▽消費支出は実質二・五%の減少
平成九年の単身世帯(平均年齢四八・〇歳)の一か月平均消費支出は十八万五千円で、前年に比べ名目〇・九%の減少となった。また、消費者物価(一・六%)が上昇したことから、実質では二・五%の減少となった。
消費支出は、平成八年が実質二・四%の減少、平成九年が実質二・五%の減少と二年連続の減少となった。
主要費目別にみると、交通・通信(実質一二・一%減)、教養娯楽(同八・七%減)が大幅な実質減少となったほか、被服及び履物(同二・八%減)、家具・家事用品(同二・三%減)も実質減少となった。
一方、住居(実質四・九%増)、光熱・水道(同二・一%増)、食料(同一・八%増)、保健医療(同一・四%増)が実質増加となった(第1図参照)。
▽単身世帯の消費支出は二人以上の世帯の〇・五五倍
平成九年の単身世帯の一か月平均消費支出(十八万五千円)は、平成九年の二人以上の世帯(家計調査結果)(世帯主の平均年齢五一・六歳)の一世帯当たり一か月平均消費支出(三十三万三千円)の〇・五五倍となった(第2図参照)。
二 勤労者世帯の家計
▽実収入は実質一・〇%の増加
平成九年の単身世帯(平均年齢三六・一歳)の一か月平均実収入は三十五万円で、前年に比べ名目二・六%、実質一・〇%の増加となった。実収入の内訳をみると、臨時収入・賞与(実質一一・〇%増)が大幅な実質増加となったほか、定期収入(同〇・六%増)も実質増加となった。
非消費支出は五万六千円で、名目一二・六%の大幅な増加となった。
可処分所得は二十九万四千円で、名目〇・八%の増加、実質〇・八%の減少となった。
消費支出は二十万八千円で、名目〇・六%、実質二・二%の減少となった。
平均消費性向は七〇・八%で、前年(七一・八%)の水準を一・〇ポイント下回った(第3図参照)。
三 財・サービス区分でみた家計
▽耐久財への支出が大幅な実質減少
平成九年の単身世帯の一か月平均消費支出十六万七千円(使途不明、贈与金、他の交際費及び仕送り金を除く。)を、財(商品)への支出とサービスへの支出とに区分すると、財への支出は七万六千円で、前年に比べ名目〇・八%、実質二・二%の減少となった。
財の種類別にみると、耐久財は自動車等購入などが大幅な実質減少となったため、実質一四・六%の大幅な減少となった。半耐久財は和服などが大幅な実質減少となったほか、洋服などが実質減少となったため、実質三・三%の減少となった。非耐久財は酒類が大幅な実質増加となったほか、調理食品や乳卵類なども実質増加となったため、実質〇・六%の増加となった。
また、サービスへの支出は九万一千円で、名目〇・七%の増加、実質一・四%の減少となった。サービスへの支出は、教養娯楽サービスが大幅な実質減少となったほか、被服関連サービスなども実質減少となったため、実質減少となった。
四 男女、年齢階級別の家計
▽女子の消費支出は実質増加
平成九年の単身世帯の一か月平均消費支出を男女別にみると、男子は十九万九千円、女子は十六万九千円となり、実質増加率は、男子が五・五%の減少、女子が一・六%の増加となった。男女別に消費支出の内訳をみると、男子は、保健医療、住居、光熱・水道が大幅な実質増加となったものの、交通・通信、家具・家事用品、教養娯楽が大幅な実質減少となったため、全体として大幅な実質減少となった。女子は、保健医療が大幅な実質減少となったものの、家具・家事用品、教養娯楽が大幅な実質増加となったほか、交通・通信、食料、住居も実質増加となったため、全体として実質増加となった。
年齢階級別にみると、三十五歳未満の世帯は十九万三千円、三十五〜五十九歳の世帯は二十一万八千円、六十歳以上の世帯は十四万八千円となり、前年に比べ、三十五歳未満の世帯(実質二・〇%減)、三十五〜五十九歳の世帯(同二・五%減)、六十歳以上の世帯(同二・四%減)のすべての年齢階級で実質減少となった。
▽女子と三十五歳未満の世帯で大幅な実質増加となった外食
外食について、男女別にみると、男子は三万円、女子は九千円で、男子の支出額が多いものの、実質増加率は、男子(実質〇・二%減)が減少となったのに比べ、女子(同九・八%増)は大幅な増加となった。
年齢階級別にみると、三十五歳未満の世帯は二万八千円、三十五〜五十九歳の世帯は二万七千円、六十歳以上の世帯は六千円と、三十五歳未満の世帯及び三十五〜五十九歳の世帯で外食への支出額が多くなっている。実質増加率は、三十五歳未満の世帯(実質六・六%増)が最も高く、次いで六十歳以上の世帯(同一・二%増)となり、三十五〜五十九歳の世帯(同一・九%減)は減少となった(第4図参照)。
