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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成25年6月26日安倍内閣総理大臣記者会見

【安倍総理冒頭発言】

 本日、通常国会が閉会をいたしました。この言葉をこの場所で申し上げるのは2度目であります。1度目は6年前。その直後の参議院選挙に大敗をし、その後、総理の職を辞することになりました。あのときの挫折を私は深く胸に刻み込みました。来るべき参議院選挙。今の私の気持ちを率直に申し上げれば、チャレンジャーとしての緊張感、それに尽きます。
 この半年間、全力で駆け抜けてまいりました。半年前を思い出していただきたいと思います。長引くデフレ。経済の低迷。外交力を失い、主権に対する挑発が相次ぐ事態。いじめなど、教育の危機も叫ばれ、そして遅れる復興。何とかしてほしい、その国民の声に押されて私たちは再び政権を取り戻すことができました。
 三本の矢の経済政策は、昨年のマイナス成長を今年のプラス成長へ大きく反転させました。生産も消費も雇用も経済を表す指標はことごとく改善をしています。毎月、被災地を訪問し、地道に一歩一歩復興を加速させてまいりました。さらに、米国を始め、東南アジア、ロシア、中東、ヨーロッパなどの重要な国々を訪れ、世界地図を俯瞰する外交を進めてまいりました。
 どうでしょうか。半年前、世の中を覆っていた暗く重い空気は一変したのではないでしょうか。政権発足から今日でちょうど半年。安倍内閣を強固な連立で支えてくれた自由民主党、そして公明党の関係者の皆様に御礼を申し上げます。そして何よりも、温かい激励と支援を下さった国民の皆様に心から感謝申し上げたいと思います。
 先日のイギリスでのG8サミットでは、日本の経済政策に世界の関心が集まりました。日本は再び世界の真ん中に躍り出すことができる、そう感じたサミットでありました。G8各国がこぞって三本の矢の経済政策を高く評価してくれました。私たちの政策は間違っていない。この道しかない、そう確信をしています。しかし、まだ実感できていない、これが国民の皆様の正直な気持ちだと思います。景気の回復を全国津々浦々に至るまで実感していただきたい。経済政策もこれからが正念場です。要は、ぶれることなく実行できるかどうか。私はとことんやり抜く覚悟です。ですから、この参議院選挙、負けるわけにはいきません。必ずやねじれを解消しなければなりません。そう決意をしています。
 今国会においては幾つかの重要な政策を前に進めることができませんでした。私の成長戦略を支える電力自由化や再生医療の促進のための法案、NSC法案など、多くの重要な法案がねじれ国会の下で不成立となりました。誠に残念です。
 とりわけ裁判所で違憲とされた一票の格差の是正、いわゆる0増5減法案は、ねじれに翻弄されました。0増5減法案には昨年、民主党も賛成しました。にもかかわらず、その区割り法案は民主党が第1党を占める参議院で60日以上にわたって放置されてしまいました。可決も否決もしない。意思決定すらされませんでした。定数削減の方が重要だという意見もありました。しかし、そのことは違憲状態を是正する0増5減をやらないという理由にはなりません。まさに決められない政治、そして迷走する政治、これがねじれです。そのため、今週、衆議院の再議決を行いました。参議院の意思が示されない以上、違憲状態を是正するためやむを得ない、そう判断をいたしました。
 定数削減を含む選挙制度改正についても、与党案を提示し、議論を積極的にリードしてきましたが、今国会で結論を得ることはできませんでした。
 民主主義の土俵である選挙制度は、大政党だけで決めるのではなく、少数政党の意見も尊重することが重要です。しかし、各党、各会派の立場が大きく異なるため、議論が進まなかった。これが実態でありました。
 こうした膠着状況を何としても打開をしていかなければなりません。選挙制度について、民間の有識者が冷静かつ客観的な議論を行う第三者機関を国会に設けることを提案いたします。各党、各会派がその結論を尊重して、改革を前に進めていくという仕組みです。各党、各会派に対して、こうした提案を行うよう、既に党に対して指示をいたしました。選挙制度改革でも、必ずや結果を出したい、そう考えています。
 そもそも、ねじれを生み出したのは、この私です。6年前の参議院選挙で敗北をした。その敗北が全ての始まりでした。政治は迷走し、毎年、私も含めて、ころころ総理大臣が代わり、日本の国力が大きく失われました。痛恨の思いです。日本のため、このねじれに終止符を打たねばなりません。その責任が私にはある、そう覚悟をしております。
 昨年の総選挙において、私たちは再び政権に戻り、世の中の雰囲気は一変しました。実体経済は明らかに好転をしています。国民の皆さん、皆さんの力で政治は変わりました。皆さんの力で経済は変わりました。そして、社会も変わっていきます。その力が国民の皆さんにはあります。来るべき参議院選挙でねじれに終止符を打って、安定した政治の下で、皆さんと一緒に新しい日本の未来を切り拓いていこうではありませんか。誇りある国、日本を共につくっていこうではありませんか。そのことを最後にお願いをして、国会閉会に当たっての、私の冒頭発言といたします。
 私からは、以上であります。


