第2回 ユニバーサルデザイン2020評価会議 議事録 日時:平成31年3月19日(火)10:00 - 11:30 場所:中央合同庁舎第4号館 共用408会議室 出席者: 【議長】 平田 竹男   内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会 推進本部事務局長 【構成員】 阿部 一彦   社会福祉法人日本身体障害者団体連合会会長 久松 三二    一般財団法人全日本ろうあ連盟事務局長 伊藤 和男   社会福祉法人日本盲人会連合副会長 久保 厚子   全国手をつなぐ育成会連合会会長 小幡 恭弘   公益社団法人全国精神保健福祉会連合会事務局長 市川 宏伸 一般社団法人日本発達障害ネットワーク理事長 長井 浩康   社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会事務局長 佐藤 聡  特定非営利活動法人DPI日本会議事務局長 大日方 邦子  一般社団法人日本パラリンピアンズ協会副会長 大濱 眞    公益社団法人全国脊髄損傷者連合会代表理事 斉藤 幸枝   一般社団法人日本難病・疾病団体協議会理事 朴 善子    公益財団法人日本補助犬協会代表理事 松本 江理   特定非営利活動法人日本補助犬情報センター理事 秋山 哲男   中央大学研究開発機構教授 髙橋 儀平   東洋大学ライフデザイン学部教授 中野 泰志   慶應義塾大学経済学部教授 星  祐子   独立行政法人国立特別支援教育総合研究所         インクルーシブ教育システム推進センター長 山崎 まゆみ  VISIT JAPAN大使 【オブザーバー】 内閣府政策統括官(防災担当) 警察庁交通局交通規制課 総務省情報流通行政局情報通信政策課 法務省人権擁護局人権啓発課 スポーツ庁オリンピック・パラリンピック課 厚生労働省政策統括官付労働政策担当参事官室 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課 農林水産省農村振興局都市農村交流課 経済産業省商務・サービスグループクールジャパン政策課 国土交通省総合政策局安心生活政策課 議事: 【内閣官房 髙橋統括官】  皆様、おはようございます。  お忙しい中、ありがとうございます。定刻より若干早いですが、皆様、お集まりですので、ただいまより、第2回「ユニバーサルデザイン2020評価会議」を開催いたします。  本日の会議は、報道関係の皆様に最後まで公開をさせて頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、開会に当たりまして、議長を務めます東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局長の平田より御挨拶を申し上げます。 【平田議長】  おはようございます。  本日は、御多忙の中「ユニバーサルデザイン2020評価会議」に御出席頂きまして、ありがとうございます。昨年末の第1回評価会議で皆様から寄せられました御意見を踏まえまして、内閣官房においてユニバーサルデザイン施策の改善について検討いたしました。  3つ申し上げます。  例えば、多くの方から御意見を頂きましたユニバーサルデザインタクシーの改善については、メーカーにおける車体改良や実際の車を用いた研修の実施により、乗車時間を短縮することといたしました。  また、ホテルの一般客室のバリアフリー化について、当初の東京都条例案における浴室のドア幅70センチメートルの義務化に加えまして、75センチメートルを努力義務とし、容積率緩和や補助金により誘導されると伺っております。  加えまして、障害者割引の適用時に障害者手帳の提示を求める国の規定を削除することにより、利用者利便の改善を図ったところでございます。  このほか、ユニバーサルデザイン施策の骨太な改善点について御説明させて頂きます。これについて皆様の積極的な御議論を頂ければ幸いでございます。  オリンピック・パラリンピックまで500日を切りまして、全ての項目での準備を加速しております。このユニバーサルデザインの準備も最も大事な準備の1つでございます。こういう行動計画の実行を加速して、よりよいレガシーをつくる、こういう共生社会の実現につなげていきたいと思っております。   本日はよろしくお願いいたします。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  それでは、早速、議事に入らせて頂きます。  本日、改めまして、事務局より簡潔に主要点を御説明させて頂きたいと思います。  皆様のお手元にA4の縦紙で、右肩に「資料1」と書いてございます「ユニバーサルデザイン2020行動計画の施策の改善状況(主要項目)について」という資料がございますので、これを御覧になりながら、よろしくお願いいたします。  では、事務局から。 【内閣官房 岩川参事官】  では、説明させて頂きます。  資料1の主要項目について御覧頂ければと思います。本資料につきましては、本日の主要項目といたしまして、ホテルのバリアフリー化、ユニバーサルデザインタクシー、障害者割引の利用者利便、最新技術を活用した情報提供、心のバリアフリー研修、障害者雇用の6項目の柱で構成されております。  まず第1点目「ホテルのバリアフリー化の推進」といたしましては、新築のホテルについて、本年9月から、客室総数1%のバリアフリー客室の整備を義務化することとしております。また、東京都においては、バリアフリー条例の改正案を提出し、バリアフリー客室とは別に、一般客室について、浴室・トイレのドア幅70センチメートル、段差解消等の一定水準のバリアフリー化を義務化することとしております。さらに、浴室・トイレのドア幅75センチメートルを誘導基準として努力義務化し、容積率緩和や補助金で誘導することとしております。  さらに、既存のホテルのバリアフリー改修を促進するため、本年3月に建築設計標準を改定するとともに、補助金を活用して一般客室のバリアフリー化を促進いたします。  加えまして、バリアフリー情報の提供について、昨年11月に宿泊業界に積極的な対応を要請するとともに、今後、補助金の交付に当たっても情報提供を改めて要請いたします。  2点目「ユニバーサルデザインタクシーの改善」のため、車体改良として、ユニバーサルデザインタクシーの多くを占めるジャパンタクシーにおいて、車椅子乗車時の目安となる操作時間を約3~4分に短縮するため、本年2月から既に販売した車両の対応を順次行い、3月に改良後の車両の販売を開始することとしております。また、ユニバーサルデザインタクシーに乗車可能な車椅子の範囲を明示し、改めて周知・徹底いたします。  2ページ目を御覧ください。  接遇改善としては、乗車拒否に関する法令遵守、車椅子乗降に関する研修の実施について、昨年11月、タクシー業界に要請したところですが、新たに車体補助を実施する際に実際の車を用いた研修を義務化します。また、接遇が優良な運転者に対する表彰を実施して参ります。  利用環境整備といたしましては、ユニバーサルデザインタクシーの需要が高い病院、駅等におけるタクシー乗り場の管理者に専用乗り場の設置を呼びかけるとともに、これらの乗り場に常設スロープの設置を推進し、迅速な乗降を実現して参ります。加えて、ユニバーサルデザインタクシーや福祉車両の共同配車を推進し、利用者の配車サービスの利用を促進して参ります。また、タクシー業界では歩合制賃金が多く採用されておりますが、障害者割引の原資は事業者が負担することが望ましいことについてタクシー業界に働きかけて参ります。  3点目「障害者割引の利用者利便の改善」として、公共交通機関の障害者割引の適用時に、障害者手帳以外の方法による本人確認も可能なことを明確にするため、国の通知等の改正を本年1月から順次実施したところです。また、既に航空では一部実現しておりますが、鉄道における障害者割引手続について、障害者手帳の提示以外の電子的な方法等による本人確認・購入を可能とする方策を検討して参ります。  さらに、昨年10月から、航空旅客運賃の障害者割引の対象者を精神障害者まで拡大しました。あわせて、他分野の公共交通事業者に対して割引制度を導入するよう要請したところです。  3ページ目を御覧ください。  4点目「最新技術を活用した情報提供の強化」として、公共空間のバリアフリー情報をオープンデータ化するとともに、来年度において、民間事業者等と連携して、スマートフォンのアプリなどと連携した実証実験を実施して参ります。また、インターネットによる公共交通のバリアフリー経路案内について、本年4月から、多言語、スマートフォン、読み上げに対応するとともに、段差・すき間の検討結果も踏まえて、鉄道駅の単独乗降情報をマップ化して発信して参ります。  5点目「心のバリアフリー研修の拡大・向上」として、これまで業界単位の取り組みに加えて、来年度から、障害者団体、国、経済界協議会が連携して、全国各地において心のバリアフリー研修を実施して参ります。