コンピュータ西暦2000年問題に関する顧問会議(第2回)議事要旨

1.日 時:平成10年11月24日(火)午後2時〜4時
 
2.場 所:官邸大客間
 
3.出席者:
(顧問)荒木浩、岡部敬一郎、岸暁、椎名武雄、西室泰三、野村吉三郎、平松一朗、三次衛、宮津純一郎 各顧問
(政府)小渕内閣総理大臣、古川内閣官房副長官、竹島内閣内政審議室長 他
 
4.議 題:コンピュータ西暦2000年問題に関する行動計画の推進状況について
 

5.会議経過

(1)冒頭、関本議長の後任として椎名顧問が議長に選任された。

(2)内閣内政審議室長からコンピュータ西暦2000年問題に関する行動計画の全体的な推進状況について、内閣広報官から政府広報の取組状況について、総務庁から中央省庁、特殊法人等の対応状況について、自治省から地方公共団体の対応状況について、金融監督庁から金融分野の対応状況について、通商産業省からエネルギー分野、中小企業の対応状況について、郵政省から情報通信分野の対応状況について、運輸省から交通分野の対応状況について、厚生省から医療分野の対応状況について、それぞれ説明があった。

(3)引き続き、顧問の間の意見交換が行われた。意見の概要は次のとおり。

○国際線の飛行機の機内のビデオで2000年問題をやっていた。ユーザーも大手企業と中小企業の場合に分けるなど、徹底して周知させようということで感心した。また、米国のセミコン・メーカーが、2000年問題の対応をよくやっており、OSが何十種類ぐらいあり、パッケージが何十種類かある際に、棚卸しから始まって幾つかに絞りましてその重点度を決めてやっている。同社は、2000年の1月の初めには社員を現場に張り付け、全世界に散らばっているパソコンについて一台一台、赤色、黄色、緑色とマークを付け、何色が付いているかを報告させ、それによって対応しようとしている。参考にしていく必要があると感じた。

○危機管理計画のイメージがつかみきれないが、2000年の1月1日に我々が今までやってきた計画がワークしなかったことに対する危機管理を考えるという観点で作業しているが、例えば、コンピュータが1月1日などにうまく動かなかった場合、あるいは関連の業界との連携がうまくいかなかった場合にどうするかを考えている。また、2000年が閏年であることをチェックすることが必要と考えている。どういう危機に対して我々が自主管理をして用意をしていくかということを教えていただけると、計画がよりクリアになると思われる。

○模擬テストまでは割と進捗状況はいいが、危機管理となると途端に1けたになっている。もしもシステムが止まってしまったときにどうしたらいいのかという対応は千差万別でマニュアルをつくるのは難しいと思いますけれども、しかし点検項目ぐらいは必要。危機感を持つことが非常に重要。

○金融機関の場合は、それぞれの金融機関の業務がコンピュータシステムで支えられているだけではなくてネットワークで結合されているので、その中のどこかの金融機関が対応に誤りがあって障害を起こすと、それが金融機関全体に波及する危険がある。危機管理計画というのが更に一層金融界の場合は重要になるだろうと思うので、既に推進本部が発表しておられる危機管理計画に含むべき項目例等を参考に手引き等を準備して各金融機関に周知徹底させたい。

○危機管理については、中小企業対策の観点からも、マニュアル的なものをなるべく早く準備すべき。また、2000年1月1日のほかにクリティカルな可能性のあるデートがある。1999年1月1日、9月1日、9月9日、9月10日もクリティカルになる可能性があるという指摘がある。特に、埋め込みチップは実に手がつけにくい問題でいろいろ注意を喚起しているが、最終的にROMの中にどんなプログラムが入っているかというのは見えないところがほとんどである。テストをする以外にしようがなく、注意喚起をいかにするかという問題がある。

