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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成26年6月24日安倍内閣総理大臣記者会見

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【安倍総理冒頭発言】
 150日間に渡る通常国会が一昨日閉会いたしました。
 1月の補正予算から始まり、今年度予算と、ほぼ全ての政府提出法案が無事成立しました。特に、難病対策を抜本的に強化する新しい法律や、小規模企業を振興するための基本法など、多くの重要法案を野党にも御賛同いただき、全会一致で成立させることができました。
 与党の皆様はもとより、協力してくださった野党の方々、そして、誰よりも、御理解をいただき、御支援をいただいた国民の皆様にこの場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げます。
 この国会は、まさしく好循環実現国会でありました。
 この春、多くの企業で給料がアップしました。連合の調査によると、平均で2%を超える賃上げ、過去10年間で最高です。中小企業でも、その6割で給料アップが実現しているとの調査もあります。さらに、この夏のボーナスは、経団連の調査では、過去30年間で最高の伸びが見込まれます。有効求人倍率は17カ月連続で上昇し、7年9カ月ぶりの高水準にあります。
 そして、雇用状況が改善する中、非正規従業員を正社員にする企業も出てきています。企業の収益が雇用の拡大や所得の上昇につながっていく。正に経済の好循環が生まれようとしています。頑張れば報われる。その自信を、日本経済は再び取り戻そうとしています。
 しかし、地方においては、燃料費の高騰など、まだまだ厳しい現実があります。
 4月から消費税もアップしました。その負担を軽減するため、児童手当を受給しているお子さんや、所得の低い方々には1万円を支給します。さらに、年金生活の方々には5,000円を加え、合計で1万5,000円の給付金を用意しています。今月からその受付も順次始まっています。是非お住まいの市町村にお問い合わせいただきたいと思います。
 いずれにせよ、景気回復の風はいまだ日本の隅々にまで行き渡っているとはいえない。だからこそ、今年生まれた経済の好循環を一時的なもので終わらせるわけにはいきません。引き続き、この好循環を力強く回転させることで、全国の中小・小規模事業の皆さんが元気になる。そして、景気回復の実感を必ずや全国津々浦々にまでお届けする。これこそがアベノミクスの使命であると考えます。全ては成長戦略の実行にかかっています。
 本日、その成長戦略を大胆にパワーアップしました。その最大の柱は何と言っても、地方の活性化。成長の主役は地方です。
 東北の被災地には、ほぼ毎月、足を運んできました。復興はいまだ道半ばでありますが、被災者の皆さんの心に寄り添いながら、その土地に根差した生業の復興を力強く進めてまいります。
 今月は島根と鳥取を訪問しました。御当地ビーフ、おいしいお米、とても甘いスイカ、更には地ビールまで、ふるさとには誇るべき名物がたくさんあります。ふるさとの特色をいかすことで元気な地方を取り戻す。地方創生のための本部を創設し、私が先頭に立って地方の活性化に全力で取り組んでいく。そう決意をしています。
 昨年の成長戦略は、1年を経て、既に大きな実を結んでいます。
 農林水産物の輸出は、昨年、5,500億円を超え、過去最高となりました。外国人観光客もずっと手が届かなかった1,000万人目標をついに達成しました。旅行収支は、あの大阪万博以来、実に44年ぶりの黒字となりました。東南アジアで、中東で、そしてアフリカで私自身、積極的なトップセールスを行い、これまでの3倍、9兆円を超えるインフラ受注に成功しています。