また、これまで国家公務員を対象とした心のバリアフリー研修を地方公務員に拡大できるよう検討しているところです。  最後に、障害者雇用の推進として、昨年に取りまとめた公務部門における障害者雇用に関する基本方針に基づき、再発防止はもとより、法定雇用率の速やかな達成、障害のある方の活躍の場の拡大に向けて取り組んで参ります。また、民間企業における法定雇用率の達成に向けて引き続き取り組んで参ります。さらに、障害者の雇用を一層促進するため、障害者雇用促進法の改正案を国会に提出予定です。  これに加えまして、資料2は行動計画のフォローアップをまとめたものとして添付させて頂いておりますが、本日は時間の関係で説明を省略いたします。  説明は以上となります。行動計画の実行を加速していくために構成員の皆様の貴重な御意見を頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  それでは、早速、意見交換に移りたいと思います。今日、皆様から頂戴した会議時間は11時半まででございます。時間に大変限りがある中でございます。本日は20名弱の皆様から御発言を頂戴したいと思いますので、大変恐縮ですが、お1人様2分ないし3分程度で御発言頂けたらと思います。よろしくお願いします。  まず、日本身体障害者団体連合会、阿部会長が所用により途中で御退出されますので、まず阿部会長から、その後、私から順にお名前をお呼びさせて頂きますので、団体の皆様から、その後、有識者の先生方からと、こんな順番で御発言頂きたいと思います。  では、阿部会長、よろしくお願いいたします。 【日本身体障害者団体連合会 阿部会長】  ありがとうございます。  日本身体障害者団体連合会会長の阿部と申します。よろしくお願いします。  まずは、ユニバーサルデザイン2020行動計画につきましてこの評価会議があって、今日6つの主要項目について説明頂いたことはみんな大事なことだと思います。先ほど平田事務局長からもありましたけれども、よりよいレガシーにつなげるということは重要です。私たち障害者団体も一緒にこのレガシーを膨らませていくことに取り組みたいということと、このような評価を行うということ自体をレガシーとして残して頂くことが大事だと思います。  2020で、2020年、来年ですけれども、それ以降に評価会議が続いていくということ、それ自体がレガシーとなるようにして頂きたいということです。  それから、今日の主要項目6つとも全て大事なことでありますけれども、例えば「4.最新技術を活用した情報提供の強化」と「5.心のバリアフリー研修の拡大・向上」は、提供して頂いた情報を、受け取る側、障害がある私たちの方もしっかり受け取る方策について浸透させていく必要があると思います。スマホを持っているけれども、まだ使い方が分からないという方もいらっしゃいますので、その活用等をそういう方に伝えることに私たち障害当事者団体自身も取り組みたいと思いますし、なお一層、その辺のところをお願いいたします。  5番では、研修における当事者の役割が大事だと思います。この取り組みは東京中心と思われがちだけれども、地域で行っていくときにも当事者団体が大きくかかわることが必要だと思います。先ほどの繰り返しになりますけれども、このような評価のお話を申し上げましたのは、全ての府省庁が集まる評価の大切さというのをもう一度繰り返したいと思います。各省庁でも評価会議をつくって頂くとありがたいと思います。  私たちは生活の部面で色々な活動をしております。そのようなことでございますので、全ての省庁がかかわる評価会議の重要性をもう一度指摘させて頂いて、私の発言を終わらせて頂きたいと思います。よろしくお願いします。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  全日本ろうあ連盟、久松事務局長、よろしくお願いいたします。 【全日本ろうあ連盟 久松事務局長】  おはようございます。全日本ろうあ連盟の久松です。発言の機会を頂きましてありがとうございます。  本日は幾つか申し上げたいことがございます。  まず1つは、ホテルのバリアフリーについてです。現在総務省が、テレビの字幕100%を目標にして努力をして頂いていることは非常にありがたいことだと思っております。問題は、ホテルのテレビのリモコンに字幕のボタンが無いと字幕が出せないということです。ホテルのほとんどのテレビには字幕ボタンつきのリモコンが整備されております。ただ、中には、字幕を表示できるリモコンがまだ整備されていないホテルもあります。せっかく字幕がつくテレビが置いてあるのに、リモコンに字幕ボタンが無いために視聴することができません。  今、来日する外国人も増えております。会議のホテルで聞き取れなくても英語字幕があると、理解できます。同じ様に日本語の字幕がつくことで助かると思います。ホテルにおける字幕を視聴するためのリモコン配備100%ということを、ぜひとも実現して頂ければと思っています。そのような働きかけを改めてお願いします。  次に、ユニバーサルデザインタクシーについてです。鳥取県のUDタクシーを視察した際に、タクシーに聞こえない人のための筆談マークがついておりました。また、手話マークもありました。手話ができるタクシー運転手さんはマーク表示をしています。東京のあたりでもそのようなUDタクシーに手話マーク及び筆談マークを表示して頂ければありがたく思います。  東京都の場合は、都バスの中では「筆談ができます」という表示とともにボードを用意しています。UDタクシーでも筆談マーク・手話マークを表示して頂ければと思います。  続きまして、「4.最新技術を活用した情報提供の強化」について。私達ろうあ者も、情報を提供して頂けること、この項目に取り上げて頂いたことをありがたく思います。情報を発信するのみではなく、受け手、さらにアクセシビリティの環境整備という方向でもきちんと変えて頂ければと思います。情報提供するだけではなく、情報を受信する立場のアクセスのしやすさ、そういう整備も考え、さらに情報のアクセシビリティが容易くできる環境を東京からも発信して頂いて国の方でもつくって頂きたく、また、施策をとって頂きたいと思います。  以上です。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。日本盲人会連合、伊藤副会長、よろしくお願いいたします。 【日本盲人会連合 伊藤副会長】  伊藤でございます。  今回のこの資料を見させて頂いて大変ありがたく思っています。私としては特に心のバリアフリーが。これまではどちらかというと子供に対する教育というのがどうしても先に立っていたわけですけれども、今回は、企業の皆さん、あるいは公務員の皆さんに広げられる方向が出てきたということは大変いいことだと思っています。子供たちは学習で色々なことを習うとそれなりに実践をするわけですけれども、家庭に帰って、家庭でそういう雰囲気がないとどうしても元に戻ってしまうということがこれまではあったと思います。そういう意味で、今回、大変いい方法が取り上げられたと思っています。  それから、ちょっと細かいことになりますけれども、最新技術、特にICTの発展でハードの面はどんどん進んでいくわけですが、障害者がそれを利用するためにはさらなる工夫が必要なわけです。ハードのほうの技術革新が先行しますと、障害者はそれに追いついていけないという状況が出てきますので、この辺については今後十分検討願いたいと思っています。  それから、字幕についてはきちんと書かれているわけですけれども、私ども視覚障害者の場合、ラジオも聞きますが、意外とテレビの視聴者が非常に多い。そのときに字幕の状況が伝えられない。特に災害時のテロップなどが全く分からないといったことがございます。  それから、ニュースなどでも、外国語をきちんと理解できる人はなかなか少ないので、そういうものについても同時通訳のような形で入れて頂くようなことを今後検討頂きたいと思います。  3点目は、細かいことの質問になるかと思いますが、今後、大学の教職課程の中で、特別支援教育のことが一般の教員を目指す人たちにも単位として入れられるということがここに書かれています。この点について、できましたらもう少し説明頂けるとありがたいと思います。いわゆる介護等体験と呼んでいますけれども、以前、小・中学校の教員を目指す学生には特別支援学校と同時に福祉機関での研修が義務づけられましたが、これが本当に生きているのかどうかということを常に感じています。そうした意味でも、この単位について、障害者その他様々な人たちのことを本当に知り得るような授業内容にならないとあまり意味がないのかなと思いますので、この辺のところがもしお分かりでありましたら、教えて頂きたいと思います。  いずれにしても、大変いい検討をして頂きました。ありがとうございます。