○専門家から業界として話を聞いたが、世界で推定250億個のチップが埋め込まれている。北海油田辺りは地下のどこにあるか分からないから、その検査のしようもないというようなことまである。例えば1%、2億5千万が日付に関係した問題としても、どこにどれがあってどうやるというチェックは難しい。訴訟、それから損害賠償で1兆ドルと言われており、オイルショックぐらいの経済的な影響を受けるとか、OECDで0.3%から1.1%ほど経済成長を押し下げる。アメリカのコンサルティング会社によると、日本の対応は第5までの分類の第3の位置付けにある。アメリカは1位。中国と中東とソ連は第5の分類。こうしたことも意識して、それぞれの業界、それぞれの立場に応じた対応をとる必要がある。

○マイクロチップの問題については、飛行機が飛行中に誤操作が起こると墜落するので、メーカーとの調査に基づいて検討を進めている。ボーイング社製の航空機は、すべての航空機の全部品について影響調査を完了している。あとは、フライトマネージメントシステムのディスプレイの表示に不具合が出るということが言われているので、これについては十分な対応を現在しようとしている。エアバス航空会社は、すべての航空機の全部品について影響を現在調査中であり、間もなくでき上がる。そういう意味で、飛行中の航空機のマイクロチップの対応については一応OKだということになると思う。すべて来年の秋までに完成させて対応したい。ただし、電気が来なかったら何ともならない。そういう問題はどうなのかというようなことも考えているが、自前のコンピュータについては、来年の秋までには完成させるべくやっていきたい。

○交換機は三千、コンピュータは何百、ワークステーションは三千、パソコンを入れたら二十何万、とにかく量が多く、世間に迷惑を掛けてしまうということなので、何とかしなければいけない。政府がリードして、体制を作り、責任者を決めて、定期的に報告させる仕掛けを作ったが、非常に短い間に相当立ち上げられている。体制の話から実行の話に移っていくが、実行は専門家の領域だし、システムとか扱うものでそれぞれの業界で違い、個別の問題になるが、ソフトを直してテストをするだけで終わらない。それがうまく動かなかったらどうするかという話と並行して走らなければいけない。1999年の春、夏に掛かるぐらいのところでテストを仕上げなければならない。同時に、それから今度は何か起こったときにどういうふうに対応するかということについて本気で体制をつくらなければいけない。

○アメリカの場合にはクロスチェックというのをやる。ラインが責任を持ってずっと走っていて、それが責任者としてもちろんアカウンタビリティーを持っているが、同時に全く違うシステムが入り、必ずそこがやっているのがいいかどうかというクロスチェックをするという体制がある。ラインに任せて信用してやるだけでは、もしかするとこういうような大きな問題は体制が不備なのかもしれない。

○長期の予約は旅行業者がやっており、各社間で情報の交換を行っており、対策はそう難しくないと思っている。危機管理の問題は、鉄道業では安全に正確に輸送しなければならないと昔からトレーニングを受けており、例えば、信号機が故障すればあとは手信号でやるなど作業マニュアルが案外できており、今後はコンピュータというレベルアップした中の危機管理もこれをベースにすれば進むのではないか。

○中小企業の問題は非常に件数も多く、集団としてサプライヤーがいて、そして集団として中小企業ユーザーがいる。その橋掛けが活性化すれば手が届くと思う。今度の補正予算のSE事業などがうまくいくと、ユーザーとサービスすべき者は決まっており、その間に針に糸が通ることを期待している。かなりそういう制約率は上がってきている。ただし、余り遅れると時間がなくなるので、中小企業に対する相当思い切ったPRが有効。

○航空会社と運輸省の橋掛けはやられているのか、医療の病院の方のシステムとその間に関連している救急車などをディスバイスするようなシステムとの関連など、官と民と絡まっているときに橋掛けをするかというのがひとつの検討事項ではないか。

