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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成29年12月15日共同通信加盟社編集局長会議 安倍総理スピーチ

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 いよいよ今年もあと半月となりました。この会議には、私も何度か出席させていただきましたが、こんな年の瀬ではなく、大体10月か11月頃だったのではないのかなと、こう思 います。先日スタッフに確認しましたら、今年ももともとは10月という予定であったことが、何でこんな年の瀬なのかなと思ったのですが、解散総選挙によって突然のキャンセルにな った。突然のキャンセルというのは、こちらがキャンセルしたのではなくてそちらの方からキャンセルされたということでございますが、私も今までずっとこの国会がございましたから 、大変仕事がたまっていたわけでございますが、そもそも原因をつくったのは私の解散でございましたから、今日は万障繰り合わせて出席させていただいた次第でございます。
 選挙報道は、各地の新聞社の皆さんにとって、共同通信の会議に顔を出す暇もないぐらいの大イベントでありまして、とにかく予算がかかるという話も伺いました。そのため 、一部のマスコミの方からはもう既に、次の解散はいつですか、とこう聞かれているわけでございますが、大変気の早い方もおられるんだなと思ったのですが、あらかじめ申し上げてお きますが、全くの白紙であるということでございます。ただ少しだけサービスをさせていただきますと、今年中に解散するということは恐らくないと思いますので、今年の年末、そして 来年の年始はゆっくりと皆さんには過ごしていただきたいと思います。
 今週、今年の漢字に「北」が選ばれましたが、この解散総選挙でも大きな争点となったのは、緊迫する北朝鮮情勢への対応でありました。本年に入って、北朝鮮は挑発行動を 一気に活発化。2月から新型とみられる弾道ミサイルを立て続けに発射し、9月には6回目となる核実験を強行しました。私は、トランプ大統領と何度となく電話会談を重ね、日米、日 米韓の結束のもと毅然(きぜん)とした外交を進めてまいりました。ロシアのプーチン大統領とも機会あるたびに首脳会談を重ねるなど、国際社会と緊密に連携することで、国連安保理 で、北朝鮮に対して石油の輸出制限を含むこれまでにない厳しい制裁措置を全会一致で採択することができました。この決議の後、私は解散に踏み切るわけでありますが、この間北朝鮮 はしばらくミサイル発射を行いませんでした。国際社会の結束による強いメッセージを発し続けたことが、北朝鮮の政策を変更させる大きな力となります。
 先月の習近平国家主席との日中首脳会談でも、全ての国連加盟国がこの決議を厳格に履行していくべきことで一致いたしました。通常、石油関連製品の輸入が3割もカットさ れたら国民経済は成り立ちません。決議から3か月がたち、制裁の効果は間違いなく生じているはずであります。今後も、挑発が更に続く可能性がありますが、重要なことはこうした脅 かしに屈しないことであります。北朝鮮の方から、政策を変更するので話し合いたいと言ってくるまで、国際社会が連携して圧力をかけ続ける。そうすることで、北朝鮮の核・ミサイル の問題、そして最重要課題である拉致問題を解決してまいります。今月、我が国は安保理の議長国として、正に本日、北朝鮮問題に関する閣僚級会合を開きますが、今後とも国際社会の 取組を日本が主導していく考えであります。同時に、強固な日米同盟の下、高度の警戒態勢を維持し、いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしを守り抜く。これは政府の最も重 い責任であります。
 年が明ければ、防衛大綱の見直しに向けた議論も本格化します。専守防衛は当然の大前提としながら、北朝鮮の核・ミサイル技術の進展など、我が国を取り巻く厳しい現実に 真正面から向き合い、従来の延長線上ではなく国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていきたいと考えています。先の総選挙における、国民の皆さんの大きな負託に 応え、力強い外交・安全保障政策を展開してまいります。