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  全国手をつなぐ育成会連合会、久保会長、よろしくお願いいたします。 【全国手をつなぐ育成会連合会 久保会長】  ありがとうございます。  まず、幾つかお願いがあるのです。ホテルも含めて、こういう照明ではなく、間接照明といいますか、そういうふうにして頂くと。この照明がすごく気になる方もたくさんおられますので、間接照明にして頂きますと、落ちついて色々なことができるということがあります。  それから、レストラン等色々なところにパーティションを準備して頂いて、少し区切って頂くと食事ができたりというようなこと、ちょっとしたことでございますので、ぜひそういうことも含めて御検討頂けたらと思っています。  それから、全てのことにおいて、知的障害でございますので、分かりやすい表示をお願いしたいと思っております。  それから「5.心のバリアフリー研修の拡大・向上」です。これは日身連さんと一緒になりながら、私どもの全国の組織を使ってぜひ推進していきたいと思っております。私どもも、知的とか発達障害の方の疑似体験による理解促進というのもございますので、そういうものも使いながら、そして、本人たちも今まで内閣府の方にも協力させて頂いてきましたけれども、全国にそういう人たちがまだたくさんおりますので、全国でそういうことが進められて、私たちにとって心のバリアフリーというのが一番大事になって参りますので、それを推進・拡大していって頂くことにぜひ協力をさせて頂きたいと思っております。全体的に本当によく検討して頂いてありがとうございました。  以上です。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  全国精神保健福祉会連合会、小幡事務局長、よろしくお願いします。 【全国精神保健福祉会連合会 小幡事務局長】  精神の家族会です。よろしくお願いいたします。  とりわけ改善状況3番の障害者割引の件につきましては、精神障害者に対する公共交通機関割引の拡大を進めて頂いておりまして、ありがとうございます。鉄道でいいますと、大手私鉄では西鉄さんが実施しております。これは、私たち家族会と一緒になって利用対象者にアンケートをとり、もともと割引に関わる原資を事業者が負う課題について、回答では割引を実施すると、逆に今まで使っていなかった方が利用をするということが見えてきたので実施をしたということがあります。そういった事例なども参考にしながら、各事業者さんにも、さらに具体例を学びながら検討して頂きたいと思っているところです。  心のバリアフリーの教育・研修につきましては、とりわけ精神障害者は社会的なスティグマがまだまだ大きい中で、そもそもの差別・偏見という部分を乗り越えてから色々な問題が見えてくるということがあります。この研修についてはぜひ地方にも広めていって頂きたいと思っています。また、総務省さんなどが進めているIoTの活用についても、精神、知的、発達のところは、情報蓄積において、アプリだとか、そういう活用の方法とは違ったアプローチが必要になってくるかと思いますので、運用の方法については、既存の取り組みだけではなく層になるような取り組みが展開できるようにして頂きたいと思います。  最後に、障害者雇用の推進についてです。これは、実際に今、地方局での試験を含めて実施され、いよいよ合格発表というところに来ております。地方自治体も、精神と知的は都道府県の採用も今までなかなか例がないということがありましたので、国の取り組みが実績となって先例となるような導き方をして頂きたい。そのためには、今回、実施された1次、2次試験の類型事例をよく分析して頂きまして、事実確認というよりは、当事者の方たちが何を感じ、困ったのか、色々な部分をブラッシュアップして、様々なマニュアル等に反映して頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  日本発達障害ネットワーク、市川理事長、お願いいたします。 【日本発達障害ネットワーク 市川理事長】  日本発達障害ネットワークの市川でございます。  今、改善状況ということでお伺いして、ホテルの問題、あるいはタクシーの問題、具体的に進んでいてうらやましいなと思うところがございます。先ほど知的の久保会長、あるいは精神の方からもお話がありましたけれども、私ども、発達障害の、外見的に分からない、みずから自分の苦しさを訴えない、一方で、数が多く、個別性が高いということがございまして、行政の方には、何をしたらいいのか言ってくださいと怒られてしまうのですけれども、一言で言えないような特徴もございます。先ほどもありましたけれども、具体的に感覚過敏の問題などは、恐らくこの蛍光灯の明るさでもまぶしさでサングラスをかけなければいけない方もいるぐらいだと思います。ですから、そのあたりのところを御配慮頂ければありがたいと思います。  また、具体的なことについては、精神障害者の割引の拡大ということで広げて頂いて、すごくありがたく思います。また、最新技術を活用した情報提供強化について、全員ではありませんが、発達障害の場合ですとやけにITだけ詳しいなというのがいますので、こういう情報を提供して頂ければと思います。やはり一番期待しているのは、5番目の心のバリアフリー研修でございます。まだまだ理解して頂けていないと感じることが非常に多いので、私どももぜひ全面的に協力して、こういう研修を実のあるものにして頂きたいと思いますし、我々もそれに協力していきたいと思います。よろしくお願いします。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  全国重症心身障害児(者)を守る会、長井事務局長、よろしくお願いいたします。 【全国重症心身障害児(者)を守る会 長井事務局長】  全国重症心身障害児(者)を守る会でございます。よろしくお願いいたします。  2点申し上げたいと思っております。  1点目は国交省の関係になります。バリアフリー円滑化の検討会で色々な意見が出されたと承知しております。その中で、例えばエレベーターの箱の大きさでありますとか、バリアフリールートの複雑化の解消でありますとか、私どもとしては非常に気になるところでございます。整備目標を達成するというのは大変大切なことだと思いますけれども、障害者にとって利便性の満足度の評価、こういうものの評価の仕組みがあったらよいのではないかと思っているところでございます。  2点目は心のバリアフリーの関係でございます。とりわけ子供への教育の取り組みというのは進みつつございますので、障害理解の取り組みについて御紹介させて頂きたいと思っております。本日お配り頂いた好事例集、参考資料2というのがございます。それの3ページ目の一つ目に記載をお願いしたものでございます。都内の自治体で企画予定のものでございます。具体的には練馬区の取り組みでございます。事業等の内容は、小・中学校の児童・生徒を対象として、行政の福祉担当と教育担当と障害者団体の連携によりまして授業を実施するというものでございます。  当会は、6つある障害者団体の1つとして重症心身障害児(者)の障害理解について担当いたします。  内容として、講義、体験、障害者との交流を通して障害者への理解を深めるために、各学校は障害種別ごとに団体と授業内容の打ち合わせをいたします。また、行政職員の方からも障害者差別解消法について説明をするという仕組みになっております。このことによりまして、子供のころから、障害のある方々との触れ合いによる体験、交流等が障害理解を深めます。  特に重症児者の場合は、重症児者本人が同行することによりまして、触れ合って頂くこととか、そこに参加させて頂くために特殊型の車椅子に乗って参りますので、その車椅子を見て頂いたり、装具を説明したり、あるいは、それを通じて重症心身障害の特性や医療的ケアの説明をいたします。  また、重症児の場合には本人が同行できないという場合もありますので、そういう場合は持参できる装具や医療的ケアに要する、例えば、たんの吸引の機械等を持参して説明をいたします。  この授業を申し込む方法ですけれども、授業内容を行政の主管課から校長会の皆様に説明させて頂いて、各小学校、中学校に周知をいたします。それで希望する学校は、障害者団体と日程・授業内容等を事前に打ち合わせて授業を実施するという流れです。  各学校が積極的に障害者団体に声がけをして実施するところに意義があると思います。2020年以降もこういうことを進めていって頂いて、障害者への理解が進むことを期待しております。  以上でございます。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  DPI日本会議、佐藤事務局長、よろしくお願いいたします。 【DPI日本会議 佐藤事務局長】  ありがとうございます。佐藤です。  