「女性リーダーのための経営戦略講座」レセプション

平成30年1月19日
挨拶する安倍総理1 挨拶する安倍総理1
挨拶する安倍総理1
挨拶する安倍総理2 挨拶する安倍総理2
挨拶する安倍総理2
挨拶する安倍総理3 挨拶する安倍総理3
挨拶する安倍総理3

 平成30年1月19日、安倍総理は、都内で行われた第2回「女性リーダーのための経営戦略講座」レセプションに出席しました。

 総理は、挨拶の中で次のように述べました。

「この部屋に入ると大変華やかな雰囲気でありまして、何となく気持ちがうきうきしてきたところであります。皆さんに、女性リーダーのための経営戦略講座の修了証が授与されるということを伺い、駆けつけさせていただきました。
 この講座は昨年に続きまして2回目であります。女性のリーダーが日本で増えるように、ハーバード・ビジネス・スクールの協力を得てスタートしました。正に女性の活躍を日本は必要としているわけでありますが、バダラッコ、モス両教授には、再び東京までお越しいただき本当にありがとうございます。そして竹内教授には、日本と米国の懸け橋となって、今回の講座にも大変な御尽力をいただいたことを御礼申し上げたいと思います。今年は年男になりまして、5回目でしょうかね。実は6回目でありまして、凄(すご)いエネルギーであります。集中力を保ちながら学んでもらうため、合宿方式にしたと伺いました。1週間を終えて今はくたくたかもしれませんが、同時に、達成感と新たな仲間、同志と言ってもいいんだと思いますが、そういう皆様が、仲間は、新たな財産になるのではないかなと、このように感じます。
 私は一昨日、欧州訪問から帰りました。4泊6日という日程でありました。4泊6日で6か国を訪問するという、外務省には少しゆっくりしてくれと言わないとどんどん、どんどん日程を入れるものでありますから、60を超えるとちょっと駄目だ、つらいなというものがあるんですが、ちょっとつらいなという雰囲気を見せると、政治という世界は怖いですから、がぶっとくる人がいますからね、そういう姿はなるべく見せないようにしているわけであります。これまで日本の首相が訪問したことのない国々ばかりでありまして、日本の総理として初めて訪問した国々でありました。バルト3国もそうなんですが、ブルガリア、セルビア、ルーマニアもそうなんですが、例えば、かつて私が行ったポルトガルなんかも、私が日本の総理大臣として初めて訪問したんですね。関係ができたのは450年前ですから、ポルトガルの皆さんには450年間待ってましたと言われたんですね。これは、一つはやはりある程度長い期間総理を務めると、いろんな新たな国に行く機会が出てくるのかなと。どうしても短い期間ですと、絶対行かなければいけない国を回って終わると。
 何年も私が長い間やった方がいいということを、殊更、そういうことを言うと後ろにいる人たちが使いますので、そういう意味ではないということは申し上げておきたいと思います。
 いずれにしろ、新しいことに挑むということは新しい発見が増えるわけでありまして、それが自分の経験や知見に合流することで、思考の熟度が増して、行動の幅が広がっていくのではないのかなと思います。皆さんも、こんな思いを今回もされたのではないのかなと思います。しかも皆さんが学んだ相手は世界最高峰のビジネス・スクールの教授陣でありまして、一流を体験することで自分も高まっていくのではないのかなと、このように思います。
 私は、政権発足以来、女性の活躍を政策の中心に据えました。そして結果、働く女性は150万人増えたわけであります。ただ、企業の女性役員の数では、この5年間で2倍以上に増えているものの、欧米の先進国に比べるとまだまだという水準だと思います。
 昨年の講座修了後、早速、参加者の1割以上の方が役員に昇進したというふうに伺いました。今年は、昨年のその他の参加者に皆さんが加わりますので、更に多くの女性役員の誕生に期待しております。先ほど先生方から伺ったのですが、今年は特別優秀だったと、これ、私お世辞で言っているのではありません。政治家はたまにお世辞を言いますが、これは本当のことであります。皆さんそうおっしゃっておりますから、恐らく昨年以上に誕生するのではないのかなと思います。
 皆さんへの期待は、ただ自社の幹部を目指すことだけではないと思います。価値観やものの見方が多様化してきているこの国で、女性ならではの発想と行動で、様々なニーズに応えていただきたいと思います。生産性の向上というときに、時間当たりの売上げを増やすだけではなく、使い手が豊かになった、気持ちが和らいだ、あるいは安らいだと感じる製品や社会の仕組みを作るのも大変重要なことだと思っています。
 また、時間を大事にすることでも部下に対して範を示していただきたいと、このように思います。先ほど教授からは、女性がなかなか日本で頑張りにくい2つの理由として、長時間労働と、夜のお付き合いと、こういう話がありました。長時間労働については、昨年連合とも我々合意しまして、時間外労働の長時間の規制を、初めて罰則付きで入れる法律をこの国会に出すわけでありますから、これは大きく変わっていく。長時間働くことを自慢するこの文化を変えていく必要があると思いますし、あとまた、先生に申し上げたんですが、夜の一杯飲む付き合いというのも、随分もうほとんどなくなったんじゃないですかね。私が会社に入った頃から徐々になくなり始めていて、上司から誘われたら忙しいと言って、同僚や男女で飲みに行く場合は参加するということはありますけれども、だんだん会社の延長での、というのはなくなり始めてきているのかなと。ですからそういう文化も更に変えていく必要があるのかもしれないなと思います。男性だけなら、仕事もそこそこに酒の席にそのまま延長、なんてことになりかねませんが、女性の皆さんと一緒に仕事をしていれば、なかなかそういうことにはなりにくいのではないのかなと思います。
 これまでの常識を越えたものが求められる中で、将来を見据えながら、女性のセンスで、会社に新しいミッションを与え続け、自分はもとより、又は自社はもとより社会の生産性も向上させていただきたいと、このように思います。
 皆さんの活躍が、自分を変え、会社を変え、そして社会全体を、日本を、世界を変えていく。そういう気持ちでこれからも大いに活躍していただきたいと思います。そして、社会が女性の役員昇進の実感、役員昇進がどんどん進んでいくという、そういう、皆さんが実感を持っていただける、そのように変化をしていくことを、私は大いに期待しているところであります。
 今年も皆さんと力を合わせて前進していきたいと、こう思っております。常に私が言うことなんですが、リーマンブラザーズがもしリーマンブラザーズ&シスターズだったら倒産しなかっただろうと、こう言われています。つまり多様性が求められているわけであります。多様性は会社を強くする、あるいは組織を強くする。様々なニーズに応えることができるようになっていくわけでありますから。今、日本はその大きな変わり目にいるわけでありまして、皆さんがこれからますます大いに活躍していただくことを期待いたしまして、御挨拶とさせていただきたいと思います。御清聴、ありがとうございました。」

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