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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成26年5月22日第20回国際交流会議「アジアの未来」 安倍内閣総理大臣スピーチ

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 「アジアの未来」シンポジウムにとりまして、本年は、発足20周年の佳き年に当たると伺います。
 振り返りますと、この20年、アジアは多事多難でありまして、1990年代末には、一大金融危機がありました。2008年には、世界的なマネーの収縮がありました。
 その間に、津波があり、大きな地震があり、巨大な台風がありました。
 何もかも、全部、乗り越えてきたのが、アジアの力、アジアの達成です。
 一人当たりGDPは、1995年この方、ラオスで4倍になりました。モンゴルや、ベトナムは、6倍です。
 アジアとは、躍進の代名詞です。前進力の別名です。昨日より今日、今日より明日は明るいと信じる、希望と夢の象徴と言ってもいいと思います。
 20年間、あまたある試練や困難に直面しながら、それでも前へ、前へと歩みをやめなかった、アジアの達成を、まずは、今夕、隣り合わせた者同士、しみじみと喜びあおうではありませんか。

 アジアが躍進を続ける中、唯一、例外だったのは、残念ながら私の国、日本でした。
 20年前、20歳だった若者は、いま、働き盛り、子育て真っ最中の40歳。その点なら、日本の40歳と、インドネシアの40歳に、違いはありません。
 しかし、インドネシアの40歳には、成長の手応えがある。一人当たりGDPにして、3.4倍の成長を遂げた国であり、その実感が、ないはずはありません。
 それに引き換え、日本の40歳は、どうでしょうか。もしかすると、いま40歳以下の集団は、成長の興奮と縁が薄かった点で、特異な世代かもしれません。
 日本の未来を担う世代が、希望と躍進、誇りと力、そして夢を象徴するアジアの一員として、堂々と胸を張って、進んでいく力を備えてほしい。
 自分自身に、静かな自信と責任感をもち、将来に、夢と希望を抱く世代にしたい。
 それが、私たち政治家の責任であります。総理として、私の、何にも増して重要な任務である。そう、堅く信じています。
 いま、皆様に申し上げているのは、私と私の内閣が、日本経済復興に一意専心取り組んでいる、その元の元にあった動機であります。

 皆様に、申し上げます。改革は、前進しています。
 1年前、この場でお話を申し上げたとき、まだアイデア段階だった国家戦略特区は、実施に段階を移しています。
 60年続いた電力の地域独占は、ちょうど五輪が日本へ来るまでに、すっかり打ち破られます。
 医療制度の改革には、もう着手しました。
 農業の改革も、進めていきます。
 労働の制度は、新しい時代の、新しい働き方に合わせ、見直しを進めていきます。
 日本を、能力にあふれる外国人が、もっと活躍しやすい場所に変えていきます。
 法人税の改革を、一層進めます。
 コーポレート・ガバナンスの仕組みも、大きく変わりました。
 それから、世界最大の年金基金、1兆2000億ドルを超える 運用資産を持つGPIFについては、フォワード・ルッキングな改革を進めています。
 国を開いていく、オープンネスの追求。
 新しいこと、難しいことに、リスクを恐れず取り組んでいくチャレンジ精神の涵養。
 そして、新しい製品、誰もが思いつかなかった、組織や、サービスを作り出すイノベーション。
 私は政権をスタートさせたとき、この、3つが、日本を建て直すうえでカギになると申し上げました。
 来月になると、アベノミクスの三本目の矢をさらに一層充実させる、具体的なプログラムが出てきます。
 その、導きの糸、指導理念となるものは、依然として、いま言いました3つです。

 常日頃、日本の若い世代を元気にしたい。そう思っていましたから、日本に、もう一度、オリンピック、パラリンピックを呼んでくることができたのは、総理就任以来、500日余りを過ごした中で、なにより、嬉しいことでありました。
 一生懸命頑張れば、必ずいいことがある。努力は、きっと、報われる。
 アジアといえば、成長のエンジンというより、まだまだ貧しい地域だと思われていたころ、日本はこの、溌剌とした楽観主義を頼りに、遡ることちょうど半世紀、東京に、オリンピアの火を呼び込みました。
 私は、あの当時、日本人に満ちていた元気や、やれば必ずできるんだという信念の力を、心の奥底に深く刻んで、成長した者の一人であります。
 日本の若い世代に、かつての日本人がもっていた、「なせば、なる」という、自信を取り戻させたい。
 心底そう思えば思うほど、もう一度、五つの輪を東京へ呼ぼう、呼びたいものだと、願わずにはいられませんでした。
 幸い、皆様の温かい御支援が力となって、2020年のオリンピック、パラリンピックは、東京に来ることになりました。
 未来の色を、不透明な、暗灰色から、これで、少しは明るいカラーに変えられたのではないか。そう、楽観できるようになりました。

