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首相官邸 カテゴリー:IT戦略本部
 トップ会議等一覧IT戦略本部e-Japan重点計画-2002 印刷用(PDF形式)


II 重点政策5分野

  1. 世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成

    <目標>
    @ 競争及び市場原理の下、2005年までに超高速アクセス(目安として30〜100Mbps1)が可能な世界最高水準のインターネット網の整備を促進することにより、必要とするすべての国民がこれを低廉な料金で利用できるようにする。(少なくとも3000万世帯が高速インターネットアクセス網2に、また1000万世帯が超高速インターネットアクセス網に常時接続可能な環境を整備することを目指す。)
    A インターネット端末やインターネット家電が普及し、それらがインターネットに常時接続されることを想定し、十分なアドレス空間を備え、プライバシーとセキュリティの保護がしやすいIPv6を備えたインターネット網への移行を推進する。
    B 無線アクセス網からのデータがインターネット網(IPv6)に効率よく接続された最先端の高速無線インターネット環境を実現し、シームレスな移動体通信サービスを実現する。高度道路交通システム(ITS)や地理情報システム(GIS)などと連携した高度な移動体通信サービスを普及・促進する。
    C 国内インターネット網の超高速化に併せて、国際的なインターネットアクセスの超高速化を目指す。
    D 家庭におけるIT革命を支える基盤となる放送のデジタル化を推進し、通信と放送の融合や双方向サービスを本格展開する。

    (1)現状と課題

     IT革命を推進し、我が国を世界最先端のIT国家とするため、世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成を目指すこととするが、この世界最高水準とは通信の速度・容量のみで判断されるものではなく、低廉・高速・大容量のインターネットを中心とする多様なネットワーク全体を多様性・安全性・信頼性など総合的に評価した上で、世界の最先端の水準と認められるものでなければならない。
     我が国の高速通信ネットワークは、地域網の開放等の公正競争政策により、例えば、DSLの加入者が211件(2000年3月)から237万件(2002年3月)に増加し、料金月2,500円程度という世界で最も低い水準となるなど、急速にその形成が進みつつある。超高速ネットワークの中核と考えられる光ファイバ網については、世界に先駆けて都市部を中心にいわゆるファイバ・トゥ・ザ・ホーム(FTTH3)サービスの提供が開始され、料金も一部で月5,000円程度と個人にも利用しやすい状況になりつつある。また、CATVインターネット4についても、2002年2月に最大42Mbpsの接続を可能とする国際標準が採択され、超高速ネットワークとしての利用が可能となっている。しかし、加入者網−いわゆるラストワンマイルについては、相互接続の円滑化や設備ベースの競争の促進などにより、その高速化を進めていく必要がある。また、第3世代移動通信が開始されるとともに、無線通信によるホットスポットが今後急激に広がる兆しを見せており、多様な端末で、いつでも、どこでもという新たなネットワークの形態が生まれつつある。さらに、周囲のすべての機器が端末化していく遍在的なネットワークへと進化すると思われる。
     我が国のインターネットの普及については、平成13年12月末で、利用者数が5,593万人、世帯普及率が60.5%と着実に増加の傾向にあり、特にモバイル端末からの利用者が急速に伸びている。インターネット接続サービス事業者(ISP)の数も平成13年度末で6,741事業者(前年比120%)と増加しており、高度情報通信ネットワーク社会の前提となるインターネットの普及は着実に進んでいる。今後は、安定的で十分な伝送容量を備えたネットワークが求められている。
     高速・超高速通信ネットワークの整備に向けては、DSL、CATVインターネットの普及を踏まえ、光ファイバ網の整備の促進や多様な無線通信システムの普及が重要であり、既存のファイバの有効利用を更に進めるとともに、通信事業者による整備の円滑化を図るための施策や整備支援策を講じることにより、加入者網を含めた設備ベースの競争を実現していかなければならない。
     また、さらに安価で利用し易く、多様な需要に応えるサービスの実現のためには、様々な事業者が、関連する各市場で自由かつ公正に競争できる条件整備を図ることが必要である。
     競争政策が進展する一方で、インターネット関連サービスの契約・解除に係る問題等、消費者利益を損なうケースも散見されている。したがって、今後の競争政策を展開する上では、利用者の利便に資するような施策の展開も必要である。
     さらに、インターネットは、技術の多様性を許すという特徴があり、通信インフラに関して次々と新しい技術が登場し、様々な条件下で絶えず最適な技術が選択され、ネットワークが急速に展開してきた。米国と同様、我が国においても情報通信分野における積極的な研究開発投資を行い、革新的な技術開発を進めていくことが必要である。
     安価に大量のデジタル情報を伝送することができ、インターネット通信との親和性が高いデジタル放送については、米国や英国では全世帯の約7割程度がデジタル地上放送を視聴可能な環境が整備されており、我が国においても早急に放送のデジタル化を図るとともに、放送と通信の融合を進める必要がある。

    <世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成に関する主要指標>
      FTTH DSL CATVインターネット ISDN(定額)
    加入数 3.5万件※1

    (2002年4月末)
    269.9万件

    (2002年4月末)
    153.3万件

    (2002年4月末)
    130.4万件

    (2002年3月末)
    加入可能数※2 1,400万世帯 3,500万回線※3 (参考)
    2,300万世帯※4
    4,000万世帯
    料金例
    (月額)※5
    10,080円※6
    (東・西NTTBフレッツファミリータイプ)


    5,200円※7
    (有線ブロードネットワークスHOME100)
    (2002年4月1日)
    5,050円※8
    (東・西NTTフレッツ ADSL)