○航空管制については運輸省が中心に航空会社といっしょに99年6月までに模擬テストをすべて完了する予定。

○失敗例を挙げると、98年の1月に半導体の注文が突如として消えてしまった。オープンオーダーの2年たったものは自動的に消えるプログラムが98年の1月に入った注文を全部コンピュータにインプットしたら、それに足す2でゼロゼロになり、これが2000年ではなくて1900年と誤認して全部新しく入れた注文が端から消えるということが起きた。すぐに分かり、処置はできたが、そういうことが現実に起きて、それのお陰でかえって社内の徹底がうまくいった。それに類した実例がもう出始めていると思うので協会でまとめようと思っている。

○経験をお互いにシェアして共用して参考にするというのは重要。立ち上がっているホームページの中に重要な必要な情報が入っているかをチェックすることが必要。一般的に、特にアメリカなどと比べると情報公開の度合いが少ない。危機管理のマニュアルづくりにも参考になるので、積極的に失敗や成功の経験その他を公開することが重要。

○中東から原油を入れるので、生産設備や出荷設備回りの対応について先ず民間ベースで先方に確認していかなければいかない。また、電力の場合は電力会社との関係だが、工業用水など地場のインフラ関係は地方公共団体との関係。地方公共団体からも情報公開をお願いしたい。

○防衛上の問題でコンピュータでやっているものがある。ミサイル関係がどうなのかという防衛庁との関係は問題点はないのか。(これに対し、内閣内政審議室長から、防衛庁のシステムについても資料で情報公開している旨発言があった。)日本の場合はしっかりしているが、海外ではいろいろと物騒なことがあるのでやはり心配。

○中央官庁あるいは地方の場合に修正対応済みが期限内で100%となっていないが、今後どのように対応するのか。(これに対し、総務庁から、中央省庁は100%対応する予定であり、100%になっていないのは特殊法人分であり、当然期限内に修正をさせるものの、具体的期限が定められないものである旨発言があった。)

○訴訟や損害賠償という問題を想定した議論がアメリカなどであるが、日本の場合、それに関する法制上の問題で、企業と国、企業と株主、企業と地方公共団体という関係の中でどちらかに起因する問題が起こったときにどうなるのかという点についての日本としての法制上の取扱いの問題というような検討が必要となるのではないか。

○電子取引全般についてその問題がある。例えば、銀行が、送金の依頼を受け、発信したが、相手の銀行にそれが付いていない。そのときの賠償責任はだれにあるかという議論は国際的にやっているが結論が出ていない。アメリカの場合は商取引と商取引以外の利益とは法律的に区別されているが、日本の場合は個人の取引と商業上の取引というのは法律上の区別がない。このため、基本的な枠組みの違いから国際的な取り決めがやりにくい。

○チェーンストアの加盟店と加盟店とは直接VANでの関係はないが、様々な影響も考えられるので、顧客に対し問題の告知をやろうと考えているが、どの程度の告知をするかについて弁護士の意見もいろいろ変わっており、内容証明の郵便で送るとなると大変な経費が掛かる。これから時期も迫ってくるのでだんだん水面上に出てくる問題ではないか。お互いの責任範囲がどこまでかということで注意事項。

○メーカーも人材を可能な限り投入しているが、徹底的に不足している。これから多分だんだん進むと問題になる。例えば、定年退職や結婚退職した人などエキスパートにもかかわらず使われていない人たちは相当いると思われる。こういう人たちを掘り起こしながら、必要なところに人材を派遣できるような手だてが必要。(これに対し、通商産業省から、中小企業地域情報センターにアドバイザーを常駐する制度を設ける旨発言。)