まずは、このユニバーサルデザイン2020行動計画に基づいて素晴らしい取り組みをして頂いて感謝申し上げます。  5点発言させて頂きます。  まず1つ目のホテルのバリアフリー化。昨日、東京都の条例の委員会での審議がありましたので、傍聴してきました。ここですごく印象的だったのですけれども、議員さんが担当者に、なぜお風呂の入口の幅を70センチにしたのですかと聞かれたのです。担当者は、車椅子のカタログを見て、そして車椅子メーカーの人に聞いて、多くは70センチ以内におさまるからこの幅にしたのだとおっしゃったのです。  実際に車椅子の幅は、多くは70センチ以内なのですけれども、お風呂のドアがどの場所にあるかによって入れないことがあります。例えば隅っこにあったら、そこに展開するスペースがとれませんので、真っすぐ向けないのです。結果的には入れない。そういうことはカタログを見ていては分からないのです。実際に車椅子に乗った利用者の評価を聞くということが政策の上で大切なのだということをすごく感じました。ですから、取り組んで頂いているこの評価会議というのは本当に素晴らしい取り組みだと思っています。  2点目はUDタクシーです。これは、問題が多くて厳しい意見もたくさんあるのですけれども、一般のタクシーに車椅子も乗れるのだという考え方を広めたという意味で、私はとても素晴らしいと思っているのです。これはパラダイムシフトだと思います。タクシーというのは車椅子も乗れるものなのですということをちゃんとやったということで、私は素晴らしい取り組みだと思っています。  ただ、問題がたくさん起きました。まず1つ目は、運転手さんの接遇の問題があった。これに関しては国交省がすぐ昨年11月に通達を出してくださいました。これは本当によかったと思います。本日の朝のNHKのニュースを見ていたら、UDタクシーの研修を義務化するということも言われていまして、それも国交省が迅速に対応して頂いて本当によかったと思っています。  2点目は車両の問題です。時間がかかってしまうといったことが大きな問題だったのですけれども、トヨタがすぐに対応して、スロープを簡略化したものを3月15日から発売されたと聞きました。これまで売った車についても、スロープを8月までに入れ替えるということです。メーカーはすぐ対応してくださった。これもよかったと思います。  3点目は、UDタクシーはUDの認定基準をクリアしてできている車なわけです。ですけれども、実際に運用する中で色々な問題が出てきた。ということで、認定基準を見直していくことも今後必要なのではないかと思っています。  4点目は障害者雇用です。先日、民間の企業の障害者雇用の取り組みを担当者の方にお聞きしました。その中ですごく印象的だったのは、どうやって定着をしていくか。これから採用した後、定着することが大切なわけですけれども、合理的配慮をちゃんと提供する、障害特性に応じた仕事をちゃんとつくっていくという取り組みをされて、かなり蓄積されているなと思いました。ですので、そういう民間で非常に頑張った取り組みをされて既にノウハウを持っている企業がたくさんありますので、そういったところから聞き取りをしてまとめていくということをぜひして頂きたいと思います。  5点目は建物です。日本が非常に遅れているところは建物です。2000平米以上の建物しかバリアフリーの整備の義務がありません。私たちが日常的に使うお店というのは小規模のものがほとんどなのですけれども、そこがいつまでたってもよくならないというのが大きな問題です。  私は車椅子に乗っているのですけれども、例えば、私は食べたいものでお店を選んでいないのです。入れるお店で食べているのです。それはすごくおかしなことです。アメリカに行くとどこでも入れますので、人間というのはこんなに自由だったのかというのをアメリカに行って初めて実感しました。これは日本のこれからの大きな課題だと思いますので、ぜひ建物に対する取り組みを進めて頂きたい。  最後は提案です。この評価会議で、実際に、いい取り組みとか、そういうものを評価することをやって頂きたいと思います。オリパラで競技場が素晴らしくよくなって、ぞくぞくとできています。新国立は、たくさんの障害者、多様な障害者でユニバーサルデザインワークショップをして、本当に素晴らしくなりました。できたものをちゃんと見に行って、最後にもう一回確認して評価するということをぜひこの取り組みでやって頂きたいと思います。  以上です。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございました。  日本パラリンピアンズ協会、大日方副会長、よろしくお願いいたします。 【日本パラリンピアンズ協会 大日方副会長】  ありがとうございます。大日方です。  このバリアフリー化が点から面になりつつあるということで、今、大きな進捗があったと考えております。次に課題というか、これをさらに進めていくために必要になってくるのが、情報の提供でありますとか心のバリアフリーといったところではないかと考えております。  具体的に5つについてお話をさせて頂きます。  まず、ホテルのバリアフリーのことです。客室数が増えたということで、道筋がついたなと考えております。今後は、このバリアフリーが必要な人が必要な部屋を予約できるような体制の整備が必要になってくると思います。情報提供の工夫が必要だということ。  それから、バリアフリーという広い概念ですので、例えばホテルの館内図とか、客室のタイプ別のレイアウト図というものが、基準が統一された形でホームページ等で表示がありますと、ユーザー側が、自分がどういった部屋を使えるのかということを選べるようになりますので、こういったことを今後進めていって頂きたいと思っています。  2点目は、先ほど佐藤さんからもお話がありました、食べることに関してです。レストラン等で車椅子で入れる場所が少ないということは、私も大きな課題だと感じております。車椅子で入れるレストランが少ないということは、車椅子ユーザー同士で複数で行ってみると非常に感じるところです。この場所を増やしていくということも今後の取り組みとして必要な工夫であろうと考えております。  3点目はユニバーサルデザインタクシーについてです。一般のタクシーに車椅子も乗れるのだということが伝わったことが非常にいいことだと思っております。こういったものがさらに改善されておりますので、ますます使いやすくなる人が増えるということが言えると思います。  他方で、重度の車椅子ユーザーにつきましては、このタクシーに乗れない方もいらっしゃる。今までいわゆる福祉タクシーという名前で言われているものがありますね。こちらの台数が普及していくこと、あるいは、今、それが何台あるのかといったこと等をしっかりと把握できているような体制も必要だろうと考えています。  4点目、交通機関等の障害者割引についてです。こちらも、分かりやすく、徐々に使いやすく、ユーザビリティーが上がっているような形でやって頂いていることを感謝しております。1つ、どのように考えたらいいのかということを皆さんにお考え頂きたいのは、来日する外国人の方で障害のある方、いわゆる障害者手帳を持たない方々ですけれども、こういった方々に対する割引というのはするのかしないのか。しないのであれば、なぜしないのかというようなことをどのように説明をするのかということは、2020年の東京大会を鑑みますと、大きなポイントになるのではないかなと思っております。  加えて、観光施設等でも障害者手帳を提示すれば無料あるいは割引といった制度がありますが、これは海外からのお客様には適用するのか、しないのか。手帳がありませんので、手帳を提示しない限り割引をしないということであれば、どのような代替の手段があるのかについて工夫することができるのではないかなと考えております。  最後に5点目、心のバリアフリーについてです。一番大切なこと、私は国民全体に向けた取り組みというところになろうと考えております。不特定多数の方が利用する施設、とりわけ誰でもトイレでありますとか、エレベーターといったものの譲り合いをどのように啓発、呼びかけていくのかというコミュニケーションをもう少し工夫する余地があるのではないかなと思っております。  例えばポスターをどうすれば目立つように張れるのかでありますとか、どこにサインを置くとそれが分かりやすくなるのかといったこと、幾つか好事例を、本当に細かいのですけれども、ここの駅のこんな表示の仕方がよかったというようなことがありますので、これらを皆さんと一緒に、こういった情報を好事例として展開していくとよいのではないかということと、やはりコミュニケーションのプロの方の力をぜひ借りる形で展開をしていくことが重要ではないかなと考えております。  以上になります。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございました。  全国脊髄損傷者連合会大濱代表理事、お願いします。 