    2,453円※9
    (Yahoo!BB)
    (2002年 4月1日)
    2,500円※10
    (イッツコミュニケーションズ)
    (2002年4月1日)
    4,750円※11
    (東・西NTTフレッツISDN)
    (2002年4月1日)

    ※1 光ファイバを用いた一般利用者向けインターネット接続サービスの加入数
    ※2 技術的要因等によりサービスの提供が不可能な場合がある。
    ※3 DSLサービスが提供されている東・西NTTの収容局における住宅向け回線数(光化されているものを除く。)の合計
    ※4 CATVインターネットを行っている事業者のケーブルテレビ視聴可能エリアの世帯数(2001年12月末現在)
    ※5 サービスを利用するために必要な料金の合計(通信料金+プロバイダー料金+その他付随する料金)(電話基本料金除く)
    ※6 プロバイダー料金(OCN「Bフレッツ・プラン」)、 屋内配線利用料(200円)及び回線終端装置利用料(900円)含む、 最大10Mbps
    ※7 最大100Mbps なお、専用モデムをレンタルする必要あり。(900円/月)
    ※8 電話重畳あり・モデム売切り、プロバイダー料金含む(OCN「ADSLアクセス・フレッツプラン」)、 下り最大8Mbps/上り最大1Mbps
    ※9 電話重畳あり・モデム売切り、 NTT回線使用料(173円)含む、下り最大8Mbps/上り最大900kbps
    ※10 下り最大8Mbps/上り最大256kbps なお、専用モデムをレンタルする必要あり。(700円/月)
    ※11プロバイダー料金含む(OCN フラットプランGold) 64kbps

    ・加入者系光ファイバ整備率(集線点5整備率)約59% 整備済(2002年3月)
    ・IPv6の割り振り件数 36組織 (2002年5月)

    国際回線伝送容量(国際海底ケーブル網の伝送容量)
    宛 地 回線容量(Gbps) 備    考
    北米向け 552 米国・カナダ
    アジア向け 794 韓国・香港・台湾・シンガポール・中国等
    大洋州向け 501 グアム・ハワイ・豪州
    中近東向け 50 UAE等
    アフリカ向け 50 エジプト等
    欧州向け 51 ロシア・イタリア・英国等
    ※海外で他のケーブルと接続して疎通するものは含まない。(2002年4月現在)

    (2)施策の意義

     世界最高水準の情報通信ネットワークの形成促進にあたっては、民間によるネットワーク整備を原則とし、政府は自由かつ公正な競争の促進、基礎的・基盤的な研究開発等民間の活力が十分に発揮される環境の整備に取り組んでいく。インターネットの定額接続サービスの低廉化・普及など、急速にネットワーク形成が進みつつあるところであるが、その一層の推進を図るため、線路敷設の円滑化、自由かつ公正な競争環境の整備、研究開発の推進等により、高速及び超高速のネットワーク整備を推進する。同時に地方公共団体においても適切な措置が講じられるよう、国は、地方公共団体に対する助言、協力要請等を行うものとする。
     また、これらの高速・超高速ネットワークの形成は、ネットワークの高速・超高速化とアプリケーション(ネットワークの利用)の高度化が相互に刺激して好循環を発生し、これらの動きすべてが加速されていくという観点が重要である。すなわち、ネットワークの利用の増大・多様化が新たなネットワークへの投資意欲を生みだし、新たなネットワークの下で先進的な利用と新たな需要が生まれていくのである。したがって、人材育成の強化や電子商取引等の促進、行政の情報化等の施策と総合的かつ一体的に推進されることが重要である。こうした取組により、高速・超高速インターネット加入率・加入者数の一層の増加とその利用の高度化が期待される。

    (3)これまでの主な成果

     2001年度までに、以下に示すように施策の着実な実施が図られ、世界的にも低料金の高速インターネット常時接続環境が実現し、急速にその普及が進んでいる。

    @ 新たなネットワークインフラ等の形成促進
    ・ 高速・超高速インターネットの全国的な普及に関する2005年度までのスケジュールや官民の役割分担、実際の利用見込み、ブロードバンドの普及により期待される社会生活の変化を整理(総務省)(2001年10月16日「全国ブロードバンド構想」公表)

    ア) 線路敷設の円滑化
    ・ 電柱・管路等を提供する際のルール整備(総務省)(2001年4月1日「公益事業者の電柱・管路等の使用に関するガイドライン」運用開始、2002年4月1日 同ガイドラインを改正、運用開始)
    ・ 公共施設の光ファイバ収容空間整備(国土交通省)(2002年3月末現在、収容空間等約31,000km整備)
    ・ 工事規制の見直し(国土交通省)(2002年3月4日「掘削抑制区間における第一種電気通信事業者による光ファイバーケーブル敷設工事に係る措置について」により周知)

    イ) 集合住宅における高速・超高速インターネットアクセスの円滑化
    ・ IT化工事の実態を踏まえ、区分所有法の解釈を提示(法務省、総務省、国土交通省)(2001年12月27日「既存の分譲マンションのIT化工事に関する区分所有法の考え方」公表)
    ・ 新築集合住宅IT化標準の策定(国土交通省、総務省、経済産業省)(2002年3月15日「インターネットアクセスの円滑化に向けた新築共同住宅情報化標準」公表)

    ウ) 光ファイバ網等の整備支援
    ・ 加入者系光ファイバ網等の民間事業者による整備に対する支援(総務省)(2001年6月1日「電気通信基盤充実臨時措置法改正法」成立、8月13日法施行)

    エ) 電波資源の迅速かつ透明な割当
    ・ 高速無線インターネットアクセス用周波数の拡張(総務省)(2001年5月「26GHz帯における周波数の追加割当て」措置)
    ・ 電波の利用状況の調査、公表等に係る制度の整備(総務省)(2002年4月26日「電波法の一部を改正する法律」成立)
     