【質疑応答】

(内閣広報官) 
 それでは、質疑に移ります。
 指名された方は、まず所属と名前をおっしゃってから質問をお願いいたします。
 それでは、どうぞ。
 それでは高田さん、どうぞ。

(記者)
 フジテレビの高田です。
 今総理もおっしゃられたように、今日で第2次安倍政権発足から半年、そして通常国会閉幕の日となりましたが、この半年間を振り返って、特に総理がこれは成果だと胸を張れるものがあったら成果と、そしてまたこれは改めて課題だと思ったことがあったら、それぞれお聞かせください。
 そして、今日、参議院で安倍総理に対する問責決議案が可決されましたが、その受け止めについてお伺いしたいのと、あと、ねじれの解消ということをおっしゃっていましたが、改めて参議院選挙の獲得議席の目標についてお願いいたします。

(安倍総理)
 昨年の総選挙において、私は長引くデフレ、そして経済の低迷、我々はその中から、デフレから脱却をし、そして日本の経済を成長させていく。そう国民の皆様に訴えました。同時に、外交敗北によって、日本の外交力は大きく失われたわけであります。その中において、日本のいわば領土・領海、主権が脅かされようとしていた。教育の危機も叫ばれていましたし、遅々として進まない復興。その中において、これを何とかしろと。それに対して私たちは責任を持って前に進めていきます、そのことによって、我々は政権に復帰をしたわけであります。
 昨年の7月、8月、9月、経済はマイナス3.6%、まさにマイナス成長であった。成長していくどころか、日本の富や国民の富は失われていました。それを新たに三本の矢でもって、次元の違う政策でもって、1月、2月、3月はプラス4.1%、マイナスからプラスに変えることができました。そして、4月の有効倍率においては、まさにリーマン・ショック前に戻すことができました。ある意味、民主党政権時代、3年かかってできなかったことを半年間で、短い期間ではありましたが、しかし、達成することができた。つまり、まさにもう成長していくことができないのではないかと自信を失っていた中であって、これから私たちは再び、まさに日本を世界の真ん中で活躍する国にできるかもしれないという自信を回復しつつある。そこまで来ることができたと私は思っています。
 しかし、まだまだ実感できていないという方々がおられるのも事実であります。まさに全国津々浦々までしっかりと景気は回復していく。日本は今年よりも来年よくなっていく。この地域もよくなっていくというふうに実感していただくように、全力を尽くしていきたいと思います。
 今日問責決議が可決をされました。まさにこれこそがねじれの象徴だと思います。この問責決議によって、残念ながら電力改革のための法案など、重要な法案が廃案となってしまいました。景気を回復させていくためにも、まさに日本はグローバルな競争を今、戦っているわけでありまして、その中で勝ち抜いていくためにはスピード感が必要です。そのスピード感を取り戻していくためにも景気回復を加速させていく。復興を加速させていくためにも、ねじれを解消しなければいけない。その決意を新たにしたところであります。

(内閣広報官)
 はい、それでは、次の方いかがですか。
 それでは林さん、どうぞ。

(記者)
 北海道新聞の林です。
 参議院選挙についてお伺いします。総理は先ほど、目標についてはねじれに終止符を打つと明言をされました。これは途中で衆院を解散しなければ、少なくとも次の参院選まで、向こう3年間は与党が主導になって様々な政策決定を図れる、このような政治環境をつくる、これが目標だと認識をしております。
 そのような目標を掲げているということであれば、やはり短期的な課題にとどまらず、先ほど総理がおっしゃった誇りある日本をつくるために、どのような政策を中長期的な政権運営の柱に据えようと、今考えていらっしゃるのか。これをお伺いしたいのと、関連してですが、その総理が描く国家像に照らして、向こう3年間で現行憲法のどの条文、どの条項を改正あるいは改正に向けた道筋をつけることが重要だと、今お考えなのか。既に自民党は憲法改正素案を発表しておりますけれども、これを踏まえた上で総理御自身のお考えをお聞かせください。

