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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成25年10月6日STSフォーラム2013年年次総会における安倍総理挨拶

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 尾身会長、御列席のゲスト、ならびに参加者の皆様、皆様方の年次総会が10周年を迎えましたことを、お慶び申し上げます。歴史的な機会に参加をさせていただいて、大変嬉しく思っています。

 さて、皆様は、科学者でいらっしゃる。あるいは技術の専門家です。大学の先生も大勢おいでで、皆様にとって大事なお仕事は、見たり、聞いたりしたことを吟味して、評価することではないでしょうか。これは、少しばかり危険な場所へ来たなと思っているところです。

 ですからここは極力短く、ポイントをいくつかご紹介するだけに留めることにします。

 第一の点とは、我が国が学ばざるを得なかった、苦い教訓についてです。STS、それは科学と、技術の、社会におけるあり方という意味ですが、まさしくそのことを、私達はこれ以上ない厳しさとともに学んで参りました。フクシマと、事後の顛末についてであります。

 申し上げますが、俗にいうNIH症候群、つまり技術における自前主義の病弊から、私どもはもはや、脱しました。課題への対処のためには、世界中から、能うる限り最も先進的な知見を吸収しなくてはなりません。そのため広く、自らを開いております。
 
 打ち続く問題との取り組みに、我が国は皆さまの知恵を必要としています。ご専門の知識を必要としています。

 一方我が国とその技術にも、世の中に役立つものがあります。それが第二のポイントです。

 試みに、ご想像いただきたいのですが、中国とインドにある製鉄所が、日本の技術を採り入れたとしますと、それだけで、温暖化ガスの排出を大いに削減することができます。2030年時点での削減幅は5億トン。これがどれくらいの規模かというと、日本全体が現在1年で排出する量の、4割に相当します。

 カーボン・ファイバーが、もうひとつの例です。非常に強い素材ですから、自動車で使用する鉄を、代替できます。同時に極めて軽量なので、クルマにカーボン・ファイバーを用いれば用いただけ、少ない量のガソリンしか使わないですみます。

 こうしたことから予測をし、2050年時点で、現状に比べ二酸化炭素の排出量は47億トン減らせるとする見立てがあります。日本全体の、現在の排出量に対し、4年分に当たる量です。そしてカーボン・ファイバーを最も多く生産するのはというと、日本です。市場シェアは、およそ7割になります。

 前回、総理を務めたとき、私は、2050年までに、世界の排出量を50%削減することを提案し、「50-50」のプランとして、これはG8でも採用するところとなりました。

 私は今なお、責任意識をもっています。先月は、排出を一層削減するためいかなるイノベーションが必要となるのか、長期のロードマップを公表しました。

 とくに今後の5年、(排出削減技術開発のため)官民資金を合わせ、1100億ドル振り向けて行くことを決めました。併せて、開発した技術を海外、とりわけ途上国へ普及しなくてはなりません。そのため、金融支援、二国間クレジット制度、さらには省エネ技術の標準化など、さまざまな手段を追及していきたいと思っています。

 この際、発表させていただきますが、来年からは、本年次総会の開催に合わせるかたちで、排出を減らすに必要なイノベーションに焦点を合わせ、政府として、新たな年次会議を開きたいと考えております。

 私としては、規制の撤廃に心がけます。科学、技術がその役目を果たすためにも、規制撤廃がカギになります。

 ひとつだけ例を挙げさせていただきますと、山中教授が先鞭をつけられたiPS細胞を使った医療は、もっと容易に、患者に役立つようにならないといけません。それを阻む規制を改革するため、今月中に新たな法案を提出する予定です。

 私はまた、日本を、最もイノベーションをしやすい国にする決意をしています。国際社会は、日本の知恵を必要としているかもしれませんが、日本もまた、それに勝るとも劣らず、世界の知見を必要としているからです。

 例えば沖縄科学技術大学院大学には、世界から、学者や学生に、引き続きどしどし来ていただきたいと思います。尾身会長は、この学校にとって生みの親でありますが、もうじき建学2年を迎える同大学は、30カ国から来た研究者、23カ国から来た学生を集め、順調に伸びていきます。実に喜ばしいことだと思います。

 日本をもっとオープンにし、また、言ってみればシュンペーター的なところとする。そのため日本経済は、もっと力強くならなくてはなりません。私の経済改革政策は、そのためのものです。また、日本の国際的地位も、いま以上に高める必要がありますが、それを求めるのが、私の外交です。

 とそれだけ述べましたところで、私からのお話を終わりにします。いまから、APEC会議のため、インドネシアへ向かわなくてはなりません。先方で、APEC指導者の皆さんに会い、本問題の議論を続けられたらと思っています。

 ご清聴ありがとうございました。

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