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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成25年5月3日内外記者会見

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【安倍総理冒頭発言】

 今回私は、ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、そしてトルコの4か国を訪問致しました。ロシアの訪問につきましては、プーチン大統領との共同記者会見で既に申し上げておりますので、本日は、中東諸国訪問の成果を中心にお話をさせていただきたいと思います。
 今回の中東訪問の狙いは、石油の売買といった従来の資源・エネルギーを中心とする関係を超えて、幅広い分野での経済協力、更には政治・文化、安保といった多層的な関係にしていくことであります。
 こうした狙いの下、サウジアラビアにおきましては、我が国総理として初めての中東政策演説において、私は日本と中東地域の関係を、「安定と繁栄に向けた包括的なパートナーシップ」に向けて抜本的に強化していくことを宣言致しました。
 そして、今回の訪問の最大の特徴は、農業・医療分野を含め、我が国経済界を代表する、総勢100名を超える最大・最強の経済ミッションに同行していただいたことであります。日本の「強み」をしっかりと売り込んでいただいたと思います。正に、本格的な経済外交のスタートとなりました。
 その多層的な関係の中身を順にご説明したいと思います。
 キーワードは「協働」、そして「共生と繁栄」、そして「寛容と和」、この3つであります。

 第一は「協働」、すなわち政治・安全保障面での協力であります。中東地域の安定は、日本の安全保障にも資するわけであります。日本はテロ対策・治安、地域安定化や民主化支援といった協力により、地域の安定に向けて、一層、政治的役割を果たしていきます。この目的のため、中東・アフリカ地域に対し、新たに総額22億ドルの支援を行うことを決めました。また、今回の訪問では、サウジアラビアとUAEにおいて、安全保障対話を新設することで合意を致しました。

 二点目は「共生と繁栄」、すなわち経済関係の拡大・深化であります。中東地域の高い経済的潜在力は、日本の成長に直結します。エネルギーを中心とする枠を超えたつながりを作りたいと考えています。特に、おいしくて健康的な日本の農産品、日本の最高水準の医療機器や技術、そうしたものに対する先方の強い関心を私は実感致しました。これらは、相手側の国の国民の「生活の質」の向上にもつながるものであり、互いに利益をもたらす協力であります。今回の訪問の中で、企業間の協力に関する多くの文書が作成され、協力の歯車が動きだしたことは、大きな成果であったと思います。
 また、原子力分野においても、日本の最高水準の技術に強い関心が寄せられました。原子力協力に関する3つの協定が署名されました。特にここトルコにおいては、「シノップ原子力発電所プロジェクト」について、日本に排他的交渉権を付与することが決定されました。過酷な事故の経験と教訓を世界と共有し、原子力安全の向上に貢献していくことは、日本の責務であると考えます。

 三つ目のキーワードは「寛容と和」、すなわち文化・人的交流の強化であります。お互いの歴史・文化に対する理解と敬意をもって、人材育成や教育での協力を進めてまいります。具体的には、今後5年間、中東諸国と共に、約2万人の研修実施と、専門家派遣を行います。また、中東からの留学生の数も増やしていきます。

 以上のように、今回の私の訪問は、中東諸国と私との間で重層的な関係を築く転機となりました。改めて、温かく迎えていただいた4つの国の皆様に、改めて感謝を申し上げ、御礼を申し上げたいと思います。以上であります。

【質疑応答】

(共同通信 橋本記者)
 先ほど総理からお話がありましたが、今回のロシア・中東3カ国の歴訪では、日本の経済界トップらが100人以上参加し、総理自ら医療や農業、エネルギー分野でのトップセールスを展開されました。
参院選を前に、6月にまとめる成長戦略がいま注目されていますが、今回の歴訪の成果をどのように生かして取り組んでいくのでしょうか。また、東日本大震災に伴う福島第一原発事故後、初めてUAE、トルコ両国と原子力協定に署名をしましたが、日本の国内の原発再稼動の時期についてはどのようにお考えでしょうか。

(総理)
 私の成長戦略は、チャレンジ、オープン、イノベーションであります。農業や医療をはじめとする海外展開は、正にその全ての要であります。今回の歴訪は、私の経済外交のスタートでもあります。訪問先で実際に日本のおいしい農産品、食品を現地の方々に味わっていただきました。私自身トップセールスに努めてまいりましたが、大きな期待と手応えを感じることができました。今回の訪問を通じて強化された各国との関係を梃子(てこ)に、私自身が先頭に立って、農業や医療を含む広範な分野の海外展開を支援し、そして成長戦略につなげていきたいと思います。
 また、原子力発電については、中東諸国から、日本の最高水準の技術、そして過酷な事故を経験した中での安全性への強い期待が寄せられました。こうした期待に日本は応えていくべきだと思います。
原発の再稼動については、安全を最優先します。原発の安全性は、原子力規制委員会の判断に、専門家的な判断に委ね、委員会が新たな基準に適合すると認めた場合には、その専門的判断を尊重し、再稼動を進めてまいります。

