令和4年7月14日岸田内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答

【テレビ東京】
 原発のリプレースについて

(回答)
 資源が乏しい我が国には、単一の完璧なエネルギー源がありません。このため、エネルギーの安価かつ安定的な供給及び脱炭素化に対応するため、原子力を含め、多様なエネルギー源をバランスよく活用していく方針です。
 こうした中で、まずは、原子力規制委員会が、新規制基準に適合すると認めた原子力発電所について、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら、再稼働を進め、最大限活用していくことが重要であると考えています。原発のリプレースについては、現時点では想定していないというのが、政府の方針です。

【京都新聞】
 新型コロナウイルス感染症の後遺症対策について

(回答)
 これまでに得られた国内外の科学的知見に基づき、新型コロナウイルス感染症の罹患(りかん)後症状、いわゆる後遺症に悩む患者に対して適切な医療が提供されるよう、かかりつけ医等の医療従事者向けの「診療の手引き」を作成しています。
 さらに、自治体においては、必要な医療に繋(つな)がるよう、専用の外来や相談窓口の設置などを行っており、こうした取組事例については、国から各自治体に周知しております。
 また、業務により新型コロナに感染し、いわゆる後遺症があり、療養等が必要と認められる場合には、労災保険給付の対象となるほか、業務外の事由による療養のため労務に服することができない場合、健康保険の被保険者は、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。
 いわゆる後遺症については、いまだ明らかになっていないことも多く、実態や病態を明らかにするために研究を行っています。引き続き、国内外の科学的知見の蓄積を踏まえ、後遺症への支援や治療体制のあり方について検討してまいります。
 こうした取組を通じて、関係機関が連携して、いわゆる後遺症に悩まれる方に対して適切な相談や支援が提供されるよう、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。

【CBCテレビ】
 憲法改正の今後の進め方について

(回答)
 大きく時代が変化する中にあって、現行憲法が今の時代にふさわしいものであり続けているかどうか、その在り方に真剣に向き合っていくことは、重要なことであると考えています。
 先の通常国会においては、憲法をめぐる議論を活発に行っていただいたところですが、憲法改正に向けては、その内容において国会議員の3分の2が合意し、発議をし、国民投票に付すという手続が定められていることから、憲法改正に関する国民的議論を喚起し、国民の理解を深めるため、引き続き、憲法審査会においてしっかりと議論を深めていくことが重要と考えています。

【信濃毎日新聞】
 憲法改正の今後の進め方、「平和の維持」について

(回答)
 大きく時代が変化する中にあって、現行憲法が今の時代にふさわしいものであり続けているかどうか、その在り方に真剣に向き合っていくことは、重要なことであると考えています。
 先の通常国会においては、憲法をめぐる議論を活発に行っていただいたところですが、憲法改正に向けては、その内容において国会議員の3分の2が合意し、発議をし、国民投票に付すという手続が定められていることから、憲法改正に関する国民的議論を喚起し、国民の理解を深めるため、引き続き、憲法審査会においてしっかりと議論を深めていくことが重要と考えています。
 なお、憲法改正においても、平和主義を含む憲法の基本原則を変更することは考えておらず、憲法改正により「平和の秩序」が乱れるようなことはありません。

【岩上安見氏(フリーランス)】
 ロシアへの対応について

(回答)
 ロシアへの働きかけについては、国連事務総長やいくつかの国が仲介努力を行ってきましたが、プーチン大統領は、ウクライナ侵略を重ねて正当化しています。自らの強硬な立場を和らげ歩み寄ろうとする兆しは全くありません。
 このような状況において、ロシアに一刻も早く侵略を止めさせ、その上で対話への道筋を作るため、今、必要なことは、国際社会が結束して、強力な対露制裁措置を講じつつ、ロシアに侵略されているウクライナを支援していくことであり、先般のG7エルマウ・サミットにおいても、この点につき確認しました。
 また、エネルギー、食料を始めとする世界的な物価高騰の原因は、ロシアのウクライナ侵略にあります。先般のG7エルマウ・サミットにおいては、この点につき一致し、G7として連携して対応することを確認しました。国内においても、切れ目なく、しっかりとした対策を実施し、国民生活を守り抜いてまいります。

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