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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成27年1月5日安倍内閣総理大臣年頭記者会見

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【冒頭発言】
 皆様、明けましておめでとうございます。
 先ほど伊勢神宮を参拝いたしました。いつもながら境内の凛とした空気に触れますと本当に身の引き締まる思いがいたします。
 先月の総選挙における国民の皆様からの負託にしっかりと応えていかなければならない。その思いを新たにいたしました。
 昨年、赤崎先生、天野先生、中村先生の日本人3人がノーベル賞を受賞されました。大変うれしいニュースでありました。劇的な省エネを実現したLED照明によってアフリカの子供たちが夜も勉強できる。日本で生まれ、日本で育った技術が世界を変えようとしています。やればできる。お三方のノーベル賞受賞は私たち日本人を大いに勇気づけてくれました。
 15年も続いたデフレによって日本人は大きく自信を失いました。しかし、悲観して立ち止まっていても何も変わりません。私たちはもう一度顔を上げ、前を向いて、新しい時代を切り開いていかなければなりません。日本経済を必ずや再生する。そのためにはこれまでにはない大胆な改革を進めていかなければなりません。
 東日本大震災からの復興、教育の再生、社会保障の改革、外交・安全保障の立て直し、さらには地方創生や女性が輝く社会の実現にも真正面から取り組んでまいります。いずれも戦後以来の大改革です。しかし、いかに困難な道であろうとも、子供たちの未来を見据えながら、国民の皆様とともに改革をなし遂げていく、その決意であります。
 今年はあらゆる改革を大きく前進させる1年にしたいと考えています。今月始まる通常国会は「改革断行国会」としていきたいと考えています。
 本年は戦後70年の節目の年に当たります。先の大戦ではたくさんの先人たちが祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながらお亡くなりになられました。私たちのその尊い犠牲の上に私たちの現在の平和があります。平和国家としての歩みはこれからも決して変わることはありません。国際情勢が大きく激変する中でその歩みをさらに力強いものとする。国民の命と幸せな暮らしは断固として守り抜いていく。そのための新たな安全保障法制を整備してまいります。
 この70年間、日本は先の大戦の深い反省とともにひたすらに自由で民主的な国家を創り上げてきました。そしてアジアや世界の友人たちの平和と発展のためにできる限りの貢献を行ってまいりました。その誇りを胸に、次なる80年、90年、そして100年に向けて日本は積極的平和主義の旗のもと、世界の平和と安定のため、一層貢献していかなければなりません。その明確な意志をこの節目の年に当たり、世界に向けて発信したいと思います。
 今この瞬間もインドネシア沖の海では海上自衛隊の諸君が墜落したエアアジア機の捜索に正月返上で当たってくれています。南スーダンの自立を助けるPKO活動に従事し、海の大動脈アデン湾で海賊から世界の平和、世界の船を守る自衛隊の諸君もいます。強い使命感と責任感を持って任務を果たす諸君に、心から敬意を表する次第であります。
 さて、今年の干支のひつじには未来の「未」という漢字をあてます。この字にはもともと木に枝葉が茂り、果実にようやく味がついてきたという意味があるそうです。私たちがまいたアベノミクスという種はこの2年間で大きな木へと成長し、今、実りの季節を迎えようとしています。しかし、いまだ成長途上であります。
 昨年の総選挙では全国を駆け回り、地方の皆さんや中小・小規模企業の皆さんなど、本当に様々な方々の声を直接お伺いすることができました。年末に取りまとめた経済対策を早期に実行に移し、こうした多様な声にきめ細かく対応することで、アベノミクスをさらに実りあふれる大木へと成長させていかなければならないと考えています。
 今年も経済最優先で取り組み「未」の字をあてるひつじ年らしく、全国津々浦々1人でも多くの皆さんにアベノミクスの果実の味を味わっていただきたいと考えています。
 最後となりましたが、本年が国民の皆様にとりましてすばらしい年となりますことを祈念しております。
 私からは以上であります。


【質疑応答】
(内閣広報官)
 それでは、皆様から質問をいただきます。
 質問者は所属とお名前は明らかにされた上で質問をお願いいたします。
 最初に内閣記者会の代表の方、お願いいたします。どうぞ。

(記者)
 TBSテレビの柏木です。よろしくお願いします。
 今年はアベノミクスによって国民が景気回復の実感を得られるかが問われる年になる一方で、通常国会から国民の意見が分かれる難しい問題が山積しています。
 国民の中に慎重論がある原発の再稼働や、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の整備、憲法改正の具体化について、総理はどのように理解を求めていくお考えでしょうか。

(安倍総理)
 ただいま御質問の中にあった課題においては、いずれも私たちは自由民主党として公約の中に掲げ、そして私たちの考えとして明確にお示しをしています。
 さらに、報道機関の各社のインタビューに対して、あるいは党首討論の場において、今おっしゃっていただいた課題について、私たちの考え方を御説明をしております。
 政党として選挙戦を通じてお約束をしたこと公約に掲げたことについては、実行していくという責任を負っているわけであります。どの党がどういう政権公約を掲げて、何をその任期の間に実行しようとしていくのか、あるいは実行していくのか。それを問うのが選挙であります。
 我々は、その結果として再び政権を担うことになりました。まさに今、課題として挙げていただいた諸課題について、我々が政権公約の中においてお約束していたことはしっかりと実行していかなければならないと考えています。
 同時に、国民の皆様に御理解をいただくための努力はさらに進めていかなければなりません。国会論戦も通じながら、しっかりと丁寧に御説明していきたいと考えております。