▽三十五歳未満の世帯及び三十五〜五十九歳の世帯で大幅な実質増加となった通信
電話通信料や通信機器などの通信について男女別にみると、男子は六千円で前年に比べ実質一二・九%の増加、女子は五千円で同六・九%の増加と、男子、女子共に大幅な実質増加となった。
年齢階級別にみると、三十五歳未満の世帯は七千円で前年に比べ実質一四・二%の増加、三十五〜五十九歳の世帯は五千円で同一四・五%の増加、六十歳以上の世帯は四千円で同〇・三%の減少と、三十五歳未満の世帯及び三十五〜五十九歳の世帯で実質増加率が高くなっている(第5図参照)。
五 高齢無職世帯の家計
▽可処分所得は十一万七千円
平成九年の単身高齢無職世帯(六十歳以上の無職世帯。全世帯の二七・九%、六十歳以上の世帯の八一・九%)(平均年齢七一・六歳)の一か月平均実収入は十二万五千円で、前年に比べ実質一・三%の減少となった。
また、可処分所得は十一万七千円で実質二・四%の減少となった。
実収入の内訳をみると、社会保障給付は十一万二千円で、名目一・一%の増加となったが、実質〇・五%の減少となった。なお、社会保障給付の実収入に占める割合は九〇・〇%となり、前年に比べ〇・七ポイント高くなった。
消費支出は十四万円で、実質三・一%の増加となった。
平均消費性向は一二〇・五%となり、前年(一一四・〇%)の水準を六・五ポイント上回った。また、消費支出に対する可処分所得の不足分(二万四千円)は、前年(一万六千円)に比べて拡大した(第6図参照)。
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平成10年
第1 地価公示制度の概要
地価公示は、土地鑑定委員会が毎年一回標準地の正常な価格を公示し、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の規準とされる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的としている。
1 対象区域
地価公示は、総理府令で定める都市計画区域において実施することとされている(地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)第二条第一項)。
2 標準地の選定基準
地価公示は、標準地を選定し行うこととされているが、標準地は、次の点に留意して選定されている。
(1) 標準地の代表性
標準地は、市町村(都の特別区及び政令指定都市の区を含む。)の区域内において、適切な近隣地域に分布し、当該区域全体の地価水準をできる限り代表しうるものであること。
(2) 標準地の中庸性
標準地は、標準地が選定される近隣地域において土地の利用状況、環境、地積、形状等が中庸のものであること。
(3) 標準地の安定性
標準地は、できる限り土地の利用状況が安定した近隣地域にあって、当該地域の一般的用途に適合したものであること。
(4) 標準地の確定性
標準地は、土地登記簿、住居表示、建物、地形等によって明確に他の土地と区分され、かつ容易に確認できるものであること。
3 標準地の価格の判定
公示されるのは、毎年一月一日における標準地の単位面積(一平方メートル)当たりの正常な価格である(地価公示法第二条第一項、地価公示法施行規則(昭和四十四年建設省令第五十五号)第一条)。
「正常な価格」とは、「土地について、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格」、すなわち、市場性を有する不動産について、合理的な市場で形成されるであろう市場価値を適正に表示する価格、換言すれば、売手にも買手にもかたよらない客観的な価値を表したものである。
正常な価格の判定は、標準地に建物がある場合や標準地に関して地上権その他土地の使用収益を制限する権利が存する場合には、これらの建物や権利がないものとして(つまり更地として)行われる。
正常な価格は、土地鑑定委員会が二人以上の不動産鑑定士又は不動産鑑定士補の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って判定する。