(4)ここで、小渕内閣総理大臣が入室された。その後の顧問からの主要な意見は次のとおり。

○電気料金の計算、資材調達、経理処理などを行う事務処理系のシステムは電力10社で約45万本に上るプログラムがあるが99年6月にはその作業をすべて完了する予定。一方、発電から送配電までを監視制御する制御系のシステムは電力10社で約4800あるが、このうち発電出力を時々刻々コントロールするシステムのように、電力供給を直接リアルタイムで制御しているものは日付情報を用いていない。カレンダーを用いていないので支障の生じるおそれはない。しかし、設備の稼働状況の記録に当たっては日付情報を活用しているため、プログラムの修正やチップ交換が必要なものがある。そのため、現在各社とも定期点検などの機会をとらえ、計画的にその対応や確認を進めており、99年中にはすべての対応を完了する予定。次に、危機管理計画については、西暦2000年問題による支障の芽をすべて未然に詰み取ることが何より大切であり、その方向で全力を挙げている。しかし、金融機関あるいはコンビニエンスストアなど、社外のシステムと連携している場合には、他社で起きたトラブルからの影響については免れない。また、燃料や資材の調達先で起きた支障の影響が波及してくることも考えられる。このため、電力各社では万一のリスクをあらかじめ想定して適切な対応ができ、被害をできる限り小さくできるようにするため、その対応スキームを99年6月までに整備する予定。どういうスキーム、どういう切り口で危機管理のチェックをするかということについては、国からも示してほしい。最後に、対応状況に関する情報公開については、業界団体、電力各社では取り組み体制や対応の進捗状況、完了予定などを11月末からインターネット・ホームページで公開する予定。

○石油業界は、第1次エネルギーの中に占める比率が5割を超えるというエネルギーの大宗を占めるという認識に立ち、早速、各社常務クラスのコンピュータ2000年問題対応委員会を設置した。さらに、全社社長会を招集し、コンピュータ関係の専門家の方から問題をPRしてもらい、いかにこの問題が完璧にはいかないか、その最悪の場合に備えた危機管理も大事かという点について改めて認識した。各社ともに責任体制を確立させ、インターネットを利用したホームページを通じての一般への情報提供も行っていこうという考え方に立っている。なお、具体的な対応ということでは事務処理系、それから特に装置に関係します制御システム系に分けながらその進捗状況を各社の情報を提供してもらい、チェックをし、大体1999年9月から10月にかけてすべての問題を完了するということにしており、それをベースにいたしまして危機管理計画のひな形を99年2月にはつくって、これに基づいた危機管理計画も策定していこうという考え方でいる。

○個別金融機関の対応については、大蔵省、金融監督庁、日本銀行の指導を得て、総じて整斉と取り組んでいる。しかしながら、金融機関のシステムの特徴として、決済システム等のように各金融機関のシステムが互いに接続をされており、更にその外部の各取引先とのシステムと接続をしていることから、部分的な対応不足から全体のシステムに障害を及ぼす危険があり、どうしても危機管理計画というものが必要となってくる。行動計画の中で、危機管理計画に含むべき項目例というのが示されているが、これらを参考に全銀協で「作成の手引書」作りに取り組みたいと考えている。

○コンピュータメーカー各社を通じてPR活動を行っている。少しずつは浸透してきたが、幾つかの問題があり、1つは、危機管理の問題で、マニュアルをつくるということが中小企業支援であり、危機管理マニュアルの策定というものが必要。中小企業対策でSEの事業については予算措置を講じられるが、実際にこれを改修又はリプレイスする費用について何らかの予算措置が講じられるべき。また、マイクロチップ問題はいろいろな機会に警鐘を鳴らしているが、この点についても政府からの注意喚起をお願いしたい。さらに、クリティカル・デートが1999年の1月1日から始まって99年の9月9日、9月10日、12月31日、それから2000年に入ってから閏年になる2月29日だとか、1月1日以外にあるということを念頭にある程度置いて検討してほしい。

