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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成28年9月23日内外記者会見

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【安倍総理冒頭発言】
 大きな獲物をじっと待つ一人の老人が、カリブの海で繰り広げる、あの壮大なドラマを思い浮かべながら、今回、日本の総理大臣として初めて、ここキューバを訪れました。文豪アーネスト・ヘミングウェイが愛した、美しい海に惹かれ、キューバには今、年間一万人を超える観光客が日本から訪れます。そして、この地では、現在も1500人近い日系人の皆さんが活躍しておられます。昨日、お目にかかる機会を得ました。
 ホセ・マルティ。「キューバ建国独立の父」の名を冠した、白ユリの花を、キューバの大地に根付かせたのは、85年前、日本から移り住んだ、一人の若者でありました。今もキューバの人々に愛される、この花が象徴するように、日系人の皆さんは、一世紀以上にわたり、持ち前の勤勉さで、幾多の困難も乗り越え、この地で深い信頼を勝ち得てこられました。まさに、日本とキューバの「架け橋」であります。改めて、心から敬意を表したいと思います。
 今回、ラウル・カストロ国家評議会議長と会談を行い、経済協力を本格化することで、合意いたしました。キューバの旺盛な成長需要に対し、医療分野を始め日本の質の高いインフラを提供する。官民が一体となって、キューバへの投資を拡大していきます。
 キューバは、非同盟諸国に大きな影響力を持つ国でもあります。今後、国際社会の諸課題にも、協力して取り組んでいくことでも、一致いたしました。400年に及ぶ日本とキューバの友好の歴史に、新たなページを開く。そうした訪問になったと考えています。
 フィデル・カストロ前議長に、前回、日本にお越しいただいたのは、13年前のことであります。その際、被爆地・広島に足を運んでいただきました。「人類は、このような経験を、二度と繰り返してはいけない。」。あの時の、前議長の言葉は、今も、私たち日本人の胸に深く刻まれています。
 4か月前、オバマ大統領も、米国大統領として初めて、広島を訪れました。71年前、原子爆弾がもたらした悲劇、被爆の実相に触れることは、「核兵器のない世界」への大きな力になると信じます。
 日本は、唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」を目指し、キューバを始め、国際社会と連携して、努力を重ねていく決意であります。
 そうした国際社会の願いを踏みにじり、今月、北朝鮮が核実験を強行しました。断じて容認できません。弾道ミサイルの発射を繰り返しており、今までとは異なるレベルの脅威となっています。
 この新たな段階の脅威、北朝鮮による明確な挑発に対して、国際社会は一致団結して、これまでにない、断固たる対応をとらなければならない。私は、国連総会の場でそのことを強く訴えました。同時に、拉致問題の即時解決に向けた国際社会の協力を強く訴えました。
 既に、日米韓の3か国が連携をして、国際社会への働きかけを強めています。ニューヨークでは、アメリカのオバマ大統領、イギリスのメイ首相と、新たな安保理決議の採択を目指し、緊密に連携していくとの強い意思を確認しました。G7もまた、動いています。日本は、議長国として、リーダーシップを発揮する考えです。
 中国の李克強総理とも、北朝鮮問題に対し、日中で連携して対応していくことで一致しました。ロシアとも外相会談を行い、連携を確認しました。関係国との協力も、一層強化していきます。
 国連の安全保障理事会が、この深刻な脅威に対して実効的な措置をとることができるか、世界の平和と安定のため、その役割と責任を果たすことができるかが、今、問われています。非常任理事国として、日本は、安保理の対応を、全力でリードしていく決意であります。
 シリア情勢、地域紛争、難民の問題、更には、気候変動や持続可能な開発。国連が立ち向かうべき課題は、山積しています。創立から70年以上を経て、国連に対する期待は、ますます高まっています。加盟国も51から193へと拡大しました。
 そうした時代にあって、国連の改革は、待ったなし。とりわけ、安保理改革が、急務であります。54もの国々を擁するアフリカには、一つとして常任理事国がありません。70年前の国際情勢をそのまま残したに過ぎない、安全保障理事会の現在の構成を見直し、世界の様々な課題に立ち向かうため、その機能を強化していくことが必要です。日本は、世界第3位の経済大国として、また、アジア太平洋地域の平和と繁栄に大きな責任を有する国として、その役割を果たす決意であります。
 異常気象による災害と闘っている太平洋の島嶼国との首脳会談では、気候変動問題への日本のリーダーシップに大きな期待が寄せられました。パリ協定を早期に批准し、その責任をしっかりと果たしていく考えです。
 来週から、いよいよ臨時国会が始まります。今回、世界の経済・文化の中心であるニューヨークで、日本の和食や観光の魅力をアピールしました。「女性が輝く社会」に向けた我が国の強い決意も発信しました。日本には、まだまだ大きな可能性がある。そのことを、改めて実感しました。
 世界を代表する投資家や経営者の皆さんに、直接、進化を遂げるアベノミクスについて説明する機会も得ました。日本が構造改革を断行する。そのことへの大きな期待を感じました。
 英国のEU離脱、失速する新興国経済。世界経済が様々なリスクに直面する中、補正予算、TPPなどあらゆる政策を総動員して、アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げていく。臨時国会は、「アベノミクス加速国会」であります。これからも、経済最優先。全力で取り組みたいと思います。