不動産鑑定士又は不動産鑑定士補が標準地の鑑定評価を行う際は、取引事例比較法、収益還元法及び原価法の三手法により求められる価格を勘案して鑑定評価を行うものとされている。
4 標準地の価格等の公示、閲覧措置
土地鑑定委員会は、標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、すみやかに、標準地の所在及び地番、価格、価格判定の基準日等の諸事項を官報で公示するものとされている。
また、公示価格その他の公示された事項を記載した書面は、図面とともに、関係市町村(東京都二十三区及び政令指定都市においては区)の事務所(本所)に備えられるほか、三大圏の市区町村及び三大圏以外の人口五万以上の市の支所、出張所等にも備えられ、だれでも自由に閲覧することができることとなっている。
第2 平成十年地価公示の実施状況
1 標準地の設定対象区域
平成十年地価公示は、平成十年一月一日現在において、原則として都市計画区域の全域(地価公示法第二条第一項の都市計画区域を定める省令(昭和四十六年建設省令第三号)及び平成九年国土庁告示第六号)を対象として行われた。
標準地の設定区域は、全国の市街化区域及び市街化調整区域に区分された都市計画区域約五万一千九百九十八平方キロメートル並びにその他の都市計画区域約四万五千五百四平方キロメートル、計約九万七千五百二平方キロメートルの区域で、対象市区町村は二千十九(二十三特別区、六百七十市、一千二百二十四町及び百二村)に達している。
2 標準地の設定数
標準地の設定数は、市街化区域二万四千八百三地点、市街化調整区域一千六百九十七地点、その他の都市計画区域四千百地点、計三万六百地点で、その密度は、市街化区域では、全国的におおむね約〇・六平方キロメートル当たり一地点、市街化調整区域では約二十三平方キロメートル当たり一地点、その他の都市計画区域では、市の区域については人口規模に応じて設定することとし、町村の区域としては、二地点は住宅地、一地点は商業地(平均約十一平方キロメートル当たり一地点)の割合となっている。
これを市街化区域の用途地域別、市街化調整区域及びその他の都市計画区域ごとにみると、次のとおりである。
(1) 市街化区域
ア 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び第二種住居地域
標準地の数は、住宅地と宅地見込地を合わせて一万七千五百四十地点で約〇・五平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
なお、三大圏(首都圏、近畿圏、中部圏)及びブロック中心都市(札幌市、仙台市、広島市及び福岡市)では約〇・四平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
イ 近隣商業地域、商業地域及び準住居地域
標準地の数は、商業地四千七百十一地点で約〇・二平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
ウ 準工業地域
標準地の数は、準工業地一千七百五十一地点で約〇・八平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
エ 工業地域及び工業専用地域
標準地の数は、工業地八百一地点で約二・四平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
(2) 市街化調整区域
ア 宅 地
標準地の数は、一千六百二十八地点で約二十平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
イ 現況林地
標準地の数は、六十九地点で三大圏の市街化調整区域内の現況山林、原野について約六十平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
(3) その他の都市計画区域
標準地の数は、住宅地と商業地を合わせて四千百地点で約十一平方キロメートル当たり一地点の割合となっている。
3 標準地の鑑定評価に携わった不動産鑑定士の数
公示価格の判定は、各標準地について二人の不動産鑑定士の鑑定評価結果を審査調整して行われるものである。平成十年地価公示については、二千三百五十二人の不動産鑑定士が鑑定評価に携わった。
T 全国の概況
