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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成26年8月2日内外記者会見

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【安倍総理冒頭発言】
 ボンジーヤ。おはようございます。ちょうど日本は夜中でありますから、日本と真逆の場所、ここブラジルは、日本のサッカー少年たちが 夢見る、「憧れの聖地」である。ジーコ監督、ドゥンガ、アルシンド選手をはじめ、日本のサッカーを 世界レベルへと押し上げてくれた恩人たちに、昨日、再会することができました。
 そして今、サッカー日本代表は、「アギーレ・ジャパン」として、4年後のワールドカップに向けたスタートを切ろうとしています。そのアギーレ監督の国メキシコから始まった今回の旅では、ここブラジルで、中南米5か国を訪問いたしました。
 「互いの信頼を、さらに深めよう」「貿易や投資を、もっと増やそう」5か国どこでも、「我が国との関係を強化したい」、という強い声をいただきました。
 成長著しい中南米に、今、世界が注目しています。そして、各国が競うように、結びつきを強めようとしています。日本も、長く、深い友情を育んできました。

 チリにおける最大の投資国は、日本です。日本企業は、古くから中南米に積極的に進出してきました。誠実な仕事ぶりや、高い技術力は、現地でも高く評価されています。さらに、180万人もの日系人の皆さんがいらっしゃいます。まさに、日本と中南米を結ぶ「大きな架け橋」。
 今回は、たくさんの日系人の皆さんにも、お目にかかることができました。苦難の歴史を乗り越え、今や、経済、科学、政治など、あらゆる分野で 活躍されている姿に、身の引き締まる思いがいたしました。
 ここブラジルには、「ジャポネス・ガランチード」、すなわち「信頼できる日本人」という言葉があります。この言葉こそ中南米を新たな「ふるさと」だと思い定め、その発展のために身を尽くしてきた、日本人とその子孫たちの、百年以上にわたる「汗と涙の結晶」に他なりません。
 この日本と中南米との 歴史的な「絆」を更なる高みへと発展させていく。今回の訪問は、日本と中南米との戦略的なパートナーシップの「新たな夜明け」となったと考えています。
 トリニダード・トバゴは、日本の総理大臣として初めてのカリブ訪問となりました。

 カリブ海に浮かぶ 14か国のリーダーたちと歴史的な第一回日本・カリブサミットを開催することができました。世界をリードするG20の仲間であるメキシコ、ブラジルとは、気候変動をはじめ世界的な課題について、手を携えていくことで合意いたしました。自由、民主主義や、基本的人権、法の支配といった価値を共有し、近年、国際社会で影響力を高めている中南米は、私の「地球儀を俯瞰する外交」において、欠かすことのできないパートナーです。
 我が国をはじめ 幅広い世界の国々が国連の場で大きな責任を果たすべきである。国連改革の必要性を共有することができました。
 日本は、これまで以上に、世界の平和と安定に貢献していく。日本の「積極的平和主義」については、いずれの国からも強い支持をいただくことができました。
 カリブ海に浮かぶハイチでは、4年前の大地震で32万人近い方々がお亡くなりになりました。国連PKOに参加した日本の自衛隊の活動は、今でも、高い評価を得ています。
 「ハリケーンなどの自然災害に翻弄される。」そして、「資源に乏しいため、原油価格に経済が左右される。」カリブ海諸国が抱える、「島国ならでは」の、こうした課題は深刻であり、他人事ではありません。
 同じ島国であり、多くの自然災害を乗り越えてきた、我が国の技術と経験をカリブ海の国々と共有することで、この地域のさらなる発展に貢献できるはずです。
 日本の総理大臣は、「もっと早く、カリブ訪問を実現すべきであった。」、それが、自分の率直な感想です。
 6億人の人口と、豊富な資源を持つ中南米は、今、大きく発展しようとしています。まさに、「成長の息吹」にあふれる姿を目の当たりにしました。
 そして、私たち日本には、そのニーズに応えるに十分な、技術とノウハウ がある。日本と中南米は、まさに、「経済成長の パートナー」であります。
 その思いを共有し、今回、日本から総勢250名の経済ミッションの皆さんが同行してくれました。
 メキシコでは、これまで国産主義を貫いてきた石油開発に、日本も協力することが決まりました。ブラジルでは、サンパウロの地下鉄を日本の企業が受注しました。
 トップセールスによって、数々の具体的なプロジェクトが進展し、「確かな手ごたえ」を感じています。
 今回は、世界でもトップクラスのシェアを持つ広島や新潟、埼玉や東京の、「ものづくり中堅・中小企業」にも参加いただきました。地域で頑張っている中堅・中小企業の「活躍の舞台」を、世界へと広げていく。私は、こうした支援を、これからもさらに進めていきたいと考えています。
 7年前に発効した日本とチリのEPAは、日本からの自動車輸出を20%近く増やしました。私たちも素晴らしいチリ・ワインを、安く手に入れることができるようになりました。中南米との貿易や投資をさらに活発にしていくことは、日本にとっても、中南米にとっても、大きなメリットがあるはずです。
 太平洋に大きな経済圏をつくりあげる。TPP交渉の早期妥結に向けて、メキシコやチリと、一層緊密に連携していくことで 一致いたしました。コロンビアとの間のEPA交渉についても、さらに加速してまいります。
 今回の旅で印象的だったのは、たくさんの女性リーダーの皆さんと出会えたことです。ブラジル、チリ、トリニダード・トバゴ、そしてジャマイカ。
 「女性の力」こそが、今、飛躍しつつある 中南米の「大きな原動力」となっているということを、再認識することができました。
 さて、8月に入りました。デフレ脱却は、道半ば。景気回復の実感を全国津々浦々に届けていかなければなりません。「地方の創生」という、大きなテーマにも取り組んでいいきます。
 新たな安全保障法制に向けた準備も本格化していかなければなりません。新たな スタートを力強く切るために、心静かに準備を進めていく。そんな夏にしたいと考えています。自分からは、以上であります。

