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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成25年6月7日日・仏共同記者会見

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【安倍総理冒頭発言】

 かねてより、日本との関係を大切にされているオランド大統領の国賓による訪日を心から歓迎を申し上げます。フランスは、近代的自由や人権の母国であり、日本はアジア初の自由民主国家です。この両国は次の時代においても、国際社会の自由、安定、繁栄のために世界を主導していくことは歴史の要請であります。
 先ほどの首脳会談では、普遍的価値や利益、責任を共有する日仏両国が特別なパートナーシップを進化させていくことをオランド大統領と確認し合いました。そして、その成果として、次の三つの分野を柱とする共同声明を発出することで一致いたしました。
 一つ目の分野は、政治、安全保障です。共通の価値に基づく世界を実現するために、外務・防衛担当大臣の会合の開催、防衛装備品に関する協力、輸出管理に関する協議の創設に合意いたしました。
 二つ目は経済です。イノベーションを喚起し、成長機会を共有するため、航空宇宙や原子力などの分野で日仏の企業間協力を推進し、経済成長を促していきます。
 三つ目は文化です。日本とフランスという東西の文化大国がブランドパワーを高め合うため、双方の食文化の世界に向けた発信などで協力していきます。さらにアジア太平洋情勢についてもオランド大統領と突っ込んだ議論を行い、日仏は太平洋の友人であることを確認いたしました。
 今後、オランド大統領とともに、本日合意した一つ一つの協力を育て上げていき、両国が手に手を携え、法の支配に基づいた自由で開かれた世界の実現を目指してまいります。
 私からは以上であります。

(内閣広報官)
 ありがとうございました。
 それでは、引き続きましてオランド大統領からお願いいたします。

【オランド大統領冒頭発言】

 まずはこのように天皇陛下、そしてまた日本国総理に、私を温かく迎えてくださいました日本の関係者の皆様方に感謝申し上げたいと存じます。今回は、国賓としてお招きをいただきました私だけではなく、残りの随行団に関しましても感謝をいたしたいと思います。
 日本とフランスの関係は非常に古いものもあり、伝統的なものもございますが、それだけではなく将来に向けたものであると思っております。また、今回、日本を訪問させていただきました機会に、新たなる環境づくりをしたい、雰囲気づくりをしたいと思いました。つまり、今まで以上のしっかりとした特別なパートナーシップを構築してまいりたいと希望いたしました。それは総理のほうからもお話がございましたように、三つの分野で可能だと思います。
 まず、第1点といたしましては、安全保障、そして平和のために政治面での対話を促進するというものです。それには幾つかの大切なことがありますが、まずは核拡散を止めなければならないということ。また、ここで私どもといたしまして、いかなる国も核を保有するべきではないということ。とりわけ、今、頭にございますのは北朝鮮とイランですが、それを確認いたしました。
 また、それだけではなく二つ目といたしまして、テロ対策がございます。日本はフランスと同様にアルジェリアでの人質事件の際に犠牲者が出たわけです。改めましてフランス国民として日本の皆様方にお見舞いの気持ちを伝えさせていただきました。
 さらに、開発分野での協力をより一層強めていかなければなりません。特に開発というのは、多くの課題に対しての回答になると思ったからです。とりわけアフリカにおける開発に力を入れている日本と私どもはともに行動していきたいと考えています。
 また、これからは外務大臣、防衛大臣を中心といたしまして、定期的に意見交換をすることを確認いたしました。とりわけ、今後は意見交換をするだけではなく、分析やできる限り共通の立場を作っていくことも必要であると思っています。
 太平洋地域、フランスのプレゼンスがあるわけですけれども、この地域におきましても、私どもは協力が可能であります。それは例えば自然災害に対して対処することができるというふうに思っています。以上が第1のパートナーシップです。
 二つ目の分野といたしましては、経済です。日本政府は今、幾つかの方向性を見出しているところです。とりわけ、安倍内閣が発足してから、そのような方向性がとられました。これは私がとやかく言うことではございませんが、日本の皆様方が決定したことです。そして、経済成長を促すということ、また、デフレ対策を立てるということ。さらに、企業が競争力を回復するようにしていくこと。そしてまた、経済活動を支援するということ。これはヨーロッパにとりましても、とてもよい知らせです。それはヨーロッパでも私どもは経済成長を優先し、また、競争力を改善しようとしているからです。そのような状況の中で私どもはお互いに経済政策面での意見交換をするだけではなく、具体的に前進をしなければいけないと思っています。その一つのよい例として挙げられますのが、二つの企業によって共同で開発された原子炉がトルコで受け入れられたということがあるわけですけれども、エネルギーの分野だけではなく、多くの分野で私どもは協力が可能であると思っております。とりわけ、質のよい協力というものをこれから前面に押し出してまいりたいと思っています。
 また、最終的なコミュニケの中にも盛り込まれていますが、今後は相互の投資を促さなければならないと思っております。今回あらゆるサイズの企業の代表が私の同行者として日本に来ておりますが、日本の企業にももっとフランスに投資をしていただきたいと思っています。とりわけ、日本企業による投資は質のよいもので、地元をよく理解しようとしているという理由もございます。
 経済の分野におきましては、EPAについても日本とEUの間で交渉が始まり、フランスは幾つかの条件をクリアすることが可能であれば、前向きに検討していきたいと今思っております。とりわけ、やはり相互主義というものが大切であろうと思っておりますし、これからは関税障壁、また非関税障壁の撤廃をぜひとも進めていきたいと思っております。これは一方的にフランスのために有利になるだけではなく、日本にとっても有利になるはずです。
 そして、最後のパートナーシップとしては、総理の方からもお話がございましたように、文化、特に人的交流ということで、私どもといたしましては、大学生の交流というものを進めてまいりたいと思っています。
 これからは、今現在の日本人留学生の数を倍増したいとすら思っています。安倍総理とは、また近々再会を果たすことになっております。何と申しましても、G8、G20が間もなく開催されますので、その際に私どもは発言を求められることになっております。そのときには、今日確認できましたことを中心といたしまして、これから先は経済成長を優先的に考えていきたいということを表明してまいりたいと思います。
 また、総理にはできることなら、よいタイミングでフランスを訪問していただきたいと思っております。これは、特別なパートナーシップを続けていくことにつながるからです。
 ありがとうございました。

