産業標準化事業表彰内閣総理大臣表彰 表彰式
令和7年12月2日、佐藤内閣官房副長官は、総理大臣官邸で令和7年度産業標準化事業表彰内閣総理大臣表彰の表彰式を行いました。
佐藤官房副長官は、内閣総理大臣式辞を次のように代読しました。
「内閣総理大臣の高市早苗です。令和7年度産業標準化事業表彰内閣総理大臣表彰に当たり、御挨拶申し上げます。
本日は、公務のため、福島県に出張しており、表彰式に参加出来ないこと、御容赦いただければと存じます。
内閣総理大臣表彰を受賞される稲葉理事長、本日は誠におめでとうございます。私自身も、知的財産戦略担当大臣として、国際標準戦略を進めてきたところであり、これまでの御功績に心から敬意と感謝を表します。
標準化は、古来より国家繁栄の重要な礎(いしずえ)であり続けてきました。
3世紀、ローマ帝国。ヨーロッパから中東に至る広大な領土を築いた国家がその繁栄を享受できた裏には、洗練された標準化の取組があったと言われています。
アッピア街道には、当時の車両に使われていた車輪に規格化された轍(わだち)があり、これによって、迅速に、大量の人員や物資を輸送することができました。また、街道や水道、巨大な建築物を構築し、何世紀にもわたって維持できたのは、標準化された計量の仕組みと工法があったからこそ、とされています。
高市政権においても、『危機管理投資』・『成長投資』の戦略分野について、多角的な観点から、総合支援策を講じることとしている中で、国際標準化を重要な柱として位置付けています。
日本に強みがある技術の社会実装を進めるとともに、勝ち筋となる産業分野について国際競争力強化と人材育成に資する戦略的支援を進めていくため、規制・規格の導入による新たな需要創出・拡大策を強化してまいります。
早速、先般の総合経済対策で、『JIS(日本産業規格)規格の総ざらいレビュー』を実施し、全てのJIS規格の活用状況等を把握し、JIS規格の公共調達における活用を促進することを決定しました。政府としても、標準化の取組を更に強化してまいります。
今回、受賞された、稲葉理事長は、科学的な視点に立ち、ライフサイクル全体で製品の環境影響を評価する手法であるLCA(ライフサイクルアセスメント)分野において、これまで30年以上にわたりISO(国際標準化機構)の日本代表エキスパートとして国際標準化の推進に多大なる貢献をしてこられました。
このLCAによる評価手法は、エネルギー効率の適正な評価等に資するものとして、エネルギー安全保障を支える基盤にもなるものと承知しております。
標準化の取組は、分野も多岐にわたり、また長時間を要します。稲葉理事長を始め標準化に携わる方々は、日々、粘り強く取組を進めていただいているものと認識しております。
稲葉理事長におかれましては、今後とも、我が国の標準化活動の先頭に立って御活躍いただくとともに、先導者としてその御知見を多くの方に御教授いただくようお願い申し上げます。
結びに、皆様のますますの御健勝と御活躍を心より祈念申し上げます。」