令和8年7月27日高市内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答

【朝日新聞社】
 女性天皇・女系天皇について

(回答)
 皇室典範は、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めています。
 また、令和3年の政府の有識者会議の報告は、皇位継承について、
・今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない
としており、政府としてもこの報告を尊重しています。
 皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについては、全国民の代表によって構成される国会において、全体会議でも共有され、衆参正副議長による議論のとりまとめにおいても、その冒頭で確認がなされたと承知しています。

【東京新聞】
 憲法関連(国会への出席、国旗の損壊等の処罰に関する法律、憲法改正)について

(回答)
(国会への出席について)
 国権の最高機関である国会において首班指名を賜り、内閣総理大臣を務める者として、国会での審議の重要性について十分に認識しています。
 国会審議の進め方は国会でお決めいただくものであり、私は、内閣総理大臣として、先般の特別国会においても、国会の要請に応じて、出席し、誠実に答弁させていただきました。次期国会も含め、これからも、真摯に対応させていただく所存です。
(国旗の損壊等の処罰に関する法律について)
 政府としては、国会での御議論を踏まえ、「国旗の損壊等の処罰に関する法律」が適切に運用されるよう、法律の趣旨や内容等について、関係機関に対する周知を徹底するとともに、国民の皆様への分かりやすい周知に努めるなど適切に対応してまいります。
(憲法改正について)
 内閣総理大臣としては、憲法審査会や各党各会派における御議論を尊重する立場から憲法改正の内容やその進め方などについて具体的に考えを述べることは差し控えています。
 憲法審査会における党派を超えた建設的な議論が加速するとともに、国民の皆様の間での積極的な議論が深まっていくことを期待しているということに尽きます。

【中国新聞社】
 原爆供養塔のご遺骨について

(回答)
 昨年12月、広島市の原爆供養塔に納められていた犠牲者のうち、お一人の遺骨の身元が、広島市が行った遺髪のDNA鑑定で特定されたと承知しています。広島市によれば、遺髪が残っており、遺族の申し出がある場合には、引き続き身元特定を行っていく方針であると伺っています。
 国としては、被爆者援護法の考え方を踏まえ、自治体とも連携しながら、被爆者に対する援護や原子爆弾による死没者の追悼に取り組んでまいります。

【信濃毎日新聞社】
 コメの民間在庫と政府備蓄米の買戻し時期について

(回答)
 本年6月末のコメの民間在庫量は、243万トンと高い水準となっていますが、これは、令和7年産米の生産量の増加や、国内産米の需要の減少等によるものと受け止めています。
 一方、政府備蓄米については、昨年、政府備蓄米を主食用に59万トン放出したことも踏まえ、食料安全保障の観点から、将来の不作や需要急増に備えるため、今後、備蓄水準の回復を進めていくことが必要と認識しています。
 お尋ねの「買戻し」のタイミングについては、令和8年産米の作柄の状況等を勘案しつつ、今後の需給状況等を見定めた上で、農林水産省において適切に判断されるものと考えています。

【熊本日日新聞社】
 陸上自衛隊の部隊による情報収集と国家情報会議について

(回答)
 防衛省・自衛隊の情報収集活動は、防衛大臣の指揮の下、関係法令に基づき実施しなければならないことは当然です。
 その上で、報道の内容について逐一お答えはしませんが、現時点で不適切な活動を行ったことは確認されていないと防衛大臣が記者会見で述べていると承知しています。
 なお、現在、各省庁が行う情報活動は所管の大臣の指揮監督の下、適切に行われていますが、これは国家情報会議及び国家情報局の設置によっても変わるものではなく、御懸念は当たらないと考えています。

【TBSラジオ】
 定数削減について

(回答)
 内閣総理大臣として、個別の議員提出法案について、その内容などに関する評価をすることは差し控えます。
 その上で、一般論として申し上げれば、議員定数の見直しについては、例えば、見直しによる経費面への影響や国民の代表たる国会議員をどう選ぶべきかなど、様々な観点からの幅広い御議論があり得ると思います。
 いずれにせよ、議員定数の在り方は民主主義の根幹に関わる問題であり、そうした点も含めて、国会において御議論いただくべき事柄であると考えます。

【CBCテレビ】
 地域未来戦略(特に地場産業成長プラン)、人材育成について

(回答)
 「地域未来戦略」では、強い地域経済の構築を目指し、
・戦略17分野に関連する企業の大規模投資を起点に国が自治体と連携して策定する「戦略産業クラスター計画」のみならず、
・都道府県が主体となって形成を進める「地域産業クラスター計画」と、
・市町村等が染物や醸造、伝統工芸品等の地域資源を活用・発展させる計画を策定し、クラスターを形成する「地場産業成長プラン」、
の三類型を推進していきます。
 市町村等が主体となって策定する「地場産業成長プラン」についても、地域の特性や課題など、地域の実情に合わせて、計画を策定・実行できるよう地方機関も含めた政府をあげて、ワンストップの相談窓口の設置など、計画策定や実行の伴走支援体制を構築し、後継者不足など地域の悩みをしっかり吸い上げて、国と自治体が二人三脚で取り組んでまいります。
 特に、地域の人材育成については、これまでも地域課題に対応した、質の高い人材の安定的な養成体制の確保につとめてまいりました。
 「地域未来戦略」の下では、国の人材育成支援策に「地域未来枠」を設けて十分な支援メニューを確保した上で、育成が必要となる産業人材の需要を明確化し、それを踏まえた中長期にわたる計画的な人材育成・リスキリングを進めるなど、取組を推進してまいります。