 私たち連立与党は、総選挙で三度、3分の2を超える議席を頂きました。2012年、14年の総選挙と比べ、小選挙区においても比例代表においても、この3回で最も高い 得票を頂きました。余りこのことを御存じない方も多いのではないかと思います。残念ながら、この3回で一番高い得票数であったことは、余り報道されていなかったような気もしない ではないわけでございますが、今ファクトを申し上げているところでございます。大変身の引き締まる思いであり、その責任の重さを痛感しています。どんなに困難な課題にも、国民の 信任を力に真正面から立ち向かっていく。この国の行く末をしっかりと見据えながら未来を切り拓いていく決意であります。
 最大の課題は少子高齢化です。特に地方においては深刻となっています。全国知事会が少子化非常事態宣言を出したのは3年前のことです。この少子化の問題を克服するため に、先週、新しい政策パッケージを閣議決定いたしました。子供たちの未来に大胆に予算を振り向け、2020年に向かって我が国の社会保障制度を全世代型へと大きく転換していく。 消費税を使い、また経済界にも御負担いただき、併せて2兆円規模の財源を投入して、教育の無償化など人づくり革命を進めてまいります。誰もが幼児教育を受けることができる。どん なに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば大学や専修学校に行って学ぶことができる。70年前、日本国憲法によって実現した普通教育の無償化以来の大改革です。これだけの改革に 挑戦できるのは、国民の信任を得たからです。議論を始める前の入口の段階で選挙をやっていなければ、2兆円規模の恒久的な政策を新たに始めることはできなかったと思います。さら に来年の夏に向けては、雇用保険制度も活用しながらリカレント教育の大胆な拡充策について検討します。幾つになっても、誰にでも、学び直しとチャレンジをする機会をつくる。私は 、一億総活躍こそが少子化対策を克服するための王道であると考えています。高齢者の皆さんも、出産や育児で離職した女性の皆さんも、かつて何らかの事情で高校に進学できなかった 方々も、障害や難病のある皆さんも。一人一人が、その内に秘めた可能性を思う存分開花することができれば、全国津々浦々それぞれの地方はもっと元気になり、ひいては日本中が元気 になる。私はそう確信しています。
 宮崎の油津商店街は、つい数年前まで子供たちが通りの真ん中で野球をやるぐらいのシャッター通りでありました。
 4年間で20店舗の新規出店を実現する。
 このシンプルな目標を掲げ、2013年に始まったプロジェクトは見事4年間で20店舗を上回る29店舗の出店に成功しました。カフェ、ゲストハウス、IT企業、保育園 。商店街は新たな活力に満ちあふれています。商店街再生といえば、補助金などを使っていかに既存の店を誘致してくるか、という発想になりがちです。しかし油津では、店舗を誘致す るという発想を捨て、起業家を支援するようなアプローチをとりました。まずやる気のある人を探し出してきて、開業の準備から開業後の悩み相談まで、そのやる気を全力で応援する。 そうすると、油津出身の夫婦が福岡からUターンしてきて飲食店を開業しました。ある主婦の方は、一念発起で家庭料理の店を始めました。ケーキ屋さんの店長は、家族を連れて油津に 移住してきたそうであります。閉店したスーパーの跡地にできた交流スペースでも様々なイベントが行われています。地域の若者たちが企画したジャズライブや落語会。夏は、地元の高 校生が運営するお化け屋敷が恒例です。さらには、地元の漁師の皆さんが立ち上げたカツオのイベント。きんかん生産者の方々は、出荷解禁を祝うきんかんヌーボーというパーティーを 始めました。こうしたイベントには多くの人たちが集まります。しかし、一過性の集客ではありません。それが狙いでもないんです。ポイントは、こうしたイベントを通じて、若者たち を始め地元の人たちが自らのアイデアでどんどんチャレンジしようと思い始めたことであります。油津商店街に行けば、やりたいことが実現する。そういう何か、わくわくするような空 気感が、今、商店街再生の大きな原動力になっています。こうしたわくわく感こそが、地方創生の鍵であると私は考えています。