平成九年一年間の全国の地価の状況を概観すると、大都市圏においては、住宅地はほぼ横ばいとなっており、商業地は、一割以上の下落が六年連続していたが、今回は一割未満の下落となった。地方圏においては、住宅地は横ばい、商業地は六年連続して一割未満の下落となっている。年間の変動率は、全国の住宅地は△一・四%、商業地は△六・一%となった。
全国平均の変動率を用途別にみると、住宅地△一・四%、宅地見込地△〇・四%、商業地△六・一%、準工業地△二・五%、工業地△二・四%、調整区域内宅地△〇・四%となっており、いずれの地域も前年に引き続き下落した。
U 東京圏の概況
<東京圏の地価は、住宅地は大半の地域で下落幅が縮小し、東京都、神奈川県においては、ほとんどの地域でわずかな下落となった。特に東京都区部都心部においては、下落幅が著しく縮小した。商業地はほぼすべての地域で下落幅が縮小し、千葉県を除くほぼすべての地域では、年間一割未満の下落となっている。特に東京都区部都心部においては、下落幅が著しく縮小した>
東京都では、住宅地は、区部北東部では年間一割未満の下落、それ以外の地域ではわずかな下落となっている。商業地は、年間一割未満の下落となっている。
神奈川県では、住宅地はわずかな下落、商業地は年間一割未満の下落となっている。
埼玉県及び千葉県では、住宅地は、年間一割未満の下落となっている。商業地は、埼玉県の東京近接地域では年間一割未満の下落、それ以外の地域では年間一割以上の下落となっている。
V 大阪圏の概況
<大阪圏の地価は、住宅地はほぼすべての地域で下落幅が縮小し、わずかな下落となっている。特に大阪市中心六区においては、下落幅が著しく縮小した。商業地はすべての地域で下落幅が縮小し、ほぼすべての地域で年間一割未満の下落となっている>
大阪府では、住宅地は、わずかな下落となっている。商業地は、大阪市中心六区では年間一割の下落、それ以外の地域では年間一割未満の下落となっている。
兵庫県、京都府及び奈良県では、住宅地は、神戸市では横ばい、それ以外の地域ではわずかな下落となっている。商業地は、年間一割未満の下落となっている。
W 名古屋圏の概況
<名古屋圏の地価は、住宅地はすべての地域で下落幅が縮小し、名古屋市及び三重県を除く地域では横ばいとなっている。商業地は大半の地域で下落幅が縮小した>
住宅地は、名古屋市及び三重県ではわずかな下落、それ以外の地域では横ばいとなっている。商業地は、愛知県知多地域ではわずかな下落、それ以外の地域では年間一割未満の下落となっている。
X 地方圏の概況
<地方圏の地価は、住宅地は横ばい、商業地は年間一割未満の下落となっている>
ブロック中心都市(札幌市、仙台市、広島市及び福岡市)では、住宅地は広島市を除きすべての都市でわずかな下落となっている。商業地は、すべての都市で下落幅は縮小しているものの、おおむね年間一割程度の下落となっている。
三大圏の周辺都市では、住宅地は大半の都市でわずかな下落又は一割未満の下落となっているが、姫路市等では横ばいとなっている。商業地は半数以上の都市で年間一割未満の下落となっているが、甲府市等では年間一割以上の下落となっている。
その他の地方中心都市では、住宅地は半数以上の都市で横ばいとなっているが、那覇市等ではわずかな下落、新居浜市等ではわずかな上昇となっている。商業地は半数以上の地域で年間一割未満の下落となっているが、盛岡市等ではわずかな下落、金沢市等では年間一割以上の下落となっている。
◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇
【一年間の給与所得に対する所得税の計算】
サラリーマンが支払を受けた給料やボーナスなどは給与所得になります。
一年間の給与所得に対する所得税は、まず、その年に支払を受けた給料やボーナスなどの収入金額から「給与所得控除額」を差し引いて給与所得の金額を計算します。
次に、この給与所得の金額から、基礎控除や扶養控除などの「所得控除額」を差し引き、課税所得金額を計算します。これに「税率」を掛けて算出した額がその年の所得税額です。
なお、平成十年分については、所得税の特別減税が実施されます。
1 給与所得控除
サラリーマンが支払を受ける給与には、勤務に伴う費用などを概算的に控除するという性格をもっている給与所得控除があります。この給与所得控除は給与所得だけに認められているもので、事業所得などの必要経費に相当するものです。
