「ふるさとの風」「しおかぜ」放送用 木原内閣官房長官兼拉致問題担当大臣ラジオメッセージ
北朝鮮で日本からのラジオ放送をお聴きの皆様、こんばんは。内閣官房長官兼ねて拉致問題担当大臣の木原稔です。本日は、ラジオ番組「ふるさとの風」「しおかぜ」に乗せて、北朝鮮に拉致され、長きに渡り、辛い日々を過ごしておられる被害者の皆様に、拉致問題担当大臣としての私の思いをお伝えさせていただきます。
2002年に5人の拉致被害者の方々が帰国されてから23年がたちました。それ以来、残された方々の御帰国が一人として実現していないことは、申し訳ない限りであり、日本国政府として改めて重く受け止めています。
拉致被害者御家族の皆様や、拉致の可能性を排除できない方々の御家族の皆様からは、遠く離れた地での生活を憂う切実な思いを幾度も伺ってきています。11月には新潟で横田めぐみさんの拉致現場も視察し、改めて問題解決へ向けた決意を新たにしたところです。
この放送をお聞きの皆様、思い浮かべてください。一刻の猶予もないこの問題を御家族が御健勝なうちに解決し、それにより、日朝双方のみならず国際社会が大きな利益を得て、共に平和と繁栄を享受する未来を。そのためにも、日朝平壌宣言に基づき、互いに実りある関係を作るべく、日本国政府は、様々な状況に応じて果敢に行動します。
日本では、10月に高市早苗総理が就任しました。高市総理は、あらゆる選択肢を排除せず、何としても自身の代で突破口を開き、やれる限りのことをやっていく決意に満ちている旨を述べています。金正恩(キム・ジョンウン)委員長と正面から向き合う決意も述べています。私も、その総理の下、全力で取り組んでいます。
高市総理は、就任直後、同じく10月に、米国のトランプ大統領と首脳会談を行い、拉致問題の即時解決に向けて理解と協力を求め、トランプ大統領から全面的な支持を得ました。大統領は御家族とも面会し、「できる限りの全てのことを行う」との力強い言葉を述べられました。拉致問題の即時解決に向けた高市総理の強い思いは、トランプ大統領もよく御存じだと思います。
日本国政府は、米国や国際社会とも連携し、あらゆる手段を尽くします。高市総理の強力なリーダーシップの下、全力で進み、決して諦めません。全ての拉致被害者の安全確保と一刻も早い帰国を強く求めます。
そして、この放送をお聞きの皆様、拉致被害者の方に関する何らかの情報をお持ちであれば、是非、情報をお寄せください。また、拉致被害者の皆様の安全確保について御協力をお願いいたします。日本国政府は、拉致被害者の皆様の安全確保や情報提供に関する協力を歓迎します。
拉致被害者の皆様、皆様の御家族も、再会できる日が必ず来ると信じ、御帰国を実現するための活動を、精力的に続けていらっしゃいます。我々日本国政府も、皆様の御家族を支え、寄り添っています。皆様におかれましては、長きに渡り、辛い日々を過ごされていることと思いますが、再び祖国の土を踏み、一日も早い御帰国を待ちわびる御家族の方々と、再会して抱きしめ合う日が必ず来るとの思いを、どうか強く持ち続けてください。北朝鮮は厳しい寒さが続いていることと思いますが、その日まで、お体を大切に、どうか生き抜いてください。
私は、認定の有無にかかわらず北朝鮮に拉致された全ての方々の一日も早い御帰国を何としても実現するため、私が最後の拉致問題担当大臣になるとの覚悟を持って、具体的な成果に結びつけるべく日々邁進(まいしん)することをお誓い申し上げます。