 待機児童ゼロに向けて取り組む中で、53万人もの女性たちが新たに仕事を始めました。
 そして今も安倍内閣の成長戦略は休むことなく力強く前進しています。
 この国会では30本もの成長戦略関連法案が成立しました。60年独占が続いていた電力市場を自由化します。40年以上続いた、いわゆる減反政策の廃止を決定しました。安倍内閣の成長戦略にタブーも聖域もありません。あるのはただ一つ、どこまでもやり抜く強い意志であります。
 新しい成長戦略でも、岩盤のように固い規制や制度に果敢にチャレンジしました。多様な働き方を実現する労働制度改革や能力ある外国人材の活用に踏み込みます。60年ぶりに農協の抜本改革を断行します。医療でも患者本位の新しい制度を導入します。国家戦略特区も規制改革のメニューをさらに増やし、速やかに実行に移してまいります。
 自由で大きな経済圏へと大きく踏み出します。TPP交渉やEUとのEPA交渉を更に加速してまいります。国際的な大競争の時代にあって、法人税も成長志向へと改革しなければなりません。来年度から数年間で20%台まで引き下げることを目指します。
 女性が輝く社会を作り上げます。学童保育でも待機児童ゼロを実現し、女性の活躍を長年阻んできた「小1の壁」を突き破ります。
 日本経済が持つ、ありとあらゆる可能性を開花させる。そのために、安倍内閣はいかなる壁も打ち破ってまいります。
 さて、本日、アキノ大統領をお招きし、首脳会談を行いました。フィリピンは大切な隣の国であり、価値を共有する友人であります。アキノ大統領から、日本が安全保障分野で積極的な役割を果たしていくことに強い支持をいただきました。力を背景とした現状変更は絶対に許すことはできません。法の支配の重要性を訴えてきた私の主張は、今やAPEC諸国からも、ASEAN諸国からも、G7諸国からも、強い支持を得ています。
 北朝鮮の核開発は深刻さを増しています。ミサイルは日本の大部分を射程に入れています。テロやサイバー攻撃の脅威は瞬時に国境を越えます。こうした現実から、私たちは目を背けることはできません。いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。内閣総理大臣である私にはその大きな責任があります。
 安全保障法制をめぐる与党協議を、今後とも、徹底的かつ集中的に進めてまいります。その上で、責任与党として国民の命と暮らしを守るため、決める時にはしっかりと決めてまいります。
 先月、北朝鮮が拉致被害者に関する包括的、全面的調査を約束しました。長い間、固く閉ざされていた交渉の扉をようやく開くことができたと考えています。全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱きしめることができる日がやってくるまで、私の使命は終わりません。その決意の下、今回の調査が全ての拉致被害者の帰国という具体的な成果につながっていくよう、全力を尽くしてまいります。不可能だと諦めてはいけない。わずかでも可能性を信じて、目の前に立ちはだかる高い壁にチャレンジしていかなければ道は開けません。
 世界は大きく変化しています。そうした時代にあって、昨日までの常識が、明日も正しいという保証はどこにもありません。私たちは、現実から目を背けることはできない。経済であろうと、外交・安全保障であろうと、私たちは、自らの力で壁を突き破り、前に進んでいくほかありません。
 これまでの様々なチャレンジは確実に成果を上げつつあります。この道しかない、私はそう確信します。今日よりも明日はきっとよくなる。その希望に満ちあふれた日本、そして、私たちの命と平和な暮らしがしっかりと守られる日本、そうした日本を取り戻すため、国民の皆さんとともに、これからもこの道を歩んでいく覚悟です。皆様の一層の御理解と御支援をお願い申し上げます。
 私からは以上です。

