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放射性物質と放射線/放射能の基礎
平成23年4月25日


Q1:「放射線」とは何ですか?

A1:− 「放射線」は、ある特定の物質(その総称は⇒A3参照)から放出される「粒子線」と「電磁波」のことです。
   − 「粒子線」というのは、《粒子》が飛ぶものです。これには、ベータ線、中性子線、アルファ線などがあります。
   − 一方「電磁波」というのは、《光》の仲間です。これには、X線やガンマ線があります。



Q2:「放射能」とはどう違うのですか?

A2:「放射能」とは、放射線(A1参照)を出す《能力》のことです。
つまり、放射線を出す物質のことを、「この物質には、放射能(=放射線を出す能力)がある」という言い方をするわけです。



Q3:では、「放射性物質」というのは何ですか?

A3:以上のA1、A2で述べてきた“放射線を出す物質”のことをまとめて、「放射性物質」と呼びます。



Q4:「ベクレル」、「シーベルト」という単位をよく聞きますが、それぞれどういう意味ですか?

A4:− ベクレル(Bq)は、放射能《そのもの》の強さを表す単位です。
   − シーベルト(Sv)は、放射線により《身体が受ける影響》の大きさを表す単位です。
   − したがって、同じ強さ(ベクレル)の放射能をもつ放射性物質でも、身体から距離が離れていれば、身体が受ける影響の大きさ(シーベルト)は減少します。



Q5:「被ばく」「外部被ばく」「内部被ばく」とは、それぞれどういうことですか?

A5:− 人体が放射線を受けることを「被ばく」と呼びます。
   − そのうち、体の《外》から放射線を浴びることを、「外部被ばく」と言います。
   − 一方、放射性物質を体の《中》に取り込んで、体内で放射線の影響を直接受けることを「内部被ばく」と言います。

  ※原子力災害専門家グループからのコメント(第四回)



Q6:「外部被ばく」の程度はどのように表されるのですか?

A6:− 体外から浴びた放射線の量を、線量計と呼ばれる機械を身に付けて計ることができます。それが《健康に及ぼす影響の大きさ》を、シーベルト(A4参照)で表します。
   − シーベルトという単位は、大気中の放射線量を計測するモニタリングの単位としても利用されています。(その場合は、1時間あたりのマイクロシーベルトとして表されます。)



Q7:「内部被ばく」の程度はどのように表されるのですか?

A7:− 体内に取り込んだ、水や食品などに含まれる放射性物質の持つ《放射能の強さ》を、専用の機械を使って計ることができます。それを、ベクレル(A4参照)で表します。
   − A4で述べた通り、ベクレルとシーベルトは意味の異なる単位ですが、内部被ばくの場合は“距離”がありませんから、ベクレルをシーベルトに換算することもできます。そのため、ベクレル値から人体影響を推定することができ、摂取制限などの基準値となっています。



Q8:日常の暮らしの中でも、放射線を浴びているのですか?

A8:放射線は、自然界にも存在します。私たちは日常生活の中でも、宇宙から来る放射線、大地から出ている放射線、食物から体内に取り込んだ微量の放射性物質が発する放射線などを浴びています。また、空気中にもラドンなどの放射性物質があり、呼吸によっても放射線を浴びていると言えます。 日本では、平均すると年間1人当たり約1.5ミリシーベルトの放射線を浴びています。世界平均では年間1人当たり約2.4ミリシーベルトとなっています。もちろん、これらの放射線量は、人体には全く影響のないレベルのものです。

 ※参考:独立行政法人 放射線医学総合研究所HPより




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