【質疑応答】
(NHK 原記者)
 北朝鮮情勢について伺います。総理は、国連安保理の議論を先導していく考えを今も強調されましたが、北朝鮮は従来の国連安保理決議を一顧だにせずミサイル、核開発を推進しています。北朝鮮の態度を変えるためには、具体的にどのような対応が必要だとお考えでしょうか。また、中国の積極的な協力が得られる見通しは立っているのでしょうか。あわせて北朝鮮との対話を今後検討していく余地はないのでしょうか。

(安倍総理)
 北朝鮮の今回の核実験は、新たな段階の脅威であります。これに対する対応も、全く異なるものでなければならないと考えています。
 北朝鮮に対しては、このまま核・ミサイルの開発を続けていけば、北朝鮮はますます国際社会から孤立をし、その将来を切り開いていくことができない、そのことを判らせなければなりません。北朝鮮への人、モノ、資金の流れを厳しく規制する安保理決議、そして我が国独自の措置を断固としてとっていく必要があります。
 中国の役割は非常に重要であります。まさにこの新しい制裁を実行あらしめるために鍵となる、と言ってもいいと思います。
 国連総会の機会に、私から直接、李克強総理に対し、北朝鮮問題に関する連携を強く求めました。引き続き、中国に対して、積極的な役割を果たすよう様々なレベルで働きかけていく考えであります。
 北朝鮮とは、対話のための対話では意味がないわけでありまして、北朝鮮が真剣に対話に応じるよう、厳しい圧力をかけていく必要があります。「対話と圧力」、「行動対行動」の原則の下、臨んでいく考えであります。

(キューバラジオ・テレビ協会 アカンダ氏)
 おはようございます総理。フリオ・アカンダと申します。キューバラジオ・テレビ協会の記者です。今現在、両国間、つまり日本とキューバの間では、たとえばハイレベルな政治対話、貿易関係、協力関係、文化関係、政治関係についてなど良好な環境が醸成されています。最近は、多数の例がありますが、両国間ではどのような新たな分野及び要素で更に関係を深化させることができるとお考えでしょうか。

(安倍総理)
 私は日本の総理大臣として初めて妻とともに、この美しいキューバを訪問することできて大変嬉しく思っています。この訪問を契機として、日本とキューバの関係を力強く発展させていきたい。そう考えています。
 キューバが経済や社会の現代化を進め、そして米国との関係を改善していく中で、世界中が今キューバに注目をしています。日本は官民を挙げてキューバの発展に貢献していきます。医療、農業そして教育などから始まり、本格的な経済協力の推進のため、JICAの事務所を開設することといたしました。
 日本企業はキューバの発展にとって信頼できるパートナーとなります。キューバの投資環境の改善と相まって、ラウル議長と手を携えて、日本企業の進出、そして新しい投資を促進していきたいと考えています。
 両国の関係は、経済分野だけにはとどまりません。観光分野では、近年、日本人渡航者が急増し、本年は、2万人に迫る勢いとなりました。今回、私の貴国訪問が日本に広く報道されれば、さらに国民の関心も高まり、多くの日本人がこの美しいキューバを訪れることになると、私はそう確信しています。
 人的交流分野では、日本の早稲田大学及び東京外国語大学とキューバのハバナ大学の間で協力協定が署名されました。これは、今後の留学生や教員の交流の基盤となるものであり、大変喜ばしく思っております。
 スポーツ分野においては、両国とも野球が国民的なスポーツとして大変な人気があります。2020年の東京オリンピックでは、野球が再び公式種目として採用されます。是非キューバ代表と日本の代表が決勝戦で金メダルを争うことになることを期待したいと思っています。日本でもプロ野球選手として巨人のメンドーサ選手や千葉ロッテマリーンズのデスパイネ選手が活躍をしていることは日本人の多くが知っています。
 こうした様々な分野での協力を再び拡大をしていこう、昨日もラウル・カストロ議長と、お話をいたしました。二人でしっかりと手をあわせて様々な分野で日本とキューバの関係を発展させていきたいと思います。

