賃金・雇用に関する視察in広島県広島市

 令和5年12月12日(火)、13日(水)に、矢田総理補佐官は広島県広島市において、労働局及び広島働き方改革推進センターを視察するとともに、企業を視察し、建設業における賃上げや、働き方改革に関する意見交換を行いました。

1 山陽工業の視察
 山陽工業を視察し、処遇改善や若手社員の採用に関する取り組みについて、お話を伺い、意見交換をしました。
 若手社員の採用を促進するため、奨学金の返還に関する毎月の支援や、新卒採用者等に対し、入社前に20万円支給する等の取り組みを行っています。また、資格取得を奨励する観点から、資格取得時に20万円支給するほか、資格取得につながった場合には、手当も支給しているとのことです。
 賃上げにも取り組んでおり、自社の令和5年の基本給の上昇率は、2.8%を超えているほか、協力企業に対しても、建設キャリアアップシステム(CCUS)※1を全現場で活用できるようにするとともに、「パートナーシップ構築宣言」※2も行っています。
 ※1 技能者の資格や現場での就業履歴等を登録・蓄積し、技能・経験が客観的に評価され、技能者の適切な処遇につなげる仕組み
 ※2 サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを、「発注者」側の立場から企業の代表者の名前で宣言するもの
 また、若手社員や女性社員との意見交換も行い、仕事のやりがい等に関するお話を聞きました。

 
 
 
 

2 広島労働局との意見交換
 広島働局を訪問し、労働局全体の業務概況の説明を聞くとともに、意見交換をしました。
 広島県の有効求人倍率は1.53倍(全国7位)、令和5年10月からの最低賃金は+40円となり970円。氷河期世代への関係機関と連携した支援や最賃引上げに向けた取り組みのほか、同一労働同一賃金や、キャリアアップ助成金を活用した「年収の壁」への対応等についてお聞きしました。

 
 

3 広島働き方改革推進支援センターとの意見交換
 働き方改革推進支援センターは、各都道府県に設置されており、長時間労働の是正、非正規労働者の待遇改善、生産性向上による賃金引上げ等に関する支援を行っています。
 企業からの働き方改革に関する相談への対応のほか、各企業の状況に応じたコンサルティング支援を行っており、相談内容としては、労働時間等の労務管理に関するものや、助成金に関するものがそれぞれ約3割となっているとのことです。
 具体的な支援事例として、建設業における2024年問題に対応した支援や、職務分析・職務評価の手法を活用した賃金や等級制度の構築に向けた支援の取り組みについて伺いました。

 
 

4 中本本店の視察
 中本本店を視察し、印刷業界の状況や働き方改革の取り組みについて、話を伺い、意見交換等を行いました。
 業界の変化に対応し、DXを推進するとともに、印刷産業界で定める環境配慮基準を達成し、「グリーンプリンティング工場」の認定を受けているとのことです。
 働き方改革に積極的に取り組み、働き方改革の優れた取り組みを実践し成果をあげた企業として、「広島県働き方改革実践企業認定」も受けています。また、業務の見える化により、作業の効率化にもつなげています。