給与所得控除額は、給与の年収額に応じて、次のようになっています。
3 税 率
税率は、課税される所得金額に応じて、三百三十万円以下の部分の金額に対する一〇%から、三千万円を超える部分の金額に対する五〇%までの五段階となっています。
【毎月の源泉徴収】
サラリーマンが毎月給与の支払を受けるときには、「給与所得の源泉徴収税額表」によって求めた所得税額が源泉徴収されることになっています。この場合、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料を給与などの収入金額から差し引いて税額表を適用することになっています。
この税額表は、給与所得控除のほか、配偶者控除、扶養控除、基礎控除などの所得控除を織り込んで作られています。
【年末調整】
毎月の給料やボーナスが支払われるときに源泉徴収された所得税の一年間の合計額と、その年の給与総額に対する年税額とは、次のような理由により一致しないのが普通です。
@ 結婚、出産、就職などのため、年の中途で扶養親族の数が変わることがあること
A 生命保険料、損害保険料の控除や配偶者特別控除は、毎月の給料やボーナスの源泉徴収のときには考慮されていないこと
このため、その年の最後の給料やボーナスが支払われるときに、毎月源泉徴収された所得税の合計額と、一年間の給与総額に対する年税額との過不足額の精算が必要となります。
この精算手続は、通常十二月に行われますので、「年末調整」と呼んでいます。
【サラリーマンの確定申告】
大部分のサラリーマンは、年末調整によってその年の所得税の納税が完了することになりますので、改めて確定申告をする必要はありません。
しかし、給与の年間収入金額が二千万円を超える人や給与所得や退職所得のほかに二十万円を超える所得がある人などは確定申告をしなければならないことになっています。
なお、確定申告をしなくてもよいサラリーマンでも、雑損控除や医療費控除、住宅取得等特別控除などが受けられるときは、確定申告をして源泉徴収された所得税の還付を受けることができます。
【特定支出控除制度】
特定支出控除制度は、サラリーマンの支出した一定の要件に当てはまる特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超える場合、その超える部分の金額を給与所得控除後の給与等の金額から控除することができるというものです。
ただし、その支出について、給与等の支払者が補てんしている部分があり、かつ、その補てん部分が非課税となっている場合には、その補てん部分に相当する金額は、給与所得の特定支出から除かれます。
1 特定支出の範囲
特定支出の範囲は、次の五項目に限られています。
(1) 通勤費
通勤のために必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のための支出で、その通勤の経路及び方法がその人の通勤の運賃、時間、距離などの事情に照らして最も経済的かつ合理的であることにつき給与等の支払者により証明がされたもののうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分の支出
(2) 転居費
転任に伴うものであることにつき、給与等の支払者により証明がされた転居のために通常必要であると認められる支出のうち特定のもの
(3) 研修費
職務の遂行に直接必要な技術又は知識を習得することを目的として受講する研修(人の資格を取得するためのものを除きます)であることにつき給与等の支払者により証明がされたもののための支出
(4) 資格取得費
人の資格(弁護士、公認会計士、税理士などの人の資格で、法令の規定に基づきその資格を有する人に限り特定の業務を営むことができることとされているものを除きます)を取得するための支出で、その支出がその人の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者により証明がされたもの
(5) 帰宅旅費
転任に伴い、生計を一にする配偶者との別居を常況とすることとなった場合等に該当することにつき、給与等の支払者により証明がされた場合における、その人の勤務する場所又は居所とその配偶者等が居住する場所との間のその人の旅行に通常要する支出のうち特定のもの
2 控除を受けるには