【AP通信】
 働く女性の家事負担、長時間労働を良しとする風潮について

(回答)
(働く女性の家事負担について)
 家事、育児、介護等による離職を防止し、全ての人がキャリアを諦めることなく希望に応じて能力を発揮できる社会を実現することは重要です。
 そうした観点から、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2026」や「日本成長戦略」では、働く方々が子育てや介護等によりキャリアを諦めることなく、さらに活躍できるような環境整備が必要であり、必要とされる方が家事支援サービスやベビーシッターを安心して利用できる環境を整えるため、
・家事支援サービスの普及・広報、品質向上と人材育成・確保
・ベビーシッターの安全・安心の確保と担い手確保
・税制措置を含む経済的支援策の検討
に取り組むこととしています。
 高市内閣は、性別はもとより、障害の有無、生まれた年代、地域、家族の状況などに関係なく、誰もが、希望ある未来を切り拓(ひら)くことができる、挑戦することができる、と実感できる日本をつくりたいと考えています。
(長時間労働を良しとする風潮について)
 私の睡眠時間に関する発言が「長時間労働を良しとする風潮」を肯定してしまうのではないか、とのご懸念についてですが、そのような意図は全くありません。
 私は、総務大臣在任中、「テレワーク・デイ」の導入など柔軟な働き方を後押ししてきました。睡眠時間や家族との時間を確保することは、生産性の高い仕事を行う上で重要であるとの考えに変わりありません。

【The Diplomat】
 防衛生産基盤強化のための、新たな法人の組織、背景、機能について

(回答)
 ロシアによるウクライナ侵略が4年以上の長期に及び、あらゆる種類の装備・弾薬が大量に消費される中、持続的な対応能力の確保の重要性が明らかになるとともに、無人機の大量運用や電子戦、AI、宇宙、サイバー、情報戦といった要素を駆使した「新しい戦い方」が出現しており、各国が対応を急いでいると認識しています。
 我が国においても、ウクライナの教訓等も踏まえながら、持続的な対応能力や「新しい戦い方」への対応を支えることができる防衛産業を構築していくことが喫緊の課題であると考えています。
 そのためには、
・状況に応じた増産能力の強化も含む、持続的な対応能力を 支えることができる生産基盤の構築
・同盟国・同志国の抑止力・対処力を強化するとともに、国 内の生産能力強化にもつながる防衛装備移転の推進
・国立研究開発法人・大学、スタートアップ等との連携やこれらの活用の強化を通じた防衛イノベーションの促進
といった施策を、デュアルユース基盤も活用しつつ、一体的に行うことが必要です。
 これらの施策については、前例に囚われることなく、産業界や関係省庁の専門的な知見を柔軟に活用することを含め、効果的かつ効率的に推進するための体制を構築することが不可欠であり、こうした認識の下、関係省庁で、新たな法人の設置の検討を進めているところです。
 その上で、設立時期や、お尋ねの「組織」や具体的な「機能」については、必要な議論を尽くした上で、結論を出してまいります。

【アーク・タイムズ】
 陸上自衛隊の情報収集の件にどう対処するかについて

(回答)
 防衛省・自衛隊の情報収集活動は、防衛大臣の指揮の下、関係法令に基づき実施しなければならないことは当然です。
 その上で、報道の内容について逐一お答えはしませんが、現時点で不適切な活動を行ったことは確認されていないと防衛大臣が記者会見で述べていると承知しています。

【大川豊氏(フリーランス)】
 障害福祉サービスについて

(回答)
 近年、障害福祉サービスの予算が、この19年間で約4.5倍に増加するなど大きく増加している中で、質の高い支援を行う事業者や、支援のニーズが高い重度の障害者などへの支援に、力を入れる必要があります。
 厚生労働省においては、適切な事業運営の確保のためのガイドラインの発出等の累次の取組を進めてきたところであり、令和9年度の次期報酬改定に向けても、様々な機会を通じて、関係者の方々のご意見を丁寧にお伺いしつつ、支援を必要とする方に質の高いサービスを届けられるよう、検討を進めてまいります。
 なお、ご指摘のいわゆる総量規制は、障害福祉サービスの類型ごとに、
・都道府県等の障害福祉計画に定めるサービスの必要な量の見込みにすでに達している場合や、
・新たに事業者の指定をすることで、それを超える場合等に、
 都道府県等が事業者の指定をしないことができる仕組みであり、一部のサービス類型について、その供給が地域のニーズに対して過剰なものとならないよう設けられているものです。