(安倍総理)
 まず初めに、この参議院選挙においてねじれを解消して、政治の安定を取り戻さなければ日本の国力が回復しない。これは間違いないのだろうと思います。そのために私は全力を尽くしていきたいし、その責任が私にあります。そこで、この参議院選挙でねじれを解消する。つまり、与党で過半数を目指していきたいと考えています。
 その上において日本は15年間デフレ経済が続いてきました。このデフレから脱却するために次元の違う政策を今、行っています。しかし、15年間デフレが続いた国がデフレから脱却をする。これは大事業なのですね。歴史的な大事業だと言ってもいい。そう簡単なことではないと私は認識をしていますし、覚悟をしています。すぐにそれが達成されるという問題ではありませんから、まずはこの3年間、政治の安定を得た3年間、基本的にはそこに集中していく。つまり経済の力を失った国は国力を維持できませんから、外交・安全保障においても力を発揮することはできません。国の力、国の誇りをしっかりと確保していく上においては、強い経済力を勝ち得ることが必要ですね。そこにまず基本的には集中していきたいし、そう簡単なことではないのだろうと思っています。
 同時に、今おっしゃった国の形をつくっていく、憲法改正は立党以来の理念であります。当然この憲法の改正にも取り組んでまいります。
 まず、憲法改正については、私は先の衆議院選挙において96条から始めたいと申し上げました。そのことによっていわば我々が憲法の議論をリードする形ができたことによって、憲法改正、これはあまりリアリティを持った議論ではなかったのですね。初めてリアリティを持った議論、現実にこれは憲法改正というのは、だんだん現実的に政治課題としてこれは表れつつある。国民の皆様にも認識していただいたという意味においては、まず第1段階の目的は私は達成できたと思っているのです。
 その上において、次は国民投票法が先の第1次安倍政権において成立をいたしましたが、この国民投票を実施するための投票権を、18歳の年齢に引き下げていくための法整備があります。民法の権利義務との関係も含めてどう考えていくかということを議論していかなければいけないし、あるいはまた国民投票に付するものを、憲法のまさに逐条的な改正案だけに限るのかどうかということも含めて議論しなければいけませんし、公務員の行為規制、この三つの課題が宿題として残っておりますが、まだこれが解決をされていない。これを解決をしない限り国民投票できませんから、これは当然やっていく必要があるのだろうと思います。
 その上において、憲法改正というのは、普通の法律は国会で2分の1の議員が賛成すれば、これで完結をしますが、憲法の場合、これは我々の改正案においてもそうなのですが、2分の1の国民の皆様に賛成していただかなければ、投票数の2分の1、過半数がなければ憲法を改正できない。つまり、決めるのは国民の皆様なのですね。これがいわば一般の法律とは基本的に国会で完結をするものと、国民の皆様が直接決めるもの、国会は発議するということでありますから、つまり国民の皆様の中において議論がどれぐらい深く広く、深まっているか、広がっているか、あるいは変えていく方向について共有されていくかということが大切なのだろうと思います。
 そういうものをよく見ながら、国民の皆様の理解と平仄を合わせて条文をどういうふうに変えていくか、それが果たしてどの条文なのかということも我々は慎重によく議論をしていく必要があるのだろうと、このように思います。

(内閣広報官)
 時間が過ぎておりますが、もう1問だけいただきます。
 それでは、竹中さんお願いします。

(記者)
 ロイター通信の竹中です。
 原発政策に関してお伺いしたいのですが、最近の世論調査を見ますと、国民の半数ほどが原発の再稼働に反対をしていて、賛成を上回っているようです。将来的な脱原発を志向していて、原発の輸出も反対する有権者も多いです。国民が向かいたいと思っている方向と、政府が向かおうとしている方向に多少ずれがあるのかなというふうにも見えるのですが、このことに関してはどういうふうに思われるでしょうか。

(安倍総理)
 
今後、原子力政策を進めていく上において、あの過酷事故によって、いまだに避難生活を強いられている方々がたくさんいらっしゃることを忘れてはならないと思います。その方々のお気持ちを常に念頭に置きながら政策は進めていかなければいけないと私は肝に銘じております。
 当然、原発については安全第一が原則であります。その安全性については、原子力規制委員会の専門家に判断を委ね、新規制基準を満たさない限り、再稼働については再稼働しない。これが基本的な私たちの立場であります。
 原発輸出については、東京電力福島第一原発事故の経験と教訓を世界と共有することによって、世界の原子力安全の向上に貢献をしていく。そのことが我が国の責務であると私は考えています。今般の中東や東欧への訪問においても、各国から我が国の原子力技術への高い評価があったのは事実であります。原子力輸出については、こうした相手国の意向や事情を踏まえながら我が国の技術を提供していく考えであります。

(内閣広報官)
 以上をもちまして、総理会見を終わります。
 どうもありがとうございました。

(安倍総理)
 どうもありがとうございました。

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