    A 既存設備を活用したネットワークインフラ等の形成推進
    ・ 既存光ファイバの活用(総務省)(2001年6月15日「電気通信事業法等の一部を改正する法律」成立、11月30日法施行)

    ア)ダークファイバの開放
    ・ 公益事業者が保有する光ファイバの利用促進(経済産業省、国土交通省)(2001年9月電力会社、鉄道事業者が保有する光ファイバ路線情報公開)
    ・ 道路、河川管理用光ファイバの民間利用の検討(国土交通省)(2001年12月道路、河川管理用光ファイバの民間の利用に当たっての技術上、制度上の諸課題の整理)
    ・ 公益事業者等による未利用光ファイバの波長・帯域ベースでのサービス提供を一層円滑化する観点から、専ら他の電気通信事業者にサービス提供するものである「卸電気通信役務」に係る簡便な申請手続を措置(総務省)(2002年4月30日「電気通信事業法施行規則の一部を改正する省令」施行等)
     
    B いつでもどこでも安心して利用できるネットワークの構築
    ア) 地理的情報格差の是正
    ・ 高速インターネットの地理的格差の是正(総務省)(2001年6月1日「電気通信基盤充実臨時措置法改正法」成立、8月13日法施行)
     
    C 自由かつ公正な競争環境の整備の促進
    ア) 自由かつ公正な競争の促進
    ・ 非対称規制の導入(総務省)(2001年6月15日「電気通信事業法等の一部を改正する法律」成立、11月30日法施行)
    ・ 電気通信事業紛争処理委員会の創設(総務省)(2001年6月15日「電気通信事業法等の一部を改正する法律」成立、11月30日法施行)
    ・ 接続ルールの整備(総務省)(2001年4月6日「接続料規則の一部を改正する省令」施行)
    ・ FTTHサービスの提供に用いられる光ファイバ網のアンバンドル(総務省)(2002年3月27日「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変更」認可)
     
    E 多様なビジネスモデルへの支援
    ア) 通信・放送融合への対応
    ・ CSデジタル放送、CATV等について電気通信事業者回線の利用を可能とする制度の整備(総務省)(2001年6月22日「電気通信役務利用放送法」成立、2002年1月28日施行)
    ・ 通信、放送融合サービス開発促進のための研究開発の支援(総務省)(2001年6月1日「通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律」成立、11月8日法施行)

    (4)具体的施策

    @  新たなネットワークインフラ等の形成推進

    ア) 線路敷設の円滑化

     設備ベースの競争を促すため、線路敷設の円滑化を図る。

    i) 電柱・管路等の開放
    ・ 公益事業者の電柱・管路等使用に関するガイドラインの見直し(総務省)
     電気通信事業を取り巻く環境の変化に対応して、公益事業者の電柱・管路等使用に関するガイドラインの見直しを2002年度中に行う。
    ・ 高速道路の高架橋空間の活用(国土交通省)
     高速道路の高架橋脚空間への光ファイバの敷設の方策について、2002年度中に検討する。

    ii) 収容空間等の整備、開放による敷設支援
    ・ 道路、河川、港湾等の公共施設管理用光ファイバ収容空間等の整備及び開放(国土交通省)
     2002年度中に、道路、河川、港湾等において公共施設管理用光ファイバの整備や電線共同溝の整備等による電線類地中化等にあわせて約32,000kmの収容空間等を整備し、全国ネット化を推進するとともに、これらの開放を順次進める。
    ・ 次世代型電線共同溝(仮称)モデル施工(国土交通省)
     構造の更なるコンパクト化・浅層化に伴い、よりスピーディな整備でコスト縮減が期待される次世代型電線共同溝(仮称)の開発に取り組み、モデル施工を2002年度中に実施する。

    iii) 工事規制の見直し
    ・ 路上工事規制の緩和(国土交通省)
     電気通信事業者が行う光ファイバ敷設工事のうち、年度当初に想定しえず、かつ、緊急性を有すると認められるものについては、概ね四半期ごとに必要な調整を行い、冬季・年度末においても道路交通に著しい影響を与えない範囲で抑制を緩和する。当該措置は2005年度まで試行する。
    ・ 路上工事に伴う道路使用許可手続きの改善(警察庁)
     工事区間及び工事期間について、個別具体的な事例に即しつつ、従来に比べて柔軟な運用を行う方向で、都道府県警察に指導を行うとともに、2002年度中に当該指導について、電気通信事業者等の要望を踏まえ、見直しを検討する。

    iv) 手続の迅速化等
    ・ 道路占用許可申請の電子化(国土交通省)
     直轄国道については、2001年度までに全国で電子申請を可能とした(実施済み)。その他の国道及び都道府県道については、概ね2003年度までに可能となるよう、地方公共団体に要請した(実施済み)。2002年度においては、地方公共団体の標準システム基本仕様を策定し、地方公共団体に公開する。
    ・ 道路占用許可申請手続のワンストップ化(国土交通省)
     道路の二次占用許可申請手続について、電子申請によるワンストップ化の導入を図るため、管轄の異なる直轄国道をまたがる手続については、2002年度中に電子申請システムの改良を行う。また、地方公共団体が管理する道路をまたがる手続については、2003年度までに必要なシステムの検討を行い、2003年度以降地方公共団体に対し、導入について協力を要請する。
    ・ 道路二次占用許可の見直し(国土交通省)
     一次占用者の保有する既存光ファイバの芯線、管路を他の事業者に貸与する場合において、当該芯線の借受け、管路へのケーブルの敷設については二次占用者が新規の占用許可を要しないこととするよう2002年度早期に地方公共団体に要請する。
    ・ 道路使用許可申請の電子化(警察庁)
     道路使用許可については、概ね2003年度までに電子申請が可能となるよう、地方公共団体に要請する。
    ・ 河川占用許可申請の電子化(国土交通省)
     河川占用許可については、大臣管理区間は2003年度までに電子申請を可能とする。都道府県知事管理区間は2003年度までに実施方策の提示等により、オンライン化の推進を要請する。