(内閣広報官)
 それでは、次は三重県政記者クラブ代表の方からの御質問とさせていただきます。所属とお名前を明らかにした上でお願いいたします。
 どうぞ。

(記者)
 朝日新聞の金澤と申します。
 アベノミクスについて伺います。
 先ほどの御発言の中にもありましたように、景気回復を全国津々浦々に届けると発言がありますが、三重県では特に一次産業が盛んだったり、過疎が進む南部地域というものを抱えています。そのような地域への対策をお聞かせください。

(安倍総理)
 昨年末、50年後に1億人程度の人口を維持する長期ビジョンと、国の今後5カ年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策メニューを盛り込んだ総合戦略を取りまとめました。これらをこれから具体化し、実行していく段階に入っていきます。まず力を入れていきたいのは、地方資源の掘り起こしであります。日本のどの地方に行っても様々な魅力的な資源が必ずあります。そうした各地域特有の産品や観光資源を全国の人に、さらには世界の人たちに対して知ってもらい、そして、市場を拡大するための後押しを徹底して行っていきたいと思います。
 地方資源の掘り起こしは、中山間地域にも仕事を生み出していきます。主に地方資源の中には第一次産業、農業や水産業、あるいはその農林水産品の加工品というものもたくさん含まれていると思いますが、先ほど申し上げましたように、残念ながら、地域にはすばらしいものがあるのですが、それを全国に発信していく力がなかなかない、あるいは世界に発信していくツールがないのは事実であります。それをもう一度しっかりと、それを全国あるいは世界に発信していくためのお手伝いをしていきたいと思っています。そうしたふるさと名物の開発、販路開拓を推進するため、次期通常国会に法案を提出いたします。
 また、昨年末に取りまとめた経済対策においては、プレミアムつき商品券やふるさと名物商品券などの地域の消費喚起のための交付金の創設や、地方の中小企業で都市部の専門人材が活躍していただくための仕組みの整備を盛り込んでいます。地域において新たな産品を開発する、あるいは開拓をしていくお手伝い、また発信をしていたくためのお手伝い、そうした人材を発掘するためのお手伝いをしていきたいと思います。
 さらに、どの地域に住んでいても豊かで安心して生活できる環境を整えていくことも重要であります。人口減少に直面している中山間地域では、小さいながらも充実した拠点を整備していく考えであります。それは、医療や介護や福祉、買い物、物流といった生活サービスを一定のエリアに集めていくということ、また、地域の絆の中で文化、スポーツ、生涯学習活動など、地域の実情に応じたコミュニティーの拠点としての機能も強化していく考えであります。
 重要なことは、政府がいわば霞が関でいろいろなことを決めていくということではなくて、あくまでも地方が自ら考え、行動して、そして変革を起こしていくことであります。地方の発意に基づく取組をして、国も予算や人材等あらゆる方策を使って応援をしていきます。その中において各地方が知恵を競い合い、そして、地方創生を加速していただきたいと考えています。

(内閣広報官)
 それでは、再び内閣記者会の方から御質問いただきます。お名前と所属を明らかにしてください。

(記者)
 毎日新聞の小田中です。よろしくお願いします。
 アジア外交についてお伺いします。
 戦後70年の今年、総理は未来志向の談話を出す意向を示してこられましたが、植民地支配と侵略に関する村山談話をどう継承するか、中国、韓国、両国からも注目されています。新たな談話で村山談話の表現を踏襲するなど、継続性を示すのか。また、有識者の意見を聞くなど、今後のスケジュール感について、どのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。

(安倍総理)
 従来から申し上げておりますように、安倍内閣としては、村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいます。そしてまた、引き継いでまいります。
 戦後70年の間に、日本は自由で、そして民主的で、人権を守り、法の支配を尊重する国を創り、平和国家としての歩みを進め、そしてアジア太平洋地域や世界の平和・発展・民主化などに大きな貢献をしてまいりました。
 戦後70年の節目を迎えるに当たりまして、安倍政権として、先の大戦への反省、そして戦後の平和国家としての歩み、そして今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のために、さらにどのような貢献を果たしていくのか。世界に発信できるようなものを、英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えであります。

(内閣広報官)
 それでは、再び三重県政記者クラブの代表の方、どうぞ。お願いします。

(記者)
 先ほどの地方創生の話にもう少し絡めてなのですが、春までに地方創生特区を設置するというふうに発表されています。その選定基準と、選定された地域への支援策をお願いします。

(安倍総理)
 地方においては、特に農林水産業、そして観光業を中心に、地方ならではの産業支援を生かして、あるいは未来志向の新技術の実証など、全国画一的でないアイデアとやる気のある地方が規制の束縛から自由に地方創生を実現するために、国家戦略特区に地方創生特区を指定します。思い切った規制改革と具体的な事業の提案を行った地域を、全国のモデルとなる改革拠点として、今春を、今年の春を目途に数カ所指定したいと考えています。今日は鈴木知事も伊勢市長も陪席をしていただいておりますので、ぜひアイデアを出していただきたいと思います。
 他方、地域の実態は大都市と異なりまして、やる気とアイデアがあっても、事務負担など、国家戦略特区実現のハードルが高いのが実情であります。このため、例えば事業計画作成のための申請書類や必要な会議の徹底した簡素化に取り組んでまいります。今まで、そろえる書類が多すぎる、あるいは会議の数が多いという御指摘もたくさんありました。そうしたことを踏まえまして、思い切って簡素化をしてまいります。
 また、自治体の首長の思いと、事業者と規制改革とをつなぎ合わせて、事業化に向けた国との調整事務を担う専門人材を派遣してまいります。こうした支援を行っていくことで、国として全面的に支えていきたいと思います。

(内閣広報官)
 予定をしておりました時間が経過いたしましたので、以上をもちまして安倍総理の年頭記者会見を終了させていただきます。
 皆様、御協力どうもありがとうございました。

(安倍総理)
 ありがとうございました。

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