 5年間のアベノミクスによって、史上初めて47全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超え、その状態が続いています。そうした中で、深刻な人手不足に悩む中小・小規模 事業者の皆さんのためにも、生産性革命のうねりを全国に広げていかなければならない。そのため、昨日決定した税制改正大綱では、自治体の自主性に配慮しつつ、設備投資にかかる固 定資産税がゼロとなる初めての税制を導入することを決定しました。生産性をしっかりと上げていくことができれば、人手が少なくて済むだけではなくて、賃金も上げることができる。当 然一人一人の生産性が上がっていくわけでありますから、賃金も上げていくことが可能となっていきます。そうすれば、人手不足の解消にもつながると期待しています。今正に、私たち の政策によって労働市場がタイトになった。そうでないときには、生産性革命を進めていくことによってむしろ人手が余っていくという不安があるわけでありますが、人手不足となった 、経済が成長し人手不足となった今こそ、生産性革命を行っていく最大のチャンスになっていると、こう思っています。
 現状は、就職活動を行う若者たちにとって、近年にない売手市場となっています。この春、高校・大学を卒業した皆さんの就職率は過去最高水準であります。こうした中で、 買手である企業にとって重要なのは、やっぱりわくわく感なんだろうと思います。この企業に就職すれば、きっと新しいことにチャレンジできるという、そういう感覚であります。昔な がらのステレオタイプの仕事しかないと思われたら、なかなか若い人たちは応募してこないんではないかと思います。本日お集まりの皆さんの会社は、地域でも大変人気が高いですから 、恐らくそういう心配はないだろうと思いますが、ただもし万一この皆さんの中で、最近学生が集まらなくて大変だという会社があるなら、それは恐らく政治や経済のニュースが、従来 型のステレオタイプに陥っているからではないかと、こう思うわけであります。私は別に皮肉で言っているのではなくて心配をしているわけでありますが。本日も後ろで、総理番の若い 皆さんが取材していますが、来年は働き方改革が最大のテーマでありますが、若い記者たちが夜遅くまで夜回りをするという習慣はこの際捨ててしまう。彼らの真実を探求する意欲、そ して若い人の目線で自由に記事を書かせ、余り指導もしないと。思い切って記事を書かせていく。新しいチャレンジの場を与えるぐらいの斬新な編集方針を掲げるのも一案ではないかと 、こう思うわけであります。
 とにかく今、地方における最大の課題は若者の減少です。29歳以下の若者人口は、東京圏以外の地方では今世紀に入って15年間で500万人以上大幅に減少しているとい う現実があります。若者こそが、地方の活力の源であります。この流れを反転させなければなりません。その鍵も、わくわく感です。若者たちが、地方にこそチャンスがあると感じられ るような地方創生を進めていく。これが来週改定する、まち・ひと・しごと創生総合戦略の最大のテーマです。大学進学時に東京に出て行ってしまい、そのまま就職して故郷に戻ってこ ない。高校までの18年間、手塩にかけて育てた子供たちが、みんな東京にとられてしまう。来年は、地方大学の振興に全力で取り組みます。最近、わずかな唾液からガンを発見する画 期的な技術が山形で生まれました。鶴岡市に慶応大学が2001年に設立した先端生命科学研究所では今、世界中から研究者や学生たちが集まり、バイオ分野で世界初の挑戦がどんどん 生まれています。蜘蛛(くも)の糸は、地球上で最も強靱(きょうじん)な繊維だと言われていますが、これを人工合成し量産化に成功したベンチャーは世界的にも注目されています。 今は、地元の農産品をバイオ技術で分析し、よりおいしいトマトや生ハムを作るといった試みが大学と地場の企業との産学連携で進められています。地方大学が核となり、地元の特色や 知恵をいかしながら、地域活性化への新しい流れが生まれています。こうした取組を、私は全国に広げていきたいと考えています。
 東京にある大学と似たような拠点を、地方にたくさんつくってもそれは意味がありません。東京に追いつけ、という発想では永遠に勝つことはできないでしょう。むしろ、地 方それぞれの特色を存分にいかしながら、特定の分野においては世界レベルという大学を全国につくっていく。正に、キラリと光る地方大学をつくることで、世界中、日本中から、若者 たちが集まるような人の流れをつくり出し、地場の中小企業の知恵もいかしながら地方の活力を生み出していきたいと考えています。そうした地方大学の新たなチャレンジを後押しする ため、新しい交付金を創設するとともに、来年の通常国会に法案を提出いたします。学びの場としても、また、働く場としても、若い人たちが夢や希望を持って飛び込めるような地方の 創生を力強く進めていきます。
