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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成28年12月13日WAW!2016公開フォーラム 安倍総理スピーチ

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ようこそ、WAW!へ。そしてようこそ東京へ。例年は8月末に開催しているWAW!ですが、今年はTICADの日程と重なり、この時期の開催となりました。
 日本では、年末になるとセールが始まります。12月のWAW!は今年限定です。ですから、海外からお越しの皆様、このチャンスしかありませんから、是非今年は、日本で高品質だけれどもお買い得な、日本製品をどんどんお土産に、また御自身のために、お買い上げいただきたいと思います。ついトップセールスの癖が出てしまいましたが、今日の私のミッションは、ウィメノミクスの推進です。
 第3回目を迎える今年は、「WAW! for Action」。「行動するWAW!」です。「行動」を通じて、「意識」を変える。そして、あらゆる人が、様々な制約を乗り越えて、自分らしく活躍できるような社会を目指していきたい、そう考えています。
 今回のWAW!で特に光を当てたいのは、働き方改革、女性のリーダーシップ、そして女性が担う、平和で安全な社会づくり、の3つです。

 子供を産むと、仕事を続けにくい。女性の活躍を阻む大きな壁です。女性が、仕事と家庭を無理なく両立し、活躍できる環境をつくる。「働き方改革」は、そのための最大かつ最優先のチャレンジです。私が先頭に立って進めてまいります。来年3月までに実行計画を作成します。
 産業界にとってはなかなか大変な改革ではありますが、ここにおられる榊原経団連会長は、正に女性の味方です。そうですね。大きく頷いておられますから間違いないんだろうと思います。御協力いただきながら、進めたいと思います。
 まず、長時間労働の是正です。日本の企業文化やライフスタイルに根差したものですが、正面から取り組んでいきます。時間外労働の上限規制を含め、実効性の上がる措置を取りまとめ、関連法案を早期に国会に提出します。
 さらに、「正規」と「非正規」の理由なき格差を埋めていきます。日本では、女性の半分以上が「非正規」として働いています。その賃金は、「正規」より4割低い。これが大きな問題です。だからこそ、「同一労働同一賃金」を実現します。賃金はもちろんのことですが、福利厚生や研修機会といった処遇全般について対処します。
 今月中に、ガイドライン案により、どのような賃金差、処遇差が非合理的で、どのような差は問題とならないかを具体的に示し、関連法案を早期に国会に提出します。
 企業が働き方を見直すためのインセンティブも導入しました。今年度から、国の調達において、「ワーク・ライフ・バランス」を推進する企業を加点評価しています。同様の仕組みが、独立行政法人や地方公共団体、民間企業の調達で広がることを期待します。
 子供を産んでも仕事を続けられるための支援を強化していきます。
 既に、2014年には、育児休業開始後6か月までの「育児休業給付」の比率を50%から67%に引き上げました。
 2013年には、保育の受け皿の整備を加速するため、2017年度末までの整備目標を40万人分としていましたが、昨年、これを50万人分へと上積みしました。
 これらの取組もあり、子育て世代の女性の就業率は加速的に増え、昨年には約72%に達しました。
 その結果、保育所の申込みが更に増えていますが、地域ごとの状況にきめ細かく目配りし、保育の受け皿を整備する自治体を支援していきます。
 また、保育士がキャリアアップの意欲を高めて仕事を続けられるよう、技能・経験を積んだ職員について、全産業の女性労働者との賃金差をなくします。
 子育てのために仕事を離れたが、子供が大きくなったので、再び働きたい。しかし、キャリアにブランクがある。正社員として採用してもらえない。
 このような女性が、大学等における「リカレント教育」を受け、その後、再就職支援を受けることで、それぞれのライフステージに合った仕事を選択しやすくしてまいります。
 例えば、職場で求められるスキルに直結する専門教育講座の受講料を、離職後10年まで、最大で7割補助できるようにします。受講中に利用できる保育施設の確保も支援していきます。育児と両立しやすい求人情報が大学に届く仕組みもつくります。
 テレワークは、子育てをしながら働き続けるために有効な手段です。
 これまでは、在宅勤務に限定されていたテレワークのガイドラインを、モバイル機器が普及している現状に合わせて改定し、併せて、長時間労働を招かないよう、労働時間管理の仕方も整理します。働き方改革は、男性の意識が変わらなければ成功しません。家事や育児は夫婦で共に担う。子供が生まれた直後から夫が育児に取り組めるよう、男性の「育休」に加え、妻の出産直後の休暇、いわば「男の産休」の取得を推奨していきます。
 まず隗より始めよ。妻が出産する国家公務員には、全員、妻の産休中に数日間の休暇、つまり「男の産休」を取得してもらいたいと思います。
 家事をしないことで悪名高き、私は違いますが、日本男性たちにとっては、いよいよ名誉回復のチャンスだと思っています。