○航空については、マイクロチップの対応、メーカーに対する問題について、ボーイングについては影響調査を完了、エアバスについては現在調査中。機材については問題ないと思っている。上空通過国や相手国の対応については、IATA、ICAOとの連携を強化し、世界の全空港の調査結果、進捗状況を公開することになっている。全世界の空港を3つのレベルに大別して、主要空港はIATAが直接調査を行う。次のレベルの空港(仙台、広島、アモイ等)は、IATAの代行航空会社が現地調査を実施、さらに、その他の全空港(大連、青島、ヤンゴン等)の調査を実施予定。模擬テストの実施は環境的に可能な範囲で実施することを進めている。運輸省とエアラインとの間のシステム接続テストを実施すべく調整中。海外では、海外エアラインとの間のシステムの接続テストを実施中。99年8月までには完成して安全運行のための前提ということで検討していきたい。

○鉄道業界におけるコンピュータ、一般の事務系のシステムのほかに、鉄道事業特有なものとして安全等の運行管理システムあるいは予約システム等のいわゆる制御系のシステムがあるが、社会的使命にかんがみ、万が一にもこれらを支障することがないように今まで対応してきており、各鉄道事業者においは対応が所要の時期までに完了するように努力したい。

○コンピュータのプログラムサービスを行っているが、やはり技術者が少ない、あるいはその認識が企業経営者に浸透していないというようなところが大企業に比べるとある。したがって、補正予算においてもSE作業についての支援が整備されてきているが、集団としての顧客、集団としてのサプライヤではなくて、やはり一個一個つながる必要があり、かなり厄介。しかし、売った人、買った人というのは決まっているから、そこまで戻ればその関係は自然にはっきりしてくる。残された時間は少ないが、そういう趣旨で作業を進めていきたい。

○通信としては、相当膨大なコンピュータのシステムを抱えているので大きな問題だが、いろいろ対策を取ってきており、NTT再編成に関連してこの問題も含めコンピュータを相当大掛かりに取り組んでいる。通信の機械そのものは、年月というのは4桁で扱っているので問題はないが、オペレーションのシステムなどの関連のサポートのシステムにいろいろ影響が出ている。それ以外にも関係の顧客のシステムもあるが、政府のPRなどもあり、割に周知されているような感じは持っている。来年の夏ぐらいまでには一応試験も終わって体制は整うと思っているが、予期せぬトラブルが出てくる可能性はあり、危機管理という問題に重点が移っていくだろう。

○総理のリーダーシップの効果が出て前回の報告と比べ進捗状況はいい。ただし、留意点としては4つぐらい挙げられる。危機管理つまりシステムが動かないときにどうしたらいいかということは非常に重要なポイントで今後詰める必要がある。情報公開については、公的な整備とも関係して、企業にいいプレッシャーを与えてどんどんいい情報も悪い情報も出してもらうということは必要。国際的な整合性をどの程度民間レベルでできるかには限界があり、政府の非常に大きなサポートが必要ではないか。最後に法的な整備で、アメリカでは限定的ながら法律ができており、詰める必要があるのではないか。

(5)欠席した井植顧問、坪井顧問からはペーパーによる意見が提出された。意見の概要は以下のとおり。

○未だ過半数の中小企業が何の措置もとっていない可能性が高い。商工会議所では独自のアクションプログラムを決定し、取り組む。中小企業の2000年問題に対する問題点は資金確保の問題とトップの理解不足。実際にコンピュータの情報入力拒否やシステムの稼動停止等具体的な現象に直面して初めて対応措置に着手する中小企業が多数出ると考えられる。日本全国のすべてのコンピュータやシステムが完全に2000年対応する必要あり。このため、@政府の啓発広報活動は2000年1月1日以降少なくとも3ヶ月間は引き続き実施する必要がある。ASE等専門家の直接派遣制度を始め、金融、税制、リースの利子補填等中小企業に対する各種特別措置を西暦2000年以降少なくとも1年間は継続する必要がある。B2000年1月1日以降にトラブルが発生する場合に備えて、その対処方法(危機管理)について予め検討する必要がある。