    v) 情報提供の充実
    ・ 道路台帳の整備促進(国土交通省)
     道路台帳の電子化を推進するため、その基本仕様を2002年度中に策定する。
    ・ 橋梁の新設・架替情報の公開(国土交通省)
     民間事業者による光ファイバの橋梁への添架を容易にするため、直轄国道については2002年度中に、橋梁の新設・架替の情報をホームページで公開する。その他国道及び都道府県道については、情報公開が可能となるよう地方公共団体に要請した(実施済み)。

    イ) 集合住宅における高速・超高速インターネットアクセスの円滑化(国土交通省、総務省、経済産業省)

     2002年度早期に既存集合住宅のIT化標準の作成、改修のための合意形成マニュアル及び技術指針を作成する。

    ウ) 光ファイバ網等の整備支援(総務省)

     電気通信基盤充実臨時措置法に基づき、光ファイバ網、およびCATV等の普及に向け、民間事業者等に対し、超低利融資、税制優遇措置、無利子・低利融資、債務保証の支援策を2002年度も継続的に講ずる。
     また、高速・超高速で接続する地域公共ネットワークの全国的な普及につき、2005年度までの実現を目指し、地方公共団体等への支援を行う。

    エ) 電波の有効利用促進のための再配分ルールの具体化(総務省)

     現在の逼迫する電波状況に適切に対応し、更なる電波の有効利用を図るための最適な周波数配分の実施に向け、今般導入された周波数の利用状況の調査・公表制度を踏まえた我が国における最適な周波数再配分方策について、既存免許人への対応などの具体化を図るため、オークション方式など外国で行われている割当の実施状況の問題点を含め調査した上で、公平性、透明性、迅速性、周波数利用の効率性等の観点から検討を行い、2003年度中に結論を得る。

    オ) 第4世代移動通信等の新たな需要に対応した周波数の割当(総務省)

     第4世代移動通信システム6及び5GHz帯無線アクセスシステム7の周波数を確保するため、2002年度中に周波数割当計画を改正する。

    カ) 通信端末機器等の基準認証に関する自己適合宣言制度の導入(総務省)

     電話機やモデム等の通信端末機器の技術基準適合認定制度及びPHS等の特定無線設備の技術基準適合証明制度については、諸外国との整合性を図る観点から、回収命令、罰則強化などの事後措置の拡充強化を前提とした自己適合宣言制度の導入について、対象分野の特性を踏まえて検討を行い、2002年度中に結論を得る。

    キ) IPv6普及促進(総務省)

     十分なアドレス空間や、セキュリティの確保されたIPv6を普及促進させるため、2002年中に、IPv6への速やかな移行に向けたロードマップを作成する。
     また、電気通信基盤充実臨時措置法に基づき、税制優遇措置、無利子・低利融資の支援策を2002年度から実施するなど、IPv6ネットワークへの速やかな移行のため必要な措置を講ずる。
     

    A 既存設備を活用したネットワークインフラ等の形成推進

     ネットワークの早期構築のため、既存設備の活用を推進する。

    ア) ダークファイバの開放

    i) 国が保有するダークファイバの開放(国土交通省、農林水産省)
     民間事業者が国有の光ファイバを活用することによる、ネットワーク整備のさらなる円滑化を図るため、2002年度から、道路・河川の公共施設管理用光ファイバの民間への開放を実施する。また、国営排水施設に敷設されている光ファイバの情報を2002年度中に公開する。

    ii) 地方公共団体が保有するダークファイバの開放(総務省)
     国が保有するダークファイバの開放を踏まえ、地方公共団体を対象とした、ダークファイバを民間事業者へ提供する際の標準的な手続を2002年度中に策定し、貸与手続や情報提供の共通化を促進する。

    イ) 電力線搬送通信8設備に使用する周波数帯域の拡大(総務省)

     電力線搬送通信設備に使用する周波数帯域の拡大(2MHz〜30MHzを追加)について、放送その他の無線業務への影響について調査を行い、その帯域の利用の可能性について検討し、2002年度中に結論を得る。
     
    B いつでもどこでも安心して利用出来るネットワークの構築

     情報格差を是正するとともに、安全性、信頼性の高いネットワークの構築を推進する。

    ア) 地理的情報格差の是正

    i) ユニバーサルサービス制度の整備(総務省)
     地域通信市場におけるユニバーサルサービス(加入電話、公衆電話及び緊急通報)の提供を確保するため、その提供を行う事業者を指定する制度を設け、当該事業者によるサービス提供に係る経費を電気通信事業者が負担する制度を設ける。このため、2001年6月に成立した改正電気通信事業法のユニバーサルサービスに係る部分を施行するための制度整備を2002年度早期に行う。

    ii) 移動通信用鉄塔施設の整備(総務省)
     過疎地域等において市町村が移動通信用鉄塔施設を整備する場合に国がその設置を支援すること等を通じ、2003年度までに市町村役場及びその支所等が移動通信サービスエリアとしてカバーされている市町村割合を95%以上とする。

    iii) 高速・超高速インターネットの地理的格差の是正(総務省、農林水産省)
     過疎地域等の条件不利地域は、都市地域よりも情報通信基盤の整備が遅れており、次世代ユニバーサルサービスと言われている高速・超高速インターネットの普及を推進する上での課題となっている。民間によるネットワーク整備とその支援を原則としつつ、地方公共団体等の公共ネットワーク、公衆用インターネット端末等の整備を支援し、地域住民のインターネットアクセス環境を向上する。
     加入者系アクセス網について民間事業者の光ファイバ網、DSL等の整備に対して、電気通信基盤充実臨時措置法に基づき都市地域等よりも手厚い金融措置を2002年度も継続的に講ずる。また、地方公共団体等が行う過疎地域等における加入者系光ファイバ網等のネットワーク整備に対して、2002年度も継続的に支援を行う。

