ふるさとづくり実践活動チームin久米島・伊是名

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ふるさとづくり実践活動チーム in 久米島・伊是名 平成29年3月7日〜9日

 沖縄本島から100km離れた、沖縄諸島の最西端に位置する久米島と、沖縄本島の北方に位置する伊是名島において、2回目の「ふるさとづくり実践活動」が開催されました。今回も、地方創生に真摯に取り組む地元の方々と実践活動チームのメンバーによる熱心な意見交換が行われました。

河井 克行 内閣総理大臣補佐官

 離島という厳しい環境の中、久米島では海洋深層水の研究、高校魅力化プロジェクトなどの実施を、伊是名島では民泊体験などの推進を通じて、たくましく熱くふるさとづくりに取り組まれていることを知りました。
 この実践活動が「ふるさとづくり」の機運を見出す取組の後押しになることを期待しています。

河井克行内閣総理大臣補佐

社会福祉法人いぜな会 伊禮 弘宜 施設長

社会福祉法人いぜな会 伊禮 弘宜 施設長

 伊是名島に住む高齢者の多くは、最後まで島にいたいと希望するものの、介護が必要になった段階で子どもが住んでいる本島へ移っていくのが実情です。島の介護の状況を少しでも改善するため、職員の処遇改善、ショートステイの増設や有償ボランティアの活用などを進めています。
 人生の最終章を有意義に過ごすことは、島のふるさとづくりにつながっていくと考えています。

一般社団法人いぜな島観光協会 上間 美卓 事務局長

 主に修学旅行生の民家宿泊体験を実施しています。年間25〜30校、延べ1万人を受け入れています。経済効果も大きく、平成28年度は1億円の事業に成長しました。子どもたちが将来またこの島を訪れてくれることを願っています。
 今後は、いろいろな手段を通じて、国内外の一般観光客の誘客を積極的に進め、伊是名島の観光振興につなげたいと思います。

一般社団法人いぜな島観光協会 上間 美卓 事務局長

NPO法人 島の風 納戸 義彦 代表

NPO法人 島の風 納戸 義彦 代表

 伊是名島には、ごみが落ちていたり草ぼうぼうの道はありません。観光は恣意的につくるものではなく、そこで暮らす人々の暮らしぶりが観光客を呼ぶものだと思います。
 地域がもう一度自立するためには、都市経済に寄与することを存在価値とするのではなく、今までデメリットとしてきたものを、再度自分たちの誇りとして見直すことが必要です。

伊是名島観光ガイド 比嘉 陽子 様

 映画の仕事で初めて伊是名島を訪れ、結婚してから定住してみると、私が衝撃を受け、心を奪われた島の魅力が観光客に伝わっていないことに悔しい思いをしたことが、観光ガイドを始めたきっかけです。
 島の人がいきいきと暮らせるまちづくりを進めるためには、観光だけではなく、福祉・教育・医療、いろいろな分野が連携することが大切だと感じています。

伊是名島観光ガイド 比嘉 陽子

「選ばれる」島になるために 今若 明 委員

今若 明 委員

 地域資源とイノベーション、そしてマーケティングが大事なキーワードです。マーケティングとは「選ばれる」ということ。観光地として、定住地として、そして心のふるさととして、久米島が「選ばれる」ことが重要です。例えば、久米島高校を残したことは、全国の子どもたちが久米島で育ち、学びたいと「選ぶ」ことに繋がるはずです。
 小さなふるさとでも、それを守る力は必ずあるということを、今回の視察を通じて感じました。

山内 靖昭 伊是名区長

山内 靖昭 伊是名区長

 村の保存地区に指定されている伊是名集落の美化活動をしています。フクギの屋敷林、赤瓦の家並みとサンゴ石の石垣が残されている地域はほぼここだけになりました。
 空き地や高齢者のお宅の石垣などを積み直し、きれいにすれば、大きな観光資源になると考えています。この風景を大事にしていきたいという思いで、取り組んでいます。