【質疑応答】

(内閣広報官)
 ありがとうございました。
 それでは、質疑に移ります。
 指名された方は、まず所属と名前をおっしゃってから、質問をお願いします。
 まず、日本側のプレスの方から質問をお受けします。
 それでは赤地さん、どうぞ。

(記者)
 産経新聞の赤地と申します。
 原発輸出について、安倍総理にお聞きします。
 日仏企業連合がトルコの原発プロジェクトで排他的交渉権を獲得しましたが、両国の経済成長に向けて、今後この分野でどのような協力を進めていくお考えかをお聞かせください。両国は財政出動に前向きな経済政策で経済成長を図っていますが、一方で国際金利の上昇など、財政健全化への懸念も出てきております。株式市場はこのような動きに敏感に反応していますが、金融市場に対して日本の経済成長をどのように訴えていくおつもりかお聞かせください。

(安倍総理)
 先ほど大統領とも一致をしたわけでありますが、経済成長をしっかりと進めていく。これはそれぞれの国の国益だけではなくて、日仏両国、そして世界にとっても極めて必要なことであり、有益であるということでありますが、日仏両国がお互い持てる力を合わせて経済成長をつくり出す潜在力は大きいと考えています。先端技術から文化に至るまで、両国が協力をして世界展開をしていくことが期待されています。
 原子力発電については、世界の安全水準を一層高めていくという観点から、日本の原子力技術への期待に応えていく考えであります。そして、その意味において、日仏は世界最高のパートナーであると確信をいたしております。
 そしてもう1問、マーケットの動向についてでございますが、総理大臣としてはコメントしないということになっておりますが、先般、日本銀行の黒田総裁は、内外経済の変調をうかがわせるような経済指標は必ずしも出ておらず、日本経済は順調に回復への道筋をたどっていると、こう発言をしていたというふうに承知をしています。
 私が申し上げるべきことは、日本経済は着実によくなっているということであります。昨年の7月、8月、9月は、GDPはマイナスの3.5%成長でございましたが、今年の1~3月はそれがプラスの3.5%になった。ネガがポジに変わったと言ってもいいでしょう。そして、4月の主要な経済指標を見てみても、消費、生産、雇用、どの分野においても改善が見られるわけでありまして、安倍内閣の経済政策の鍵は、経済再生と財政健全化の好循環にあります。経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に寄与するという好循環を私は目指していきたいと考えています。
 日本の財政問題は、デフレから脱却をしない限り、いずれにせよ解決をしませんし、この道しかないのだと、私はこう信じています。今後は、民間主導による成長を目指して、第三の矢、成長戦略を実行していくことになるわけでありまして、まさに実際に行動に移していくことができるかどうか、それが問われているのであり、我々は必ず行動に移していく決意であります。
 日本を世界で一番企業が活動しやすい国にしていくため、どのような岩盤にもひるむことなく、徹底した規制改革に取り組んでいきます。これまでの成長戦略と異なるのは、先ほど申し上げましたように、実行を伴っているかどうかということであります。まさに実行が伴っていることが過去の成長戦略とは違う。矢継ぎ早に政策を進めていきます。
 先般お会いしたコロンビア大学のサックス教授やノーベル経済学賞を受賞されたスティグリッツ教授も、安倍政権の経済政策は正しい方向に向かっていると、こう評価をしていただきました。また、世界銀行のキム総裁からも全面的な支持をいただいたところでありまして、今後も強い意思を持って、今進めている政策を前に進めていく考えであります。

