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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成27年4月27日ハーバード大学ケネディ・スクールにおける安倍内閣総理大臣スピーチ

 冒頭、ネパールにおける震災で亡くなられた方々に対し、哀悼の意を表します。日本は既に緊急援助隊の派遣を決定しました。日本はアジアの友人として、あらゆる協力を惜しみません。
 皆様こんにちは。ナイ教授のお力添えで大勢の人たちに会え、嬉しく思います。ケンブリッジ・コミュニティーの方々が何を知りたがっているのか。私自身、大いに興味があります。質疑応答の時間が楽しみでもありますし、どきどきもしています。
 私の内閣には二人、ケネディ・スクール出身者がいます。厚労大臣の塩崎恭久さんと、農水大臣の林芳正さんであります。担当分野で、何十年ぶりという大改革を進めていただいています。
 改革は、たとえその経済合理性に十分説明がついても、周到な政治プロセスを作り上げない限り、成功はしません。
 政治プロセスとは、議会と内閣の関係、与党と野党の関係、そして利害関係者や国民、更にはまたマスコミとの関係です。これを適切にマネジメントできなければ、改革は成就できません。
 改革を支持する人たちは、多くの場合、多数派です。しかし同時に、モノを言わない多数派でもあります。そして、それに対し、既得権をもつ人たちには、常に発言の場が用意されています。
 改革は、政治資本を、政治的な資産を、消費します。歴史が教えるところ、私の国では、ひとつの政権は、ひとつかふたつ、大きな改革を手がけることができればそれで精一杯でした。
 それでも私は、矢継ぎ早に改革を進めてきました。これからも、恐れずやります。なぜかというと、いまの日本には、過去のどの時点と比べても、改革を求める意欲が広く国民の間に高まっていると信じるからです。
 長引いたデフレ、そのせいで冷えた民間需要、高齢化で貯蓄率が下がり、経済のマクロバランスは悪化する。私の役割は、こういう環境の中 、国民に、もう一度あの、「小さな機関車」のつもりになれるよう仕向けることです。
 経済学が教えるように、日本経済を伸ばすには、労働生産性を上げるしかありません。わたしの改革は、女性の活躍を促すことにしろ、外国から知恵と資本を入れることにしろ、さらにはTPPにしても、日本で続いた長年の慣行に風穴を開け、イノベーションを開花させる点、その一点に的を絞っています。
 未来に自信を持てる若者を育て、そんな若い世代が日本の経済をさらに強くしていき、グローバル・イシューに取り組んで、日本の価値を高めていく。そういう好循環を作るのが、作っていくのが、私の望みです。日本がまさにこのことによって、米国やアジアの国々にも、必ずや利益をもたらすでしょう。
 日本が強くて、頼りがいのある国になると、リバランスを進める米国にとって、利益になります。そして、強い日米同盟は、地域と世界の利益になる、私はそう強く確信しています。
 グローバル・イシューというと思い出すものは何ですか。エボラ? 気候変動? 途上国における女性の地位でしょうか。すべての分野で、日本と米国が手を組むと、付加価値を倍加できます。
 アマルティア・セン教授らと一緒に、「人間の安全保障」という概念を唱え、普及してきたのは日本でした。貧困との戦いに勝つには、一人ひとりに力をつけなければなりません。そう考えるのが「人間の安全保障」の精髄です。
 その一つが、女子教育。先日、ミシェル・オバマ大統領夫人が訪日された際には、これを共通の開発議題にするということを発表しました。日米は、災害に対する協力も前進させています。例えばフィリピンや東南アジア諸国で、一緒に救援、復興の能力増強を図っています。今後とも我々はこうしたことをしっかり進めていきたいと思っています。
 と、いうように、私は、いまや日米の同盟は、グローバル・イシューとの闘いに、その価値を見出す時が来たと考えます。
 最近、いくつかの調査結果が、東京を世界有数の美しい街として挙げてくれて、嬉しく思っています。
 2020年にオリンピック・パラリンピックを開く東京は、これからもっと世界に開かれた街になっていきます。東京のほかにも、隠れた宝石たちが、皆さんを待っています。大変革のさなか、まるで量子的飛躍を遂げつつある日本に、来て、見ていただきたいと思います。日本の若者にも、ハーバードへどんどん行ってほしいと思っています。
 最後にもう一度言いますと、改革には、抵抗がつきものです。社会からは、抑え込もうとする圧力が加わります。しかし思慮深く下した判断であるならば、やり遂げなくてはなりません。それが自分の責任だと思っていた時、JFKの残した言葉が甦りました。
 リーダーシップとは何か。若きジョン・F・ケネディは、それをgrace under pressureだと表現しています。私もそうありたい。そう思っています。これでおしまいにしましょう。質問にお答えしたいと思います。最後に改めて、ナイ教授に今回のアレンジへの感謝を申し上げます。

 
2015年4月27日
日本国総理大臣 安倍晋三

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