前田 政義 伊是名村長

 急速な人口減少に歯止めをかけるために様々な事業を行っています。お年寄りが安心して暮らせる島づくりのほか、観光産業の取り組みとして、マラソン大会やトライアスロン大会などの企画、民泊事業の推進により、島の活性化を図っています。
 本日の議論を参考に、今後とも、さらなる発展を目指していきたいと思います。

前田 政義 伊是名村長

手法よりも「エピソード探し」を 武田 道仁 委員

武田 道仁 委員

 ふるさとづくりに求められているものは3つあります。あるものを磨くこと、継続した地域発展の仕組みをつくること、いろいろな人を巻き込むこと。自分たちが普通だと思っていることでも、外から見ると魅力的なことがあります。
 名所旧跡だけではなく、文化、習慣、生活の中に隠れているエピソードを探し、それらの地域資源を徹底的に洗い出し、掘り起こし、さらに次世代につなげていく。これらを地域全体で考え、実行することが大切です。

前田 貴子 委員

前田 貴子 委員

 今回の視察を通して、久米島には「世界初」がたくさんあることに驚きました。また、海洋深層水の研究施設についてもご説明いただきました。この水も地域の貴重な資源です。
 将来大きな力を発揮するであろう様々な地域資源に、大変期待を持ちました。

FMくめじま 宇江城 久人 企画営業室長

 FMくめじまは、開局5年の小さな放送局です。地域に根差した放送局を目指しています。ここには、大きなこと、小さなこと、久米島に関するいろいろな情報が集まってきます。
 それをひとつにして、久米島全体に伝えていくことで、島の今後の発展につなげていきたいと考えています。

FMくめじま 宇江城 久人 企画営業室長

「島」に繰り返し来てもらうために セーラ・マリ・カミングス 委員

セーラ・マリ・カミングス委員

 ここにしかない、島らしい独自の文化をもっと生かせないかと感じました。例えば、独特で美しい屋根瓦の家々、本州とはまた違った素敵な庭、そんなところをウォーキングするツアーはどうでしょうか。リピーターになってくれるかどうかの秘訣は、島にいる「あの人」に会いたいと思ってもらうことにあります。
 観光客がもっと久米島の生活に入っていけるような、そんなきっかけがつくれるとよいと思います。

合資会社 生活 ing(くらっしんぐ) 宇根 哲也 様

合資会社 生活 ing(くらっしんぐ) 宇根 哲也

 20年以上介護に携わっていますが、最近、介護事業の延長で、お年寄りの家の管理や庭の草刈りなど、介護以外の活動も始めました。事業としても就労先としても、「介護」を軸にして、安心して生涯を過ごすことができる島づくりに貢献したいと考えています。

おやつ村 儀間 一美 様

 黒糖づくりをしています。現在、チーム久米島という組織をつくり、久米島直売所を定期的に開催しています。参加者は2年で3倍になりました。
 久米島の魅力は「人」です。この人のために、という気持ちでよく動いてくれる久米島の人の気質が、久米島のアピールになればと思っています。

おやつ村 儀間 一美

NPO 久米島 松山 悦子 様

NPO 久米島 松山 悦子

 久米島一帯を花で満たすフラワーリング大作戦と、久米島ファンクラブの2つの活動を行っています。8年前は1人だったファンクラブの会員は、現在250名ほどになりました。
 花やファンクラブを通して、地元の思いを全国に伝えたいと思っています。

大田 治雄 久米島町長

 久米島は元気を取り戻そうと必死で頑張っています。温度差発電や海洋深層水を利用したさまざまな取組、無農薬野菜の栽培など、いろいろな形で雇用を生み、人口を増やして「久米島モデル」の実現に取り組んでいます。教育にも、他の離島に負けないほど注力しています。
 これからも、人材育成を通して島づくりをしていきたいと考えています。

大田 治雄 久米島町長