 データが証明しています。女性役員が1人でもいる企業は、男性だけが役員を務める企業より、破綻する確率が2割も少ない。よく申し上げていることでありますが、もし、あのリーマン・ブラザーズがリーマン・ブラザーズ・アンド・シスターズであったら、破綻せずに済んだかもしれません。
 UN Womenは、女性活躍を推進する10人の首脳の1人に私を選んでくれました。光栄でありますが責任重大であります。ムランボ=ヌクカ事務局長から発破をかけられながら、他の男性リーダーたちを巻き込んでいきたいと考えています。
 2年半前、女性の活躍を応援する男性リーダー9人が官邸に集まり、その「行動宣言」を発表しました。今や136人の男性リーダーがこれに賛同しているのは大変心強い限りであります。
 女性たちには、リーダーに登用されるための資質を磨いていただきたい。来年1月には、ハーバード・ビジネススクールの教授陣と連携し、幹部候補の女性を対象にした研修プログラムが実現します。インスタグラムのマーニー・レヴィーンCOOに続くような女性リーダーが日本の産業界を牽引する。一日も早くそんな日が到来することを期待します。
 理工系の分野でも、女性にもっと活躍していただきたいと思います。現在、研究者に占める女性の割合は、世界全体で約28%。日本では約15%にすぎません。この分野に女性の発想やアイデアが入っていくことでイノベーションが促進されます。
 伊勢志摩サミットで、G7リーダーがこの信念を共有し、進路を考えている若い女性に理工系分野で活躍する先輩女性と出会う機会を提供することとしました。先ほど、「WINDS」特別イベントが開催されました。多くの次世代の女性が、ロールモデルに刺激を受け、後に続くことを期待しています。
 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、スポーツにおける女性の活躍も後押ししていきます。
 本日、伊調馨さん、三宅宏実さん、辻沙絵さん、成田真由美さん、4名の女性オリンピアン・パラリンピアンにお越しいただきました。そして元サッカー日本代表の澤穂希さんからビデオメッセージをいただきました。
 政治においても、女性の参画やリーダーシップを高めていかなければなりません。
 ここにおられる小池東京都知事や、あるいはまた、先日会談したアウン・サン・スーチー・ミャンマー国家最高顧問は、東京、そしてミャンマーで、初めてガラスの天井を打ち破りました。小池都知事の場合は、我が党の候補を打ち破ったわけでありますが、祝福したいと思っています。この拍手をどう受け止めていいか、複雑な心境でありますが、やはり、女性の新たなリーダーの出現は、政界に大きな影響を与えると思っています。
 参議院議員に占める女性の割合は、今年7月の選挙によって、過去最高の約21%となりました。安倍政権は、多くの女性を重要閣僚に任命してまいりました。この機運を更に高めていきたいと思います。

 紛争が起きた時、女性は大きな危険にさらされます。立場が弱い女性は、最もないがしろにされやすい存在であり、女性からの悲痛な声は、女性から発せられたというだけで、優先順位の低いものとして扱われている現実があります。女性への暴力、特に紛争下の性的暴力の恐怖は、筆舌に尽くし難く、国際社会がこの現実から目を背けることは許されません。紛争下において、女性の視点を組み込むことで、国際社会の対応は飛躍的に改善します。マリエット・スクールマンNATO女性・平和・安全保障担当事務総長特別代表も、賛同してくれると思います。
 ここに1人の女性を紹介したいと思います。平原弘子さん。厳しさが増す南スーダンの地で、国連PKOミッションの地方事務所長として活躍しておられます。平原さんは、避難民を保護し、現地の女性に、部族・地域を越えて平和をつくることの大切さを伝えています。平原さんのような女性が、最前線で女性を守り、部族間の対話などに率先して携わるロールモデルになっているからこそ、南スーダンの女性たちも声を上げられる、意見を言える。国際社会にとっても地域コミュニティにとってもかけがえのない彼女のような人材を、更に増やしていきたいと思っています。
 防災分野においては、昨年3月の国連防災世界会議の際に、日本は女性に焦点を当てました。2030年までの行動枠組として採択された「仙台防災枠組」には、女性のリーダーシップの重要性が初めて明記されました。先月も、「世界津波の日」に合わせ、国連と連携して、女性のための防災に関するリーダーシップ研修を行いました。日本はこの分野でも国際社会を牽引して具体的な貢献を行っていきます。
 母子保健の確保も、生命に直接関わる重要な課題です。紛争、防災といった極限の状況の中でも、生まれてくる命があります。困難な状況の中で傷つき痛んだ人々にとって、新しい命は、希望そのものです。母親の健康を守り、誕生した子供に十分な栄養を与えること。過酷な状況下で、明日への希望を育み、未来を紡ぐために、国際社会が一体となって取り組まなければなりません。

 本年、私はG7議長として、伊勢志摩サミットで、「女性の能力開花のためのG7行動指針」を取りまとめました。さらに、史上初めて、G7の全ての閣僚会議において、女性を議題に取り上げました。
 私の情熱とコミットメントは、議長の役割を終えても変わりません。途上国における女性のために、権利の尊重、能力発揮のための基盤の整備、そしてリーダーシップの向上を重点分野として、2018年までに総額約30億ドル以上の取組を着実に進めることを、この場で表明いたします。
 「WAW! for Action」。世界中で率先して「行動」している皆様の英知をここ東京で結集させる。そして「行動」に変えていく。この先、日本で、そして皆さんの国で「女性の輝く社会」が実現するよう、互いに学び合い、共に行動し、世界を一緒に変えていこうではありませんか。
 御清聴ありがとうございました。

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