    イ) 信頼性向上施設の導入支援(総務省)

    〈後掲(5.高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保)〉
     
    C 自由かつ公正な競争環境の整備の促進

     広く国民が低廉な料金で情報通信を利用することができるようにするため、自由かつ公正な競争環境の整備を図る。

    ア)自由かつ公正な競争の促進

    i) インターネット時代に対応した新たな競争の枠組みの検討(総務省)
     電話の時代からインターネットの時代へとネットワーク構造や市場構造が大きく変化を遂げつつある中、こうした変化に柔軟に対応するとともに電気通信事業者の多様な事業展開を促すため、電気通信事業法における一種・二種の事業区分を廃止する等競争の枠組みについて見直し、2002年度中に結論を得る。

    ii) 競争政策の促進
    ・ 公衆網再販制度の検討(総務省)
     ワンストップ・ビリングやインターネット関連サービスと電話を一体とした様々なサービスの提供が可能となる環境を整備するため、公衆網の再販、すなわち、加入者回線の基本料部分の開放を行う意義は大きいと考えられるが、どの程度のシステム開発費を要するのか等具体的な費用対効果を明らかにするための検討を2002年度中に行う。
    ・ MVNO9の参入を促進するためのガイドライン策定(総務省)
     移動通信分野において、仮想移動通信事業者(MVNO)の参入を促進するために、制度の透明性・予見可能性を高めるガイドラインを2002年中に策定する。
    ・ インターネットに係る業務支援システム(OSS10)の開放(総務省)
     電気通信事業者によるインターネット関連サービスの充実化を図るため、NTT東西の業務支援システム(OSS)の開放について検討し、2002年中に結論を得る。
    ・ 公正競争の促進に関する指針の見直し(公正取引委員会、総務省)
     電気通信事業分野における環境変化に対応するため、「電気通信事業分野における競争の促進に関する指針」の見直しを2002年中に行う。
    ・ NTTの在り方(総務省)
     公正な競争を促進するための施策によっても十分な競争の進展が見られない場合には、通信主権の確保や国際競争の動向も視野に入れ、速やかに電気通信に係る制度、NTTの在り方等の抜本的な見直しを行う。

    iii) 稀少設備等に係る競争事業者間の公平性の確保(総務省)
     円滑な電気通信設備の接続のため、利用申込みの先後のみが優先度として考慮されている通信用建物の利用(いわゆるコロケーション)ルールについて、その見直しを2002年度早期に行う。

    iv) 公正取引委員会の機能強化(公正取引委員会)
     IT分野及びITを利用した事業活動に係る競争を阻害するような独占禁止法違反事件に迅速・的確に対処すべく、2002年度に公正取引委員会の体制強化、機能の充実について、所要の措置を講ずる。

    v) 電気通信事業紛争処理委員会の機能強化(総務省)
     電気通信事業者間の紛争解決に資するためのマニュアルを2002年度早期に公表(実施済み)。また、電気通信事業紛争処理委員会の活動状況について毎年度公表する。2002年度においては、同委員会の紛争処理機能をより高めるため事務局の強化に取り組む。

    vi) IP電話11普及のための番号制度の見直し(総務省)
     IP電話の普及と発展を促すため、IP電話に関して緊急通信等を確保するための研究開発を推進するとともに、2002年度中に一般加入電話からIP電話端末に着信する際に必要となる電話番号について具体的な番号体系を検討し、所要の制度整備を行う。

    イ) 利用者利益の増進

    i) 消費者に対する情報提供等(総務省)

    〈後掲(3.電子商取引等の促進)〉

    ii) サービスの品質に関する評価方法の検討(総務省)
     インターネットサービスに関する利用者の選択の目安としうるため、通信サービスの品質に関する標準化の促進を図るとともに、IP電話の品質については、電気通信事業者が多様な品質でサービスできるよう2002年中に所要の制度整備を行う。

    iii) UIMカード12の普及促進及び端末ポータビリティの実現(総務省)
     多様な端末における個人認証のプラットフォームとなるUIMカードの普及を促進するとともに、2002年度中に、アプリケーションの標準化、番号ポータビリティ、UIMロック等の端末ポータビリティを実現するために必要な課題について検討を行う。

    iv) 国際機関への働きかけによる利用者利益の確保(総務省)
     インターネットを利用する上で必要不可欠であるドメイン名やIPアドレス等をとりまく諸課題の解決に向けて、我が国のインターネット利用者の要望をインターネットの制度整備へ反映させるため、2002年度も引き続き、ICANN等への働きかけを必要の都度実施する。
     

    D 放送のデジタル化(総務省)