【質疑応答】
(NHK、原記者)
 対中、対ロ外交について伺います。総理は、就任以来、5大陸を制覇されまして、今回の訪問でも各国から歓待されました。しかしながら、中国との関係は改善の兆しが見えていませんし、ロシアもウクライナ情勢をめぐる新たな制裁措置に反発しています。中国は、尖閣諸島をめぐる問題で日本が対応を変えなければ首脳会談に応じない姿勢を示していますけれども、総理は、あくまでも前提条件なしの首脳会談にこだわるお考えでしょうか。またそのことによって首脳会談が遠のいてもやむを得ないという風にお考えていらっしゃるのでしょうか。またロシアについては、アメリカは、ウクライナ情勢をめぐって、日本等に対して足並みをそろえるよう強く求めていますけれども、プーチン大統領の秋の日本訪問について積極的に目指していくお考えでしょうか。情勢によっては延期もやむを得ないという考えでしょうか。以上です。

(安倍総理)
 まず日中関係でありますが、海を通じて、あるいは陸で国境を接している国同士は、世界でも様々な課題を抱えている国同士が多いと思います。しかし、であるからこそ、対話を行い、課題を解決していくという努力をしていく必要があるんだろうと思いますし、多くの国々はそういう努力によって、関係を改善し、あるいは、安定化しています。日中関係は、まさに戦略的互恵関係の原点に立ち戻るべきであろうと、このように思っておりますし。懸案があるからこそ、課題があるからこそ、対話すべきだと思っています。お互い、静かな努力を続けていくことも大切であると思います。 
 11月の北京APECの際に、日中首脳会談ができれば良いと考えています。私の対話のドアは常にオープンであり、中国側にも同じ姿勢をとってもらいたいと思っています。
 マレーシア航空機の墜落事故では、298名の尊い命が失われました。墜落の真相究明と責任の追及を徹底していかなくてはならないと考えています。ウクライナ情勢をめぐっては、今後ともG7各国と連携しながら、ロシアにとるべき行動をとるよう促していくためにも、ロシアとも意思疎通を図り、ウクライナをめぐる問題の平和的・外交的な解決に向けて役割を果たしていく考えです。プーチン大統領の訪日日程については、現時点では決まっていません。種々の要素を総合的に考慮し、検討していく考えであります。

(ヴァロール・エコノミコ紙 サコマンディ国際面編集長)
 中国の習近平国家主席が、2週間前にブラジルを訪問しましたが、中国は中南米地域及びブラジルとの貿易・投資促進、天然資源の確保に非常に積極的です。日本もこうした分野で中南米及びブラジルとより積極的に関係強化をするのですか。それは、どのようにしてか。また、メルコスールとのFTAは可能だと考えますか。

(安倍総理)
 今回、私は日本の総理大臣として10年ぶりに中南米諸国を訪問したところであります。また、総理として初めて訪問した国々もございました。今回、私は中南米諸国の重要性を再定義しなければならないと、このように考えました。日本と中南米地域は、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有しています。国際社会の平和と繁栄のために共に貢献する重要なパートナーと言ってもよいと思います。
 そして、冒頭申しあげたように、中南米諸国には180万人の日系人が生活をしています。日系人が培ってきた、それぞれの中南米諸国と日本との信頼関係、こうしたものを土台として、さらに普遍的価値を共有する私たちは、共に発展することができる、そして、共に世界に貢献していくことができる、共にお互いに啓発していくことができる、こう私は確信をしています。
 その中におきまして、中南米地域は、グローバルな製造拠点であり、成長市場であり、資源供給源として日本経済における重要性が拡大しています、増大しています。私は、それはもっともっと大きくなっていくのであろうとこう思っています。日本は、ブラジルをはじめとする中南米諸国との連携を、経済面を中心に、これまで以上に強化をしていきます。また、地域情勢やグローバルな課題をめぐる協力も更に深めていきたいと思います。そのことは、まさに日本と中南米地域の発展に資するだけでなくて、地域全体、地球全体にとっても大きな利益をもたらすと確信しています。
 ブラジルとの自由貿易協定については、日本とブラジルの経済関係の一層の深化を図るべく、現在、民間において、両国が取り得べき施策について突っ込んだ議論がなされています。創造力のある提言を期待しています。
 日本とブラジルは、セラード開発など、夢を語り、夢を実現してきたパートナーです。これまで両国は、政治、経済、文化、科学技術など、幅広い分野での協力を推進してきました。昨日のルセーフ大統領との首脳会談では、こうした協力を、インフラ、造船、医療、宇宙・海洋といった分野にも拡大し、地域や世界の平和と繁栄のために貢献していく戦略的グローバル・パートナーシップの構築で一致したところであります。まさに日本と中南米の新しい歴史がスタートしたと確信しています。