特定支出控除は確定申告をすることにより適用を受けることができることになっており、その際には、給与所得の源泉徴収票、特定支出に関する明細書、給与等の支払者の証明書、支出した金額を証する書類などが必要です。
【給与所得者に対する平成十年分所得税の特別減税】
1 特別減税額
次の金額の合計額です。ただし、合計額が本人の所得税額を超える場合は、その所得税額が限度になります。
・本人 一万八千円
・控除対象配偶者と扶養親族 一人につき九千円
2 給与所得者に対する特別減税の実施方法
(1) 給与の支払者に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している給与所得者については、平成十年二月以後最初に支払われる給与の源泉徴収税額から特別減税額が控除されます。
控除しきれない部分については、以後平成十年中に支払われる給与の源泉徴収税額から順次控除されます。
また、年末調整において、平成十年分の給与に対する年税額から特別減税額が控除(精算)されることになります。
※平成十年四月に入社した新入社員の方の特別減税は、年末調整において控除されることになります。
(2) 確定申告が必要な給与所得者
給与所得者の方が不動産所得などの他の所得がある場合は、源泉徴収段階で特別減税の適用を受けた上、最終的には、確定申告の際に特別減税額を精算することになります。
1 密集した市街地にいるとき
屋根瓦、窓ガラス、屋外広告物などが落下してくるおそれがあります。持ち物などで頭部を保護しましょう。また、ブロック塀などの倒れそうな物や垂れ下がった電線から遠ざかり、大通りでは車に十分注意して、できるだけ道の中央を通るようにしましょう。
近くに大きな公園や広場などがあるときは、一時的にそこに避難して様子を見ることもよいでしょう。
2 ビル街にいるとき
ガラスの破片、外壁のタイルやレンガ、屋外広告物などが落下してくるおそれがあります。持ち物などで頭部を保護しましょう。近くに強固な耐火ビルがあるときは、一時的な避難場所として、その中に避難して様子を見ることもよいでしょう。
3 劇場、デパート、ホテル等にいるとき
劇場などでは、天井に吊り下げられている物が落下してくるおそれがあります。持ち物などで頭部を保護して、落下物からの危険を防ぎましょう。デパートやスーパーなどでは、ガラスケース、陳列棚及び吊り下げ物などから離れましょう。ホテル等では、ドアを開放して逃げ道を確保しておきましょう。いずれの場合もあわてて出口や階段に殺到せずに、事業所の責任者の誘導や指示に従って避難行動しましょう。
また、エレベータは停電等により、途中で止まったり閉じ込められたりするおそれがあるので、エレベータによる避難はやめましょう。エレベータに乗っているときに地震があったら、各階のボタンを全て押し、最寄りの階で降りて、誘導灯に従い階段を使って避難しましょう。
4 車を運転しているとき
運転中に地震を感じたら、あわてて急停車することなく、ハンドルをとられないようにしっかりと握り、徐々に速度を落とし、消防水利等を避けて道路の左側に停車して様子を見ましょう。ラジオ等で交通、火災、津波などの情報を聞くことも大切です。
やむを得ず自動車を置いて避難する場合は、火災を引き込まないように窓を閉め、キーをつけたままドアをロックせずに避難しましょう。
5 電車や地下鉄に乗っているとき
電車や地下鉄は、地震のときには安全装置が働いて停止するようになっています。地盤の弱い所では、線路の沈下や変形により、脱線、横転がおきることもあります。吊り革や手すりにしっかりつかまり、身を守りましょう。
列車が停止したからといって、むやみに外に飛び出すと、反対側の電車にはねられたり、垂れ下がった架線等で感電したりする危険もあるので、乗務員の指示に従って避難しましょう。
6 地下街にいるとき
地下街は、耐震性が高いのであわてることはありません。一時的に停電になっても、誘導灯や非常用照明装置がついているので、あわてて出入り口に殺到しないで、警備員や従業員の誘導に従って避難しましょう。
7 観光地等土地に不案内な場所にいるとき
観光地等土地に不案内な場所にいるときは、デマなどに惑わされることなく、防災行政無線等の避難指示誘導等に従い、適切な行動をとるようにしましょう。
(消防庁)
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