○日本医師会のあらゆるメディアを通じ2000年問題に対する再認識と行動計画に沿った取り組みの徹底を図ってきている。絶対に生命に関わる問題を起こしてはならないとの信念から、都道府県医師会長協議会においても事柄の重要性を強く訴えた。直接の当事者は利用者としての医療機関とメーカー及び販売店。両者の間で迅速かつ適切に対応されることが肝要であり、医師会及び業界の責任は重大。日本医師会コンピュータ西暦2000年問題検討委員会の調査によると医療機関における対策は完了しているわけではない。西暦2000年が近づくにつれて現場での種々の混乱、便乗商法等が懸念される。政府においては、かかる混乱の未然防止に断固なる万全の措置を取られることを強く要望する。

(6)最後に、小渕内閣総理大臣から以下のとおり挨拶があった。

「2000年までに残された日数は既に400 日余りであります。先に決定したコンピュータ西暦2000年問題に関する行動計画に基づき、官民ともになすべき作業を更に進め、その対応に万全を期していかなければなりません。本日は顧問の皆様の御協力を得て作成した行動計画の推進状況について御議論いただきましたが、官民を挙げて周知徹底、総点検の着実な実施、情報の提供、公開など、2000年問題に対する我が国の取り組みを一層強化徹底していくことが必要であります。このような取り組みの強化に当たり、危機管理計画の策定など、分野共通的な課題への取り組みを促進するため、本顧問会議の下に実務者による官民合同の作業部会を早急に設置する考えであります。加えまして、2000年問題に対する国際間の取り組みに積極的に取り組んでまいります。

国際社会がネットワークにより結ばれている現在、本問題への対応は各国共通の課題として国際的議論が急速に高まっております。先般のAPECの首脳会議におきまして、私としても2000年問題への対応の重要性、緊急性について強く訴えるとともに、APEC加盟国各国が集中的キャンペーンを行う等の共同した取り組みを実施するAPECY2K週間というのを提案をいたしました。各国より非常に賛意が示されたところでありまして、既に米国では分野別の作業部会を設置し、具体的な協力関係を構築しておりますが、国際間で共同した取り組みの重要性を考慮し、積極的な国際貢献を果たしてまいりたいと思います。

若干補足しますと、APECにおきまして大きな4つのテーマが首脳会議でありました。この2000年問題を私が取り上げたところ、各国とも非常に賛成をしまして、米国のゴア副大統領、オーストラリアのハワード首相、ロシアのプリマコフ首相、中国の江沢民首席ほか、各国の首脳ともこれだけは絶対やらなければならぬという非常に強い意見がありました。したがいまして、日本として提案いたしました以上、このY2K週間というのを是非実行していきたいと思っております。その時期や方法につきましても、是非顧問の皆さんのお考えもお聞かせ願って、ほかの国々の状況も全部状況は違いますけれども、APEC加盟国はみんな横の連絡がきちんと2000年問題はできなければいけませんので、こういった点について日本側が提案したということ、それから日本でもこうした勉強に熱心に今、取り組んでいるということ、それからほかの国々も国によって若干差異はありますけれども、その問題の所在は十分承知をしておるということを強く認識いたしましたので、御報告を申し上げます。

いずれにしても、各国とも日本のイニシアチブについて非常に積極的支持がございました。それから、特にゴア副大統領の発言の中に、地域的な危機管理計画をつくるとともに各種の技術情報を各国が共有する必要があるというようなことも含めまして、それぞれの首脳が非常に積極的かつこの問題の重要性を認識をし、各国とも努力をすると同時に、十分横の各国の連絡を強調していこうということがAPECでも問題視されたということを合わせて御報告いたしたいと思います。

本問題会議は、官民を挙げて2000年問題に取り組んでいく上で極めて重要な役割を有するものであります。顧問の皆様におかれましては専門的かつ高い見地から引き続き御協力いただき、我が国の2000年問題への誤りなき対応に向けて御意見を出していただくようお願いいたしたいと思います。」

(5)次回の顧問会議は1月中旬の開催を念頭に調整する予定。

−以上−
(文責  内閣内政審議室 速報のため事後修正の可能性あり)