【全国脊髄損傷者連合会 大濱代表理事】  ありがとうございます。全国脊髄損傷者連合会、大濱です。  まさにこのような形で行動計画を進めて頂いて、一歩一歩前進していることに大変ありがたく思っております。ただし、その中で残念なことも何点かあります。特にいくつかの基準はジャパニーズ・スタンダードに準拠していますが、せっかくのオリパラですから、やはりグローバル・スタンダードという考え方に立って頂きたいですね。  私は毎年2、3回海外に行っていますけれども、特にアメリカは体格や体重の大きい方が多く、非常に大きい車椅子を使用している方が多いです。そういうことを考えると、確かにタクシーも一歩前進しましたが、まだまだ不十分だと思います。先日、私どもでトヨタの東京本社に行って、実際にジャパンタクシーの新型車両に乗ってみました。そうしたところ、海外の車椅子を利用している者が乗車しようとしたときに、スロープが曲がってしまいました。オリンピック開幕まで500日を切っている時点でこういった状況では、海外から大きい車椅子を使用する方が大勢来たときに、本当に対応できるのか非常に疑問です。  極端な話をすると、昔日本人はウサギ小屋に住んでいると言われていましたが、ジャパンタクシーは非常に小さくて、鳥かごに車椅子を乗せるのかと、そんな批判を招くのではないかと心配しています。  ですから、もう少し海外の状況も踏まえてタクシーのあり方を考えて頂きたいと思います。具体的に言うと、トヨタのジャパンタクシーではなくて、大きな電動の車椅子でも車両の後部から乗車できる車種が既にあるわけです。例えば日産のNV200もそうですし、トヨタのヴォクシーもそうです。レベル1とレベル2という基準がありますが、レベル1とレベル2の間にもう1つ基準を設けて、助成金のあり方ももう少し考えて頂ければ、海外の車椅子使用者も乗車できる、グローバル基準のタクシーが実現するのではないかというのが1点目です。  2点目はホテルについてです。先ほどDPIの佐藤さんからも問題提起がありましたが、東京都が客室内の通路幅を70センチ以上とする方針を推進することに非常に不安を感じています。特にお風呂の出入口についてですが、海外の方が大きな車椅子で宿泊したときに、本当にお風呂に入れるかどうか、はっきり言って非常に疑問です。また、客室の中に入っても、そのまま真っすぐ入ってバックで戻らなくてはならないような事態が、場合によっては起きると東京都の職員も平気で言っていました。ですので、現在の都内のホテルの場合は通路幅が80センチぐらいになってますが、やはりこれは国基準で1メートル以上の通路幅を努力義務とするなど、もう少し海外の状況を踏まえた基準に見直して頂きたいということが私のお願いです。  以上です。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  日本難病・疾病団体協議会斉藤理事、お願いします。 【日本難病・疾病団体協議会 斉藤理事】  斉藤でございます。発言の機会を頂きまして、ありがとうございます。  4点ございます。1点はホテルのバリアフリー化の推進でございますが、私どもは目に見えない病気を抱えている難病患者でございますので、先日、こういう例がございました。有機溶剤に関して非常に過敏症の方が、私どもの研修会に出るということで、ホテルを利用しようとしたのですが、シーツ、タオル等がどうしても臭いが残る。あるいは洗剤で有機溶剤を使っている。それから、壁紙等々もありまして、ホテルと大分交渉いたしまして、一定程度のことまでやって頂きました。  それから、もう一つは心臓病の人たちが特に飲んでおります抗凝固剤のお薬でございますが、それを常時飲んでいる方がたくさんいらっしゃいます。そういう方の会合のときに納豆を使った食事が出たことがございます。これは全く見た目には分からなくて、調理も非常に工夫してくださった美味しいものだったそうですけれども、それを食べて皆で気づいて慌てたことがあります。  何が言いたいかと申し上げますと、そういう個々の人たちに対して、ホテルが対応してくださるかどうかが分かるような窓口が欲しいということでございます。そうしますと、お薬の問題とか、除去食とか、代替食の食事を作ってくださっているホテルもありますので、そういうホテルが分かるような、そういう案内があると嬉しいなと思います。  それから、2点目でございます。3番の障害者割引のことでございますが、実はこれはやはり身体障害者の手帳が1つの要件になっている場合が大半だと思っております。難病患者で指定難病を受けていても、直にこの対象にはなっておりませんで、私どもでよく知っている難病患者の団体の中で、約2割の方が身体障害者の手帳を所持しているということでございます。そういたしますと、あと8割の方は対象にならないということで、私どもとしても運動を重ねて参りました。  小さな鉄道ですが、昨年、茨城のひたちなか海浜鉄道が、難病患者にも障害者割引と同じように割引をやってくださいました。とてもありがたいことです。それに次ぎまして、福井でえちぜん鉄道と福井鉄道が、やはり同じようにやってくださいました。このような本当に小さいところがやってくださるので、精神障害者割引の拡大ということで要請をしてくださるようですので、ぜひ難病患者のところにもお願いしたいと思います。なお、難病患者は手帳が違っておりますので、医療証で代替するような、むしろ提示をしないのではなくて、したほうが私どもとしては混乱がないかなと思いますので、そういうことは大丈夫だと思っておりますので、ぜひ要請をお願いしたいということがあります。  それから、3点目でございます。5番の心のバリアフリー研修の拡大でございます。小中学校で道徳教育が教科となったことを伺っております。私どもは目に見えない障害という形で相互支援法の中では位置づけられておりますが、どうしてもなかなか分からないということで、本人も無理をしてしまいますし、周りの人も普通に動いているではないかというところで、どのように手を出していいか分からないことがあります。  ぜひ文科省のほうに伝えて頂きたいのですが、この心のバリアフリーの中に色々な障害を持つ人がいるのだよということを、道徳教育の中の一例として取り扱って頂ければと思います。そういうときに、その教育の中にぜひ私ども患者団体を利用して頂く。それから当事者の参加、実際にお話をする、見て頂く。どういうことが大変なのか、どういうことがうれしいのかということも含めて、教科の中に利用して頂ければと思います。  最後になります。6番目の障害者雇用の推進でございます。昨年、官公庁の方で色々な事件がありました結果、多くの障害者雇用が今、半ばとして採用にいっていると思います。私どもの難病患者の心臓病の重篤な方が、実は国家公務員の試験を受けて、第一次には受かりました。ところが非常にタイトなスケジュールだったものですから、面接のときに若干体を壊しまして入院をいたしました。そうしましたら、面接を受ける期間に間に合わなくってしまいました。人事院の方からも問合せがあって、試験を受けましたかということもあったそうです。でも、入院していたので受けられませんでしたということがあります。障害者雇用でありましたら、体調の波があるのが難病患者の特徴でございますので、ぜひ少し試験の期間の幅を持たせて頂きたいと思っております。  それと、もう一つ心配なのは、障害者雇用については、職場でどういう仕事をするのかというのはざっと書いてありましたけれども、なかなかイメージが湧かないことがありまして、特に病弱な人たちがどういう形の仕事が与えられるのかなというところが分からないと、マッチングのミスが起こるような気がいたします。  障害者で実際に働く人と受け入れ側とのマッチングのミスが起こりますと、やはり障害者は余り使えないなと思ってしまう人がいるかと思います。今回は余裕がなかったのだと思います。来年度の採用試験に当たりましては、職場でどういう形の仕事をやって頂くかということを相談したり、あるいはしっかりと議論した上で採用計画を立てて頂ければありがたい。そのように考えております。  以上でございます。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  少し時間が押しております。あと7名の方々から御意見を頂戴しなければいけません。2、3分での御協力を重ねてお願い申し上げます。  日本補助犬協会朴代表理事、お願いします。 【日本補助犬協会 朴代表理事】  日本補助犬協会、朴善子です。  障害種別で考えると忘れられがちになります補助犬の受け入れにつきまして、UD2020行動計画に明文化して頂きましたことを大変感謝申し上げます。行動計画の精神が、今後の心のバリアフリー研修や接遇研修に生かされますよう、私ども補助犬ユーザーや育成団体も皆様と一緒に推進していきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。  