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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成25年9月27日内外記者会見

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【安倍総理冒頭発言】
 世界の繁栄と平和に積極的に貢献する日本へ。
 今回の訪問で、日本に対する世界の期待の大きさを改めて感じた。
 最初に訪問したカナダは、自由、民主主義、基本的人権、法の支配など、普遍的な価値を共有する重要なパートナーである。今年は、日本とカナダの修好85周年でもある。ハーパー首相とは6年以上にわたる友情をさらに深め、経済、安全保障など、幅広く協力関係を強化していくことで一致できた。
 特に、カナダ産LNGの安定かつ低廉な供給や、ACSA締結による防衛協力の強化で合意できたことは、我が国にとって大きな意味がある。
 そして、この時期、世界のリーダーたちが集うニューヨーク。
 フランス、カタール、イラン、パキスタン、さらにはアフリカの首脳とも、話し合う機会を得た。
 再び力強く成長しようとしている日本の姿に、高い関心が集まっていることをひしひしと感じることができた。
 日本が強く復活し、安全保障分野を含む世界的な課題について、積極的な役割を果たしていく。こうした考えを、さまざまな機会を通じて、発信することができた。
 日本の皆さんが「当たり前」と思っている医療・保健サービスに、アクセスできない人たちが、世界には、まだ沢山いる。日本が、その培った経験で、大きく貢献できる分野でもある。
 「日本のリーダーシップに期待する」。
 ボノさんからも、日本の役割に力強いエールを送っていただいた。
 ビル・ゲイツさんとも、世界の疾病対策での貢献について、話し合った。
 世界の第一線で活躍をしている女性たちとお目にかかる機会も得た。
 様々な分野で、自ら道を切り拓いている女性たち。
 私は、女性の活躍こそが、現代の閉塞感を打ち破ることができる、と信じる一人である。
 途上国支援の面でも、女性の力をフルに引き出すことが、国際社会にとって重要なテーマとなっている。
 「女性の輝く社会」をつくりあげることが、日本のみならず、世界に大きな活力をもたらすことに間違いない。この考えは、国連総会の演説で、私が力を入れたところである。
 国連演説では、我が国の21世紀の看板とも呼ぶべき「積極的平和主義」への決意を述べた。
 今般発表したシリア問題への新たな貢献。
 イランの核問題の平和的解決に向けた独自の働きかけ。
 国連総会という場を活かして、「積極的平和主義」の旗のもと、具体的なアクションも進めた。
 「よりよい世界」をつくるために、日本がしっかりとその責任を果たしていく。世界の平和と安定、そして繁栄に、より一層積極的な役割を担っていく決意を、世界に向けて発信できたと考えている。
 日本に帰ったら10月。実りの季節である。
 内政、外交両面で様々な課題に、しっかりと結果を出していくべく、来るべきAPECと東アジアサミットは、我が国にとって最も重要なアジア・太平洋地域の首脳たちと、未来を語り合う絶好のチャンスである。
 国民の負託と、世界の期待に応えていかねばならない。
 その決意を新たにしていく。

【質疑応答】
(毎日新聞 古本記者)
 今回の国連総会の演説などで総理は「積極的平和主義」を掲げる方針を示された。しかし、自衛隊のPKO派遣などを巡っては、憲法解釈上のハードルもある。今後、この積極的平和主義をどのように具体的に実現されていく考えか。

(安倍総理)
 年に一度、世界のリーダー達が集まる国連総会の機会を捉え、また、この国連総会の場における発信は世界への発信となる。この機会を捉えて、私たち日本は、何を考え、何をしようとしているのか、どういう貢献をしようとしているのか説明し、そして、日本の存在感をしっかりとアピールする機会にしたいと考えた。
 国連総会の演説で、私から特に重点を置いて発信したのは、
 ①「積極的平和主義」の考えの下、世界の平和や安定、繁栄のために、今まで以上に積極的に貢献していくとの決意。
 ②そしてもう一つは、世界で、「女性が輝く社会」が実現するよう、我が国が国際社会に対して行っていく、3年間で30億ドル以上の具体的な貢献策である。
 嬉しいことに、私が耳にしたのは、世界における日本の役割・貢献の拡大に対する期待の声であった。
 シリア問題への貢献やイラン核問題への取組も、「積極的平和主義」の一環。この旗の下に、具体的な取組を進めて、国際社会全体の利益の増進に一層貢献していく考え。
 今回、さまざまな方々とお目にかかり、その際、私たちの積極的平和主義の中身についてお話をした。その方向については、多くの方々が賛意を表していただいたと思っている。
 憲法解釈の問題については、安保法制懇で議論が再開されたばかりであり、そこで議論されている中身について、どういう議論が行われていて、何が課題であり、何を目指しているのかということを、具体的な例に即して、国民的理解が進むように、努力していきたいと考える。
 同時に、もちろん、与党において、特に公明党との皆さんとの理解を得るための議論も進めていきたいと考える。

