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首相官邸 カテゴリー:IT戦略本部
 トップ会議等一覧IT戦略本部e-Japan重点計画-2004 印刷用(PDF形式)


W.横断的な課題

1.研究開発の推進

(1)我が国が世界に誇れる強い技術と先端基礎技術の開発
 モバイル、無線インターネット、光、デバイス、情報家電、ITの利活用に資するロボット技術などの研究開発を一層推進することにより、情報通信産業における国際競争力の強化を図る。あわせて、次世代の高速ネットワークを先導する先端基礎技術の研究開発の継続とテストベッド(実証実験)ネットワークの整備、応用技術の研究開発を推進する。
1)第4世代移動通信システム実現のための研究開発(総務省)
<前掲 V.1.世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成(2)1)>
2)超高速無線LANの研究開発(総務省)
<前掲 U.〔2〕 7.研究開発 1)1)>
3)時間的・空間的に周波数の有効利用を可能とする技術の開発(総務省)
 災害時の混雑回避等を図るため、周囲の電波利用状況や利用するアプリケーションの要求条件を的確に判断し、周波数帯域幅、変調方式、多重化方式等を柔軟に選択して、最適な通信環境を確立することのできる無線通信システムについて2011年までに実用化を図る。
4)光技術の開発推進
ア)1Tbit/inch2級の高密度等を実現する光記録技術の開発(経済産業省)
 情報量の急速な増大に対応し、大容量の情報を蓄積するために、2006年度までに、1Tbit/inch2級の高密度と記録・再生の高速性を実現する光記録技術を開発する。

イ)フォトニックネットワーク技術の研究開発(総務省)
 <前掲 U.〔2〕 7.研究開発 1)2)>
5)デバイスの研究開発
ア)無線機器用のデバイスに関する技術開発(文部科学省、経済産業省)
・超小型無線端末実現のための技術開発
 超小型無線端末を実現するため、2006年度までに複数の無線通信端末用LSIを開発するとともに、超小型かつ高密度に実装する技術を開発する。
・高周波デバイスに関する技術開発
 超高速・大容量・多機能の情報処理を担う無線通信技術に資するため、高周波領域で特徴を発揮する窒化物半導体を用いた低消費電力型高周波デバイスの基盤技術を2006年度までに行う。

イ)フォトニックネットワークのキーデバイス技術の研究開発(文部科学省、経済産業省)
 1兆〜1000兆分の1秒単位での光のON/OFFを実現する技術について、2005年を目処に実現を図る。また、全体のスループットが100Tbpsの電子制御型ノード装置やシステムの総合性能を100倍向上させる次世代光源等次世代フォトニックネットワークのキーデバイスを実現する基盤技術を2006年度までに開発する。

ウ)新原理・新技術を用いたデバイス技術の開発(文部科学省、経済産業省)
 情報通信機器の利便性を飛躍的に向上させることが可能な携帯用燃料電池 1及び垂直磁気記録方式や近接場光技術を用いた超大容量記憶装置の開発を2006年度までに行う。また、次世代のブレークスルーをもたらす領域等への先行的投資として、磁気スピン 2を用いた次世代の高機能・超低消費電力メモリ技術、インクジェット法 3による回路基盤製造技術及び超電導技術等の新しい原理・技術を用いた情報通信技術を2006年度までに開発する。

エ)次世代半導体デバイス技術の開発(経済産業省、文部科学省)
<前掲 U.〔2〕 7.研究開発 1)4)>
6)情報家電の研究開発
ア)情報家電のIPv6化に関する総合的な研究開発(総務省)
<前掲 U.〔1−3〕 インフラ (2)1)オ)b)>

イ)情報家電の普及のための実証実験(経済産業省)
<前掲 U.〔1−2〕 3.生活(2)2)ア)b)>
7)ネットワークロボットの実現に向けた情報通信技術の研究開発(総務省)
<前掲 U.〔2〕 7.研究開発 1)5)>
8)インターネットの高速化に関する研究開発
ア)次世代の超高速、高機能な研究開発テストベッドネットワークの整備(総務省)
 次世代の高速ネットワークを先導する先端技術や、超高速インターネット等を活用する応用技術の研究開発・標準化を促進するためには、実践的な環境での実証が、その進展に効果的であるため、全国の研究拠点を結ぶ次世代超高速、高機能な研究開発テストベッドネットワークを2005年度までに整備する。  また、この研究開発テストベッドネットワーク上で促進された研究開発成果等を取り入れ、2007年度までに、ネットワーク関連技術の一層の高度化を図る。

イ)大規模ネットワークにおける高速化・高機能化技術の開発(総務省)
<前掲 U.〔2〕 7.研究開発 1)3)>
(2)「安全、安心、便利、感動」社会の実現の上で重要性の高まる技術の開発
 基盤ソフトウェア、ソフトウェアの高信頼化に関する研究開発や、セキュリティや認証、個人情報保護に関する技術の開発、健康・ストレス等にも配慮したヒューマンインターフェース技術の開発を推進し、「安全、安心、便利、感動」社会の実現に寄与する。
1)ソフトウェアの研究開発
ア)高信頼・高品質なサービス提供のためのグリッドミドルウェア開発(経済産業省)
 2005年度までに、ネットワークで接続された複数のサーバや記憶装置等を統合的に管理し、ビジネス利用に耐えられるような高信頼・高安全なサービスを提供するためのミドルウェアを開発するとともに、本プロジェクトの成果の事業化を推進するため、ユーザと連携した実証実験を実施する。