ここには「東京2020オリパラ大会に向けたアクセシビリティ協議会」の事務局をされていた方もいらっしゃいます。その後の「ユニバーサルデザイン2020関係府省庁等連絡会議」及びそれに付随する各省庁の委員会を振り返りますと、私たちは、多方面の方々や他の障害者団体の方のお考えを聞き、理解し、そのお考えを私たち自身の活動に融和しながら進んで参りました。様々な立場の関係者が一堂に会し議論してこられたことというのは、実はこれも東京大会の一つのレガシーだと考えております。この場をかりて御礼申し上げます。ありがとうございました。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  日本補助犬情報センター松本理事、お願いいたします。 【日本補助犬情報センター 松本理事】  松本です。このような機会を頂きまして、ありがとうございます。  当センターは育成ではなくて、実際のユーザーさんや受け入れる社会側の色々な問題点などに関して、相談を受ける立場なのですけれども、盲導犬ユーザーは視覚障害者、介助犬ユーザーは肢帯不自由、聴導犬ユーザーは聴覚障害者と、3種類の障害者、障害のバリアがある状態になっています。ですので、例えば介助犬ユーザーがタクシーに乗車拒否をされることは、車椅子がだめな場合、犬がだめな場合、そして、両方がだめな場合という意味で、普通の車椅子ユーザーさんよりも、そのバリアの幅の厚みが厚くなっております。  そのような状態なので、どうしても補助犬との生活をしたいという声がなかなか増えないのが現状なのですけれども、私自身聴導犬と同伴して電車など交通機関を利用しているときに、聴導犬を目印にして私が聴覚障害者ということに気づいて緊急の放送などを教えてもらったりというサポートを受けることがあるのです。なので、補助犬がいることが、補助犬そのものの補助動作だけではなくて、自分自身が社会参加をするに当たってのバリアを軽減することにも役に立っていることを実感しております。  ですので、このようなユニバーサルデザインを考える際に、補助犬を認めろというのではないのですが、補助犬ユーザーが快適に生活できるような社会であれば、多くの方が安心して出ていける社会になっていくのではないかなという点から、私たちの方もこれからも活動していくつもりでおりますので、このユニバーサルデザインを考える際に、犬の問題という形ではなくて、補助犬を伴っていることによって、そのバリアを軽減するという意味でのユニバーサルな面を御理解頂けるとありがたいなと思っております。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございました。  それでは、有識者の方々はお待たせをいたしました。  秋山先生、まずお願いします。 【中央大学 秋山教授】  2点ほど申し上げたいと思います。  1つは情報の問題で、久松さんや伊藤さんから視覚・聴覚障害者のアクセシビリティの問題、同時に今、これから先、画面などを見る場合にはユーザビリティーがもっと大事になります。アクセシビリティとユーザビリティー両方をきちんとしないといけないなというのが第1点です。これについては、東京都はJISのAAまでをカバーしているのですが、AAAというのもやはりちょっと踏み出さないと、聴覚・視覚障害者に役に立たない部分もありますので、せめてJISの必要な部分はクリアするようにして頂いたらどうかというのが情報のまず第1点です。  情報の2点目については、恐らく外国の障害者ということで、大日方さんがおっしゃったと思うのですが、これを羽田や成田で扱うにはどうしたらいいのかということを、具体的なレベルで考えないといけないのだろう。恐らく羽田・成田で障害者対応で、例えば当財団で開発した「らくらくおでかけネット」が英文でできているのですけれども、日本文も大丈夫なのですが、これをほかの言語にどうするかとか、あるいは他の国の人たちにどう伝えるのかということは全く今実現性をどうするかというのが、日本人だけしか分かっていない状況ですよね。これについて実験なり何なり積極的にやらないと前に進まないなというのが、情報の2点目の話です。  それから、もう一つ、2つ目の大きな話題としては、タクシーについてのロードマップがまだ見えていないのかなと、恐らくジャパンタクシーを開発して、夢のまた夢だったタクシーに車椅子の人が乗れる環境になったと思うのですが、ロンドンでは、2000年に全てのタクシーにリフトがついていたのです。ロンドンのケースの場合には、それで余り大きな問題が出てこなかったのです。というのは、Dial-a-Rideという障害者専用の交通手段をロンドンのTransport for Londonが全区にわたって整備していました。  それと同時に、これは一般の非病院系ですけれども、病院とか介護系についてはアンビュランス・サービスという非緊急の救急車がサービスをしている。こういう状況にあって、日本の今一番弱いところがレベル2という領域で、今回のジャパンタクシーはレベル1です。レベル2が、先ほど大日方さんがおっしゃった福祉車両というその部分で、それはタクシーを高い料金で使うことになると思うのです。  もう一つは福祉有償運送、道路運送法79条なのですが、これが十分に機能しているかというと、必ずしもそうではない。そうすると、このあたりのロードマップができていないのではないかというのがあると思いますので、海外と比較してどれだけ差があるかを確認しておくのも一つ重要なことかなと思います。ここには車両の問題、サービスの問題、運賃の問題、それが複合的に関わっておりますので、車両だけよければいいというだけのお話ではない。特に高いと使えない障害者の人がたくさん出ますので、そういったことをタクシーではぜひ考えて頂きたいと思います。  以上です。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  髙橋先生、お願いいたします。 【東洋大学 髙橋教授】  東洋大学の髙橋です。お時間がない中でありがとうございます。  3点ほど申し上げたいのですが、短目にさせて頂きます。  最初にホテルのバリアフリー化の問題です。こちらにつきましては、私も様々な会議で言っているのですけれども、今後は、やはり設計者教育が非常に重要になるかなと思います。先ほどの小規模施設の話もありましたけれども、同じコストや面積でも設計の工夫で大きく使いやすくなります。やはり建築士の指定講習でユニバーサルデザイン教育、あるいは2020行動計画等の講習などが必要な時代に入ってきているだろうと思います。ホテルの総客数が、今年の9月から1%になりますけれども、先ほどもグローバル化の話もありましたが、やはり障害をもつ外国人の旅行者も増えており全体としては少ないと思います。今日ご批判がなかったのですが、私自身かかわりながらまだまだ頑張らないといけないということもあります。  2点目は心のバリアフリー関係です。先日TVニュースを見ていまして、新国立競技場に車椅子使用者のためのロボットの介助が、4台でしたか、入るというのがありました。それは決して悪いことではないのですけれども、それだけのニュースで終わってしまったのです。  やはり重要なのは共生社会に向けたレガシーです。人と人とがどう出会ってどうつき合うのかということですから、それも含めた報道が実は欲しかった感じがしました。これから心のバリアフリーが展開するときには、物やITだけではなく、同時に人と人とのコミュニケーションをベースにおいて、様々なものを使いながら同時に展開していく必要があるのではないか。社会人教育の話がありましたけれども、子供だけではなくて特に大学生、大学教育での心のバリアフリーはとても重要なのではないか。大学生は様々な店舗で、アルバイトで先端の窓口で顧客サービスをやっているわけです。そこが変わると企業の研修などもとても楽になるだろう。  最後に3点目は、先ほど大日方さんからもトイレのお話がちょこっと出ましたけれども、トイレの機能分散の促進です。こちらにつきましては、条件が整わなければ難しいわけですけれども、やはり最近トランスジェンダーの方々も共用トイレが無いので、多機能トイレで利用する。あるいはレインボーフラッグをそこで掲示する。そういうケースが今増えてきて、車椅子使用者用トイレがさらに多機能化してしまっています。  認知症の方、あるいは身体障害者の方、知的障害者の方など、異性の介助が増えています。その方々もその多機能トイレに集中してきます。ですので、一般トイレでの共用化、あるいは一般便房の共用化について、やはり促進していかなければいけないのではないかという感じがします。まず公共施設、駅、そして大規模な店舗で進めて頂きたい、そういったようなことについてまだまだ課題がありますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  中野先生、お願いいたします。 【慶応大学 中野教授】  中野です。