【質疑応答】
(内閣広報官)
 それでは、皆様からこれから質問をいただきます。
 質問の御希望をされる方は挙手をお願いいたします。私の方から指名いたしますので、御所属とお名前を明らかにされた上で質問をお願いいたします。多くの方にお願いしたいので、質問は簡潔にお願いいたします。
 それでは、まず幹事社、どうぞ。

(記者)
 東京新聞の城島です。
 総理は、安全保障法制をめぐる与党協議に言及されました。憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めれば、他国の戦争に参加できるようになると指摘されています。集団的自衛権を行使してアメリカの戦争に参加したイギリスなどは、多くの犠牲者を出しました。総理は国民の安全を守ることや積極的平和主義に基づく地域の安定を強調していますが、日本の犠牲も伴うのではないでしょうか。国民への説明をお願いします。

(安倍総理)
 集団的自衛権に関する私の問題意識は、国民の命と平和な暮らしをいかにして守っていくべきか、何をなすべきかということであります。その責任ある総理大臣として、この課題に取り組んでいかなければならないと決意をしました。
 例えば先の記者会見で例として挙げたように、近隣諸国で紛争が起こり、その国から逃れようとする邦人を輸送している米国の船が、もし襲撃に遭ったとしても、その邦人を守ることができなくて本当によいのか、自衛隊にその能力があったとしても、それができなくてよいのかという、この課題に私たちは答えを出す責任があります。
 私は、総理大臣として国民の命と平和な暮らしを守る責任を負っています。常日頃から隙間のない、国民を守るための法整備を行っていかなければならない。その観点から今検討を行っているわけでありますが、そうした対応をしっかりとしていくことによって抑止力は高まり、戦争に巻き込まれる可能性はより低くなっていくわけであります。同じような論争は、かつて、60年安保の際にも盛んに叫ばれたわけであります。安保条約を改定すると日本は戦争に巻き込まれる。果たしてどうなったのか。もう一度冷静に考え、そして、今、私たちが直面し、答えを出さなければいけない課題に誠実に向き合っていく必要があるのだろうと私は考えています。
 現在、与党において、そうした問題意識において、議論を進めているわけでありますが、現行憲法の下で認められる自衛権の行使は必要最小限度の範囲内にとどまるという従来の基本的立場を変えるものではありません。武力行使を目的としてイラク戦争や湾岸戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。憲法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます。日本は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。この歩みが今後変わることはありません。

(内閣広報官)
 それでは、次の質問ですが、幹事社、もう一社、お願いします。

(記者)
 共同通信の内海です。
 総理が目指すように、集団的自衛権の行使を憲法解釈変更で容認すれば、憲法の規範性が損なわれるとの批判があります。安全保障環境の変化があれば、今後も憲法解釈変更で対応するつもりなのか、それとも、憲法9条改正に取り組む必要があるとの考えでしょうか。憲法解釈変更に伴う法整備、内閣改造の時期についてはどうお考えでしょうか。

(安倍総理)
 まず、憲法改正の是非については、国民的な議論の深まりの中において判断されるべきものだろうと思います。国民投票改正法案の成立により、一層国民的な議論が深まっていくことを期待したいと思います。
 憲法解釈については、最高裁判所に解釈を最終的に確定する権能がありますが、行政府が憲法第65条の下、行政権を執行するために憲法を適正に解釈していくことは当然のことであろうと思っています。当然それは必要なことであります。
 集団的自衛権の検討に当たっては、現行憲法の下で認められる自衛権の行使は、必要最小限度の範囲内にとどまるという従来の基本的立場を変えるものではありません。現在、与党協議において検討が進められておりますが、憲法解釈の変更が必要と判断されれば、閣議決定をしていく考えであります。仮に、憲法解釈の変更が必要と判断され、閣議決定を行ったとしても、直ちに自衛隊が活動を実施できるわけではありません。法律の改正が必要となるわけでありまして、必要な法案は準備ができ次第、国会にお諮りすることになります。

(内閣広報官)
 それでは、これから幹事社以外の方からの質問をお受けいたしますので、御希望の方は挙手をお願いをしたいと思います。では、竹内さん。

(記者)
 日本テレビの竹内です。
 北朝鮮の問題について伺います。
 総理、今、仰ったように、北朝鮮は、拉致被害者を含む全面的な調査を約束しました。これがどう実効性があるものかというものを、総理はどういったポイントで判断されていくおつもりでしょうか。
 また、北朝鮮がきちんとした対応をしなかった場合というのは、制裁の解除というのも、これはする予定になっているわけですけれども、これを停止したりすることもあるのでしょうか。
 また、その事態の進展の中では、総理御自身が北朝鮮に訪問するということも考えていらっしゃるのでしょうか。お願いいたします。

(安倍総理)
 私は議員としては、94年のKEDO合意以来、ずっと北朝鮮の外交姿勢を見てきました。日朝の交渉についても、ずっと意見を申し上げてきましたし、また、政府の一員として関わってもきました。近く開催する日朝政府間協議で、特別調査委員会の組織や構成について説明がある予定であります。政府としては、こうした情報をしっかりと見極め、判断をしていきます。
 北朝鮮に対する制裁については、北朝鮮側から拉致問題の解決に向けた具体的行動を引き出す上で、何が最も効果的かという観点から対応を検討していく考えであります。そもそも現在かけている制裁、この法律について、2004年にこの法律をつくるときには、私は自民党において中心的な役割を担ってきたと自負をしております。
 その時も申し上げてきたわけでありますが、制裁はその制裁をかける時、そして、その制裁を外す時、いわばそうした活用ができるわけで外交的なカードとなるということを申し上げてきました。あの時も、そうした法案を作ることに随分反対があったのは事実でありますが、であるからこそ、今その解除ということが、大きなカードになっているとこう考えていますが、いずれにいたしましても今、申し上げましたように、何が一番有効かということを外交的な見地から、結果を出していくための見地から判断をしていきたいと思います。
 そして、私自身の訪朝については、現時点で検討をしているということは全くありません。先ほど冒頭に申し上げさせていただいたように、全ての拉致被害者の御家族が御自身の手でお子さんたちを抱きしめる日が来るまで、決して私の使命は終わらないと、この決意で臨んでいきたいと思っています。