(内閣広報官)
 それでは、次に、外国のプレスの方からの質問をお受けします。
 どうぞ。

(記者)
 ロイターのエリザベート・ピノーです。日本は特に円を弱めて成長の促進策を進めているわけですけれども、こうした日本が行ったやり方というのは、ヨーロッパ、そしてフランスにも適用できるものでしょうか。

(オランド大統領)
 これは、まず、私に向けられた質問だと理解をいたしますけれども、安倍総理に聞いていただいてもよかったですね。フランスでやっていることが、果たして日本に適用できるかというようなことを聞いていただいたほうがよかったのかもしれませんが、状況が違うというのも事実です。フランスは、ユーロ圏の中にあります。つまり、そこにはパートナー国との連帯感というものがあり、ともに行動しなければならないという状況にあります。
 日本は、まずは金融政策に関しましても、自分で単独で決めることができるわけです。そして、それは自分の国を中心に考えることができるわけです。また、財政に関するルールも異なっています。
 例えば、アジアでの一つの委員会というものがあって、日本の財政赤字をいちいち確認に来るということはございません。そのような状況の中にあるわけですから、自分の国にとって、何がよい経済政策かということを打ち立て、それを実行するしかないということです。
 ところが、総理と私の共通点があります。それは、これをどのように経済成長につなげていくのかということです。まず、通貨政策は、実体経済を機能させるようにしなければならないわけです。競争力を促す構造改革も必要です。また、財政に関しましても、あまりそれが緊縮にならないように、そしてまたさらに、きちんと国の会計を健全化させるものでなければならないわけです。自分は、日本の成功を祈っています。
 それは、なぜかということを考えてまいりますと、日本が成功に向けて歩いていくことによって、それはヨーロッパにもよい影響があるからです。信頼を取り戻すようになってきており、それはヨーロッパ、ユーロ圏の中でも同じことが言えるわけです。
 そして、これからは、私どもはその信頼感というものを何よりも前面に出さなければならないと思います。信頼することによって、また信頼感が戻ることによって消費を促すこともできるでしょうし、また、投資を促進することもできるわけです。
 こうして貿易が活性化されます。とりわけ、相互主義に基づいた貿易というものを、これから先進めていくことが大切だと思います。
 今は、デフレから脱却しようと、日本は努力しているところです。それはとてもよいニュースだと思いますし、また、私どもといたしましても、これからはもっとよいニュースを日本側に提供していきたいと思っています。
 例えば、ようやくユーロ圏も安定したということを申し上げました。それだけではなく、金利が低いということも、そしてまた幾つかの国の中におきましては、財政再建により景気の後退にも歯止めがかかったということもお伝えしています。それだけではなく、ドイツとともにフランスは、若者の雇用を促進していきたいということを伝えています。
 こういったことを、私どもはG8で伝えることによって、より一層の経済成長、そして信頼を取り戻していきたいと思っています。

(内閣広報官)
 ありがとうございました。それでは、再び日本側プレスの方からお受けします。
 それでは高田さん、どうぞ。

(記者)
 フジテレビの高田といいます。オランド大統領にお伺いします。
 今回、日本とフランスが多岐にわたる分野で協力強化を確認したことは、非常によかったと思っているんですが、その中の安全保障と海洋の問題についてお伺いしたいんですが、今、東アジアでは、日本を含む多くの国々から中国の海洋進出について、懸念と警戒の声が上がっていて、実際に、日本も日本の固有の領土である尖閣諸島の付近で、度重なる中国の挑発を受けている状況ですが、こうした中国の行動について、フランスはどのように見ていて、どう中国と付き合っていこうとしているのか。
 また、フランスから中国への防衛装備品に転用可能な物品の輸出についてどのように対応するか、御見解をお願いします。

