2. 現行憲法下の内閣制度

日本国憲法(昭和21年11月3日)

 昭和22年(1947年)5月3日に現行憲法が施行され、また、同時に「内閣法」が施行されて、現在の内閣制度が確立した。すなわち、国民主権の下で、立法、行政及び司法の三権分立を徹底させるとともに、議院内閣制という基本的枠組みの下で、内閣は行政権の主体として位置付けられることとなった。

日本国憲法下の三権分立
内閣法(昭和22年1月16日)

 内閣総理大臣に「内閣の首長」たる地位が与えられ、内閣を代表するとともに、内閣の統一性と一体性の確保のために、その閣内における地位も高められ、権限も強化された。ただし、その権限も、国務大臣の任免権あるいは国務大臣の訴追に対する同意権など単独の権限であるものを除いては、閣議にかけて行使するのが原則である。

 また、憲法上、行政権は内閣に帰属するものとされており、その意味で、国の一切の行政事務の遂行は内閣の責任に属するが、その具体的な行政事務は内閣自らがすべて行うというのではなく、内閣の統轄の下に内閣府及び11の省が設置され、さらに、これらの府又は省の外局として設置されている委員会又は庁などが分担管理するものとされている。

議院内閣制

 現行憲法においては、議院内閣制が採られている。これは、内閣総理大臣の選出、その他内閣の存立の要件を国会の信任に置く制度であり、憲法は、これを次の諸点で制度的に明確にしている。

  1. ① 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、指名されること(第67条第1項)
  2. ② 国務大臣の過半数は、国会議員の中から選ばれなければならないこと(第68条第1項ただし書き)
  3. ③ 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負うこと(第66条第3項)
  4. ④ 内閣は、衆議院の信任を要すること(第69条、第70条)