(朝日新聞 冨名腰記者)
 国内の課題についてお伺いします。総理は9月第1週に自民党の党役員人事と内閣改造を行うことを明らかにしたが、新布陣で目指す最大の政策課題は何でしょうか。その後に控える臨時国会の召集はいつごろを考えていますか。先ほど、安全保障法制や地方創生の課題について述べられましたが、これらの関連法案は臨時国会での審議を想定しているのでしょうか。

(安倍総理)
 政権発足以来、現在の内閣党役員のメンバーで8月の中旬頃には600日を迎えることになります。そのメンバーの下で有効求人倍率は、19カ月連続で上昇し、22年ぶりの高水準となっています。また、この春は、連合の調査によりますと、過去15年間で最高の平均2%の賃上げが実現した。「経済の好循環」が、雇用においても賃金においても確実に生まれ始めていると言ってもよいと思います。
 今回の中南米訪問でもですね、私自身、トップセールスを行ったのでありますが、積極的な経済外交の成果として、まあ、これは私だけではなくてチームとして行っておりますが、昨年、これまでの3倍、9兆円のインフラ受注に成功しました。今般もこのブラジルにおいてサンパウロの地下鉄の受注の方向が決まったところであります。
 他方で、まだ、景気回復の風は、日本の隅々まで行き渡っているとは言えません。全国の中小・小規模事業者の皆さんをはじめ、全国津々浦々にいたるまで、景気回復の実感を届けることが、アベノミクスの使命であると考えています。そのため、これからも、デフレからの脱却を目指し、「経済最優先」であることには、変わりは、ありません。
 その上で、人口減少の問題もあります。そして、構造的な課題にも取り組み、豊かで、元気な「地方の創生」という、大きな課題にもチャレンジしていかなければなりません。
 また、先日閣議決定を行いました、新たな安全保障法制の基本方針に基づき、法整備に向けた準備も本格化していかなければなりません。グレーゾーンから集団的自衛権に関するものまで、幅広い法整備への全体像を国民の皆様にお示しをしたい。全体像をお示しすることが、国民の皆様のご理解を得るためにも、あるいは諸外国に対する透明性のためにも必要であると考えて、いるんです。しかし、それは膨大な作業になりますから、少し時間がかかると考えています。できるだけ加速していきたい。
 いずれにせよ、こうした課題に真正面から取り組む体制を整えるために、そして、自民党には、今の内閣であるいは党役員で仕事をしている人たちも含めてですね、たくさんの人材がいる訳でありまして、新たな気持ちで新たな課題に取り組んでいくことによってですね、私たちの改革をもっと前に進めていきたい、結果を残していきたいと考えています。そのための内閣改造、党役員人事を9月第一週に、断行することとしたところであります。
 「地方の創生」こそ、「アベノミクスの第二弾」の大きな柱であり、スピード感をもって実行していかなければなりません。そのため、臨時国会に向けて、地方創生に関連する第一弾の法案を準備しているところであります。

(ロイター通信、パラ=ベルナル経済記者)
 安倍総理が中南米を訪問する前、中国の習近平国家主席もこちらの地域を訪問しましたが、習主席の訪問中、BRICS(ブリックス)が、1,000億ドル規模の開発銀行及び外貨準備基金を創設しました。これは、欧米諸国が優勢な国際金融システムを変えるためということであります。これに対して、日本はどのように見ていますか、このような展開をどのように考えていますか。特に、日本は今、ブラジル、インド、ロシアなどBRICS諸国との関係を強化しています。しかし、一方で中国との関係は緊張している中、このBRICSとの進展をどう見ていますか。特にアジア開発銀行に対する挑戦と考えますか。これにより日本の影響力が相殺されると懸念していますか。

(安倍総理)
 今般、BRICS(ブリックス)各国がですね、BRICS開発銀行の設立合意文書に署名をして、同銀行の設立が合意に至ったものと承知をしています。他方、具体的な業務やガバナンス構造の詳細は明らかになっていません、アジア開発銀行への影響も含め、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにせよ、これまで世銀をはじめとする国際金融機関による融資は、質の高いルールや公正なガバナンスのもとに行われてきました。BRICS開発銀行においても実際の業務が、こうした国際的なルールに則って行われることが重要だと考えています。
 世界のインフラ需要は極めて大きなものであり、そのため、国際金融機関や民間資金が効率的にそうした資金需要に適切にこたえていくことが重要であると考えています。

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