(オランド大統領)
 緊張が発生すると、どこであっても、私どもは懸念を感じます。それが誰と誰であってもということです。とりわけ、この太平洋の中において、友好国がそのような状況にあるということ、日本、そして中国です。
 そうした状況の中で、私どもは、次のような外交方針を持って行動しています。まずは沈静化の努力、対話が大切であるということ、尊重し合うこと、理解し合うということ、そして、国際法を大切にするということです。国の立場をきっちりとさせるのは国際法であると私どもは思っております。ですから、こうした状況が発生した場合には、何よりも国際法を大切にしなければいけないと、そのように思っています。
 また、さらに中国に対して、対中の武器の対象外のものに関してですけれども、私どもは一切そういったものが軍事用途でないということを申し上げることをしたいと思っております。非常に低い金額ではございましたが、確かにフランスから輸出した民生品に関しまして、日本側で疑いが持たれたということも承知しております。ですが、私どもはいかなる緊張も高めないように対応していますが、規則は規則であると思っており、その点だけはここで強調させていただきます。

(内閣広報官)
 最後に、外国プレスの側から、もう一問いただきます。
 どうぞ。

(記者)
 BFMTVのブロッサード・ジェネミーです。日本とフランスが国際関係で同じ見方があるとおっしゃいましたが、シリアに対してどのような、アサド政権に関して現在のように化学兵器が使われている中で、どのような共通のメッセージを与えられるのでしょうか。2人のジャーナリストが誘拐されました。この質問はむしろ大統領のほうに関するものかもしれません。

(安倍総理)
 シリアでの暴力的衝突の激化、そして長期化を強く懸念しています。人道状況の悪化、近隣諸国への波及は特に深刻な問題だと思います。アサド大統領は道を譲るべきです。その上で、シリアの将来はシリア人が決めていくべきだ、そう考えています。日本としてもシリアで一刻も早く暴力が停止をし、地域の安定勢力となっていくように情勢の改善に引き続き貢献をしていく考えであり、これまでに約8,000万ドルの人道支援を行っており、追加的支援策を検討しております。
 そしてまた、反体制派への支援でありますが、人道的観点からそうした支援も検討してまいりますが、こうした国際的な課題についてもフランスとよく協力をしていきたいと、こう考えております。

(オランド大統領)
 日本政府に対しまして、感謝したいと思います。私どもは同じ形での取組みをシリアに関してしていると思っております。確かにフランスの方が早くに人道支援をしたというところはあるかもしれませんが、またさらに私どもは、正当なシリアの継承者が反体制であるということを早くに認めましたし、また日本の皆様方とともに政治的な形での解決が出せないだろうかということで努力してまいりました。ところが、今、非常に不穏な状況であるわけです。また、さらにEUレベルで武器禁輸を解除し軍事圧力をかけるというようなことも私どもといたしましては試みました。
 そして、さらに御質問の中に、2人のジャーナリストが拘束されたということがございました。まずは、報道関係者は、シリアで十分にどこにでも行けるようにしていかなければなりません。それはシリアで何が起きているのかを世界中に知らしめるためです。今のところ全くコンタクトが取れず、どのような状況で拘束されたのかということもわかっておりません。とりわけ、この2人の命がかかっていることもございますので、私のほうからは申し上げられることはこれ以上ございません。
 しかしながら、一つ要求するとすれば、直ちにこの人たちを釈放しなければならないということです。特にこの2人は、人間として、世界が情報を得られるために仕事をしている人たちです。そういった報道関係者は報道関係者として扱っていただきたい。そして、脅威にさらされるべきではないと、そのように思っています。

(内閣広報官)
 それでは、以上をもちまして共同記者会見を終わります。

(安倍総理)
 最後に、これから行われるワーキングランチで、日仏両国の最高のシェフ、パティシエ、ソムリエの方たちの御協力を得て、両国の最高の食材を使って、オランド大統領御一行をおもてなしをしたいと考えております。そして、先ほど申し上げたとおり、日仏両食大国が協力をして食文化を世界に発信をしていく機会にしたいと思います。

(オランド大統領)
 総理にまた改めてお礼を申し上げなければならないと思います。このようになかなかフランスでもいただけないようなものを頂戴できるということは、何よりも光栄なことでございます。とりわけ有名な料理人が日本にたくさんいるということで、それは協力や相互の投資が大変進んでいることも示しています。大変に感謝しております。

(内閣広報官)
 以上で終わります。ありがとうございました。

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