(朝日新聞 石松記者)
 帰国直後に始まる臨時国会についてお尋ねします。先ほど総理もアベノミクス加速国会と位置付けられていましたが、TPPに関して、ニューヨークで会談されたヒラリー・クリントン氏を始め、米国内でTPP反対論が強まっています。国の内外でTPPの理解を広め、最終的にTPP発効に至るまでにどのような働きかけを総理として考えているのでしょうか。
 臨時国会では、憲法改正を本格的に議論させるということをかつてから総理はおっしゃっていますが、自民党内の憲法改正を担当する幹部を入れ替えた狙いと、蓮舫新代表が民進党の代表に就かれましたが、新たに民進党に対しどのように協議入りを呼びかけていくのでしょうか。

(安倍総理)
 TPPによって、「世界の4割経済圏」が生まれます。21世紀のルールによる自由で公正な経済圏であります。このTPPによって、技術のある、例えば中小企業、そして農家にとっても大きなチャンスになります。中小企業にとっては、しっかりとしたルールによって守られますから、自分の技術が盗まれてしまうのではないか、あるいは中小企業ですから、新たな例えば税制等、様々な法令の変化によって損害を被るのではないか、という心配がこれまでずっとありましたが、中小企業がまさにこの新たなルールによってしっかりと守られている中において、自分の強みを生かして海外に飛躍していくことが、中小企業、小規模事業者にも可能になったと言ってもいいのだろうと思います。そして、日本の農家は今まで真面目にコツコツと美味しくて安全なものを作ってきました。そうした付加価値が評価される市場が開かれることになります。
 「自由化は、大企業や富裕層のみを豊かにする」、こうした誤解があります。そうした誤解を我々はしっかりと解いていく。そしてそれは国際的な規模において解いていく必要があります。グローバル経済は、一部の強者と多数の弱者をつくっていく、そういうことにはならないんだということを、しっかりとした対策を打っていけば、そうしたことにはならないんだということを説明していく必要はあると思います。
 東アジアサミットの際にオーストラリアのターンブル首相やニュージーランドの首相ともお話をしました。また、マレーシアの首相、あるいはシンガポールのリー首相としっかりと我々がTPPの批准を進めていこうということについて一致をしたところでありますが、国際競争に立ち向かうための対策を示しながら、またそうしたことを丁寧に説明しながら、若い人たちが、そしてたくさんの人たちが未来に希望を見出していくことができるんだ、そういう理解を得ていきたい、ともに未来を切り拓いていきたいと考えています。
 そして昨年11月に、全12か国の首脳がTPPの早期発効を目指すことを確認しました。オバマ大統領は、本年中の議会通過に向けて尽力しています。また一昨日ニューヨークで会談したバイデン副大統領ともTPPの早期発効に向け、日米双方が努力を続けていくことで一致しました。日本の国会の承認が得られれば、TPPの早期発効の弾みとなりますし、臨時国会でTPPの承認が得られ、関連法案が成立するよう、全力で取り組んでいきたいと考えています。
 また、民進党は新しい執行部が発足しました。「対案を出していく」ということを蓮舫代表も述べられておられる。ただ反対するのではなくて、対案を示しながら、議論を深めていく、それが建設的な議論に繋がっていくことを期待しています。
 憲法について党と相談しながら新しい体制ができたところでありますが、憲法改正は自民党の党是であります。他方、憲法改正は国会が発議をし、最終的には国民投票で決まります。まさに国民が決めます。それが一般の法律とは違い、一般の法律であれば衆議院・参議院でそれぞれ可決されれば成立しますが、憲法の場合は、まさに国会が発議をし、決めるのは国民の皆様です。その意味において国民的な議論を深めて行く必要があるだろうと思います。それぞれの自民党の担当者の皆さんにはその努力を深めてもらいたいと期待しています。そのために必要な体制にしていきたいと考えております。

(グランマ紙 イラムシー記者)
 米国のキューバに対する経済封鎖は日キューバ関係にどのような影響があるでしょうか。

(安倍総理)
 日本とキューバとの経済関係は、かつては債務問題により自ずと制約に直面していた時期もありました。今回の債務軽減措置によって、そのような時代は終わりを告げることになります。
 キューバには、交通やエネルギー分野を始め膨大なインフラ需要が存在しています。教育水準が高い、そして、治安も良好です。北米とヨーロッパを繋ぐハブとなり得る位置にあります。このように、キューバは、日本にとって非常に魅力的な投資先でもあります。
 米国の対キューバ経済制裁が緩和されるとともに、キューバ側による投資環境の整備の努力と相まって、日本企業との貿易や投資もますます促進されていくと期待しています。

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