(内閣広報官)
 それでは、次の質問をお受けします。エレイン。

(記者)
 ロイター通信のリーズですけれども、成長戦略で外国人の活用に関する数字が入っていますが、それははっきり移民政策ではないと書いてあります。それは外国人に、短期でも、悪い言葉ですけど、5年とか10年経ったら帰ってくださいというメッセージと理解される可能性があります。しかし、日本経済の活性化のため、その人口減少に対応するためなど、本当の意味での移民が必要という意見もあります。
 総理は、何で移民対策ではないということをはっきりする必要があるのでしょうか。将来的に日本に永住して、日本の経済、社会に貢献できる外国人の必要性についてお考えをお教えください。

(安倍総理)
 人口減少社会に直面をしている我が国にとって、日本経済の更なる活性化を図り、競争力を高めるためには、優秀な人材を我が国に呼び込むことが大切だろうと考えています。このため、高度な外国人材受け入れの拡充や永住要件の緩和、そして、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設分野での外国人材の受け入れなど、我が国にとって必要な分野での外国人材の活用を積極的に進めていく考えであります。
 他方、いわゆる移民受け入れについては、諸外国でも様々な難しい経験を経ていることから、慎重であるべきと考えています。

(内閣広報官)
 時間の関係もありますが、最後に短く1問だけにさせていただきたいと思います。
 では、中山さん。

(記者)
 日本経済新聞の中山と申します。
 骨太方針についてお伺いします。今回、法人税率を数年で20%台に引き下げるという道筋を明記されましたが、財政健全化の目標を維持する観点から、消費税率を10%へ引上げというのは、セットと考えてよろしいのでしょうかという点と、総理、景気の好循環について説明されましたが、今回の成長戦略を実行されていく過程で、この10%への引上げの環境は整っていくとお考えでしょうか。

(安倍総理)
 まず、法人税率の引下げと消費税の10%アップは、これは全く関係がございません。消費税については、今年4月に8%に引き上げ、そして、来年10月に10%が予定されておりますが、これは、伸びていく社会保障費に対応するためであり、あるいは子育て支援を拡充するためであります。それと同時に、日本の国の信認を維持するためのものであり、そして、それは財政の健全化に資するものであります。
 一方、実効法人税率を引き下げていくという方針については、これは、正に日本の競争力を高めていく、日本の企業がグローバルな経済の中で生き残っていく、そのことによって雇用の場を維持をしていく、あるいはまた、国民生活において、生活の向上に企業が貢献をしていくためのものでもあります。
 法人税改革については、政府与党で精力的に御議論をいただき、本日、決定した骨太の方針において、実効税率を数年で20%台まで引き下げることを目指すと。この引下げは来年度から開始する。財源もしっかりと確保するとの方向性について明記することができたと考えています。
 法人税の構造を成長志向型に変え、これによって雇用を確保し、国民生活の向上につなげていきたいと思います。税率や課税ベースなど具体案は、年末の税制改正に向けて検討していきます。
 その際、国際競争に打ち勝つ観点、そして、財政再建という観点から議論を行っていきたいと思います。
 そして、10%への引上げについての環境という質問でありますが、現在、まだそれを判断することはできません。この1月、2月、3月が、成長が年率で6.7%、非常に高い成長になりましたから、当然、4月、5月、6月は、反動減はあるのだろうと思いますが、それは、恐らく大体想定の範囲内に収まるというふうに我々は見込んでおりますが、そこから、7月、8月、9月、果たして、元の成長軌道に戻ることができるかどうか、デフレから確実に脱却する方向に向かっているかどうかということを十分に見極めながら適切に判断をしていきたいと思います。

(内閣広報官)
 どうも皆さん、ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして記者会見を終わらせていただきます。御協力に再度お礼を申し上げます。

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