     高度情報通信ネットワーク社会においては、多様な情報がネットワークを区別することなく自由に流通することが重要である。デジタル放送はインターネットと極めて親和性が高く、IPv6を備えたインターネットと組み合わせることにより、デジタルコンテンツを放送以外の多様なメディアに流通させることが一層容易になるとともに、豊富なアドレス空間その他のIPv6の高度な機能を活用するなど、放送と通信を融合させた利便性の高いサービスが実現し、すべての国民が容易かつ安全に、多様な情報を入手し、利用することができることとなる。このように家庭におけるIT革命を支える基盤となる放送のデジタル化を推進し、関東、近畿、中京の三大広域圏では2003年までに、その他の地域では2006年までに地上デジタル放送を開始するため、地上放送のデジタル化に伴うアナログ周波数変更対策を講ずるとともに、デジタル放送施設の整備に対して税制・金融上の支援を行う。また、ケーブルテレビについては、2010年までにすべてデジタル化されるよう、税制・金融上の支援を行う。
     

    E 多様なビジネスモデルへの支援

     情報通信に係る各市場階層において、不公正な行為の排除に留意しつつ、垂直・水平の多様で自由なビジネスモデルを構築することができるよう支援する。

    ア) 通信・放送融合への対応(総務省)

     デジタル放送とインターネットを合わせて利用することを可能とするデジタル放送受信端末等を通じて、国民が特別な教育を受けることなく、容易かつ安全に、公共情報を始めとする多様な情報を入手、利用できるようにするサービスなど、先導的な通信・放送融合サービスを世界に先駆けて実現する。
     このため、CSデジタル放送、ケーブルテレビ等について、電気通信事業者回線の利用を可能とする電気通信役務利用放送法を円滑に施行するとともに、通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律に基づき、2002年度中に、通信・放送融合技術を開発する者の共同利用に供するテストベッドを整備する。このテストベッドを活用することにより、通信・放送融合技術の実証実験を推進する。
     また、通信・放送の融合の進展に応じた制度のあり方について、社会的な役割、技術革新の状況、諸外国の動向等幅広い視点から引き続き検討する。

    イ) 各階層の市場をまたがる事業活動についての自由かつ公正な競争の促進

    i) プラットフォームやコンテンツなどの上位階層における今後の新たなビジネスモデルの出現や競争の実態等を踏まえ、「電気通信事業分野における競争の促進に関する指針」の見直しを2002年中に行う。(公正取引委員会、総務省)

    ii) 通信と放送の融合分野における競争政策の観点から、公正かつ自由な競争を阻害する恐れのある行為、伝送路、コンテンツ配信及びコンテンツ制作の各階層をまたがった垂直的な結合、連係等に係る問題等について、独占禁止法上の考え方を明らかにし、競争環境の整備を図るための指針を2002年中に策定・公表する。(公正取引委員会)

    iii) デジタルコンテンツの制作者、権利者、流通事業者のそれぞれが正当な報酬を得ることのできる環境の整備のため、2002年度中に、コンテンツ市場における競争政策のあり方の整理、コンテンツに関するモデル契約書の策定等を行う。(経済産業省)
    〈後掲(3.電子商取引等の促進)〉

    iv) 2004年度までに、著作権に関する情報等のコンテンツに関する情報を相互に交換し、不正利用を防ぎつつ流通するための権利処理システムを開発することにより、放送コンテンツを権利者と利用者との間で安全・確実に取引する市場形成を図る。また、当該システムを利用し、コンテンツの流通等に関する多様なビジネスモデルの試行を行い、民間における権利処理ルール確立の支援を図る。(総務省)
    〈後掲(3.電子商取引等の促進)〉
     

    F ブロードバンド時代に向けた研究開発の推進

     すべての機器が端末化する遍在的なネットワークへの進化を目指す。現在のインターネットの1万倍の処理速度と3万倍の接続規模を有し、利用者を目的の情報に安全かつ的確に導くスーパーインターネットの実現に向けて、情報通信分野について、世界最高水準の技術力を保持し、また、これを維持するため、伝送速度の高速化、インターネット基盤技術の高度化、移動通信技術の高度化、ネットワーク技術の開発・学術研究用ネットワークの整備という観点から戦略的に研究開発を推進していく。研究開発に当たっては、技術の実用的な有効性を検証するためのテストベッド等の整備を推進する。

    ア) 伝送速度の高速化

    i) フォトニックネットワーク技術13の開発推進
    ・ 光多重化技術について、2005年までに光ファイバ1芯あたり1000波の多重化が可能となるようWDM技術14の高度化に取り組む。(総務省)
    ・ 光ノード技術15について、2005年度までに10Tbps16の光ルーター17を実用化するとともに、2006年度までに100Tbpsの電子制御型18ノード装置を実現するために必要となるデバイスの実用化の目途を立てる。(総務省、経済産業省)
    ・ 光ネットワーク技術について、2005年までに電気信号変換することなく光ネットワークを制御・管理する技術を実用化する。(総務省)
    ・ 2005年までにペタビット19級ネットワーク通信の基礎技術を確立し、2010年頃を目途に実用化を図る。(総務省)
    ・ 1兆〜1000兆分の1秒単位での光のON/OFFを実現する技術について、2005年を目途に実現を図り、2010年頃を目途に実用化を図る。(経済産業省)

    ii) 無線による広範囲超高速アクセス技術、超高速インターネット衛星(総務省、文部科学省)
     無線による広範囲の超高速アクセスを可能とする技術を実用化する。無線超高速の固定用国際ネットワークを構築するため、2005年までに超高速インターネット衛星を打ち上げて実証実験を行い、2010年を目途に実用化する。

    iii) CATVインターネットの超高速化技術の実用化(総務省)
     現在30Mbps以上の超高速インターネット接続が行われているCATVインターネットの更なる高速化技術、FTTH化技術等について、2003年度までに要素技術を確定する。

