飲食店は三十五〜三十九歳、鉱業は三十〜三十四歳となっている(第7表第5図第6図参照)。
(6) 労働者の種類別にみた製造業の賃金
 製造業について、労働者の種類(生産労働者、管理・事務・技術労働者)別の賃金をみると、男は、年齢計では、生産労働者二十八万千百円(平均四〇・二歳、一四・六年勤続)、対前年増減率は〇・八%減、管理・事務・技術労働者三十八万七千八百円(同四一・七歳、一六・六年勤続)、同〇・八%減となっている。
 女は、年齢計では、生産労働者十七万二千二百円(平均四三・五歳、一一・一年勤続)、対前年増減率は〇・三%減、管理・事務・技術労働者二十二万八千四百円(同三六・〇歳、一〇・四年勤続)、同〇・六%増となっている。
 これを年齢階級別にみると、男の賃金がピークとなるのは、生産労働者は五十〜五十四歳の三十四万三千円、管理・事務・技術労働者は五十五〜五十九歳の四十九万七千百円となっている。
 女の賃金がピークとなるのは、生産労働者は三十〜三十四歳の十八万五千九百円、管理・事務・技術労働者は五十五〜五十九歳の二十六万千円となっている(第8表第7図参照)。
(7) 職階別にみた賃金
 企業全体の常用労働者数が百人以上の企業について、職階者(部長、課長、係長等)の賃金をみると、男では部長で六十三万五千四百円(平均五二・〇歳)、対前年増減率は〇・三%増、課長で五十一万五千七百円(同四七・一歳)、同一・四%減、係長で三十九万五千円(同四二・五歳)、同一・七%減となっている。
 女では、課長で四十三万三千八百円(平均四六・五歳)、対前年増減率は二・五%減、係長で三十五万三千六百円(同四三・九歳)、同一・四%増となっている。
 五年前と年齢を比較すると、男は各職階とも大きな変化はないが、女は課長では〇・八歳低くなっており、係長では〇・六歳高くなっている(第9表参照)。
(8) 賃金分布
 賃金階級別の労働者の分布をみると、年齢計では、男は二十万円台未満が一三・三%(前年一二・一%)、二十万円台が三五・九%(同三五・六%)、三十万円台が二五・二%(同二五・八%)、四十万円台が一三・三%(同一三・八%)となっている(第10―1表参照)。
 女は、二十万円未満が四七・一%(前年四七・九%)、二十万円台が三八・九%(同三八・六%)となっている(第10―2表参照)。
 学歴別に賃金の散らばりをみると、男女とも学歴が高くなるほど賃金の散らばりは大きくなっている(第11表第8図参照)。
(9) 標準労働者の賃金
 標準労働者の年齢階級別の賃金を学歴別にみると、男の賃金がピークとなるのは高専・短大卒を除き五十五〜五十九歳で、大卒六十二万四千八百円、高卒四十九万九千四百円、高専・短大卒は五十〜五十四歳がピークで五十三万六百円となっている。
 女の賃金がピークとなるのは各学歴とも五十五〜五十九歳で大卒五十五万六千円、高専・短大卒四十一万七千八百円、高卒三十八万四千三百円となっている(第11表第9図参照)。
 学歴別に年齢階級間の賃金格差(二十〜二十四歳の賃金=一〇〇)をみると、男は、大卒、高卒でピークとなる五十五〜五十九歳で、それぞれ二八九、二五八、高専・短大卒でピークとなる五十〜五十四歳で二七四となっている。
 女は、各学歴の賃金がピークとなる五十五〜五十九歳で、大卒二六九、高専・短大卒二二四、高卒二二〇となっている(第12表参照)。
 年齢階級別の男女間の賃金格差(男=一〇〇)をみると、概ね学歴が高くなるほど格差が小さくなっている(第13表参照)。