(アナドル通信(トルコ) オズバイ記者)
 トルコ訪問前、トルコのメディアとのインタビューにおいて、総理はトルコと日本が第三国において協力することに言及されました。イラクにおいて日本とトルコがエネルギー分野で協力を進める可能性はありますか。また、現在トルコが進めるクルド問題の和平プロセスが、トルコ周辺地域の安定につながると考えますか。

(総理)
 順調に復興・経済成長が続くイラクに関し、日本の企業は大変に関心が高いと思います。イラクのエネルギー、建設、医療分野等で活動しています。トルコ企業はイラクでの経験が深いと承知しておりますが、これらの分野でトルコ企業と連携をし、そうした企業について共に協力していく可能性は大きいと思います。既に、2012年7月にイラク向けの日・トルコ・ビジネスセミナーも開かれ、同年の10月、JBICと複数のトルコの民間銀行との間でトルコ及び周辺国向けの融資枠も設定されました。
 また、クルド問題の解決に向けた前進は、トルコの安定を高め、トルコの企業との連携を強化することを容易にすると考えられます。今後はこうした民間企業主体での日・トルコ間のパートナーシップが、イラクのみならず第三国で展開、進展していくことを期待したいと思います。

(TBS 緒方記者)
 今日は5月3日ですので、憲法改正について総理に改めて確認をさせていただきたいと思います。夏の参院選で自民党は改憲の発議要件を定めた96条の改正というものを争点として掲げて、3分の2以上の勢力を確保することを目指すお考えでしょうか。それから連立のパートナーの公明党は96条の改正には慎重で、一方日本維新の会やみんなの党は積極的ですが、この問題をきっかけに維新の会とかみんなの党と連繋をしていく考えはありますか。

(総理)
 憲法改正については、自由民主党立党以来の我々の主要なテーマであります。そして、改正手続きである96条の改正については、前回の衆議院選挙においても、我が党は公約として掲げています。ですから当然、今度の参議院選挙においても我々は公約として掲げていきたいと考えております。その中において、3分の2が発議要件でございますので、その発議要件を構成する仲間を作っていくことが大切なんだろうと思います。そのための努力はしていきたいと思います。一方、公明党は連立政権を共に形作る重要な友党であります。公明党の考え方、姿勢も、我々は尊重しながら、丁寧に説明をしながら、公明党との間においても議論を重ねていきたい、そういう努力は重ねていきたいと思っています。それと、維新の会、みんなの党も、96条には賛成をしているということでありますが、そういう意味においては、最初に申し上げましたように、多数派を形成していく上においても、この憲法改正96条については協力をお願いをしていきたい、このように考えております。

(アルジャジーラ(カタール) カシュラム記者)
 日本は重要な国ですが、これまでは国際問題の解決に積極的に関与しておらず、重要な役割を果たしてきていないと思います。本日のお話を伺ったが、日本は新たな役割を担い、今後更に国際問題において積極的な役割を果たしていくのでしょうか。その中でイランの核問題への取り組み、及び、シリア情勢に対する見方についてもお聞きします。

(総理)
 現在、中東地域は歴史的な変革期にあると認識しております。この地域に安定と平和をもたらす努力を、日本は国際社会とともに担っていく用意があります。一昨日表明した22億ドル規模の安定支援はその一環であります。
 また、いまご質問のございましたシリア情勢についてでありますが、甚大な人道被害や化学兵器使用の可能性など我々は強く懸念をしています。我が国は、緊急人道支援を通じ、シリア市民や周辺国を支えてまいりました。シリア人主導の移行プロセスは、アサド大統領が残留したままではスムーズに進展するとは思えません。国際社会は、結束して事態の収束に尽力する必要があると思いますし、日本もその役割を果たしていきたいと考えています。
 中東和平については、和平交渉の再開が急務であります。日本も国際社会と連携をして、パレスチナとイスラエルの交渉再開に向けて働きかけを行っていきます。そのための環境作りとして、日本は「平和と繁栄の回廊」プロジェクト等の取組みを主導的に進めていきたいと考えています。
 また、我が国は、イランの核問題に対する国際社会の深刻な懸念を共有しています。「対話」と「圧力」のアプローチに基づいて、国際社会と協調し、イランに圧力をかけ続けていきます。同時に、イランに対する働きかけを行い、日本としても、問題の平和的・外交的解決に努力をしていきたいと思います。

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