3つほどお願いします。  1つ目は障害者割引の件なのですが、先ほど大日方さんから御指摘がありましたように、外国人の障害者の割引というのが、これは非常に重要な問題で、やるべきであろうと思います。なぜならば、公共交通機関へのアクセスというのは、本来福祉サービスではありません。公共交通機関は、当然、障害のある人も、障害のない人と同じように利用できなければならないわけです。ところが、様々な事情で、障害のない人と同じようには利用できていないので、その分を割引するという考え方に基づいて割引制度があると考える必要があると思います。そのため、公共交通機関の外国人への障害者割引は、何らかの方策で考えていく必要があるだろうと思います。  2つ目は心のバリアフリーです。多くの方がおっしゃられたわけですけれども、心のバリアフリーはユニバーサルデザイン2020行動計画で再定義されたわけですが、優しい気持ちで問題解決を求めているわけではありません。しかし、まだまだ多くの心のバリアフリーの取り組みの中には、「優しくしましょう」というような話や、「譲り合い」というような話が強調されています。例えば国交省では多機能トイレの問題について、ずっと議論をさせて頂いています。その議論の中で、障害のある人が多機能トイレを利用できるようにするのは、「おもいやり」や「優しさ」というマナーの問題ではないのではないかという指摘がありました。マナーではなく、ルール、つまり、多機能トイレでは、障害のある人が優先されるべきというのはルールだと考える必要があるという議論を行っているわけです。本来、心のバリアフリーは、社会的障壁に気づき、社会のルールを変えていくために具体的なアクションを起こすことなのに、優しさの問題にすり替えられて語られていることが少なくないと思います。  教育の中でも、同じように正しく心のバリアフリーが正しく理解されていない状況が少なくないと思います。心のバリアフリーは新しい学習指導要領に書いてあるわけですが、障害の社会モデルの考え方を適切に伝え、アクションを起こさせ、なおかつそれをきちんと評価できるような仕組みが、しっかりできあがっていく必要があります。これまで教育、医療、福祉、ボランティアに関わっている人は、心のバリアフリーについて理解していると考えられてきたわけですが、障害の医療モデルから脱却できていない人も少なくないのではないかと思います。もう一度、ユニバーサルデザイン2020行動計画に書いてある心のバリアフリーの本来の意味を確認し、障害の社会モデルの理念を正確に理解できているかどうかを見直す必要があると思います。  最後は障害者雇用のあり方に関してなのですが、採用試験のアクセシビリティの確保も、是非考えてほしいと思います。今回の採用試験でもPCやタブレットの利用は一部許されてましたが、配慮の希望を受け入れてもらえなかった障害のある人達もいました。公平性が確保できるように、試験のアクセシビリティに関する問題は今後、さらなる検討が必要だと思います。  それから、髙橋先生からもお話がありましたが、障害者雇用を進めるためには、高等教育機関が非常に重要な役割を果たすと思います。高等教育機関における合理的配慮を促進していかないと、試験を受ける方々が、人材として育っていかないという問題があります。その中で、特に、私立大学における合理的配慮については、義務化も念頭に検討していく必要があると思います。現在の法律では、私立大学における合理的配慮は、民間事業者と同様、努力義務になっています。しかし、民間と言っても、教育機関なので、障害のある人への配慮は必要不可欠なのではないかと思うからです。  以上です。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  星様、お願いいたします。 【特別支援教育総合研究所 星センター長】  国立特別支援教育総合研究所の星と申します。  特別支援教育は、今までは特別支援学校ですとか、特別支援学級というイメージが非常に強かったのですけれども、今回の新しい学習指導要領等にもきちんと明記されておりまして、特別支援教育は全ての学校において行われるものであるという認識に立っています。要するに支援を必要とする子供たちは、全ての学校に入学してくる可能性を持っているという前提のもとで、学習指導要領もつくられております。それを考えたときに、教育という分野では、教員の研修、養成、それから、子供たちにとっての交流及び共同学習を初めとした取り組み、そして地域の取り組みという、この3点が非常に大事になってくるかなと思っております。  教員の養成につきましては、先ほど日盲連の会長様の方から御質問等ありましたけれども、本年の4月の入学対象者から特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解の科目について1単位以上を必修化することになっています。これについては課程認定を通して、どのような中身で、それぞれの大学で教員を養成していくのかについてはチェックをされていると思いますが、実際に今後、それが大学の講義がスタートしたときに、どのような内容で講義が行われるのかというのは、今後の大きな課題ではないかなと思っております。シラバスでは様々なことが書かれていても、それが具体的にどのようになっているかということを、今後チェックしていく必要があるのではないかなと感じております。  それから、子供たちの交流及び共同学習に関しましては、障害のある子供と障害のない子供との交流については、本当に様々なところでこの間取り組みが進んできております。それは一方的に障害のある子供にとってのメリットだけではなく、障害のない子供たちにとっても共生社会の実現という意味においては非常に大きなメリットを持っているものであること、そして、それは地域社会においても、受け皿として非常に大きな意味を持っていると感じております。  それから、障害のある生徒の大学の入試・入学につきましては、先ほど中野先生がおっしゃっていましたけれども、私立大学におきましては、努力義務ということで障害があることを理由に断るというよりも、こんな形での受け入れしかできませんという対応が、まだ大学によってはなされていると伺っております。今後、ぜひ様々な形で障害のある生徒に対する合理的配慮の取り組みが、拡がっていってほしいと思っていますし、求められてくると思っております。  以上でございます。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございました。  最後になりますが山崎様、お願いします。 【VISIT JAPAN大使 山崎先生】  山崎です。  皆様の御意見とちょっと重なる点もございますが、お話しさせて頂きます。  まずユニバーサルデザイン2020行動計画の改善点としまして、素晴らしい改善をして頂き御礼を申し上げます。ありがとうございました。その中で4点ほど発言させて頂きます。  私はホテル・旅館の専門家でもございますので、その点からお話しさせて頂きます。改修に予算もつきまして、皆さん、まずは施設改修から始められているのが現状です。そうした中でこれから個々の対応、そして見えない障害、様々なお客様をホテル・旅館さんが受け入れていく中で、これから経験値を積み、学んでいかれる状況だと思います。そういったときに心のバリアフリー研修、もしくは、例えばサービス介助士というものもございますし、そうした心のバリアフリーを理解する上での研修の推奨みたいなものが、これからは必要になっていくかなと思います。  そして2点目、ホテルのバリアフリー情報提供につきまして、積極的な対応を要請することになっております。こちらのバリアフリー状況のひな形みたいなものは観光庁さんから業界団体に示しがあったのですけれども、大変様々なお体の状態に合わせた配慮のあるものとなっていまして、詳細過ぎてなかなかホテル・旅館さんたちが対応できないのが本音のところだと思います。  まずは第一歩として、例えば動線の見取り図だったりとか、ドア幅だったりとか、客室の見取り図だったりとか、最低限のところから始めるといったことを推奨してもいいのかなと今思っております。  それからもう一つ、何度も皆さん、先生たちの発言もございましたけれども、訪日外国人観光客に関しましてです。私はVISIT JAPAN大使をしておりまして、成田インフォメーションセンターにも大使仲間がおります。辻村大使のお話によりますと、ここ半年~1年近く、海外からのお客様で全く日本のアクセシビリティに関する情報を持たずに、さらに20人とか30人の車いすをご利用される方の団体が成田空港にやってきて、、インフォメーションセンターさんでこれからどんな旅ができるのであろうかといったことの質問が増えてきているというお話を聞いたことがございます。それが昨年の秋に聞きました。