イ)超高速コンピュータ網の形成に資する基盤ソフトウェアの開発(文部科学省)
<前掲U.〔2〕 7.研究開発 2)@>

ウ)次世代の情報家電等で必要とされる組込みソフトウェア開発手法等の開発(経済産業省)
<前掲 U.〔2〕 7.研究開発 2)A>

エ)産学連携によるソフトウェア開発力の抜本的強化(経済産業省)
<前掲 U.〔2〕 7.研究開発 3)B>

オ)次世代に向けたソフトウェア技術開発力の強化(経済産業省)
 ソフトウェア技術開発力の抜本的強化を図るため、我が国における最先端の取り組みと知見を結集し、民間企業だけでは資金面等からリスクの高いソフトウェア開発を行い、2006年度までに世界市場で通用する革新的なソフトウェアを10本開発する。

カ)オープンソースソフトウェアの開発等の促進(経済産業省)
 ユーザが選択肢としてオープンソースソフトウェアを活用できる環境を整備するため、2006年度までに、オープンソースソフトウェアを活用する上で必要となるソフトウェア及び開発環境の充実等を図る。また、パイロットプロジェクトの実施を通じて、オープンソースソフトウェアを普及・推進する上での課題を解消するための調査・研究を行う。

キ)高信頼ソフトウェア作成等の基盤となるソフトウェアの開発(文部科学省)
 高度情報通信社会の基盤となる生産性・信頼性の高いソフトウェアの作成・評価・支援や、動的に、また自律的に情報の蓄積・検索等を行うソフトウェアの開発を2007年度までに行う。

ク)高精細3次元映像化ソフトウェア技術等の研究開発(文部科学省)
 教育、文化財アーカイブ、放送等での高精度かつリアルタイムの3次元映像等の活用を図るために、撮影制御ソフトウェア技術や画像処理ソフトウェア技術等を、2008年度までに開発する。

2)情報セキュリティに係る研究開発
<前掲 V.5.高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保(3)5)>
3)ヒューマンインターフェースの研究開発
ア)ヒューマンコミュニケーション技術の研究開発(総務省)
 情報通信システムと人間が接するヒューマンインターフェースやコンテンツ基盤技術を人間中心の立場から見直し、新たな技術を確立するとともに、モデルシステムを2005年度までに実現する。また、人間が情報をやり取りする際の特質に関する基礎的な研究開発及び、バリアフリー通信技術、言語処理・伝達技術 4、仮想空間構築技術5 の3つの技術を柱とした基盤技術を2005年度までに実現する。さらに、人間の高次知的機能の脳内メカニズムの解明を通じた人に優しい情報通信インターフェース技術の基礎技術を2005年度までに実現する。

イ)次世代ディスプレイの開発(経済産業省)
 情報と人間との重要なインターフェースとして、大型壁掛けディスプレイ等を可能とする液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイや、薄くて折り曲げ可能なディスプレイを実現する有機EL6 等に関して、高機能・低消費電力化等を実現するために必要な技術の開発を2006年度までに行う。

(3)新しいサービスや価値をいつでも享受できる環境を整備するための応用技術の開発
 電子タグに関する研究開発及びガイドラインの策定、デジタル放送の高度化の研究開発等を推進し、新しいサービスや価値をいつでも享受できる環境の整備に寄与する。
1)電子タグに関する研究開発(総務省、経済産業省)
・電子タグの高度利活用技術に関する研究開発
 ユビキタスネットワーク時代に対応可能な電子タグについて、電子タグとネットワークとの融合技術等ネットワークの高度化技術やその応用技術の研究開発等を行い、電子タグの高度利活用に必要な技術を2007 年度までに確立する。

・電子タグの価格低減のための技術開発
 2005年度までに電子タグの製造技術に関する技術開発を行い、国際標準に準拠した電子タグを低コストで製造する技術を確立する。

・電子タグの産業界への導入を目指した実証実験の推進
 2005年度以降のUHF帯電子タグの産業界における実利用を実現するため、2004年度において、電子タグを活用した実証実験を実施することにより、業界単位で、具体的な電子タグの活用方策を特定し、企業間取引で電子タグを活用する体制を整備する。

2)安全な電子タグ利用のためのガイドラインの策定(総務省、経済産業省および関係府省)
 総務省、経済産業省および関係府省が共同で、電子タグの利用時のプライバシー保護のためのガイドラインを2004年中に策定する。
3)放送のデジタル化に対応した研究開発(総務省)
<前掲 V.1.世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成(3)1)>
4)ユビキタスネットワークサービスの実用化に向けた研究開発(総務省)
<前掲 U.〔2〕 7.研究開発 3)1)>


1携帯用燃料電池:携帯電話やノートパソコン等の携帯情報機器に用いる携帯用電源。

2磁気スピン:電子の性質の一つで、磁力の元になるもの。

3インクジェット法:金属インク等を小さい孔の空いたノズルから吐出し、直接描画する方法。

4言語処理・伝達技術:言語による人間の情報伝達や意味理解の機構を解明し、誰もが使い易いヒューマンインターフェース実現のための基盤技術。

5仮想空間構築技術:高精細で臨場感ある三次元映像や立体音響により、遠隔地においても同一の疑似環境の共有を図る技術。

6有機EL:有機Electroluminescence。電圧をかけることにより発光する有機化合物を利用したディスプレイデバイス。バックライトが不要なため低消費電力化と薄型化が可能。