二 パートタイム労働者の賃金

(1) 賃金、対前年比
 パートタイム労働者の一時間当たりの賃金を男女別にみると、男では九百九十一円、対前年増減率は三・七%減、女では八百九十一円、同〇・一%増となった(第14表第10図参照)。
 これを年齢階級別にみると、男では十八〜十九歳は八百四十四円、二十〜二十四歳は九百三十円、二十五歳以上は千円を超えている。女では、十八〜十九歳は八百一円、二十歳以上はどの年齢階級でも九百円前後で年齢による差はほとんどない(第15表参照)。
 なお、労働者構成を年齢階級別(年齢計=一〇〇)にみると、男では、二十九歳以下で全体の五五・〇%を占めるとともに、六十歳以上で二二・二%を占めている。女では、四十〜五十九歳で全体の五四・〇%となっている(第16表参照)。
(2) 企業規模別にみた賃金
 企業規模別に一時間当たりの賃金をみると、男では、大企業九百六十五円(対前年増減率一・四%減)、中企業千十七円(同三・六%減)、小企業九百九十四円(同五・二%減)となっており、大企業より中企業及び小企業が高くなっている。
 女では、大企業九百十五円(対前年増減率〇・一%減)、中企業九百六円(同二・三%増)、小企業八百五十五円(同一・五%減)となっており、大企業は若干高くなっているが格差は小さい(第17表参照)。
(3) 産業別にみた賃金
 パートタイム労働者の九割以上を占める主要三産業について、一時間当たりの賃金をみると、男では、製造業及びサービス業が千円を超えているのに対し、卸売・小売業,飲食店は八百円台となっており、各産業で前年を下回っている。
 女では、サービス業が千円台、製造業及び卸売・小売業,飲食店が八百円台となっており、サービス業を除き前年を下回っている(第18表参照)。
(4) 実労働日数、所定内実労働時間数、勤続年数
 実労働日数(平成十四年六月)をみると、男では一七・〇日、女では一九・一日、一日当たりの所定内実労働時間数をみると、男では五・九時間、女では五・五時間、勤続年数をみると、男では三・一年、女では五・〇年となっている(第19表参照)。




歳時記


おたまじゃくし

 最近の子どもたちに「おたまじゃくし知ってる?」と聞くと、「音符」とか、「味噌(みそ)汁などをよそうときに使うおたま」などと答えるかもしれません。どちらも間違いではありませんが、自然のなかで育っている子なら、まず、カエルの子を連想するのではないでしょうか。
 おたまじゃくしは春から夏にかけて、水田、池、沼などに群がっています。
 おたまじゃくしの親であるカエルは春、水中に長いひも状の寒天質の膜に保護された卵を生みます。
 幼生は半月ほどで皮膜の外に出ます。そして、尾を振って泳ぎ、水草などを食べます。その後、足、手の順に生えて尾が無くなり、陸に上がって呼吸もエラの代わりに肺ができ、水呼吸から空気呼吸に変わります。食べる物も昆虫など、小動物に変わります。
 短い間にこんなに変貌(へんぼう)を遂げていくことに、改めて生物の不思議さを感じます。
 ところで、俳句ではおたまじゃくしを蝌蚪(くわと)と表現することもあるようです。蝌蚪とは上古の中国の字体で、それが何となくおたまじゃくしに似ているので、日本の俳人が使うようになったといわれています。
  <くわと=旧仮名遣い>






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消費支出(全世帯)は実質一・〇%の減少


―平成十五年二月分家計収支―


総 務 省


◇全世帯の家計

 前年同月比でみると、全世帯の一世帯当たりの消費支出は、平成十四年五月に実質減少となった後、六月以降四か月連続の実質増加となり、十月は同水準となったが、十一月以降四か月連続の実質減少となった。
 内訳をみると、住居、教育、食料が実質減少となった。

◇勤労者世帯の家計

 前年同月比でみると、勤労者世帯の実収入は、平成十三年十二月に実質減少となった後、十四年一月以降三か月連続の実質増加となったが、四月以降十一か月連続の実質減少となった。
 また、消費支出は、平成十四年八月に実質減少となった後、九月は実質増加となったが、十月以降五か月連続の実質減少となった。

◇勤労者以外の世帯の家計

 勤労者以外の世帯の消費支出は、一世帯当たり二十四万三百七十円となり、前年同月に比べ、名目〇・四%の減少、実質〇・一%の減少となった。

◇季節調整値の推移(全世帯・勤労者世帯)

 季節調整値でみると、全世帯の消費支出は前月に比べ実質二・四%の減少となった。
 勤労者世帯の消費支出は前月に比べ実質一・一%の減少となった。













    <5月21日号の主な予定>

 ▽地方財政白書のあらまし………総 務 省 




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