そういったことで、もちろんモビリティー財団さんのウェブではとても分かりやすい公共交通に関する検索はかけられますけれども、一斉検索で、例えばホテル・旅館も含めて、観光地も含めて、様々な一斉検索が急務とされている時代になってきているのだろうなというのを感じます。  一番最後なのですけれども、本日「心のバリアフリー」という言葉を一番多く聞いたような印象を受けました。やはりこのユニバーサルデザイン2020の共生社会に向けてという理念を、もう少し国民への理解も考えていかなければいけないなと思います。そういった意味でやはり心のバリアフリーということを、まだまだこの会議も、業界内での議論は交わしているものの、国民に広く伝えられるような、何でしょうかね。まずは、こういった会議を様々な業界団体の皆様とともにつくり上げているといったようなことを、ニュース等を通して、たくさんの方に知って頂く機会を持てるような努力をしたらいいかなと思います。  以上です。ありがとうございました。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございました。  あと15分弱ございます。関係省庁も参っておりますので、お答えできる範囲でお答えをさせようと思います。本日たくさんの事項をお伺いしました。お答えし切れない部分は、今日関係省庁とともにしっかりお話を伺わせて頂きましたので、何ができるか、次回の評価会議に向けて関係省庁とともにしっかり検討させて頂きたいと思います。  それから、冒頭申し上げると、今日こういう障害者の方々が一緒になって評価するプロセス、当事者の評価が極めて大事だと、府省庁が集まっての評価会議自体が、このプロセスが大変大事だと、それから、障害当事者の方々が積極的に役割を負って頂いて、どんどん地域に入って頂くと、こういう取り組みは責任を持ってしっかり進めさせて頂きます。それから、国民全体への心のバリアフリー、特に大学の教育とか、あるいは企業、公務員へ広げていくことについてもしっかり受けとめさせて頂いた上で、残りちょっと大きな束で、関係省庁からお答えできる分をお願いしたいと思います。  まずは、情報保障ということに関して、アクセシビリティ、ユーザビリティーのお言葉がございました。当事者の方々からもIoTの活用とか、あるいはテレビの字幕等々ございましたが、総務省さん、あるいは一部国交省さん、お答えできる範囲があれば、お答えを簡潔にお願いします。 【総務省】  総務省でございます。  総務省の取り組みとして字幕放送の話であるとか、IoTの機器の活用、既存の取り組みについても御紹介頂いたところかと思います。そういったものに加えて色々な新しい取り組みについてもということもあったかと思いますけれども、総務省においては今、デジタル活用共生社会実現会議というものを開催しておりまして、日常生活に資するIoT・AIを活用した先端技術の活用、実証の検討だとか、情報アクセシビリティの確保のための環境整備について、議論を行っているところでございまして、そういったところも含めて、どういったことが行えるのか考えていくのも重要かと考えているところでございます。 【内閣官房 髙橋統括官】  国交省、手短にお願いします。 【国土交通省】  情報アクセシビリティについては、私どもも課題と考えておりまして、必要なガイドラインの見直しも含めて、取り組んで参りたいと思います。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。精神・知的障害の部分も含めてお願いします。  それでは、あと3つぐらい柱を立てますので、簡潔にいきたいと思います。  UDタクシーについてもたくさん御指摘を頂きました。ロードマップの問題、あるいはUDの認定基準の問題、あるいは大型の車椅子への対応の問題等々ございますが、国交省は、今お答えできる範囲でございますか。 【国土交通省】  たくさん頂いたので整理したいと思います。  UDタクシーは今乗れる範囲が基本的にはJIS規格で耐荷重も限られているのは事実でございまして、それがレベル1という話が出てきましたけれども、今の認定の基準になっております。ただ、UDタクシーはトヨタのジャパンタクシーだけではなくて、話にも出ましたけれども、日産のNVですとか、UDとは呼んでいませんけれども、それ以外の福祉車両もございます。秋山先生からもありましたけれども、福祉タクシー等のスペシャル・トランスポート・サービスの分野は課題と考えておりまして、引き続き担当部局で検討を深めて参りたいと考えております。 【内閣官房 髙橋統括官】  御指摘だった福祉タクシーの充実はまさに図っていきたいと思いますが、障害者割引についても多数御指摘を頂きました。ちょっと今日お答えを頂けるかどうか分かりませんけれども、精神障害者への適用の様々な働きかけ、あるいは外国人の方々への割引の適用の可否とか、難病患者への適用の可否とか、様々な御指摘を頂きました。何ができるかということは、また実務的に検討と思いますが、今、この瞬間お答えできることがあれば、御指名しますけれども。また後日ということですね。  それから、ホテルについてもたくさん御指摘を頂いています。大きな車椅子等についての対応、あるいはとてもたくさん頂きましたのは、館内図やレイアウト図のきめ細かなホテル側の対応を含めて、障害者の方々のニーズに届くような情報提供をぜひ進めてほしいということで、これは御指摘はそのとおりだと思いますし、観光庁においても御努力を頂けると思っていると思いますので、それは受けとめさせて頂きます。  それから、教育について、特別支援教育の単位の点、これは星様からも大分補足を頂きました。それから、道徳教育とかの問題、私学の話とかありましたが、そこを調査、あるいは文科省さんがもしおいでになって、教育の問題について補足ができるような点がありましたら、お願いします。 【文部科学省】  星先生に相当しっかり補足頂きましたし、今日は初等中等教育の担当がいないのでしっかりお伝えして、どういう範囲で受けとめてできるか対応したいと思っております。 【内閣官房 髙橋統括官】  ありがとうございます。  ちょっと駆け足になりましたけれども、関係省庁で出席している方で、もし特段補足したいということがあれば、最後簡潔にお願いします。  よろしいですか。  最後、特にもう一言という方がおいでになればですが、よろしゅうございますか。  分かりました。予定していた議事については以上でございます。  最後に平田議長から、本日の議論を踏まえ一言御挨拶申し上げます。 【平田議長】  本日はユニバーサルデザイン2020行動計画の加速に向けまして、皆様から貴重な御意見を頂き、ありがとうございました。  今日は説明していないのですけれども、この後ろに取り組み一覧という関係省庁の皆さんがつくって頂いているものがありまして、計画ができて、平成30年、31年とずっとどのように動いてきたかをまとめた資料であります。これが恐らくずっと続いていくというよりは、こういう項目がなくなっていくことが、すごく私たちの共有の目的ではないかなと感じているわけでありまして、今日の皆様の御意見にも感謝いたしますけれども、こういったことを取りまとめ頂いている関係省庁の皆様にも、これまでの御努力に感謝したいと思います。  その上で申し上げますけれども、タクシーの問題は、今まで乗れなかったタクシーに乗れることになって、それで問題が起こります。ですから、これは関係省庁さんにまた色々ということがあるのですけれども、次々あるのをむしろ喜びに思って頂いて、より細かい深い問題になっていきますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  それから今回、ホテルもトイレに車椅子が入ることに伴って、入ったがゆえに、また色々な御不便とか改善点の御指摘があることは明白なので、だから、この指摘があることについて、むしろそれを嫌がることなくもっとよくしようというように進めて頂ければと思います。  割引運賃もより使いやすくなると、また色々な点がでてきます。これもぜひ受けとめて頂ければと思います。  教育についても今御指摘を頂いたこと、またしっかりと取りまとめていきたいと思います。  さらにこちらの好事例も、今日は説明いたしませんでしたけれども、民間各社さんで取りまとめて頂いております。一部ミスプリもありますけれども、企業が載り切れないぐらい山ほど出ると言われているこういったものをむしろどのようにカテゴライズして情報発信するか。我々が目指すものはこのように思った次第であります。  このオリンピック・パラリンピックの準備全般やっておりますけれども、やはりこのパラリンピックの成功なくして2020年の成功なしということもありますけれども、バリアフリーの具体的な進捗、これをこちらにおられます関係省庁の皆さんとともに、皆様の貴重な御意見を頂いて、諸先生方とともにしっかり頑張っていきたいと思います。  本日はどうもありがとうございました。 【内閣官房 髙橋統括官】  これにて終了させて頂きます。ありがとうございました。