２０２５年１１月１０日（月）、内閣官房健康・医療戦略室は「グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ （Triple I for GH）」の事務局として、設立後2年間の活動成果やパートナーの好事例を共有するイベント「グローバルヘルス×インパクト投資：Triple Iが繋ぐ連携の実践と未来」を開催しました。同イベントには、国際機関、民間企業、投資家、ベンチャーキャピタル、NGO、関係省庁及び政府系機関等から120名以上 （対面/オンライン）が参加し、Triple I への今後の期待や、新たな連携の可能性について活発な議論が行われました。
冒頭では、若山慎司内閣府大臣政務官より、発足当初37であったパートナー機関が117を超える等、これまでの歩みに対する関係者への感謝が述べられるとともに、グローバルヘルスを含む複雑化する地球規模課題に対し、官民・国際機関が連携してインパクト投資を促進する重要性が強調されました。
続いて、渋澤健Triple I共同議長からは、Triple Iの３つの柱を中心とした2年間の活動成果として、世界各地におけるイベントの開催や、「インパクト測定・管理（IMM）に関する実務者ガイド」・「IMM提言」の公開などが紹介されました。また、今後はより多様な国・地域と連携し、民間資金の流入を一層加速させていく方針が示されました。
前半のパネルディスカッション「協働が生むインパクト: Triple Iパートナー事例から見える実践と学び」では、金融、製薬、スタートアップ、国際機関など多様なセクターの立場から、Triple Iを通じた連携事例と今後目指すべき姿が共有されました。特に、Triple Iが単なる資金支援の枠組みではなく、異なるセクターが協働で社会課題に取り組むための連携の場であることが改めて確認されました。
また、同パネルディスカッションに対する会場からのコメントとして、国光あやの衆議院議員・外務副大臣からは、Triple Iの取組が日本発の官民連携モデルとして着実に広がりを見せていることへの評価が述べられました。また、友納理緒環境大臣政務官・内閣府大臣政務官からは、政府全体としてグローバルヘルス戦略を推進する重要性と、Triple Iが多様な主体を結ぶネットワークとして果たす役割への期待が示されました。
イベント後半では、「Triple I プラットフォームを通じた更なるインパクト投資促進に向けた期待」と題したパネルディスカッションにおいて、産官学・国際機関など多様な立場から議論が交わされました。特に、Triple Iがプラットフォームとしてセクターを越えた信頼関係と共通目標を醸成する「ハブ」として機能し得る可能性が示されました。
閉会挨拶では、内閣官房の鈴木秀生国際保健担当大使より、インパクト投資が経済安全保障や成長戦略の観点からも重要な役割を果たすことが強調されました。あわせて、今後もTriple Iの事務局として多様なパートナーと連携し、健康・医療分野での新たな挑戦を進めていく決意が示されました。