 皆様には、これからの日本の変貌を、見ていていただきたいと思います。
 例えば東京のビジネス・センターであり、金融の中心地でもある、丸の内から大手町、日本橋にかけての一帯は、これから、姿を一変させます。
 美しい、並木をまとった遊歩道が、中心を貫きます。そこは、ビジネスマン、ビジネスウーマンに加え、食事やショッピングを楽しむ人の群れで、いま以上に賑わいます。
 東京の青い空が、ひときわ青く、透き通って見える季節には、そこかしこに、オープンカフェで、たくさんの、外国から観光に来た人たち、働きに来た人たちが、寛いでいることでしょう。
 ビルの地下にできるという、巨大な浄水装置は、皇居の、お堀の水を、循環させながら、きれいにしてくれるそうです。
 だとすると、お堀は、金や銀、錦の鯉たちが、ゆうゆうと泳ぐ様を、キラキラ、陽の光を反射する水と一緒に、心ゆくまで、愛でることのできる場所になります。
 一帯は、ビジネスの街、金融のセンターとして、世界に類例のない、水と、緑の、心地よい福音に満ちた一角となるのではないか。
夢は、膨らみます。

 とそう、思っていた時、嬉しいニュースに接しました。
 東京が、数ある国際都市の中で、才能ある人材を惹きつけ、創造性を育てているかどうかを計る物差しで、第一位。
 「公共交通」や、「テクノロジー」、「インターナショナル・インパクト」といった、全部で10種類の尺度を当てはめて計った総合得点で、東京は全体として、調査対象となった135の都市のなか、堂々、トップになったというニュースであります。
 スペインのIESEというビジネス・スクールが、実施した調査の結果でありました。
 2位がロンドン、3位がニューヨーク、それからチューリヒ、パリ、ジュネーブ、バーゼルと続いて、大阪も、8位にランクされました。
 高い評価をいただいて、率直に、嬉しく思います。
 しかし、むしろこれは、「だからガンバレ」という励ましとして、私は受け取ろうと思います。
 外に向かって、開かれた街。体に障害がある人も、子育てに懸命な若い夫婦も、キャリアを求めて外国からくる人たちも、ここに住んで良かった、そう思える街に、国にしろと、そういう励ましとして、私は受け取ることにいたしました。
 何より、国をより一層開き、アジアの成長を、自分のものとして取り込めるよう、努力を重ねていく道が、ひとつの未来へつながる大道だと、教えてくれたのだと思います。

 日本の改革を成功させるには、いままでになかった触媒を導入し、新しい化学反応を、随所で起こさなくてはなりません。
 それはひとつに、経済のさらなる開放です。
 まさしくその考えから、私は7年前、政権を担っていたとき、ASEAN10カ国全体と日本とのEPAを結びました。
 当時から数えて7年越しの交渉を続け、たぶんできないだろうと、一時は諦める人が少なくなかった日本と豪州のEPAは、先月、私とトニー・アボット首相の間で、大筋合意に達しました。
 いまは、TPPに、大きな期待を託しています。
 深くて広い市場、ルールと、法の支配を尊ぶダイナミックなマーケットをこしらえることは、高度に発達した民主主義と産業をもつ日本に課された、責任でもあると思います。交渉には、いままでとは次元の違う勢いを、もたらしたいと思っています。
 TPPのさらにその先には、RCEPやFTAAPという課題が控えています。
 いまや、大きく踏み出す時が来たのだと思います。
 それを私は、確固たる日本の進路だと信じて疑いません。

 ロンドンの金融街、シティで先月お話をしたときは、野村信託銀行やみずほフィナンシャルグループの例を挙げ、女性が、CEOに就いたり、取締役会のチェアパーソンになったりする例が、見え始めたことを御紹介しました。
 新生児をもつ男性社員が、みな、育児休暇を取ったという会社も、現われ始めています。日本は、女性が光り輝く社会となれるよう、着実に、変化を始めたと、そう思います。
 子育ての楽しみと、若い男女のキャリアの追求が、どちらも味わえ、あるいは、そのどちらも妥協しないですむように、私と私の政府は、次々と革新をもたらしていきたいと思っています。
 アジアとは、躍進の代名詞、偉大な達成者の、別名だと、申し上げました。
 アジアをもっと豊かに、もっと自由で、個人の創造力が、もっと尊ばれる場所とするため、日本には、発揮できる力があり、果たすべき役割があります。
 実現させるための、アベノミクスです。私は、そのため、困難にたじろがず、改革を恐れず、しかもなお、常に威儀を正し、謙虚に皆様の声に耳を傾けつつ、歩みを続けてまいります。そのお約束を申し上げまして、終わりとさせていただきたいと思います。

 御清聴、ありがとうございました。

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