 最近はマスコミ各社の世論調査でも、全体の結果だけではなくて年齢別の数字をよく出すようになりまして、大変興味深く見ております。共同通信が実施した12月の世論調 査では、衆院予算委員会での与党の質問時間の割合が増えたことについて、妥当だとする人が47.4%で、妥当でないの42.8%を上回ったという結果が載っていました。この全体結 果と併せて、共同通信は、ちゃんと年齢別の分析も公表してくれています。大体私が何を言おうとしているか予測をしていると思いますが、そこを見ますと、妥当だと答えたのは、60 代以上では36%で全体より低い。ところが、30代以下の若年層では、なんと62.3%だったそうであります。2倍まではいきませんが大きな違いがある。これは投票行動においても そうなんですが、20代、30代と60代は大きく答えが違ってきているというのが、これは最近の現象ではないかと思います。念のため申し添えておきますが、質問時間は国会がお決 めになることでございますから、この結果について私がどうこう言おうというわけでは全くありません。ここのところは間違ってニュースにしないでいただきたいと、こう思うところで ございますが。
 私が申し上げたいことは、若者たちは上の世代に影響されることなく、自分たちの意見をしっかりと持っているということであります。SNSやユーチューブなど、インター ネットがこれだけ発達した時代にあって、若い世代は自分で多様な情報を集め、自分で判断するということなんです。だからこそ今、年代別の意識の違いが注目を集めているのではない かと思います。先般の衆院選の出口調査でも、NHKが年代別の投票先を公表していました。自民党に投票した人が最も少なかったのは、60代。私も60代でありますが、60代であ ります。32%です。それでも比較第一党ではありますが。私と同世代が一番低いというのは、随分私も同年代の方に嫌われたものだということで悲しい思いはするわけでありますが、 もしかしたら、ちょうど皆さんの新聞の愛読者層ではないかとも思いますので、もう少しお手柔らかにお願いしたいと思いますが、他方、最も人気があったのは、20代でありまして、 20代では50%の人たちが我が党自由民主党に投票してくれたわけであります。自民党の支持率が高いから持ち上げるというわけではありませんが、若い人たちは自分の意見をしっか りと持っている。私はここに、日本を変革するチャンスがあると思っています。
 東京にはいろいろなものがそろっています。便利です。だから東京一極集中はそう簡単に変わらない。一つ前の世代ぐらいまでの発想は、そういうものだったのではないかと 、こう思います。一つ前の世代、つまり私たち60代以上の世代はそう思っていたのではないかと思います。しかし今の若者は、自分の感性で良し悪(あ)しを判断し、自分の人生は自 分で決めることができると考えています。何かにチャレンジしたいと思っている若者は実は多いのではないかと私は思っています。実際、東京に住んでいる10代、20代の若者の5割 近くが地方への移住を希望している、というアンケートがあります。今までこんなことはなかなかなかったのではないかと思います。若い世代ほどずっと東京に住んでいこうと考えてい るのではないかという先入観を私たちは持っていましたが、そうではなくて逆に、10代、20代の若者5割近くが地方に行きたい、こう考えているんです。こちら側にいる皆さんの頃 はそういうふうに思わなかったんだと思います。恐らく若いときは東京で仕事をしたい、そうでは今ないんです。5割がそうではなくなっている。そういう若者に、しっかりと地方のす ばらしさを発信していく。地方にこそチャンスがある、と思える環境を整えていく。そうすれば、地方に向けての若者の大きな流れもきっと起こすことができると、私は考えています。 地方への人の流れをつくることはできないと考えていれば、絶対できないんです。チャレンジすれば私は、それを変えていく可能性は絶対にあると確信をしています。
 そのために是非、共同通信社の皆さんには、本日お集まりの加盟社の皆さんにも、御協力いただきたいと思います。どうか従来型のステレオタイプから脱していただいて、共 に、全国津々浦々、地方の未来を切り拓いていきたいと願っております。本日は、御清聴ありがとうございました。

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