(AFP通信 タンドン記者)
 総理はイランのローハニ大統領と会談された。イランの問題は国連総会で非常に重要視されていると思うが、同大統領からどのような印象を受けたか。イランは核問題を解決することができるか。また、日本はイランからの原油輸入を米国が主張している懸念を考慮した上で、減少したと思うが、これから平和的解決と引き替えに、原油輸入量を元の水準に戻すことがあるか。

(安倍総理)
 日本のイラン産原油の輸入は、核問題を背景に減少してきている。
 この状況の打開には、核問題の解決に向けたイランの真摯な具体的な努力も不可欠である。
 私は、昨日、ローハニ大統領と会談し、新政権に対する国際社会の期待は大きく、現在の機会の窓を捉えて、イランが柔軟性を示すことが問題解決の鍵であるとの考えを伝えた。
 ローハニ大統領と会談して、率直な印象として、ローハニ大統領は、国際社会と協調しようとしているという前向きな姿勢を感じた。今後イランが具体的な行動をもって国際社会の懸念を払拭し、信頼を回復していくことを強く期待している。
 この核問題の平和的解決に向けて、日本としてもイランとの伝統的な友好関係を活かして、可能な限りの貢献を行っていく考え。

(NHK、松谷記者)
 消費税と経済対策の対応についてお伺いしたい。消費税率の判断の表明時期が間近に近づいているが、経済対策を巡っては、与党内には法人税減税への慎重論が根強くある。また、公明党からは児童手当の拡充などを求める意見もある。消費税の引き上げの判断を含め、どう応えるのか。企業収益の回復を優先して、それを賃金の上昇や雇用の拡大につなげるというお考えだが、民間企業に賃上げを強制するのは難しいという指摘もある。どう実現される考えか。     

(安倍総理)
 消費税に関しては、10月の初旬に、種々の経済指標を確認し、経済情勢をしっかり見極めて、最終判断する。
 「3本の矢の政策」によって、今、経済は順調に上向いている。15年続いたデフレから、やっと、そしてようやく脱却できるかもしれないチャンスをつかむことができたと思う。
 このため、成長軌道を維持し、活力を取り戻していくために十分な対応策が必要だと考えている。今まさに、その取りまとめを行っている中において、与党と意見交換をしている。そして調整を進めているところ。政府・与党で連携し、最善の方策となるように、しっかりと対応していく考え。
 ご質問にあった企業の収益拡大が賃金に反映されるかということについては、企業の収益が拡大して、賃金の引き上げ・雇用の拡大、さらには消費の増大につながっていくという景気の好循環を生み出すことが、私の経済政策。これは、経済界の皆さんにも理解していただいていると思う。
 なるべくこの好循環のサイクルに早く入っていくことが必要。そういうことも含めて、政労使の場で、胸襟を開いて、議論を交わしている。税制上も、賃金を引き上げる企業を支援していきたい。そういうインセンティブも我々は与えていかなければならないと思う。多くの企業の皆さんに理解いただきながら、夏のボーナスの前にも多くの企業に訴え、いくつかの企業には賛同していただいた。
 これからも、さらに景気回復の果実が広く国民全体に行き渡るよう、政策を前に進めていきたい。なお、念のため申し上げておくが、安倍政権で19兆円から25兆円に復興予算を増やした。私たちが増やした復興予算を減らすことはない。しっかりと確保していくことは改めて申し上げる。それを前提に、今回の対策も考えていく。

(AP通信、ペニントン記者)
 先週、中国外相が、日本が尖閣諸島の領有権について問題があることを認めれば対話を持つ意向があると表明したが、領有権に関して日本が妥協するつもりはあるのか。現在の日中の対立打開に関する見通しについて伺いたい。

(安倍総理)
 申し上げたいことは、日中関係は最も重要な二国間関係の一つ。日中両国は、さまざまな分野において切っても切れない関係といってもいい。アジア・太平洋地域、世界の平和と安定、繁栄に共に責任を持っている。
 尖閣諸島については、歴史的にも国際法的にも、我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配している。中国公船による領海侵入が続いており、我々にとっては大変遺憾なことであるが、領有権について日本が妥協することはない。同時に、当方から事態をエスカレートさせることはなく、毅然かつ冷静に対処してきているし、これからもそうしていく。
 私としては、個別の問題があっても関係全体に影響を及ぼさないように、互いにコントロールしていくとの「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻って、日中関係を発展させていきたいと考えている。この点、G20の場で私から習近平国家主席に、直接伝えた。
 何か問題があるからといって、対話のドアを全て閉じてしまうのではなく、課題があるからこそ、両国の間で、首脳レベルも含めて、話し合うべき。私の対話のドアは常にオープンであり、中国側においても同様の姿勢を期待している。

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