「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」
第1回会合(ぶら下がり記録)


 8日午後7時過ぎから約10分間、総理官邸において柳井座長及び北岡座長代理が「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」第1回会合に関するぶら下がりを行ったところ、概要以下のとおり。

  1. 冒頭発言
    (柳井座長)
    (1)2008年に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告書を提出してから、約4年半になるが、その間、国際情勢は変化している。特に日本を取り巻く安全保障環境は劇的に変化しており、日本にとって難しくなってきている。本日は、そのような状況を踏まえて、さらに今後日本の存立を守る、日本の平和と安全を確保するためにはどうしたらよいか検討してほしいとのことを総理から言われた。その辺は総理の御発言のとおりである。
     
    (2)それを踏まえて、自分から冒頭に前回の報告書の概要をおさらいした。その上で2つのことが言えると思う。
    前回の報告書で示した懇談会の基本認識、すなわち憲法をいかに解釈するのか、憲法解釈の目的というのは、日本の国を守り、存立を確保することであって、そのためにはどのように考えればよいか、という報告書の第3部に詳しく述べられている基本認識については、出席した委員のコンセンサスがあった。
    その上で、前回の検討の際には安倍総理から、公海上における米艦防護をどうするか、米国に向かうかもしれないミサイルにどう対処するか、PKO等の国際的な平和活動における武器使用、及び後方支援の際の他国による武力行使との一体化という4類型について検討してほしいとの諮問を頂いた。したがって、報告書では、4類型については、集団的自衛権を認めないと十分は対処はできない、あるいは、集団安全保障への参加は憲法上禁止されていないといった考え方を示した。しかし、その後、国際情勢、特に我が国を取り巻く安全保障情勢は厳しくなっているわけであり、それに対して更に検討を行う必要がある。また、典型的には米国同時多発テロ事件のようなテロ行為、海賊問題、サイバーテロといった新しい形の脅威が出てきているので、それについても考える必要があるのではないかという意見があった。
     
    (3) 本日は、自分の冒頭発言に続いて、各委員から意見を示していただいた。どのような意見が出されたかについては、発言者名を付さない形で、できるだけ早くお示ししたいと思っている。
     
    (4)手続的なことであるが、自分は国際海洋法裁判所の所長を務めており、所長は所在地であるハンブルクに常駐している必要がある。したがって自分は、裁判の日程等でハンブルクを離れられないこともままあり得ることから、それを考えて自分が出席できない時には、北岡先生に座長代理をお願いすることで、委員及び北岡先生御本人の承諾を得た。


  2. 質疑応答
    (問)懇談会として提言の取りまとめをいつまでに行う予定か。
    (柳井座長)今後委員と相談しながらということになる。先ほど述べたように、前回の報告以降、新たな状況が出てきており、環境は厳しくなってきていることから、そのようなものを検討して考えをまとめていかなければならない。本日は再開第1回目の会合であることから、本日の時点では分からない。
      
    (問)既存の4類型のみならず、新たな類型を含めて検討するということか。
    (柳井座長)そうである。テロやサイバーテロのような新しい形の脅威はあるが、国家による伝統的な脅威も厳しさを増しているわけである。海賊等の問題については他国の船舶を守るということで、一部分海賊対処法で解決しているが、そのような問題も含めて検討を行う必要がある。4類型は、いずれも国家による脅威に対応するということであるが、それは4類型に限られたものではない。4類型以外にも国家による脅威の現れ方はいろいろあるはずであり、その辺も含めて検討していこうということである。
      
    (問)新しい脅威に関し、中国という特定の国の名称が出たのか。
    (柳井座長)新しい脅威と述べたのは、国家による脅威はもちろんあるが、国家以外の脅威もあり、その両方があるということである。
      
    (問)委員の共通認識を得られたのは、集団的自衛権の行使を容認するという点について共通認識を得られたということか。
    (柳井座長) それは、4年半前の報告書の第3部に基本的な認識が示されている。具体的には、4類型に対して、集団的自衛権及び集団安全保障への参加を可能にすることが必要であることは、既に前回の報告書で確認しているわけであるが、これを再確認したということである。
      
    (問)総理から冒頭発言で集団的自衛権について発言がなかったが、総理から集団的自衛権に関する認識について発言はあったのか。
    (柳井座長)本日は限られた時間で各委員から考えを示していただくことが主な内容であった。
(了)