    イ) インターネット基盤技術の高度化

    i) IPv6の普及促進及びブロードバンド時代に向けた技術開発等
    ・ 2003年までにセキュリティ確保、端末即時認識等のIPv6の機能を拡充・活用する技術や、インターネットの対象を情報家電20などパソコン以外の多様な機器に拡大するための技術を開発する等の取組により、2005年までにすべての国民が、場所を問わず、自分の望む情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるIPv6が実装されたインターネット環境を実現する。また、ブロードバンド時代に向けて必要となる端末機器等の通信・放送に係る研究開発、実証実験などを促進する。(総務省)
    ・ 2005年までに、PC等の特別な機器に限らずブロードバンドにアクセスできるようにするため、IPv6やセキュリティ技術を含め情報家電に必要なデバイス、ソフトウェア、システム等の技術開発や標準化を、産業化の促進を前提に支援する。(経済産業省)

    ii) プラットフォーム技術21の研究開発(総務省)
     ブロードバンド時代に向けたネットワークの高度化、高品質化などに資する次世代プラットフォーム技術を2005年度までに実現する。

    ウ) 移動通信技術の高度化

    i) インターネットITS(総務省、経済産業省)
     ITS関連情報を有機的に統合するとともに、最先端の高速無線ネットワーク環境と連携し、ITSにおける高速インターネットを実現する。このため、2005年度までに高速移動する自動車において様々な大容量の情報を無線ネットワークを通じて円滑に提供、享受できるための技術を実用化する。

    ii) モバイル3次元GISの実現(総務省)
     携帯電話等の移動機器を使って3次元GISを利用できるようにするため、2005年度までに、モバイルGISに関する基盤技術の研究開発を行う。

    iii) 第4世代移動通信システムの実現(総務省)
     最先端の高速無線インターネット環境やシームレスな通信サービスが可能な第4世代移動通信システムを実現することにより、世界最先端のモバイルIT環境の実現を図る。世界でトップレベルにある我が国の情報通信分野の技術と産業集積を活かして、世界をリードする技術開発を推進するとともに、国際標準化においても我が国が大きく貢献しつつ、2005年までに必要な要素技術を確立し、2010年までに実現を図る。

    iv) 多種多様な無線通信サービスの実用化(総務省)
     ネットワーク利用の利便性・容易性の向上を図るために、多種多様な無線通信サービスを利用者が意識することなく柔軟に選択して利用でき、そのネットワークに接続された多種多様で、極めて多数の端末を安全で、リアルタイムかつ自律的に制御・協調できるネットワーク技術を2005年までに実用化する。

    v) 次世代ネットワークシステムの実現(総務省)
     1つの端末にとらわれず、いつでもどこでも接続できる、十分な伝送容量を備えたネットワーク環境を目指し、メディアハンドオーバー技術22、フォトニックネットワーク基礎技術、無線セキュリティプラットフォーム技術等を2005年度までに実現する。

    エ) 全国の主要拠点を結んだ超高速ネットワーク技術の開発・実験の実施等

    i) 研究開発用ネットワークの整備推進(総務省)
     IPv6に関連した技術に加えて、超高速ネットワーク技術等の実証実験のため、全国の主要な研究拠点を結んだ研究開発環境の整備を2002年度中に行うとともに、更なる超高速ネットワークの研究開発環境の実現を2005年度までに図る。

    ii) スーパーSINETの構築(文部科学省)
     〈後掲(4.行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進)〉
     

    G 国際インターネット網の整備など世界的に均衡のとれたIT社会の実現

     アジア全体として世界の情報拠点(ハブ)を目指すという長期目標に向けて、我が国がリーダーシップを発揮し、アジアのブロードバンドネットワークの構築を進めるとともに、世界に先駆けたIPv6の普及促進、国際標準に向けた研究活動の強化等を行うことを通して、世界的に均衡のとれたIT社会の実現を図る。

    ア) アジア・ブロードバンド計画(総務省及び関係府省)

     アジア地域におけるブロードバンド環境の整備のため、2002年度中に有識者を交えた議論を通じ、当計画の長期目標・短期目標を明確化した上で、関係府省の協力体制等国内の取組体制を整備するとともに、アジア諸国との協働体制を立ち上げ、各国政府間の連携のあり方、官民の役割分担等について検討を行い、アジア地域における次世代インターネット網構築に向けたアクションプランを策定する。

    イ) アジアにおける高度なIT利用の促進のための研究(総務省)

     多言語環境などのアジアの地域特性に配慮し、大容量の映像コンテンツ等をネットワーク上で安全、容易に取引可能とする技術を開発する国際ネットワーク接続実験を実施し、2004年度までに実用化する。

    ウ) 国際標準に向けた研究活動等の推進(総務省、文部科学省、経済産業省)

     情報通信分野において、IETF23、ICANN24などの民間標準化及び運用団体、国際電気通信連合(ITU)25、ISO26、IEC27等における我が国及びアジア・太平洋地域による標準提案を推進し、2003年度までに10件程度の標準提案を行う。

    エ) 沖縄の国際情報通信ハブ化(内閣府、総務省、経済産業省)

     アジア・太平洋地域の情報通信拠点形成に向けたグローバルなIX28の形成、国内外のコンテンツ・アプリケーションの集積、情報通信関連産業の集積等の施策を多面的かつ重層的に展開し、2005年度までに高度な地域情報通信ネットワークを整備するなど沖縄国際情報特区構想を推進し、2010年度までに沖縄における情報通信ハブ等を実現する。

    オ) IPv6普及促進とそれに向けた国際戦略のあり方(総務省、経済産業省、外務省、文部科学省)

     国際的にIPv6に対応したネットワーク運用、アプリケーションサービス、情報通信機器の普及を促すために、2005年度までにアジアを中心とした各国との共同研究・実証実験等を行うとともに、IPv6の普及を念頭に置いた関係国との協力・提携関係の構築を推進する。

