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内閣官房長官談話

平成八年三月二十九日


楚辺通信所の一部土地の使用について

 賃貸借契約に基づき使用している楚辺通信所の土地のうち今月三十一日限りで契約が終了するものについて、本日、那覇防衛施設局長は,沖縄県収用委員会に緊急使用の申立を行いましたが、その許可を今月三十一日までに得ることは無理な状況に至ったと認識しております。楚辺通信所に係る土地(約五十万平方メートル)の土地所有者約四百四十人のうち一人の土地(約二百三十六平方メートル)について、この様な状況になったことは誠に残念であります。
 しかしながら、楚辺通信所は、我が国及び極東の平和と安全のため、日米安保条約及び地位協定に基づいて、その使用が認められている施設及び区域であって、我が国はこの土地を引き続き駐留米軍に提供する義務を負っております。
 当該土地については、(1)過去二十年間にわたり土地所有者との間で賃貸借契約に基づき適法に使用してきたものであり、(2)当該土地を引き続き米軍に使用提供することは、日米安保条約及び地位協定上の義務であるのみならず、我が国及び極東の平和と安全のため必要であると考えられ、(3)目下、駐留軍用地特借法に基づき、土地使用の権原を得るための所定手続をとり、引き続き適法に使用し続けるための努力を行っており、(4)土地所有者に対して、借料相当の金員の提供をして、土地所有者に損害を生じさせない措置を講ずることとしております。このような事情を踏まえて考えると、この土地が土地所有者に返還されない状態について、「直ちに違法である」ということには当たらないのではないかと考えております。
 本日、沖縄県収用委員会に対して、駐留軍用地特借法に基づいて、緊急使用の申立を行いましたが、その法律の趣旨に則り、円滑かつ速やかな許可がなされるよう心から期待しております。
 昨日、日米合同委員会において、航空機騒音防止協定をはじめとして前進が図られましたが、政府としては、今後とも、沖縄県における施設及び区域の整理・統合・縮小や県民の日常生活に関わる諸問題について、沖縄県民のお気持ちに配慮しつつ、その解決に向けて全力を挙げてまいる所存であり、国民とりわけ沖縄県民の方々の御理解を得たいと考えております。

以上