    カ) 政策・制度支援ネットワークの構築(総務省、外務省)

     アジアの発展途上国におけるインターネット網整備に対するノウハウ面での支援の観点から、適切なIT政策の策定・展開に必要な知見を移転するため、ウェブサイトを活用して関連情報の提供及び我が国IT専門家との意見交換を通じた助言等を行う、「政策・制度支援ネットワーク」の運用を2002年度から開始する。
     


1 Mbps:Mega bits per secondの略。bpsはデータ通信における情報の通信速度の単位であり、1秒間に通信することのできるビット(bit)数を表す。Mbpsは10の6乗のbps。

2 アクセス(網):通信事業者の基幹回線ネットワークとユーザを結ぶ回線網。

3 FTTH:fiber to the homeの略。電話局等の加入者収容局から各加入者宅までの回線を光ファイバケーブルにし、超高速のデジタルデータ伝送を可能とする方式。

4 CATVインターネット:ケーブルテレビ網を用いたインターネットサービス。

5 集線点:電話局から敷設した大束のケーブルを加入者宅の近辺で加入者宅への配線に分岐するポイント。

6 第4世代移動通信システム:IMT-2000(第3世代携帯電話)の次の世代の移動通信システム。下りの伝送速度が数十Mbpsまで高速化される。

7 5GHz帯無線アクセスシステム:5GHz帯の周波数を使用し、電気通信事業者による高速インターネットサービスを提供するための無線システムで、ホットスポットや家庭において数Mbps以上のインターネットアクセスが可能。

8 電力線搬送通信:電力線を利用して行う通信。現行制度で使用できる周波数帯は10kHz〜450kHzである。現在、近距離用・家庭内用に数Mbps程度の高速データ通信の技術開発が行われているが、10Mbps以上の高速データ通信を実現するために周波数帯域の拡大が要望されている。

9 MVNO:Mobile Virtual Network Operatorの略。仮想移動通信事業者。移動体通信市場において、周波数の割当を受けずに既存の移動通信事業者の無線ネットワークを活用して多様なサービスを提供する事業者。

10 OSS:Operation Support Systemの略。電気通信業務を円滑に行うために顧客情報や設備情報等をデータベース化したシステムのこと。OSSの開放とは、これを他事業者も利用できるようにすることであり、例えば、DSL事業者が、そのサービス提供の際に、必要な顧客情報を入手するため、NTT東西の顧客データベースにアクセスすることなどが挙げられる。

11 IP電話:ネットワークの一部又は全部においてIP(インターネットプロトコル)技術を利用して提供する音声電話サービス。

12 UIMカード、UIMロック:UIMカードは、次世代携帯電話(3G)に利用されるユーザ情報等をICチップに登録したカード
また、UIMロックは、端末に書き込まれたユーザ情報等をこのカードを用いて書き換えることを不可能とすること。

13 フォトニックネットワーク技術:基幹網やアクセス網だけでなく、ネットワークの端から端まですべてのデータ伝送等を光化して超高速化する技術。

14 WDM技術:wavelength division multiplexing(波長分割多重)技術。1本の光ファイバで波長が異なる複数の光信号を伝送することにより、光ファイバ上の情報伝送量を飛躍的に増大させることが可能となる。

15 光ノード技術:ネットワークの接続点(ノード)における様々な伝送処理において、光信号を電気信号に変換することなく光のままで行う技術。

16 Tbps:Tera bits per secondの略。10の12乗のbps。

17 光ルーター:ネットワークの接続点(ノード)において伝送経路を選択する際に、光信号を電気信号に変換することなく経路を決める装置。

18 電子制御型:光信号を電気信号に変換するもの。

19 ペタビット:Peta bits per second。10の15乗のbps。

20 情報家電:簡単なインターフェイスを利用して、インターネットに直接接続することが可能となる家庭用電気製品のこと。

21 プラットフォーム技術:各種流通コンテンツにおける品質保証、ネットワーク制御等のネットワークの高度化に資する技術。

22 メディアハンドオーバー技術:様々な通信ネットワークを移り変わっても、同一端末でサービスを利用し続けることを可能とする技術

23 IETF:The Internet Engineering Task Forceの略。インターネットに関する様々な技術の標準化を行う民間フォーラム。発行する文書はRFCs(Request for Comments)として知られる。

24 ICANN:The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers の略。IPアドレスやドメイン名の割り当てや、DNS(Domain Name System)の管理など、インターネットに関する基本的な部分を管理するために1998年に設立された国際的な非営利民間組織。所在地は、米国California州Los Angeles。「〜.com、〜.net」ドメインなどを管理する米国のVGRSや、「〜.jp」ドメインを管理する日本のJPNICなどはこのICANNのルールに基づき活動している。

25 国際電気通信連合(ITU):International Telecommunication Union。電気通信に関する国連の専門機関であり、@国際的な周波数の分配、A電気通信の標準化、B開発途上国に対する技術援助等を主要な目的としている。本部はジュネーヴにあり、我が国は1879年に加盟している。

26 ISO: International Organization for Standardizationの略。国際標準化機構。各国の代表的標準化機関から成る国際標準化機関であり、商品とサービスの国際的な交換を容易にし、知識・科学・技術・経済に関する活動において、国際的な交流を助長するため、国際的な規模の標準化とこれに関するさまざまな活動を発展・促進する機関。

27 IEC: International Electrotechnical Commissionの略。国際電気標準会議。各国の代表的標準化機関から成る国際標準化機関であり、電気及び電子技術分野の国際規格の策定を行っている。

28 IX:Internet eXchangeの略。インターネットサービスプロバイダー間の相互接続点。